ウィリアム・シェイクスピアのレビュー一覧

  • シェイクスピア全集 テンペスト

    Posted by ブクログ

    キャリバンは酷いやつって客観的に思えるかもしれないけど、実際どうなんだろう。入植者がいる限り支配者は必ず出てくるよね…

    0
    2024年03月05日
  • ジュリアス・シーザー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     イギリスの教科書で採用されるほど有名な悲劇作品。ローマ皇帝ジュリアス・シーザー(カエサル)を主人公とした作品で、多数の登場人物が現れる。物語は一貫して政治闘争が繰り広げられており、ゆえに多くの人物が死んでいくが、本作は四大悲劇とは性質が異なった悲劇作品である。解題で言及されているが、本作『ジュリアス・シーザー』は、上記四作品のような息抜きや笑いの場面が一切ない。その代わり、物語が終始生真面目で緊張感が続いてる。また中村保男による解説も秀逸。主人公とその敵であるブルータスいずれかの立場の視点から本作を読んでいくと、見方が180度変わる。ブルータスの悲劇的な描写は、理想主義の敗北を象徴しているらしい。

    0
    2024年03月02日
  • 夏の夜の夢・あらし

    Posted by ブクログ

     幻想喜劇の『真夏の夜の夢』とシェイクスピア最後の作品『あらし』の二作品を収録。両作品ともに女性キャラが、近年の漫画、アニメにありそうな特徴を持っており、現代の作品(ジャンルとしてはファンタジー、ラブコメに近い)を読むように両作品を楽しめる。また『あらし』の解題で、本作品には元ネタと思われるものがほとんどないと指摘されている。シェイクスピア作品の多くは、複数の元ネタ作品を組み合わせて、作品を作り上げたが、最後の作品は、極限までオリジナリティを出した。ここから、偉大な文学作品を編み出したシェイクスピアは、初期ではたくさんの他作品を借用して創作するが、年齢を重ねるにつれて、徐々に独自性を磨いていく過程は興味深い。

    0
    2024年03月02日
  • リア王

    Posted by ブクログ

     四大悲劇の一つで、主人公リア王とその娘たちの闘争が展開される。三人姉妹の長女ゴネリルと次女リーガンは、リア王の権力と財産を得たことで、物語は急展開する。ここから、貴族たちの血みどろの争いが繰り広げられる。物語が進むにつれて、次々と登場人物が無残に死んでいく様は、人間の業の深さをよく表している。たとえ身近な人々であったとしても、あるものを手に入れるために、自分の敵となる者を徐々に排除していくのを見ると、人間はここまで惨い存在になってしまうことがわかる。解説にあるように、本作で用いられる動詞は、苦痛を感じさせるようなものが多く、読んでいくうちに、読者側も実際にダメージを受けるような表現が散見される。

    0
    2024年03月02日
  • リチャード三世

    Posted by ブクログ

     シェイクスピア作品のなかでも死者数が最も多いと言われる悲劇作品。その主人公リチャード三世は、あらゆる文学作品のなかでも最大の悪人だと言われており、実際に本作を読んでいくと、確かにそのような見方をされても無理はない。リチャード三世の一連の行動に注目すると、リチャード三世は、自身の敵となる者に対して容赦なく潰しており、そこから、マキャベリ『君主論』の内容を実践する、いわゆるマキャベリストと見なされる。権力を巧みに行使して、相手を徹底的に潰す様子は、人間がどれほど恐ろしい存在であるかがよくわかる。とくに権力者が客観的に見て悪人である場合、人間に対してどれほどひどい仕打ちを与えるのかが本作から伝わる。

    0
    2024年03月02日
  • オセロー

    Posted by ブクログ

    イアーゴーは何故オセローを恨み、すべてを賭けてオセローを陥れようとしたのか。リチャード3世のように身体的なコンプレックスから悪事に手を染めるといった経緯がイアーゴーにはない。イアーゴーによる、オセローへの「(自分の名誉を傷つけられたことに対する)怨念」、キャシオーへの「男の嫉妬」、デズデモーナへの「逆恨み」が、オセローへの復讐に向かわせた。なるほど人はそうしたことを考えるかもしれない。ただ、ここまでの大がかりな企てに走るというのは現実的ではないように思える。イアーゴーはシェイクスピアが描きたかった「人間の本質」ではなく、世間一般の悪意を表すものとしての舞台装置として考えてよいように思う。

