垣根涼介のレビュー一覧
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ネタバレ垣根節を堪能した。
滅亡の淵に会った宇喜多の家を一代で50万石まで持って行った直家の話し。下巻は信長、秀吉、小早川、吉川、安国寺恵瓊、黒田官兵衛など戦国のスターたちが登場して直家と絡んでくる。
最初は信長に付いたがその後毛利との軍事同盟、結局信長に付くという2大勢力の狭間で自国を大きくしながらも綱渡りの外交を展開する。そんななかで発病して54歳で亡くなってしまう。その約半年後に信長も本能寺に斃れる。さらに18年後に宇喜多家も関が原で滅びてしまう。まさに諸行無常。
作品紹介・あらすじ
死後440年、蹴りに蹴り続けられた男、宇喜多直家。その実像を浮き彫りにする。『光秀の定理』『室町無頼』『信長の原理』――歴史小説界に革命を起こし続ける著者が描く、戦国史上最悪と呼ばれた梟雄の素顔。自分は何故、零落した武門に生まれたのか。どうして自分は、このような孤独な星のもとに生まれたのか……答えは出ない。豪商・阿部善定は、没落した宇喜多家の家族をまるごと引き取る決意をする。まだ幼い八郎の中に、稀有な非凡さを見い出したがゆえである。この子であれば、やがて宇喜多家を再興できるのではと期待を寄せた。一方、八郎は孤独な少年時代の中で、商いの重要性に早くから気付き、町や商人の暮らしに強く惹かれる。青年期に差し掛かる頃、年上の女性・紗代と深く関わり合うことで、自身の血に流れる宿命を再確認する――八郎は、やがて直家となる。予め定められた星の許に生まれ、本人が好む好まざるにかかわらず、常に極彩色に血塗られた修羅道を突き進むことになるだろう。歴史は、常に勝者の都合によって捏造され、喧伝される。敗者は、彼岸にて沈黙するのみである。少年は、運命から自由になりたかった。だが、幼少の頃から武門の再興を定められていた。織田と毛利を天秤(はかり)にかけ、夢と現(うつつ)の狭間をあがき続ける。宇喜多家の存続のためには、どんなことでもする。我が死でさえも、交渉の切り札に使う。世間でいう武士道など、直家にとってはどうでもいい。そんなものは、犬にでも呉れてやる。直家は宇喜多家を再興し、石山城(岡山城)を国内商業の拠点と定める。同時に、近隣の浦上や三村と激しくつばぜり合いをくり返し、彼らの背後にいる巨大勢力の毛利・織田の狭間で、神経を削りながら戦い続ける。直家の生来の臆病さを良く知る妻のお福。生涯の恩人となった阿部善定。旧縁である黒田満隆と官兵衛の親子。直家が武士に取り立てた商人・小西行長……様々な人との関わりから、直家は世の理(ことわり)に気付いていく。――人の縁で、世は永劫に回り続けていく。 -
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宇喜多直家かあ、
さすが垣根涼介は目の付け所が良い。
西から毛利、東から織田の足音が聞こえてくる下巻へ。
作品紹介・あらすじ
死後440年、蹴りに蹴り続けられた男、宇喜多直家。その実像を浮き彫りにする。『光秀の定理』『室町無頼』『信長の原理』――歴史小説界に革命を起こし続ける著者が描く、戦国史上最悪と呼ばれた梟雄の素顔。自分は何故、零落した武門に生まれたのか。どうして自分は、このような孤独な星のもとに生まれたのか……答えは出ない。豪商・阿部善定は、没落した宇喜多家の家族をまるごと引き取る決意をする。まだ幼い八郎の中に、稀有な非凡さを見い出したがゆえである。この子であれば、やがて宇喜多家を再興できるのではと期待を寄せた。一方、八郎は孤独な少年時代の中で、商いの重要性に早くから気付き、町や商人の暮らしに強く惹かれる。青年期に差し掛かる頃、年上の女性・紗代と深く関わり合うことで、自身の血に流れる宿命を再確認する――八郎は、やがて直家となる。予め定められた星の許に生まれ、本人が好む好まざるにかかわらず、常に極彩色に血塗られた修羅道を突き進むことになるだろう。歴史は、常に勝者の都合によって捏造され、喧伝される。敗者は、彼岸にて沈黙するのみである。少年は、運命から自由になりたかった。だが、幼少の頃から武門の再興を定められていた。織田と毛利を天秤(はかり)にかけ、夢と現(うつつ)の狭間をあがき続ける。宇喜多家の存続のためには、どんなことでもする。我が死でさえも、交渉の切り札に使う。世間でいう武士道など、直家にとってはどうでもいい。そんなものは、犬にでも呉れてやる。直家は宇喜多家を再興し、石山城(岡山城)を国内商業の拠点と定める。同時に、近隣の浦上や三村と激しくつばぜり合いをくり返し、彼らの背後にいる巨大勢力の毛利・織田の狭間で、神経を削りながら戦い続ける。直家の生来の臆病さを良く知る妻のお福。生涯の恩人となった阿部善定。旧縁である黒田満隆と官兵衛の親子。直家が武士に取り立てた商人・小西行長……様々な人との関わりから、直家は世の理(ことわり)に気付いていく。――人の縁で、世は永劫に回り続けていく。 -
