あらすじ
「私はもう用済みってことですか!?」リストラ請負会社に勤める村上真介の仕事はクビ切り面接官。どんなに恨まれ、なじられ、泣かれても、なぜかこの仕事にはやりがいを感じている。建材メーカーの課長代理、陽子の面接を担当した真介は、気の強い八つ年上の彼女に好意をおぼえるのだが……。恋に仕事に奮闘するすべての社会人に捧げる、勇気沸きたつ人間ドラマ。山本周五郎賞受賞作。
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Posted by ブクログ
気がつけば読み終わっていた、そんな表現が似合う引き込まれる作品だった。
本作は5つの短編で構成されており、それらは繋がっているが、きちんと区切りが存在している。その上でひと息に全体を読んでしまったのは、疑いようなくこの作品のパワーに因るものだった。
この作品の色は、巻末の解説にも触れられるが、フィクションを素知らぬ顔で通せる表現力にあると考える。
「リストラ請負会社」、「偶然に繋がるファンドとの縁」、「企業の創設メンバーの首を斬る仕事」、「業界団体へのステップアップ」、こうして言葉に並べるとあまりにも都合のいい舞台設定が、いざ読んでみると違和感なく納得できる。
結果、都合のいい舞台は一貫性のある文脈を生み出し、最終的に作者の世界観、ないしメッセージ性を簡明に理解させる。極めて読後の満足感、本作を味わい尽くせたという納得が得られる作品だった。
敢えて苦手な点を挙げるのであれば、官能的な表現・展開が作品の骨子に流れている点だろうか。社会人の生き方の根幹にこうした性愛が存在するという作者の価値観だろうと思うが、ここの中々爛れた人物像は少し難しい部分ではあった。
Posted by ブクログ
こんなリストラ首斬りに特化した会社って、きっとどこかにあると思う。今のような細分化された社会では、見事な隙間産業だ。 でも首斬り専門にするって、メンタルを保ち続けることは一般人には難しいはず。それを冷静にこなし続けられる真介は、かなりな猛者なんだろう。
もっともバイクライダーに情熱を上げた経験がある、という設定はエスカレーター人生とは違う、野生味を感じさせるものだ。一度でも本気で何かに賭けたことのある人生って、天国も見ただろうし地獄も見ている分、深さもあるのだろうか。
物語として展開も面白く、こんな風に世の中を見られるのか、と感心した。これならドラマ化もあるのではないか。何人かそれぞれの会社員人生を自分目線で体感できる、楽しい小説だったり
Posted by ブクログ
おもしろいことは、確かにおもしろかった。
クビ切りを仕事とするリストラ請負会社の社員、村上真介の話。
自分が実際にリストラされてたら、読めないだろうなぁと思った。
タイトルだけで読めないよ。
読みやすくて、おもしろかったんだけど、ただ……。
この主人公の村上真介のことが、どうも私は好きになれなかった。
絶対友だちにはなれないタイプ。って、向こうも別になりたくなんかないだろうけどさ。
垣根さんは、ご本人も気の強い女性が好きなのかな?と思った。
『ワイルド・ソウル』に出てきた女性も、ケイを蹴飛ばしたりして気が強かった。
あと、きっと車とかバイクとか、そういうものも好きなのね…と思った。