あらすじ
妖精の王とその后の喧嘩に巻き込まれ、さらに茶目な小妖精パックが惚れ草を誤用したために、思いがけない食い違いの生じた恋人たち。妖精と人間が展開する詩情豊かな幻想喜劇『夏の夜の夢』。ほかに、奸悪な弟に領地を奪われ、娘ミランダと共に絶海の孤島に漂着したミラノ公プロスペローは、魔法の力を究め弟の船を難破させたが……シェイクスピア最後の傑作『あらし』を収める。
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「あらし」は今のところ僕の中でシェイクスピア作品のトップ。
なんて綺麗な表現の数々なんだろう。
悲劇作品の名言とはまた違う名言の数々。シェイクスピアの引退作品であることをふまえたエピローグに感動。
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バレエの演目が大好きで、思い出深いこの作品
学生時代以来で読んだけど、この品のあるドタバタ喜劇、面白くて面白くて笑いながら読みましたー。
楽しかった☺️
戯曲がこんなに楽しく読めるようになったはお嬢が演劇やってくれたおかげかと思う。
一緒になりたいライサンダーとハーミア、
ハーミアの父から信頼を置き、ハーミアを想うデメトリアス、
デメトリアスに恋するヘレナ。
この4人が、妖精の王オーベロンと、パックの媚薬せいで恋敵が入れ替わり…
恋のお話しもやっぱり好きだけど、
大公が庶民の演技をあたたかく見守る、
5幕の劇中劇のシーンがなんだか良かったなぁ。
出来るトップは部下たちをも尊重するのね…とか考えちゃったりして
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再読。『夏の夜の夢』最も好きな喜劇。ヘレナがんばれと思いながらみていたが、ハーミア罵倒のシーンはやはり楽しい。作中劇を演じるボトムら職人たちが、明るく善良で下品さ粗暴さがないのところも好き。いたずらもののパックも好感が持てる。
『あらし』2012ロンドンオリンピックの開幕式がキャリバンの台詞で始まったことに気が付いたことが少し自慢。続いた各国の入場式を見て ”これ程美しいとは思わなかった、人間というものが! ああ素晴らしい”というというミランダの台詞を思いだした。大調和の世界を感じさせるこの作品も大好きな作品。
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夏の夜の夢・あらし
(和書)2009年03月11日 15:55
1971 新潮社 シェイクスピア, 福田 恒存
超自然世界と人間の諸関係が現実原則・快感原則の価値転倒を招きそれによって起こる喜劇・悲劇が面白かった。
諸関係を周到に批判出来ているから可能な作品でとても秀逸でした。
「夏の夜の夢」も良かったが「あらし」が非常に気に入りました。
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夢のように軽やかで神秘的な「夏の夜の夢」。生命力溢れる森の美しさ、個性豊かな妖精たち。夢ならば覚めて欲しくないと願う美しい宝物のような物語。
「あらし」は同じ幻想的でハッピーエンドの物語ではあるが、どこか人間の欲深さや罪深さが影を落としているように感じられた。全てを支配する絶対的な魔術師プロスペローが最後、己が力を自らの意思で手放したという事実がどこか作者自身の決意を感じさせる。
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(レビュー・感想というより、読むに至った経緯)
夏の夜の夢
一言でいうと、ハチャメチャ喜劇的ラブストーリー
あらし
一言でいうと、人間同士の和解にいたる物語
どっちも妖精が出てくるにも関わらず、
それほどファンタジー要素を感じないような。
・・・
本格的にシェイクスピアも学べば良かったと、
今更後悔している。
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フルート シスビーっていうのは、なんだ? 武者修行の騎士か?