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ネタバレ狛犬の化身・黒犬のジョンと、建築家・太刀川要の衝撃的な出会いと、同居生活と、事件と、別れのお話。
とにかく描写が丁寧。ちょっとくどいくらい。でも、そこがまた良かったりもする。
ジョン(というか黒犬と呼んだ方がしっくりくるのだけど)が神社を抜け出した切っ掛けが切なくてプロローグを何度も読み返してしまった。相方の宮獅子をなくした「激しい喪失の悲しみと、気も狂うような怒りが、ある晩に爆発した。」という一文が、最後まで読んで、またプロローグを読み返して、胸にくるものがある。
エピローグも良い。私とは何だろう?という疑問を持って神社を逃げ出したジョンの答えのようなものがまとめられていて面白かった。
要くんもいい奴だ。麻子さんと幸せになってほしい。閉鎖的な田舎の環境は、年代的に自分でもよくわかるし、そこから飛び出した気持ちも共感する。現在ではそんなに地域差はないかもしてないけど、ちょっと前までは地方と首都圏の差は大きかったなぁ。そういう過去への鬱屈を抱えつつも、基本的には善の人間である要くんは格好いい。
ジョンと要くんの、言葉は交わしてないものの、相棒のような対等の関係が好きだった。
なかなか難しいかもしてないが、ジョンのその後が読んでみたいな、と思った。 -
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なぜ信長は自分を裏切った松永久秀を許したのか。
作中では、松永は信長に似ていると信長自身が考えていたと描かれている。世の根本を疑い、自前の見方を持っていると。そして、それを突き詰めることができている人物は多くない。信玄や謙信でさえも、できていない。
しかし、人はその姿勢を貫き続けることはできないと、久秀は信長に最期の反旗を翻した。人はこの世の摂理に反してはならないのだと。無限の膨張を志す組織はやがて疲弊し色褪せ、崩れ落ちていく。
信長は過去の実績に関わらず、使えない家臣達を次々に放逐するようになった。どこかで「働き蟻」の原理を乗り越え、世の摂理すら支配しようとしていたのではないか。
そして信長は、本能寺の変で天道とでも云うべきものの逆襲を受けることになる。それでも最期は自分の遺骸に火をつけさせ、骨を日の下に晒すのを拒んだ。
おれ一人だけは、死んでも神仏にひれ伏すことはない。(p395 ) と。
現代的な道具立てで戦国の世をとらえ直した良書だと思った。 -
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明智光秀は好きな武将なので、『光秀の定理』からの流れで読み始めた。
『定理』では信長は、光秀でさえ分からなかったベイズ推定を、たちどころに理解してしまうほど合理的な人物として描かれている。(『信長の原理』は『定理』と同じ時間軸なのだろうか。)
信長の父、信秀は彼を評して「心が渇いている」と述べていた。思うにその渇きとは、孤独な、寄る辺なき「個人」の、人を動かす「原理」を求める強い衝動のことではないかと思った。
信長は退屈に任せ蟻を観察するうち、懸命に働く蟻と中途半端に働く蟻、そして働かない蟻が、2:6:2の割合で存在するという、現代で云う「パレートの法則」を掴む。約すと1:3:1。同じ割合だけど後々効いてきそう。 -
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君たちに明日はないシリーズ第四弾!
すでに本シリーズを読んでいる方は、本作の主人公村上真介がリストラ面接官である事をご存知かと思う。今回の真介の受け持つリストラ対象者は
航空会社の勝ち逃げCA
CAの給料が思ったほど高くない事に驚き!
楽器メーカーの元バンドマンの課長
才能、技術、努力、持ってるものと、持ってないもの何かを続けるための努力と姿勢に考えさせられた!
潔い証券会社のOB達
昭和の時代のエリートサラリーマン達との雑談が心地よい
接客業の神の夢はバスの運転手
先を見据えなければならない仕事というのはストレスである事に違いない!
色んな業種の色んな話、再就職を考えている人、今の自分に不満な人達へ、自分を見直す一冊として読んで欲しい!