垣根涼介のレビュー一覧
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垣根さんの現代ノワールものが好きなんだが、直木賞ゲット後の余裕が感じられる読み物(小説じゃなく)だった・・ので評価は3
とはいうものの漫談っぽい時代劇っぽい中盤を越えてのラストは流石の切れ味。
最期の頁は「きっちり筋を追ってきてよかった」という歴史版衝撃の一コマ。
一言付け加えるなら漫談っぽい第3章は峰隆一郎作品の雰囲気を思わせた。
いくら何でも武田家中のれっきとした武士が相手方 信長家臣ら胡散臭い連中と危険を冒して長道中するか?
武士とはいえ兵法者、元倭寇、そして金柑頭とどんくさい土屋。
金山開発管理、帳簿での有能な奴の行きつく果ては現代と同じだと抱腹絶倒モノ(蓄財、好色・・成れの果ては -
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鯨と煙の冒険(『百瀬、こっちを向いて』番外編/中田栄一)
一服広場の謎(『防犯探偵・榎本径』シリーズ番外編/貴志祐介)
皇帝の宿(『校閲ガール』番外編/宮木あや子)
街で立ち止まる時(『ススキノ探偵』シリーズ番外編/東直己)
同窓会(『君たちに明日はない』シリーズ番外編/垣根涼介)
心の距離なんて実際の距離にくらべれば、(『遠くでずっとそばにいる』番外編/狗飼恭子)
平和と希望と(『さよならドビュッシー』番外編/中山七里)
ゴロさんのテラス(『春を背負って』番外編/笹本稜平)
雁首仲間(『天地明察』番外編/冲方丁)
落としの玲子(『姫川玲子』シリーズ番外編/誉田哲也)
オレンジの水面(『北天の -
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定番コースだと思うが、「君たちに明日はない」、「ワイルド・ソウル」からの流れで、垣根涼介の歴史物を読み終えた。(「光秀の定理」は未読)
信長・秀吉・家康の天下人三名の世間一般の人気はこの登場順通りだと思うが、上司として誰が良いか、というと、逆の順だろうと改めて思った。
信長が現代の株式会社の社長であれば、解任動議が毎回出るだろう。
信長による家康謀殺計画はフィクションの筈だが、妙にリアリティを感じてしまうのは、信長のキャラが立っているが故か。
信長程の合理的精神の持ち主が「織田家」という価値観をほんとうに重視したのか史実としてはよく知らないが、違っていて欲しい、と思った。
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極楽征夷大将軍は読む予定は今のところないのですが、
2005年第18回山本周五郎賞 受賞作
リストラ請負会社に勤める主人公
依頼のあった会社のリストラターゲットとなった社員達と面談し、依願退職に持ち込むのがお仕事
そのリストラ対象者の会社人生と人柄を描く
File1から5
そこそこ人間ドラマが面白かったのですが
多少中途半端感が残るかなと思いました
ですが、やっぱり思い直し この面談のその後は
想像してくださいというスタンスが
この作品の良さだと思いました
リストラ対象者だった女性とこの主人公が
お付き合いを始めるのですが
まあ、お似合いのふたりですのでよろしいかと
リストラ依頼の業種は -
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信長の命を受けた明智光秀が、旧知の友と共に武田信玄の資金源である金山と、西の毛利家の資金源石見銀山の採れ高を隠密に調査に行く。
物語の真偽についてはともかくも、光秀、愚息、新九郎、そして土屋十兵衛。
さながら時代小説のロードムービー的な4人の探索の道すがらを、それぞれが際立った個性の人物像により軽快に読ませてくれた。
毛利家の石見銀山潜入の場面は、逃げる者と追う者の緊迫感があって面白かった。
明智光秀と織田信長というと本能寺に引っ張られてしまうが、本作はそれ以前の2人の関係を描いていたのが斬新だった。
それにしても信長に謁見する場面は光秀ではなくとも、読者もかなり緊張してしまうから面白い。 -
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リストラ請負業社ヒューマン・リアクト社のエース社員村上真介シリーズの第三弾。
リストラ面談という修羅場で現れるひとそれぞれの仕事観を見せつけられると、自ずと自分のことも顧みることとなり、同時に励みにもなる。
4篇とも良かったが、敢えて選ぶと、2番目の「やどかりの人生」が一番良かった。
仕事に適度に手を抜きながらも、会社に必要な最低限のリターンは確実に出し続ける、という勤務姿勢は、主人公村上真介の往時の姿と全く同じ。
そうやって空けた時間で取り組む対象が違うだけで。作家志望のサラリーマンなど腐るほどいるのだろうけど、実際に夢を叶えるひとは極々僅かだろうし、運良くデビュー出来ても筆一本で喰って