垣根涼介のレビュー一覧

  • 涅槃 下

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    圧巻の長編戦国小説。
    明智光秀、石田三成、会津藩
    そしてこの宇喜多直家。
    勝者に歪められ悪とされるのが敗者の常で、それらは書物としても残されていくが、時を経て新たなその人物像や解釈が出てくるのが歴史の面白さでもある。
    特に日本人は当座の文書を記すことにはご執心な割に、代替わりしたり都合が悪くなった途端、平気で処分してしまう。
    ※またこれが丁寧に焼却が多かったりする。
    宇喜多は無論、他登場人物の躍動感や激動の戦国時代の読み応えもたっぷり。
    当時の各地に分散した文化や繁栄が今も名残として残っていたら、今の東京一極による地方格差はもう少しマシだったかもしれない。

    『自分の人生は、存外に自分では決め

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    2025年01月04日
  • ゆりかごで眠れ(下) 新装版

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    久しぶりに垣根涼介の作品を読んだ。予想どおり、ワイルドソウルと似てるといえば似てる。でも、ちょっとハードボイルドな設定に振り過ぎのような。個人的にはルースターとヒートアイランドの方がキャラの性格が若干柔らかい感じで、感情移入できて好きかな。8年前に知り合ったコロンビア人の女の子はスーパーフレンドリーだったけど、こんな社会の上流階級育ちだったのかなあ。

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    2025年01月01日
  • 室町無頼(上下)合本版(新潮文庫)

    購入済み

    生き生きとした登場人物

    古臭い表現であるが「作者の筆が踊っている」と感じられるほど、生き生きと登場人物を描きあげている。剣の達人や棒術の達人といったような、いわゆる兵法者が生まれたのが室町時代の戦乱期というのが納得できるストーリー展開である。それにしても凄まじい修行を迫力満点に描きあげている。
    下巻は才蔵の修行の話から大きく発展して、土一揆の凄まじいまでの描写が中心となる。このような者たちによって、不安定だった室町時代は壊されてゆき、新たなる実力本位の戦国時代が作られていったんだな ということを示している好著である。それにしても読者をグイグイと引っ張ってゆく力は大したものである。

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    2025年01月01日
  • 武田の金、毛利の銀

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    はい、明智光秀です

    みんな大好き明智十兵衛光秀さんです
    「敵は本能寺にあり!」の人ですね

    この明智光秀さんに垣根涼介さんが『光秀の定理』というお話で、愚息という坊主と新九郎という兵法家(まぁ剣豪のことです)という大変魅力的な友垣を与えて、光秀の出世の道のりを描いたんですが、本作はその続編になるわけです

    で、この三人にとのちの徳川家康の家臣で「天下の総代官」と称された大久保長安が武田信玄の家臣時代に出会っていたら?という歴史改変の物語なんですね

    同時代に生きた興味深い人物の中に小さな共通項を見つけて無理矢理掛け合わせるっていう歴史小説によくある手法なんです(ちなみに大久保長安はめちゃくち

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    2024年12月15日
  • 武田の金、毛利の銀

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    室町無頼、信長の定理、光秀の定理、涅槃、そしてこの作品を読みました!光秀の定理のときの魅力的なキャラたちが再び登場で歓喜。そこに土屋という新キャラもまあ面白い。最後のネタバラシは本当かよ!と思わずググりました。石見銀山の潜入の時の表現がイメージしにくかったので絵あったら良かったかなあと。

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    2024年12月09日
  • 室町無頼(下)(新潮文庫)

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    室町時代の京を舞台にした小説です。
    粋な男たちの物語でした。
    混沌とした時代において、人の想いが歴史を動かします。
    それにしても、才蔵の強さは半端ないです。

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    2024年11月25日
  • 室町無頼(上)(新潮文庫)

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    室町時代の京を舞台にした小説です。
    粋な男たちの物語でした。
    混沌とした時代において、人の想いが歴史を動かします。
    それにしても、才蔵の強さは半端ないです。

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    2024年11月25日
  • 極楽征夷大将軍

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    立板に水のように、ひっかかりも矛盾もなくさらさら読める。が、長い!読み切るのに1週間もかかってしまった。

    しかし、そのぶん、内容が濃くおもしろかった。
    政治のパワーバランスや人身掌握の妙味などは現代にも通用するものがあり、人物像も多面的に良き面、悪しき面またそのどちらでもない面をしっかり描いていて魅力された。尊氏の極楽ぶりには時に笑わせてもらった。血で血を洗う戦の場面は作戦の面白さもあり、手に汗にぎる臨場感があった。

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    2024年11月16日
  • 武田の金、毛利の銀

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    信長からの密命を受けた明智光秀、盟友二人と共に敵方である武田の金、毛利の銀の産出量を調査すべく旅にでる
    盟友二人も個性的で頼もしいし、武田の土屋さんもかなりの変わり者
    果たして調査は上手く行くのか
    その後の流れも

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    2024年11月14日
  • 午前三時のルースター

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    ベトナムに旅したくなる小説でした。
    あまりミステリーを読まないのですが、
    とても読みやすく面白かったです!!

