垣根涼介のレビュー一覧

  • 涅槃 上
    ちょっと隆慶一郎っぽい。しかし垣根涼介節。
    ちょっといい男すぎだろー、という。
    前半、中盤、盛り上がる。
    宇喜多直家のことは名前しか知らないレベルだったので、今後戦国時代を別の目線で見られるかも。
  • 涅槃 下
    途中失速したものの、とても読み応えがありました。戦国史上最悪と言われた梟雄との宇喜多直家。垣根さんの描く直家は不遇な幼年期を過ごしながらも、人との関わりを大切にしている為人が感じられました。
    『歴史は、常に生き残った勝者の都合によって捏造され、喧伝される。滅んだ系譜ー敗者は、その歴史の中で沈黙するの...続きを読む
  • 信長の原理 上
    弱い尾張兵を強くするべく次男坊・三男坊を中心に馬廻り衆を作る信長。経済感覚に優れ、楽市・楽座や農閑期に拘らなくて良い常備軍の設置、土地の管理を請け負い、代わりに扶持を与えることで豪族を家臣化する、身分に拘らない人材登用など新しい制度を創造するが、あるとき人間を含めた生き物は2対6対2の割合で働く者、...続きを読む
  • 信長の原理 下
    支配地域が拡大するにつれ、優秀な者を家臣として取り込む一方これまで優秀なはずだった佐久間や林などが使えなくなっていく状況を目の当たりにする。この排除される恐怖に支配された家臣の中では松永や荒木などこの枠組みを抜け出そうと謀反を起こすものが出てくる。そして最後に残った柴田、丹羽、羽柴、滝川、明智、徳川...続きを読む
  • 光秀の定理
    十兵衛光秀の話ではあるが、破戒僧の愚息と兵法者の新九郎の語りが加わり、物語は進んでいく。
    光秀の人となりを作り上げたものが、美濃源氏の嫡流の血筋であったり、田舎者ゆえの人を惹きつける純朴さであったり、はたまた友垣である愚息と新九郎と共に過ごすうちに得た考え方であった、など深く面白く考察されている。
    ...続きを読む
  • 涅槃 下
    40数年前。
    小学生だった頃。
    吉川英治さんの宮本武蔵を覚えるほど読んだ記憶がある。
    その時のことを思い出した。
    なかなか楽しい時間を過ごせた。

    あんまり難しいことを考えずにひたすら量を読む。

    ただ、艶ごとをあんなに多量に含めないといけないかなぁ、とは思った。
    そこはちょっと残念。
  • 涅槃 下
    宇喜多直家の生涯。梟雄と言われるがこの小説ではうちに厚く一族郎党を守る為なら自からの汚名を物ともしない。商人との交流や生き残った知恵、作者の想像力の中で花開き軍記物としても面白い。
    そしてお福と出会ったことは直家にとって何よりの幸せだった。この物語の中で凄い描写もあるが、何故か微笑ましくもあった。
  • 涅槃 上
    宇喜多直家の城を追われてから元服しお家再興を果たし明禅寺崩れに勝利するまで。
    幼少期に商家で庇護されたことで、独特の合理的思考と計算力、人物眼に優れる。
    八郎が一生懸命ひたむきに物事に当たるので周りがつい手助けする様子が微笑ましい。槍の稽古は当然としても女性への手ほどきまで恐れ入る。
    郎党がいないと...続きを読む
  • 涅槃 上
    父親の不甲斐なさや継母の仕打ちが酷すぎて読むのやめたくなりそうでした。
    槍の師匠の柿谷。初陣に助力してくれて結局…泣けました。紗代との出会い。「足るを知る」
  • 午前三時のルースター
    ベトナムで死んだことになっているはずの父親が、海外ドキュメンタリー番組の風景の一部に映っていた・・!
    父親を探しに行く少年と、それを手伝う旅行代理店所属の主人公とその仲間たち(現地調達含む)のお話。現地でドタバタと父親探しを進め、やがてある事実に辿り着く。

    父親は家族と仕事(宝石店の跡取りになるは...続きを読む
  • 君たちに明日はない(新潮文庫)
    切られる側の人間の立場になって読んでみて思ったけど、まあたまったもんじゃないよなあ、と。おもしろかった。
  • 信長の原理 下
    史実はサラリと描き、その時の心情を中心に描かれていて非常に面白かった。
    いかに正論であってもパワハラ上司はやはりダメと言うことか
  • ワイルド・ソウル(上)
    登場人物がこんがらがってしまったので、軽く読み直した。
    外務省の良い事ばかりの謳い文句に騙され、ブラジル入植募集に応募し、海を渡った開拓者達が国に復讐する話。
    広い土地を与えられ、土壌の質的に作れないことを伝えられず、野菜は作られていないから、飛ぶように売れると言われ、希望のみを持って行った人達。外...続きを読む
  • ボーダー ヒート アイランドIV
    シリーズ4作目。シリーズだから様々な視点、キャラクター、展開があって全く問題なし。
    歴史小説に転向して久しいが、シリーズ5作目を待ち望んでいます!
  • ワイルド・ソウル(上)
    戦後のブラジル移民計画政策。事実との差がどれ程かわからないが、こんな政策が真面目に行われていたのかと思うと許せない。
    最近読んだ、葉真中顕の「灼熱」からこちらの作品を思い出した。
  • 涅槃 下
    一人の人物に焦点を当てるというより、流転を表現した小説なので、人物の物語として読もうとしたら面白くないかもしれない。
    気分がすごく高揚するようなものでは無いですが、人生の一抹の寂しさと人並みの幸せを感じるところは好き。
  • 君たちに明日はない(新潮文庫)
    「100万回死んだねこ」で知った。

    企業のリストラ請負会社に勤める30代男性が主人公で、その仕事やプライベートについて書かれている。

    面白かった。リストラ請負会社というのも初めて知ったし、需要はありそう。でもリストラされる側からしたら、そんな会社を使うお金があるなら、勤め続けさせてと思うような気...続きを読む
  • 涅槃 上
    垣根涼介さんの「信長の原理」が大好きでこちらも読んでいます。

    とつぜんびっくりするくらいの濡れ場があるので、じゃっかん人にオススメしにくいですが面白くなるだろうと思って読んでる。
  • 涅槃 下
    宇喜多直家の生涯の後半だ、戦国時代一国一城の主になり如何に国を守り領土を広げ、臣下を守り生き抜くか現代の会社経営にも通じるものがある。会社を興し今に至る当社辞める社員が殆どいないな、なんて思いながら読みました。
  • 光秀の定理
    歴史モノとしては、少し視点が変わっていると思います。
    お決まりの本能寺の変までを描くのとは、ちょっと違う。
    私は、信長に仕えるまでのことをほとんど知らない状態。
    でも本が邪魔することなく、すんなり大河ドラマを見る事もできたなぁ。
    一応フィクション作品です。