クィンス お姫様だ、ピラマスが恋する相手だ。
フルート いやだよ、女形はごめんだ、ひげが生えかかっているのでな。
2014/03/24-04/03
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「あらし」
「アントーニオとセバスティアンには最初はそのような意図はなかったのです。それはアロンゾーとゴンザーローの上に投げ掛けられた魔法の眠りによって暗示されました。しかし彼らは、他の人々が言った事に対して状況も年齢も考慮せず、あざけり罵倒する人物――どんなに素晴らしい真実を教えてもらっても感激することなく、悪意に満ちた非社交的な感情に身を任せていて、他人の言うことには何でも耳を傾けるけれども、それは他人の経験や知識からなにか自分のためになるものを得ようとするのではなく、相手が自分よりも劣っていると信じ込んで、虚栄心や利己心を満足させてくれるものを聞き出すために過ぎないような人物として登場します。
これこそ悪人の主要な特徴の一つであると言わなければなりません。もし人がよほどの大馬鹿者でない限り、全ての人間は自分と同じように邪悪な者だとか、そんな程度の者かも知れないとか思うとしたら、それこそ地獄を予感させるというよりは、地獄を垣間見るような気がします。」『シェイクスピアとミルトンについての講演 第九回講演』コールリッジ
キャリバンが気になる。奴隷としての人生以外を想像することもできない。嫌悪と憐れみを伴う共感を感じる。きっと、こういう生き方を選んでいる人もいるんだろうなって。
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幻想喜劇の『真夏の夜の夢』とシェイクスピア最後の作品『あらし』の二作品を収録。両作品ともに女性キャラが、近年の漫画、アニメにありそうな特徴を持っており、現代の作品(ジャンルとしてはファンタジー、ラブコメに近い)を読むように両作品を楽しめる。また『あらし』の解題で、本作品には元ネタと思われるものがほとんどないと指摘されている。シェイクスピア作品の多くは、複数の元ネタ作品を組み合わせて、作品を作り上げたが、最後の作品は、極限までオリジナリティを出した。ここから、偉大な文学作品を編み出したシェイクスピアは、初期ではたくさんの他作品を借用して創作するが、年齢を重ねるにつれて、徐々に独自性を磨いていく過程は興味深い。
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はじめて読んだシェイクスピアの作品がこの本でした。
悲劇が有名な方なので逆に喜劇の方が気になって読み出したけど、意外とギャグ展開が多くて面白かった!
最初は人物の名前や関係性を覚えるのが大変だったが読んでるうちに覚えていくのでスラスラ読めました!
また違う作品も読んでみたいと思います。
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今さらシェイクスピアの第二弾。
全く知らない作品だったが、「夏の夜の夢」は初期の喜劇として有名らしい。イタズラ妖精が結婚前の男女を振り回す、という内容的には面白くも何ともないのだが、一度では分からない味があるのか。
後半の「あらし」こちらは晩年の喜劇らしい。これも妖精が出てくるが、主人公が陥れられて島流しされた王で、今の王族復讐するという少し重い話で、目新しくはないが面白かった。
喜劇なので、もっとコミカルなやり取りがあると思ったが、そういうことではなく、ハッピーエンドかバッドエンドか、という分類ということだ。この歳まで知らなかった。
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シェイクスピアははじめて読んだ。予想よりずっと面白い。
「夏の夜の夢」
三組のキャラクターたちの群像劇。三谷幸喜作品みたいにわちゃわちゃしていて楽しく読める。
パックは「俺様、何が楽しいといって、万事めちゃめちゃのこんぐらかりくらい、お気に召すことはないのさ」とひどい。妖精らしい。
オーベロンも従者に対して「気違い小僧」と口が悪い。そもそもオーベロンとタイターニアは仲がいいわけじゃないんだなあ。
「あらし」
プロスペローはエーリアルこき使いすぎだ。
目の前の人参のように「これが終わったら自由にするから」を多用するので、本当に果たされるのかハラハラした。
エピローグが観客を劇に参加させる作りで、ショーマンやなあ!と感心してしまった。
本作がシェイクスピア最後の作品なのも感慨深い。
翻訳家の福田さんは翻訳家として、
「原文の詩の美しさが、多国語に翻訳し得る限界を遥かに越えている」と嘆いでいるが。
とても美しく読みやすい文章だった。
「かわゆい」と言う言葉選びもかわいい。
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「夏の夜の夢」の原題は「A Midsummer Nights Dream」。Mid Summer-Dayは夏至で、MidSummer-Nightsは、その前夜。翻訳された方によれば、日本での題名は通常「真夏の夜の夢」とされているけれど、真夏というと日本でイメージする夏真っ盛りの暑さと、イギリスでの夏至のころの爽やかな初夏の陽気は全然違うので「夏の夜の夢」と訳しましたとのこと。ご本人も言っておられるように「夏の夜の夢」でも、おそらくイメージに爽やかさは望めそうにないので(そうでなくとも昨今のこの暑さ)、現代通りに「夏至前夜」でも良いくらいに思う。
