垣根涼介のレビュー一覧
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感想
光秀の大冒険。歴史小説にしては扱う題材が珍しい。
あらすじ
信長が京に上洛を果たした頃、光秀に原理を教授した愚息と新九郎が、勝家の郎党と揉めて刃傷沙汰を起こす。信長が二人に京を出るついでに武田の金山と毛利の銀山を調べてくるように命ずる。
光秀、愚息、新九郎の三人は、甲州の湯の奥金山を目指す。その道中で武田家の蔵前衆の土屋と出会う。土屋は3人に親切にしつつも、3人の目的を探る。3人が織田家の家中で金山のことについて調べていることを言い当てる。
土屋は3人のことを武田に通報しない代わりに自分も石見に連れて行って欲しいと談判し、光秀は受け入れる。
三人で小早川隆景に謁見し、手形をもら -
購入済み
戦国武将の宇喜多直家の一生です。直家の子供の秀家が秀吉亡き後の五大老の一人で知っていましたが、直家の生涯は知りませんでした。
苦労して下克上の時代を生き延び、大名となったことも初めて知りました。史実かどうか知りませんが、垣根さんの直家に対する愛情を感じます。ただ、誰か他の方もレビューされていましたが、所々に性愛テクニックに関する記載がありますが、必要かなと思う一方で、流れとして必要だったのだろうと思います。
下巻まで含めると☆4つですが、上巻は☆3つです。 -
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制度や秩序が不安定な時代だから、人間同士の「野生のカリスマ性」が光る時代とも言えそうだ。そこでは単に〝強くある事“が重要だし〝義侠心“も求められる。つまり、だからこそ「無頼」が主役になる時代だったということか。さて、下巻。
垣根涼介の戦闘シーン、義侠心を見せるストーリーテラーは才能だ。エンタメ小説として見事にその要素を高いレベルで提供する。だから、登場人物が一々爽やかで、一々カッコよく、何だか可愛らしい。
で、これも垣根涼介ではお決まりというかエンタメとしての読者サービスの濡れ場だが、本作でも当然のように挿話されている。行為を究極の技巧として描く感じはいつもながら違和感だらけ。まるで剣技を -
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【2025年58冊目】
戦国時代の京――三人の男が運命的な出会いを果たす。若き兵法者・新九郎、破戒僧・愚息、そして十兵衛こと後の明智光秀である。新九郎と愚息の二人と十兵衛の交流を通して見る、明智光秀の出世と反乱の物語。
歴史小説というのは、さまざまな解釈で書かれているのが大きな魅力の一つのような気がしています。明智光秀――信長に謀反をし、秀吉に打たれた三日天下人。史実の概略だけを見るとただの謀反人ですが、命を賭した戦国時代に、謀反を起こそうと思ったまでに至ったのかは何故なのかを突き詰めると「確かになぜ」と思うところから本作が生まれたのかもしれません。
新九郎と愚息が実際にいたのかいなかった -
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上巻を読んでから少し間が空いてしまい、上巻を読み終わった直後の熱量が下がった状態から読み始めましたが、読み始めたらたちまちのめり込んでしまいました。流石の垣根先生。
上巻は徒手空拳から大名に成り上がったところで終わり、下巻は版図の拡大と織田、毛利との駆け引きが描かれています。上巻ほどのドラマチックさはないですが、動きがない分、直家の人となりや考え方が丁寧に描かれてよかったと思います。
これだけの偉業を成し遂げたのに知名度が今ひとつなのは、やはり歴史は勝者のものだからでしょうか?わたしも今まで碌に知らなかったので他人のこと言えないですが。。
今回、宇喜多直家のことをネットで調べてたら、宇喜 -
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ネタバレ下巻では、それぞれの過去と向き合う四人の男たちが、自らの意志で生きる道を選ぶ。復讐を終え、移民時代のしがらみから解き放たれた男達が、そこから先の「尊厳」を取り戻す、静かな闘いだ。印象的だったのは、山本と松尾。
山本は逃亡中に意識を失い、半身麻痺のまま病院で目を覚ました彼は、仲間を売ることなく、自ら命を絶つことを選ぶ。その決断は単なる罪滅ぼしではない。過去に縛られ続けた自分からようやく解放され、「自分のために生きた」と言える一瞬の自由を味わいたかったのだ。死の間際にして初めて“自分”を取り戻す姿が、痛ましくも美しい。
そして、本作で最も鮮烈なのが、松尾の結末だ。裏切りを悟った仲間と車に乗り込んだ -
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リストラを代行する会社に勤める男性・村上真介が主人公。
会社の依頼でリストラ候補者に面接し、人数分を依願退職へと持っていく。
嫌われ役を買って出る?
判断力と説得力は必要とされる仕事でしょう。
リストにある対象者のこれまでの人生を考慮して、どういう道へ進むのがいいのかを考える姿勢があるのは、良い所。
他人事と思えなくなってきた相手もいたりして。
まったく知らない世界の話なので、かなり疲れました。
それだけに、垣間見る面白さはありました。
この辺は常識? これは例外的なのか?と迷いつつ~
会社と一口に言っても色々だから、業種による違いもあることでしょうが。
人の人生を大きく変える役割、と思 -
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垣根先生の「武田の金、毛利の銀」を先日読んで、帯にこちらの本も紹介されていたので手に取ってみました。
戦国武将の宇喜多直家の話とのことですが、お恥ずかしながら歴史好きなのに、この方のことを全く知りませんでした。宇喜多といえば秀家しか知らず(直家の次の代の当主)それも関ヶ原でどっちについた…レベル。。でも戦国の三大梟雄だったそうで。松永久秀と斎藤道三は知ってたんだけどなーという感じです。手段を選ばずのし上がった方ということらしいのですが、我々の現代感覚から言えばそこまで阿漕なことをしているようには見えませんでした。垣根先生の書き方がうまいのか。。
上下巻ですが、上巻では幼少時代に零落してしま