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    2024年11月12日
  • 極楽征夷大将軍

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    面白い!けど長い、、、
    一人一人の人間描写が非常に上手で
    なかなかマイナーな時代にフォーカスしてくれてて勉強になる。良作

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    2024年11月10日
  • ワイルド・ソウル(下)

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    残念だったのは、思ったよりも計画がしょぼかったことくらい。ただそこを除けば、ストーリー、結末は爽快そのもの。何よりも貴子の存在がその爽快さに華を添えていて良かったです。エピローグのブラジルの風景の描写も好きです!

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    2024年11月09日
  • 極楽征夷大将軍

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    直木賞受賞作。これも、時代小説なのでしょうか?

    足利尊氏の物語です。
    そう言えば、足利尊氏のことは、あまり知りません。小説ではもちろん読んだことがないですし、大河ドラマなどでも見ていないです。

    足利尊氏は、側室子だったので、家来にもあまり相手にされず、のんびりした子ども時代を過ごす。ところが、正妻の長男が病死し、家督を継ぐことに。しかし、尊氏は、家督を継ぎたく無いと駄々をこねる。面白い人ですね。

    尊氏の弟は、頭がキレる有能な人。自分に厳しい分、人にも厳しいので、なかなか上に立っても、人が付いてこないだろうと、本人も自覚している。

    途中です。
    小さい字で、2段に書いてあるので…
    非常に長

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    2024年11月04日
  • 涅槃 下

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    備前と美作の大半を支配した直家。
    40を過ぎ夜の話もそこそこに、信長、秀吉、官兵衛などが話の中心となり安堵する。

    織田か毛利か。
    時世を読み、あらゆる人と接見し宇喜多家が永らえる最善策を判断していく姿が頼もしい。

    上下巻と読み終え肩の荷が降りる。

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    2024年10月31日
  • 極楽征夷大将軍

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    かなり長かった…けど面白かったです。
    歴史の授業で触れたのみで、腐敗した鎌倉幕府を足利が裏切って討伐した。くらいの認識でしたが、もちろん物語としての脚色は多々あるのでしょうが、解像度を上げると様々なドラマがあるのだなと感じました。
    足利一門にしても誰にしても、初めから虎視眈々と自らの栄華を狙っていたというわけではなく、みんながみんなその時々、瞬間瞬間で、自己防衛のための決断を繰り返した結果として、歴史があるのだと感じます。

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    2024年10月28日
  • 極楽征夷大将軍

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    腹の底ではお互いに信頼しきっているのに、人はなんでこういう結末になってしまうのだろう…。

    『なんだ、やればできるではないか』、すべてこの言葉に尽きる気がする。

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    2024年10月28日
  • 君たちに明日はない(新潮文庫)

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     垣根涼介さん3作目。本作はビジネス小説です。主人公は村上真介33歳、「リストラ請負会社」で辞職勧告を促す有能面接官‥、恐ろしい設定です。

     そもそも、人減らしの首切り専門会社なんて、あり得ませんよね。社員の個人情報を社外へ提供しているし、会社の経営難による人員削減や優遇条件での退職勧奨が適法でも、下手をすれば不当解雇にもなりかねません。
     現実社会でも、不景気やコロナ禍の相次ぐ企業倒産など、余りにも身近で切迫感があり、リアルな描写になっています。

     真介は、人の運命を預かる仕事ゆえ、手を抜かず用意周到な面接により、リストラ候補者を希望退職に追い込んでゆきます。当然、恨みを買うことも多々あ

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    2024年10月26日
  • 涅槃 上

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    宇喜田勝家の一生を描く。子供の頃に攻め込まれ城を抜けて商人善定に家族とも拾われ育つ。善定に見込まれ育つがお家再興のため家を潰された浦上家に仕え乙子を貰い一国の経営を開始する。そこから領土拡大の道のりは波瀾万丈。なかなか読むのにのめり込みます。良い! 下巻へ。

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    2024年10月25日
  • 武田の金、毛利の銀

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    明智光秀と倭寇あがりの僧愚息、剣術使いの新九郎が武田領内の金、毛利領内の銀を探ることを信長に命じられる。そこに土屋十兵衛という男が加わる。四人の個性が絶妙で、ばかばかしくもある話を読者に楽しませてくれる。

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    2024年10月21日
  • ゆりかごで眠れ(上) 新装版

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    面白かった
    これぞハードボイルドって感じ
    細かいストーリーもちゃんとあって
    2時間ドラマにもってこい

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    2024年10月18日