狛犬。そう、神社、社殿の前に遂に鎮座する左右の阿吽。
主人公が深夜に遭遇した異様な大きさの黒犬は、半死半生の状態だった。動物病院へ駆け込むと、不可解なことに判別不能の犬種で獣医も戸惑うばかり。
やがて主人公との共同生活が始まるが...
垣根氏らしい、人間の心の機微がつぶさに描かれる。
社会風刺もさることながら、無常の描き方が巧み。
法治国家であれば、罪を憎んで人を憎まずの精神であるが、法治国家でなければ。罪人に最上の苦しみで死をもって罰をあたえることは...天罰、天誅。
次作がありそうな終わり方なので、ぜひ期待したいところ。