    一方で、オセローはなぜイアーゴーの罠に落ちたのか。歴史的な背景からして、オセローがムーア人であることをコンプレックスにしていたということはないだろう。また、言動からして極度のやきもちやちということでもない。

    オセローに至らぬところがあったのだとすれば、ただただオセローがそうした悪意に対して備えが甘かったこと。そして、自分の能力を信じるあまり、事実や状況の判断に失敗したこと。いかに優れた人であっても一歩あやまれば破滅が待っている。これほど恐ろしいことはない。

    0
    2024年02月25日
  • オセロー

    Posted by ブクログ

    四大悲劇(ハムレット、オセロ―、リア王、マクベス)の中で、『ハムレット』に次いで2番目に作られた作品。
    シェイクスピア作品は、限られた登場人物の中に多様な人間関係・人間心理が織り込まれているものが多く、また、本作品以外の四大悲劇は、作品名となっている主人公が、その多様さ・複雑さを体現する中心人物として描かれているのだが、本作品については、ヴェニスの軍隊の指揮官であるムーア人のオセローよりも、むしろ、あらゆる関係者を騙し、死に追いやる、側近で旗手のイアーゴーの存在感が極めて大きい、珍しい作品である。
    また、本作品の特徴の一つは、言うまでもなく、オセローがムーア人である点だが、本作品の種本(チンティオの『百話集』)において、主人公はムーア人とされているものの、シェイクスピアが、主人公を白人ではなくムーア人のままとしたことの意図については、諸説あるらしい。作品の中でオセローは、白人の妻デズデモーナが、自分が「黒人だから」心変わりをしたのではないかと訝る場面はあるものの、全編を通して差別的な描写はほとんど見られないし、むしろ、シンプルに言えば、武力に優れながら、素直に人を信じるムーア人を、不誠実な白人が騙したという構図は、当時は異質とも言えたのではないだろうか。(尚、「ムーア人」とは、現在においては、当初、北アフリカの先住民であるベルベル人を指していたものが、中世に、北アフリカからイベリア半島に住むイスラム教徒全般を意味するようになったとされているが、400年前のシェイクスピアの時代に、どのような人(人種・民族)を表していたのかはっきりしない)
    イアーゴーの複雑な立ち回りが、現代のサスペンス小説・ドラマにもなりそうな、シェイクスピア悲劇の傑作である

    0
    2024年02月19日
  • ヴェニスの商人

    Posted by ブクログ

     見方によっては、喜劇とも悲劇とも思える作品。また、読み方によって、資本主義(商人資本)の構造を読み取れる。シェイクスピアはおそらくユダヤ人と会ったことはないが、それでも、典型的なユダヤ人(本作のシャイロック)を巧みに書く想像力のすごさを、本書の解説で言及されている。

    0
    2024年02月18日
  • リチャード三世

    Posted by ブクログ

    悪に染まる宣言から始まる冒頭の掴みが秀逸!
    最初に独白する劣等な境遇に共感する読者は意外に多いような気もします。悪党を志す邪なキャラクターを主人公に据えた物語は史上初だったのでは?と関心する構成。
    王族に生まれながら、悪行に身をおかねばならなかった悲劇の物語とも読み取れます。王族のランカスター家、ヨーク家も元を辿れば一人の王に行き着きます。短い期間で両家から幾人もの国王が生まれ敗れていく。(薔薇戦争)
    その最終走者がリチャード三世。王族をとりまく諍いの火種をひとつひとつ消していく悪行は権力の行き所をシンプルさせていきます。
    この冒頭の独白は国王を目指す覚悟の宣言であり、その後の諸行は国王になるためのプロセスだと捉えると更に面白く感じられると思います。
    この戯曲のテーマはテューダー朝が起こる英雄譚の裏にあるBサイド(Badサイド?、Blackサイド?)を描く!にあったと思います。

