垣根涼介のレビュー一覧
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リストラ請負業社ヒューマン・リアクト社のエース社員村上真介シリーズの第三弾。
リストラ面談という修羅場で現れるひとそれぞれの仕事観を見せつけられると、自ずと自分のことも顧みることとなり、同時に励みにもなる。
4篇とも良かったが、敢えて選ぶと、2番目の「やどかりの人生」が一番良かった。
仕事に適度に手を抜きながらも、会社に必要な最低限のリターンは確実に出し続ける、という勤務姿勢は、主人公村上真介の往時の姿と全く同じ。
そうやって空けた時間で取り組む対象が違うだけで。作家志望のサラリーマンなど腐るほどいるのだろうけど、実際に夢を叶えるひとは極々僅かだろうし、運良くデビュー出来ても筆一本で喰って -
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『君たちに明日はない』第4弾
リストラ請負会社『日本ヒューマンリアクト』面接官・村上真介。
『勝ち逃げの女王』 AJAの勝ち組CA。
ただCAの給料の安さにびっくり。こんなに安かったの…
会社は残って欲しいって、思うんだろうが。
辞めてもいいよ、家族のために。
特に子どものために。
『ノー・エクスキューズ』 破綻した山三証券OBたち。『日本ヒューマンリアクト』社長・高橋がリストラした元山三証券社員。
『もう必要とされなくなった場所にいてはいけないんだよ』と。
確かにそうだ。
ならさっさと新しい道を探すべきだ。
『永遠のディーバ』 楽器メーカー『ハヤマ』管弦打事業部営業課長でくすぶる元 -
Posted by ブクログ
直木賞受賞作家の出世作、ということで読んでみた。文章のテンポがいいので、普段の倍くらいのスピードで読めた。
内容は、主人公がリストラ代行業の中堅社員(33歳)なので、決して明るい環境ではない筈なのだが、何故か明るく前向きになれてしまう不思議なお話だった。
銀行の中の厳しい出世競走は、「半沢直樹」で業界外の人も広く知るところとなったが、都銀で冷遇されているバンカーがM&Aアドバイザリーの世界でシンドイながらも輝きを取り戻すという設定は、今となっては割と普通の話なのかもしれない。
40代独身女子の恋愛事情に対する好意的な書き振りも、現代的で好感が持てた。
次は、「ワイルド・ソウル」 -
ネタバレ 購入済み
これは歴とした「歴史小説」…。
2023年10月読了。
『光秀の定理』で腰を抜かす程驚いたので、続巻(と云うより姉妹編?)が有ると知り、直ぐに読み始めた。
前作が「歴史小説の皮を被った現代小説」だったのに対して、本作は「歴とした歴史小説」であり、信長が拘った“原理”を中核として、非情なる采配の末に迎える最期まで、一気に駆け抜けた戦国物語だった。
尾張内部の統一から本能寺へ至るまで、彼の行動をかなり「歴史史料を読み込んで」迫力ある一編として書き上げた著者の筆力には敬服する。余り知られていない幼少期〜尾張平定までの過程は、正に“紙上再現”されているかのような気持ちで読めた。又、前作『光秀の定理』と同じく《主人と使用人の関係》