【感想・ネタバレ】マクベスのレビュー

あらすじ

11世紀スコットランドの勇敢な武将マクベスは、魔女の暗示にかかり王ダンカンを殺し、悪夢の世界へ引きずり込まれてゆく。シェイクスピア(1564-1616)は、1600年に36歳で『ハムレット』を書いた後、40歳で『オセロー』、41歳で『リア王』、42歳で『マクベス』と、立て続けに4大悲劇を書いた。作者最盛期の作品である。

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190P

初版発行: 1623年

ウィリアム・シェイクスピア
イングランドの劇作家・詩人であり、イギリス・ルネサンス演劇を代表する人物でもある。卓越した人間観察眼からなる内面の心理描写により、もっとも優れているとされる英文学の作家。また彼の残した膨大な著作は、初期近代英語の実態を知るうえでの貴重な言語学的資料ともなっている。

マクベス
by シェイクスピア、大山俊一
【マクベス】 お前の顔は引っ込めろ。〔下僕退場〕 シートン! わしは気分が悪い。 あいつを見ていると……シートンはおらぬか? この一戦こそ 俺を永久に元気づけるか、それとも一挙に蹴落とすかだ。 俺はじゅうぶんに長生きをした。……俺の一生涯もすでに 凋落のとき、黄葉の時候に落ち込んでしまったのだ。 そして老年時代の伴侶として付き添うべきもの、 たとえば名誉、敬愛、服従、大勢の友人のごときは、 俺は持つことを期待してはならぬ。その代わりにあるものは、 数々の呪い……声にはなっていないが、根が深い、それに気の毒に、 家来どもの空世辞、追従……誰もがやめたくて、しかもやめられぬもの。 シートン!

〔若きシェイクスピアから巨匠へ〕  シェイクスピアが名作『マクベス』を書いたのはいつか、その的確な期日はわかっていない。しかし多くの最近のシェイクスピア学者たちが推測しているように、『マクベス』が最初に上演されたのはおそらくは一六〇六年八月と考えられるから、実際に書かれたのはその前年か、またはその年と考えてそう大きな誤りはないだろう。シェイクスピアが四十一か二歳のときである。十七世紀初頭の数年間、一六〇〇~六年はおそらくはシェイクスピアの劇作活動が最高潮に達した時期といえる。このあいだにシェイクスピアは『ハムレット』『オセロウ』『リア王』『マクベス』など、ふつう彼の四大悲劇と呼ばれている大作を次々に書いた。『マクベス』はこの中でも最後期の作品である。

マクベスはすでに何らかの形で王位を簒奪することを考えていたに相違ない。その悪の選択に対して魔女どもは誘惑の言葉、呪文を投げかけるのである。その点ではマクベスはすでに「汚ない」と言える。しかしそれだけで全部ではない。悪の選択をしたマクベスも、もし魔女どもの誘惑、マクベス夫人の誘惑がなかったら、彼の悪への芽ばえも萎えしぼんでしまっただろうとも言える。その点ではマクベスは「きれい」であるかもしれない。要するに初めて登場してくる主人公マクベスはリチャード三世の場合と違って、完全に「汚ない」悪党ではけっしてない。彼の性格はヒースの魔女どもを包んでいる「霧と汚れた空気」(一幕一場)同様、「きれいで汚ない」以外の何ものでもない。そしてそれから、この芝居全篇のドラマを通して、「汚ない」悪党の姿が徐々に形成され、展開されてゆくのである。『リチャード三世』ではわれわれ読者、観衆は主人公リチャードの悪党ぶりを外面からながめる。『マクベス』ではわれわれ自身も主人公マクベスの意識の世界に直接に入りこんで、その悲劇の苦悩をあいともに分かち合う。初期のシェイクスピアと悲劇時代の彼との違いが、ここにはっきりと浮き彫りにされている。

このことは後者の態度を精神分析学に置き換えれば、二つの態度はそっくりそのまま現在にも適用されるものであろう。現在では魔女は存在しない。しかし現在のわれわれにとって「魔がさす」という事態が依然として一つの事実であることが示しているように、マクベスの悲劇は常にわれわれの心の中に実在する一つの悲劇のパタンだと言える。同時代の哲学者ベイコンは魔女や亡霊の 跳梁 する「魅惑の鏡」を理性の光で払拭したかに見えたが、われわれは魔女から逃避することは永遠にできない。