この「夏至前夜」は、西洋では妖精が跳梁し薬草の効き目が特に著しくなる日と言われていたのだそう。日本(アジア圏?)では冬至が特別視されることが多いのではないか?冬至は最も昼が短く夜が長く、魔の力が一番強くなる日として魔を払うために南瓜を食べたり小豆を食べたりしています。また児童文学の「『光の六つのしるし』 (闇の戦いシリーズ 1) スーザン・クーパー 」でも冬至が最も魔を抑える力が弱まる日と描かれていたように思う。逆に夏至の日に、妖精やらのファンタジーな力が強まるというのは意外。
「夏の夜の夢」では、恋人たちがパックの惚れ薬に振り回される顛末は面白い。もっとパックのいたずら心が引き起こしたものかと思っていたのだが、そういうわけではなかったとも知った。加えて妖精たちの描写が面白く楽しいと同時に、森の描写が美しく幻想的だった。
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新国立劇場で「テンペスト」いままさに上演してますね。
プロスペロー
「吾らは夢と同じ糸で織られているのだ、ささやかな一生は眠りによってその輪を閉じる」
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この2作を読むと、シェイクスピアにおける喜劇とは何だろうかと思う。ことに、「あらし」がそうだ。喜劇の定義がよくわからないが、どうも悲劇でないものとしか言いようがないようにも思えるのだ。さて、篇中前半の「夏の夜の夢」は、戯曲として読むよりは、舞台で見る作品だ。ここでは、3つの世界が劇を構成するが、何といっても妖精の世界をいかに見せるかに演出の妙があるように思う。人間技を超えた軽やかさが求められるだろう。一方の「あらし」は、なんだか悲痛ささえ漂う。エピローグは、あたかもシェイクスピアの辞世の言葉のように響く。
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シェイクスピアの最後の作品「あらし」に加え、メンデルスゾーンの結婚行進曲でお馴染みの「真夏の夜の夢」
あえて夏の夜の夢と訳した理由もキリスト教の文化圏から考えると納得できる。
どちらの作品も妖精が物語に重要な役割を果たしていて、物語性がより一層増している。また、下地になる作品がなく、ほぼシェイクスピアの想像の世界でできている。
どちらの作品にもこれまでの悲劇作品のような愛憎劇が多分に盛り込まれているのにも関わらず、それを超越した力で喜劇にまとめ上げているところに、シェイクスピアのひとつの終着点がみえる。
だが、どうしても作品が短いためか、その転換が煮詰まらないまま成されているような気がしてしまった。
Posted by ブクログ
シェイクスピア初体験だったけど中々面白かった(自分の所有物として娘の恋愛に口をだそうとする父親とか所々に出てくる古くささが鼻につくけど)。徹底的に馬鹿馬鹿しい「夏の夜の夢」よりもある種の寂寥感漂う「あらし」の方が好きかも。
Posted by ブクログ
(夏の夜の夢は、昔学校でやらされたので今回は割愛。キモい話だが、最後のパックの言葉が好きだよ。
00年代の映画も楽しかったし、メンデルスゾーンの妖精の歌も大好きです。)
越智敏之「魚で始まる世界史」を読んでいて、シェクスピアのあらしに魚関係の言葉が出てくる背景の解説があり、あらしってどんな話だったっけと思って再読。
私の持つ文庫は古いやつでこんなおしゃれな装丁ではなかったけれど。。。
再読する前に覚えていたことは
プロスペローという怖いおじさんと娘と島の話だというくらいだった。
(そういえばガンダム水星の魔女は、あらしをモチーフにしているんだったなと思いつつ読んだ。確かに、プロスペローは娘よりエアリアルをずっと大事にしているようである…ぎゃふん。)
キャリバンのくだり、けっこう泣けるよね。
可哀想ですらある。
酒の力で変な奴をありがたがるエピソードって、夏の夜の夢のロバ男にも通じるよね。
魚の世界史のおかげでぐっと解像度が上がって、あらしの面白さもわかってきた。
この島は、地中海にあるアメリカ風味のアイルランドであるらしい…。
物語の最後に、プロ親父が急に改心するのはよくわからんけど、能・恋の重荷みたいなかんじか。
ゴンザーロが気になった。ゴンザーゴに似てるからか、大きなキャラかと思ったが、ちょっと消化不良。
今回、マンガ・エマで、ドロテア夫人が英詩を口ずさんで、エマが夏の夜の夢、とつぶやくシーンに登場した英詩が、あらしのものだったと分かった。ビックリした。アニメ版では修正されてるらしいが、マンガの編集者、ちゃんと仕事して。当時もツッコミの嵐だったのでは。あらしなだけにーーー。
