垣根涼介のレビュー一覧
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上巻を読んでから少し間が空いてしまい、上巻を読み終わった直後の熱量が下がった状態から読み始めましたが、読み始めたらたちまちのめり込んでしまいました。流石の垣根先生。
上巻は徒手空拳から大名に成り上がったところで終わり、下巻は版図の拡大と織田、毛利との駆け引きが描かれています。上巻ほどのドラマチックさはないですが、動きがない分、直家の人となりや考え方が丁寧に描かれてよかったと思います。
これだけの偉業を成し遂げたのに知名度が今ひとつなのは、やはり歴史は勝者のものだからでしょうか?わたしも今まで碌に知らなかったので他人のこと言えないですが。。
今回、宇喜多直家のことをネットで調べてたら、宇喜 -
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ネタバレ下巻では、それぞれの過去と向き合う四人の男たちが、自らの意志で生きる道を選ぶ。復讐を終え、移民時代のしがらみから解き放たれた男達が、そこから先の「尊厳」を取り戻す、静かな闘いだ。印象的だったのは、山本と松尾。
山本は逃亡中に意識を失い、半身麻痺のまま病院で目を覚ました彼は、仲間を売ることなく、自ら命を絶つことを選ぶ。その決断は単なる罪滅ぼしではない。過去に縛られ続けた自分からようやく解放され、「自分のために生きた」と言える一瞬の自由を味わいたかったのだ。死の間際にして初めて“自分”を取り戻す姿が、痛ましくも美しい。
そして、本作で最も鮮烈なのが、松尾の結末だ。裏切りを悟った仲間と車に乗り込んだ -
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リストラを代行する会社に勤める男性・村上真介が主人公。
会社の依頼でリストラ候補者に面接し、人数分を依願退職へと持っていく。
嫌われ役を買って出る?
判断力と説得力は必要とされる仕事でしょう。
リストにある対象者のこれまでの人生を考慮して、どういう道へ進むのがいいのかを考える姿勢があるのは、良い所。
他人事と思えなくなってきた相手もいたりして。
まったく知らない世界の話なので、かなり疲れました。
それだけに、垣間見る面白さはありました。
この辺は常識? これは例外的なのか?と迷いつつ~
会社と一口に言っても色々だから、業種による違いもあることでしょうが。
人の人生を大きく変える役割、と思 -
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垣根先生の「武田の金、毛利の銀」を先日読んで、帯にこちらの本も紹介されていたので手に取ってみました。
戦国武将の宇喜多直家の話とのことですが、お恥ずかしながら歴史好きなのに、この方のことを全く知りませんでした。宇喜多といえば秀家しか知らず(直家の次の代の当主)それも関ヶ原でどっちについた…レベル。。でも戦国の三大梟雄だったそうで。松永久秀と斎藤道三は知ってたんだけどなーという感じです。手段を選ばずのし上がった方ということらしいのですが、我々の現代感覚から言えばそこまで阿漕なことをしているようには見えませんでした。垣根先生の書き方がうまいのか。。
上下巻ですが、上巻では幼少時代に零落してしま -
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織田信長の命を受けた明智光秀が腕利きの友垣2人と風変わりな武田家臣の四人で毛利の銀山を密偵する物語。
時代小説のポイントである個性的でクセがあり魅力的な人物像が書かれている。
今とは違う倫理観や死生観ながら人の営みや本質は変わらない。
苛烈な描写が先行しがちな織田信長だが、本作では加えて怜悧に書かれている。
人の上に立つヒトは少なからず非人情なのは今も同じ。
『〇〇で「ありましたか」』末尾の言い回しが安芸地方の方言がルーツなのは意外だった。
銭の世であるからこそ、その銭で浮世から俯瞰する立場を買うのだ。
夢中になるものがありますれば、そこに没入し、世の縛りから自在に舞うことが出来るように思 -
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街道と大河を交わらせた交通の要衝に、商人と武士が融合した城郭都市を築く。そのような意味での城下町という概念は、日ノ本では宇喜多直家が初めて具現化した。この新しく普請した石山城が、のちの岡山城である。さらに言えば現在の岡山県の商業発展の基盤となった。
次に城下町をも内包した城が出来たのは、これより五年後、近江国に着工した安土城である。むろん、その城主は織田信長であった。
本書は、その宇喜多直家の物語である。
武力とはすなわち財力である。それを直家は実践していく。
乱世に生きる上での人知の深さは、その当人に、悪の要素が多少なりとも入っていることから生まれる。正確には、悪とは何かを充分に知りなが