    0
    2024年02月25日
  • ヴェニスの商人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    産経新聞にイスラエルガザ地区紛争の解説記事で、キリスト教徒のユダヤ人に対する見方がよく現れている文学という事で紹介されていたのをきっかけに読んでみた。

    描かれているのは、高利貸しのユダヤ人、シャイロック。キリスト教徒から悪どい金貸しとして疎ましく邪険に扱われる毎日を送っていた。ベニスの実業家のアントニオは友人の旅の資金の借金の保証人となり、払えなかった際の担保として自分の肉1ポンド差し出す事を契約書に記載する。事業に失敗したアントニオは借金を払うことができなくなり、シャイロックは積年の恨みをここで晴らすべく、契約書の履行、すなわちアントニオの死を執拗に求める事となる。大公や元老も慈悲を求めるが、日頃の恨みをここで晴らすために契約書の厳格な履行を求める裁判を起こす。

    ここで語られるのは、契約という法律の厳格な履行による法治と慈悲との対比であり、ビクトル・ユーゴーのレ・ミゼラブルで問うている正義とは何かという命題と同様の葛藤である。結局はその試みは、もう一人の重要人物である、ベルモントの大富豪の美しい娘、ポーシャのやや詭弁とも思える機知によって打ち砕かれ、更には財産を没収された上にキリスト教徒への改宗まで命じられるという、この物語での最大の敗者となってしまう。悪人として描かれるユダヤ人が、キリスト教徒による正義の鉄槌で裁かれるのである。

    物語の一面においてユダヤ人のシャルロックが無慈悲な復讐に突き進む姿が描かれている。復讐劇は日本や中国の文学では美談として描かれる事が多いが、欧米では復讐は決して称賛されるものではないという価値観も読み取れる。

    何百年も読みつがれる物語であるだけの深い話だった。次は演劇で見てみたいと思わせるストーリーである。

    0
    2024年01月06日
  • から騒ぎ

    Posted by ブクログ

    シェイクスピアの翻案という視点で見るとよく出来ていると思う。

    掛け合いのところのセリフなど、原作に引きずられているのか妙に堅くて不自然だが、絵柄や設定など少女漫画らしいと感じた。
    主人公は戸部ありす=ベアトリスで、彼女の心情描写が増えているのも少女漫画っぽい。

    後半の比呂=ヒーローが陥れられるくだりは現代の高校生に合った流れで良かった。

    悪役の出番が少なくて掘り下げが薄く、名前まで適当なのが気になったが、あとがきをみるに作者があまり興味がなかったらしい。

    0
    2023年11月20日
  • シェイクスピア全集 ロミオとジュリエット

    Posted by ブクログ

    名高いシェイクスピアの傑作だが、原作を読むと長ったらしい台詞がうっとうしいったらありゃしない。これを、違和感なくしゃべる役者さんは偉い。

    0
    2023年11月11日
  • リチャード三世

    Posted by ブクログ

    さすがシェイクスピア。翻訳にも関わらず文章が美しい。人間同士の闘いのシーンを描ききったのは秀逸。物語として舞台になることがよくわかった。リチャード三世のキャラクター性に心惹かれた。

    0
    2024年08月04日
  • 夏の夜の夢・あらし

    Posted by ブクログ

    はじめて読んだシェイクスピアの作品がこの本でした。
    悲劇が有名な方なので逆に喜劇の方が気になって読み出したけど、意外とギャグ展開が多くて面白かった!
    最初は人物の名前や関係性を覚えるのが大変だったが読んでるうちに覚えていくのでスラスラ読めました!
    また違う作品も読んでみたいと思います。

