垣根涼介のレビュー一覧
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信長の命を受けた明智光秀が、旧知の友と共に武田信玄の資金源である金山と、西の毛利家の資金源石見銀山の採れ高を隠密に調査に行く。
物語の真偽についてはともかくも、光秀、愚息、新九郎、そして土屋十兵衛。
さながら時代小説のロードムービー的な4人の探索の道すがらを、それぞれが際立った個性の人物像により軽快に読ませてくれた。
毛利家の石見銀山潜入の場面は、逃げる者と追う者の緊迫感があって面白かった。
明智光秀と織田信長というと本能寺に引っ張られてしまうが、本作はそれ以前の2人の関係を描いていたのが斬新だった。
それにしても信長に謁見する場面は光秀ではなくとも、読者もかなり緊張してしまうから面白い。 -
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リストラ請負業社ヒューマン・リアクト社のエース社員村上真介シリーズの第三弾。
リストラ面談という修羅場で現れるひとそれぞれの仕事観を見せつけられると、自ずと自分のことも顧みることとなり、同時に励みにもなる。
4篇とも良かったが、敢えて選ぶと、2番目の「やどかりの人生」が一番良かった。
仕事に適度に手を抜きながらも、会社に必要な最低限のリターンは確実に出し続ける、という勤務姿勢は、主人公村上真介の往時の姿と全く同じ。
そうやって空けた時間で取り組む対象が違うだけで。作家志望のサラリーマンなど腐るほどいるのだろうけど、実際に夢を叶えるひとは極々僅かだろうし、運良くデビュー出来ても筆一本で喰って -
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『君たちに明日はない』第4弾
リストラ請負会社『日本ヒューマンリアクト』面接官・村上真介。
『勝ち逃げの女王』 AJAの勝ち組CA。
ただCAの給料の安さにびっくり。こんなに安かったの…
会社は残って欲しいって、思うんだろうが。
辞めてもいいよ、家族のために。
特に子どものために。
『ノー・エクスキューズ』 破綻した山三証券OBたち。『日本ヒューマンリアクト』社長・高橋がリストラした元山三証券社員。
『もう必要とされなくなった場所にいてはいけないんだよ』と。
確かにそうだ。
ならさっさと新しい道を探すべきだ。
『永遠のディーバ』 楽器メーカー『ハヤマ』管弦打事業部営業課長でくすぶる元 -
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直木賞受賞作家の出世作、ということで読んでみた。文章のテンポがいいので、普段の倍くらいのスピードで読めた。
内容は、主人公がリストラ代行業の中堅社員(33歳)なので、決して明るい環境ではない筈なのだが、何故か明るく前向きになれてしまう不思議なお話だった。
銀行の中の厳しい出世競走は、「半沢直樹」で業界外の人も広く知るところとなったが、都銀で冷遇されているバンカーがM&Aアドバイザリーの世界でシンドイながらも輝きを取り戻すという設定は、今となっては割と普通の話なのかもしれない。
40代独身女子の恋愛事情に対する好意的な書き振りも、現代的で好感が持てた。
次は、「ワイルド・ソウル」