垣根涼介のレビュー一覧
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『君たちに明日はない』第4弾
リストラ請負会社『日本ヒューマンリアクト』面接官・村上真介。
『勝ち逃げの女王』 AJAの勝ち組CA。
ただCAの給料の安さにびっくり。こんなに安かったの…
会社は残って欲しいって、思うんだろうが。
辞めてもいいよ、家族のために。
特に子どものために。
『ノー・エクスキューズ』 破綻した山三証券OBたち。『日本ヒューマンリアクト』社長・高橋がリストラした元山三証券社員。
『もう必要とされなくなった場所にいてはいけないんだよ』と。
確かにそうだ。
ならさっさと新しい道を探すべきだ。
『永遠のディーバ』 楽器メーカー『ハヤマ』管弦打事業部営業課長でくすぶる元 -
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直木賞受賞作家の出世作、ということで読んでみた。文章のテンポがいいので、普段の倍くらいのスピードで読めた。
内容は、主人公がリストラ代行業の中堅社員(33歳)なので、決して明るい環境ではない筈なのだが、何故か明るく前向きになれてしまう不思議なお話だった。
銀行の中の厳しい出世競走は、「半沢直樹」で業界外の人も広く知るところとなったが、都銀で冷遇されているバンカーがM&Aアドバイザリーの世界でシンドイながらも輝きを取り戻すという設定は、今となっては割と普通の話なのかもしれない。
40代独身女子の恋愛事情に対する好意的な書き振りも、現代的で好感が持てた。
次は、「ワイルド・ソウル」 -
ネタバレ 購入済み
これは歴とした「歴史小説」…。
2023年10月読了。
『光秀の定理』で腰を抜かす程驚いたので、続巻(と云うより姉妹編?)が有ると知り、直ぐに読み始めた。
前作が「歴史小説の皮を被った現代小説」だったのに対して、本作は「歴とした歴史小説」であり、信長が拘った“原理”を中核として、非情なる采配の末に迎える最期まで、一気に駆け抜けた戦国物語だった。
尾張内部の統一から本能寺へ至るまで、彼の行動をかなり「歴史史料を読み込んで」迫力ある一編として書き上げた著者の筆力には敬服する。余り知られていない幼少期〜尾張平定までの過程は、正に“紙上再現”されているかのような気持ちで読めた。又、前作『光秀の定理』と同じく《主人と使用人の関係》 -
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会社の首切りを宣告する委託業者
相手を納得させるため物凄く労力を要する仕事だと思った
調べに調べ、いざその場になり伝え、終わっても相手からの恨み、報復があるかもしれない
最悪そんな事が起こりうる可能性があるから意識はしてないとはいえ大変だなと思うし、自分だったら耐えられないかも
本の中でも主人公の気持ちが描かれていて、自分が感じてるのとは違うのかもしれないが気持ちが強くないと続けていくのは難しいと思った
主人公の前職、考え方も面白いなと思った
言葉が気障っぽいのがちょっと受け入れにくかったが、この主人公のキャラならマッチはしてたのかなとは思う -
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ネタバレ光秀の話、と思ったら、その架空の友達、愚息と新九郎の話だった(!)。
面白かったんだけど、その架空の友達にもやもやする。結構この2人が深く入り込んでて、私はノンフィクション寄りの話が読みたかったのに、フィクション寄りの話になってた。
それは置いておいて、確率の定理は面白かった。4つのうち1つを当てる、最初1つにかけて残り2つを排除したら、単純に考えると確率は1/2になるけれど、本当は掛けてない方の1つには排除した2つの確率も合わさるから3/4になる。面白い。これが兵法にも通じる。そして日常生活にも通じるのかもしれない。常に目の前にあることだけではなく、全体、過去のつながりも計算に入れないと正し -
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垣根さんの作品は初めてです。
渋谷のストリートギャングとプロの強盗、ヤクザが絡むテンポのよい抗争劇。
主人公はストリートギャングのリーダー・アキなのですがどの登場人物も魅力的で、引き込まれるように読むことが出来ます。
プロの強盗がヤクザの営むカジノバーの売上金を盗み、その盗んだお金を、うっかりストリートギャングのメンバーが奪ってしまったことから展開されるお話。
男性好みだろうと思いますが私は楽しめました。
渋谷を中心とした地理描写がかなり細かいので情景が目に浮かぶようでした。
逆に言うと、都内の地理に疎い方には非常に読みにくいかもしれません。
エンターテイメント性の高い作品です。