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物書きの端くれでありながらシェイクスピアを一冊も読んだことがない……いや、ロミオとジュリエットくらいはどこかで読んだ気がしないでもないけど、とにかく「タイトルは聞いたことある」で止まってる作品があまりにも多いと感じたので手に取ってみたのがこの作品。
結果として、自分はあまり楽しめなかったので過去を振り返ることなく今を生きるか……という結論に落ち着いた。
とはいえ、「シェイクスピアの時代で物語は完成してる」なんて言葉を聞いたことがある理由は頷ける気がする。セリフ回しが昔の時代に合わせたものなので、一言一言の機微みたいなものを感じ取ることはできなかったんだけど、劇だからなのかどれもこれもリズムがよくて軽妙に読み進められる。そして何より、展開の意外性とかテンポが完成されていて、なるほどなと思った。夏の夜の夢は楽しく読めたけど、あらしは登場人物が多くて、場面が変わる度にその都度人物紹介に戻らなきゃいけなかったのが……ツラい。
Posted by ブクログ
シェイクスピアの豊かなイマジネーションの結果、喜劇。
「夏の夜の夢 A Midsummer Night's Dream」は、1590年代に書かれたと言われる。妖精パックのいたずらで複数の恋人たちがドタバタする喜劇。最後は収まるところに収まって大団円。職人たちの素人演劇は、きっと文字ではなく実際に舞台を観た方が笑えたかも。宝塚のPUCKと比較すると、なるほどここをこういう形に変えたのか、と興味深い。シェイクスピアも元ネタを上手に変える人でしたね。
「あらし The Tempest」は、シェイクスピア最期の作品と言われる。大学の授業で読んだ記憶はあるけれど、あらためて読むと、プロスペローがすべてを支配している話なのだと。復讐譚だけど怖くはない。妖精エーリアルはまるでジーニーみたい。そう思うと、もしかしてディズニーで出来る……とか考えてしまう。プロスペローは、最初こそ弟に領地を奪われて絶海の孤島に流れ着いているけど、この劇の間は無敵。そういう意味で、神とか運命に支配される人間という感じが薄い。むしろ神。ここがシェイクスピアのたどり着いたところかと思うと、なんとも言えないのだが、それはまだシェイクスピアの凄さがわかっていないからなのか。
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くどい。でも面白い。それが率直な感想。
初めて読んだ戯曲よりは楽しめたし、話も把握できた。
でもなかなか進まない。ただ単にそれは、この文体か合わないだけなのかもしれないし、違うかもしれないけど。
今度は日本のを読む。
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短いのでさらっと読み進められる。妖精や怪物の登場など、両作ともに登場人物が個性豊かで魅力的。
(夏の夜の夢)妖精が多すぎて整理するのがちょっと大変。キューピッドの矢の力を持った植物と、うっかりものパックが引き起こす若者たちのてんやわんやが面白い。
(あらし)何故プロスペローがあっさり許し、キャリバンが突然従順になったのかが謎ではあるが、読者を引き込む展開が続くのであっという間に読めてしまう。
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夜の夢は妖精に弄ばれる人間たちの滑稽な恋愛模様が繰り広げられます。説明は詳細にしないとだめですね。そもそもなぜこのいたずらっこのような要請に頼んじゃうの王様と突っ込みをいれたくなります。最後は無事幸せになってよかったですね。
あらしは、もと王様が復讐を果たすべく自分が追いやられた島に、犯人たちを導き、思う存分嫌がらせした後、満足して国に帰る話ですが、こき使われる妖精がだんだんとかわいそうになります。最終的に自由になったものの、読んでる間、やっぱり自由にするのやめたとか言い出したらどうしようかとちょっとはらはらしました。どちらもハッピーエンドな流れで読みやすかったです。
Posted by ブクログ
初シェイクスピア。
劇の台本を読んでいるようで、最初は文体に慣れるのが一苦労(笑)まあ直ぐに慣れる。
長年愛されてきた作品なのだろうか。私にはよくわからない。これが喜劇だからか?
今度は彼の悲劇の作品を読むとしますか。
Posted by ブクログ
初シェイクスピアです。夏の夜の夢はセリフが派手で、登場人物も思い込みがはげしくていろんな意味ですごかった。よくあんなセリフがすらすらでてくるなー。
あらしは挫折しました…(^^)
Posted by ブクログ
夏の夜の夢のほうは、「ガラスの仮面」でも演目に選ばれたよく知られる喜劇。ただこれは台本を読んでるようなものなので、洋の東西を問わず様々な例を情緒たっぷりに出しながら愛を語りまくるという眩暈がしそうな文が続き、眠くて仕方ない。パックのキャラクターといたずらが清涼剤になるのがよくわかった。
「あらし」のほうはざっくりいえば復讐物語なのだが、主人公プロスペローはなるほどたしかに名君だったのだろうなと思わせる言動が多く、彼を助けた人物も劇中で推察することができるし、傑作と呼ばれるのもうなづける。特にエーリアルに語りかけるプロスペローが好きだなあ。面白かった。