垣根涼介のレビュー一覧
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圧巻の長編戦国小説。
明智光秀、石田三成、会津藩
そしてこの宇喜多直家。
勝者に歪められ悪とされるのが敗者の常で、それらは書物としても残されていくが、時を経て新たなその人物像や解釈が出てくるのが歴史の面白さでもある。
特に日本人は当座の文書を記すことにはご執心な割に、代替わりしたり都合が悪くなった途端、平気で処分してしまう。
※またこれが丁寧に焼却が多かったりする。
宇喜多は無論、他登場人物の躍動感や激動の戦国時代の読み応えもたっぷり。
当時の各地に分散した文化や繁栄が今も名残として残っていたら、今の東京一極による地方格差はもう少しマシだったかもしれない。
『自分の人生は、存外に自分では決め -
購入済み
生き生きとした登場人物
古臭い表現であるが「作者の筆が踊っている」と感じられるほど、生き生きと登場人物を描きあげている。剣の達人や棒術の達人といったような、いわゆる兵法者が生まれたのが室町時代の戦乱期というのが納得できるストーリー展開である。それにしても凄まじい修行を迫力満点に描きあげている。
下巻は才蔵の修行の話から大きく発展して、土一揆の凄まじいまでの描写が中心となる。このような者たちによって、不安定だった室町時代は壊されてゆき、新たなる実力本位の戦国時代が作られていったんだな ということを示している好著である。それにしても読者をグイグイと引っ張ってゆく力は大したものである。 -
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はい、明智光秀です
みんな大好き明智十兵衛光秀さんです
「敵は本能寺にあり!」の人ですね
この明智光秀さんに垣根涼介さんが『光秀の定理』というお話で、愚息という坊主と新九郎という兵法家(まぁ剣豪のことです)という大変魅力的な友垣を与えて、光秀の出世の道のりを描いたんですが、本作はその続編になるわけです
で、この三人にとのちの徳川家康の家臣で「天下の総代官」と称された大久保長安が武田信玄の家臣時代に出会っていたら?という歴史改変の物語なんですね
同時代に生きた興味深い人物の中に小さな共通項を見つけて無理矢理掛け合わせるっていう歴史小説によくある手法なんです(ちなみに大久保長安はめちゃくち -
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垣根涼介さん3作目。本作はビジネス小説です。主人公は村上真介33歳、「リストラ請負会社」で辞職勧告を促す有能面接官‥、恐ろしい設定です。
そもそも、人減らしの首切り専門会社なんて、あり得ませんよね。社員の個人情報を社外へ提供しているし、会社の経営難による人員削減や優遇条件での退職勧奨が適法でも、下手をすれば不当解雇にもなりかねません。
現実社会でも、不景気やコロナ禍の相次ぐ企業倒産など、余りにも身近で切迫感があり、リアルな描写になっています。
真介は、人の運命を預かる仕事ゆえ、手を抜かず用意周到な面接により、リストラ候補者を希望退職に追い込んでゆきます。当然、恨みを買うことも多々あ -
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明智光秀と友垣である愚息、新九郎、そして土屋十兵衛がメインキャラ。
信長の命を受けて武田の金と毛利の銀の算出量を調査しにいく。愚息の倭寇だった経歴とかモンティホール問題を使った賭け事とか、それから信玄が海を目指したのは塩じゃなくて港と交易だという見方とか、土屋が武田の直臣として出てきたほぼその瞬間から大久保長安っぽい匂わせかたとか、ちょっと知っている人間の「おれ知ってます」って思いたい欲を満たす仕掛けがいろいろ。
甲斐の湯之奥金山は土屋十兵衛との取引で情報を得て、その後スリリングな展開になるのは石見銀山。うまく忍び込んでなんとか脱出もできて結局はめでたし。小説の舞台になった土地のことはもちろん -
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もともと歴史は苦手なのだが、垣根作品は現代を取り上げている頃から読んでいて好きなので、今も読み続けている。
歴史小説になってから、明智光秀を取り上げることが多いように感じることから、作者は相当に明智光秀に傾倒しているように思う。
今回は光秀と以前よりの友垣である愚息と新九郎との三人が織田信長の命を受けて、武田家の金山と毛利家の銀山に潜入する話である。
これまでの時代小説と少し違った毛色の話だと思った。
武田の金山の潜入の際に出会った武田信玄の家来である土屋十兵衛とひょんなことから同道することになる。
この四人の道中が意外に軽妙に描かれながらも、ハラハラドキドキする場面もあり、歴史小説ではあるが