    0
    2023年09月07日
  • シェイクスピア全集 十二夜

    Posted by ブクログ

    船の難破に合ったオリヴィアは男装し、公爵オーシーノーの元に従者として仕える。男装の身であるにも関わらず公爵に恋してしまう。

    その公爵は伯爵嬢ヴァイオラに恋するが相手にされず、オリヴィアを使者に差し向ける。しかし、そのオリヴィアにヴァイオラが恋してしまう。

    恋の矢印が向いていることに気が付かない男公爵と、
    男(男装)の身でありながら男に惚れてしまった女と、
    女(男装)に惚れしまった女の三角関係が始まる。

    そこに難破で亡くなったと思われていたオリヴィアの兄セバスチャンが登場。
    男装したオリヴィアに瓜二つのその兄がヴァイオラと結婚、オリヴィアは女性の姿に戻ることが叶い公爵オーシーノーと結婚。

    0
    2023年08月27日
  • ロミオとジュリエット

    Posted by ブクログ

    「心の想いというものは、言葉よりも内容によって床しいもの、実質をこそ誇れ、言葉の華を誇るものではございません。」

    こんな悲劇の恋愛ストーリーだったのだ。
    読んでいる私もストーリーに思わず同情してしまうような和訳に感動した。

    0
    2023年08月17日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

    Posted by ブクログ

    とても読みやすく、物語の流れも分かりやすい。シェイクスピアといえば多くの登場人物に、複雑な人間模様……という感じだが、その源流こそ見えども登場人物たちの動きが(他のシェイクスピア作品と比較して)認識に容易いな、という印象。

    主人公ハムレットは、父王を殺し、父王の妻(ハムレットにとっての母、そして女王)と再婚して王冠を手にした叔父(父王の兄弟)に復讐を企てる、という物語。

    ハムレットといえば「狂乱」という言葉がついて回る。ハムレットは父王の亡霊に暗殺の真実を伝えられて復讐を決意するが、周囲の目を欺くためか自身は狂乱を演じる。果たしてハムレットはその言葉通りに狂気を演じていたのか、はたまた本当に狂っていたのか、という議論が起こったりするが、側から見れば演じられた狂気も本当の狂気も大差のないものだと思う。

    この物語において、父王の死や女王の再婚についてハムレットただひとりだけが騒ぎ、その行為を糾弾し、復讐のために行動する。この様相は側から見ると狂気そのものであるように思えるし、ハムレットとハムレット以外の人物たちの思考や行動について不思議にも思った。

    この疑問については中野春夫氏の『「不思議の国」のハムレット』を読むとうんと納得できた。曰く、ハムレットとハムレット以外の人物たちは違う価値観と常識のもと物語の中に存在しているという。ハムレットが上演された時代の背景もふまえて、ハムレットを除いた登場人物たちが持つ常識に対して、観客たちが持つ常識とそこから生じる思考の代弁者がハムレットである、という。

    しかしハムレットに関する研究論文の全てに目を通そうとすると本編を読む時間がない、という言葉にある通り、この解釈を得た状態で再びハムレットという物語をまた見つめ直すと解釈の余地が生まれ、さらに違った疑問を持つのではないかと思う。舞台で演じられるハムレットもいつか見てみたい。

    0
    2023年07月24日
  • ジュリアス・シーザー

    Posted by ブクログ

    タイトルからの想像を裏切る構成が面白い!
    読んでいて思ったこと。
    シーザーは織田信長
    ブルータスは明智光秀
    アントニーは豊臣秀吉
    オクタビアヌスは徳川家康
    と設定かぶりがあるような気がした。
    シーザーは暗殺されたから偉大な存在になったとも言えるのかもしれない!そんな史劇のカタルシスがなんともたまらない作品でした。

    0
    2023年07月19日
  • ヴェニスの商人

    Posted by ブクログ

    後書きや解説にもあったが、終盤のロレンゾーとジェシカの掛け合いが軽妙で快い。

    普遍的な面白さを地で行っている作品。

    0
    2023年06月15日
  • ヴェニスの商人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    大筋はスカッとなんとかみたいな印象。
    ただし舞台はジャパンではないので、現代の倫理観やらコンプラやらを取っ払った状態で読んだ場合に限る。

    プロポーズのくだりが好き。

    0
    2023年06月06日