ウィリアム・シェイクスピアのレビュー一覧
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昨年『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』というテレビドラマが放送されたが、同作のタイトルは本作に出てくる有名なセリフに由来する。そんな本作を読んでみて思ったのは、すごく「演劇的」であるということ。戯曲であるから当たり前といえば当たり前なのかもしれないが、小説ではありえないような展開、あるいは戯曲ならではというような表現が頻出する。ロザリンドが男装するくだりなんていかにもそうで、たんなる文字情報としてみてもあまりおもしろくはないし、正直そんなに簡単に騙せるものかと思ってしまう。でも戯曲として、演劇として読むからこそ、ロザリンド役の俳優がそのまま男性として演じる様子が思い浮かぶし、そうなると騙せる騙せないとツッコむのは野暮になるだろう。俳優は「そう演じている」という設定であればそのように納得するしかない。本作もこのようにまるで演劇のような読みかたができるかどうかで、あるいは評価が変わるかもしれない。
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Posted by ブクログ
シェイクスピア、難しい印象だったが読んでみるとそんなことはなかった。
劇なのでセリフが続く。
普段読む小説と違うので馴染むまで抵抗があったが、見せ場のセリフはそのへんの小説よりもよっぽど格好の良い洒落た文章になっている。
これがクセになって読み進めてしまうし、
ストーリーを進めるためのセリフはとても簡単に書かれているのでサクサク読める。
今読むととてもスタンダードなストーリーなのだが、多分ここが源流なのかな。
ミレーの描いたオフィーリアが美しいので、どんな話なのか気になっていた。
川で沈みゆくことになる理由が知れて良かった。
ラストもこうなるのか、という内容だった。
またシェイクスピアの他の悲劇を読んでみたい。
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Posted by ブクログ
史実では、スコットランド王ダンカンを、妻にそそのかされて殺害し王位を簒奪したとされるマクベスを主人公とする本作は、その野望によって手にした束の間の栄華と、やがて破滅へと転落していく姿が、日本で古くから語られてきた「栄枯盛衰」や権勢の儚さと深く通じるものがあり、一気に読み進めることができた。
物語の構図は『リチャード三世』にも近い。しかし、マクベス自身はリチャード三世のように権謀術数に長けた人物として描かれているわけではない。むしろ、王位簒奪という罪に苦しみ、良心の呵責に苛まれる人物として描かれている点が印象的であった。権力への執着も、彼自身の純粋な野心というよりは、妻に鼓舞され、追い立てられた末の選択であったように思われる。その意味で、彼はシェイクスピア作品にしばしば見られる理想的で強靱な男性像とは、むしろ距離のある人物として描かれているのではないだろうか。
また、本作を読んでいて興味深かったのは、男性が権力や名誉を追い求める背景には、しばしば伴侶である女性からの期待や圧力が存在するという構図である。もちろん、すべての男性や女性に当てはまるわけではないが、マクベスの悲劇は、男性が自らの本心ではなく、他者から求められる「理想の男性像」に自らを重ねようとした結果として生まれた悲劇とも読める。その意味で、本作は権力の悲劇であると同時に、人間が他者の期待に応えようとすることの危うさを描いた作品でもあるように感じた。 -
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★★★★ 何度も読みたい
イタリアで商人として大成していた主人公は、友人の恋に力を貸すため、ユダヤ人の高利貸しから、期日までに返金できなければ体のどこからでも1ポンド肉をとっていいという条件で借金をした。しかし彼の船は沈没し、返すあてがなくなってしまった。期日を迎え、裁判にかけられた結果は…?という話。裏表紙の悲喜劇というのがどんな内容を指すのか分からず、終盤までハラハラしながら読んでいたが、すっきりとした後味でよかった。
裁判での『博士』の答弁は圧巻だった。原告に歩み寄るようでありながら、その論理をもって論破するという美しいやり方だった。あのシーンだけでも人に勧める価値があると思う。一方で、そこが素晴らしかったからこそ、報酬の要求は試し行動のようで、キャラクターとして一貫していないような印象を受けた。
悪役はユダヤ人であり、時代背景として完全悪として扱うのかと思っていた。しかし完全に主人公側についている裁判官の公爵に対する反駁には、ユダヤ人だからといって血肉の通わない舞台装置ではなく、キリスト教徒の暴虐への反発も併せ持ったキャラクターとして描かれているのかと感心した。しかし、訳者あとがきを読む限り、原典には無かった要素らしい。
『マクベス』を読んでからこの訳者の訳でシェイクスピアがまた読みたいと思い、手に取ったが、今回も非常に楽しめた。『ヴェニスの商人』にはユダヤへの差別が含まれている。主人公を単に善とすべきか、かといって殺人に走ろうとした高利貸しを善としてよいのか、一読しただけではなかなか言語化が難しい、過剰に贔屓される主人公や過剰に痛めつけられる敵役へのもやもやが納得できる形で提示されている。あとがきや解説にはがっかりさせられることもあるが、本作はぜひ最後まで読んでほしい。 -
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読書備忘録986号。
★★★★。
シェイクスピアに敬意を表して★4つ。
普通に町田そのこ作品と比べたら★2つかな。
マクベスです。
読みやすさで定評のある角川さんの新訳版を選びました。
正式な作品名は「確定のマクベス」です。未必ではなく確定です。
ウソです。ウソ。
2026年のベスト候補「未必のマクベス」の後学習として原典を読みました。
王の忠実で優秀なしもべであるマクベスが3人の魔女に唆され、夫人に煽られて道を踏み外し身を破滅していくという悲劇。
シェイクスピアの4大悲劇。このマクベスはマクベス本人の悲劇なんだろうか?
作中ダンカン王の息子マルカムと、王のしもべたる貴族、マクダフの会話。
「際限のない情欲は人間らしさを踏み躙る暴君」
「王が没落し王座がカラになった」
「そこに情欲が起きて争いが」
「一度権力を手に入れると周りが全て信じられなくなり悲劇が起きる」
その繰り返しだと。
そうすると、そもそも論の悲劇とは人間が情欲を持ったこと!という感じにも読める。
魔女が言う。「女から生まれた者にはマクベスは倒せぬ。」
マクベスを討ち取るマクダフは帝王切開だったようですが、女から生まれていますね。「未必のマクベス」ではより正確に、女の股から生まれた者には・・・、という表現にしていた。
魔女が言う。「マクベスは決して滅びぬ、広大なバーナムの森が、高いダンシネーンの丘に向かってくるまでは。」
マクベス討伐隊は、バーナムの森の木の枝を迷彩にして王宮に迫る。まるで森が動いているように。
ふむふむ。
読むことが目的であった読書なので150pくらいでホッとした。これが500pだったらやばかった。