魔女はこの「濃い」空気(霧、あらしなど)の中を箒などに乗って飛びまわり、自由に空中に「融けこむ」(身を隠す)ことができるが、これは彼女ら自身の力によるのではなく、いずれも悪魔の力によるものである。魔女は「使い魔」というものを従えている。「使い魔」はふつう猫、コウモリ、フクロウ、ヒキガエル、イモリなどの小動物で、主人たる魔女の命令を行なうものである。ジェイムズ一世などはこの「使い魔」が実は悪魔自身だと考えている。魔女は悪魔の奴隷であるが、その魔女の奴隷である「使い魔」となって魔女の行動を監視しているというのである。その場合には「使い魔」は実際には悪魔自身、魔女の主人である。

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2024年10月24日

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四大悲劇-
舞台は11世紀スコットランドだけれど、この話は今を生きる私たちにも通じるものがあるだろう。

勇敢だったマクベスは魔女の暗示にかかり、王ダンカンを殺してしまう。そこから、王の子供を恐れ、親友を恐れ、手を血で染めていく。あの勇敢な武将マクベスの姿はどこにもない。あるのは魔女の暗示のみを信じる哀れな権力者の姿だけだ。

マクベスを変えてしまった魔女の暗示は、現在にも蔓延っているのだろう。何を信じ、大切なものは何なのか、自分が惑わされないよう、強い心を持たなければと思った。

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2021年04月17日

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1606年にシェイクスピアによって書かれた「マクベス」。
四大悲劇のうちのひとつ。
狂気を感じる作品。凄まじい負の連鎖。
名作。

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2018年10月09日

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如何に人間が欲に翻弄されやすく、それによって性格がネジ曲がってしまうかを(極端ではあるものの)うまく描いている。


あの臆病なマクベスが、権威欲しさや維持のために殺しもなんとも思わなくなるほどに...

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2016年02月15日

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カニグズバーグの『魔女ジェニファとわたし』をいっそう楽しく読むための古典。謎賭けが楽しい。なお、この版では定番「きれいはきたない きたないはきれい」に一家言持った訳者が粋な翻訳をされている。

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2013年05月25日

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ヴェニスの商人より面白かった。魔女とか出てくるファンタジックな内容の話が好きだからか。魔女たちの予言に翻弄されて滅ぶ者、戦う者、巻き込まれるもの。魔女を色んなものに置き換えれば、どこにでもありそうな話になるんじゃなかろうか。
それよりも、マクベスが、「何者だ貴様は」と訊かれて「聞けば身の毛がよだつ名前だ」って応える場面で一つ思った。「マクベスを演劇でやる際、役者は公演中「マクベス」という単語を口にしてはならない。口にしちゃったら公園会場を悪態をつきながら何周かしなきゃいけない」というジンクスがあるらしいのだけど、もしかしてこのセリフが起源なんだろうか。

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2010年10月04日

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危険へと続く道は平坦である。『ヴィーナスとアドニス』1594

招かれないのに来た客は、帰るときにいちばん歓迎される。『ヘンリー6世』1594

悲しみは1時間を10時間にする。『リチャード2世』1595

ロミオ。青年。仮面舞踏会でジュリエット(14歳)に一目惚れ、結婚。しかし、ロミオはジュリエットの従兄を決闘の末、斬り殺してしまい、町から追放されてしまう。ジュリエットに別の男との結婚話が持ち上がる。好きなのはロミオだけ。ジュリエットは2日間だけ仮死状態になる薬を飲み、墓場に埋葬してもらい、ジュリエットが墓場で目覚めたときにロミオに迎えにきてもらう計画を立てる。しかし、ロミオに計画は伝わっておらず、ロミオはジュリエットが死んだと誤解し、毒を飲んで死んでしまう。その後、目覚めたジュリエットはロミオの死を知り、短剣を胸に刺して息絶える。『ロミオとジュリエットの悲劇』1597
〇ロレンス。修道士。仮死状態になる薬をジュリエットに渡す。
〇パリス。伯爵。男。ロミオ追放後、ジュリエットの父親が娘を嫁がせると約束。その後、ロミオに殺される。
※ロミオのモンタギュー家とジュリエットのキャピュレット家は昔から仲が悪かったが、ロミオとジュリエットの不幸な死を前にして仲直りする。
※ロミオ、どうしてあなたは「ロミオ」なの? 「薔薇」はどんな名前に変わっても同じ香りのまま(ジュリエット)。

アントニオ。ヴェニスの若い貿易商人。温厚。友人の結婚資金を得るため、高利貸しのシャイロック(ユダヤ人)から金を借りる。シャイロック「期日までに金を返せなかった場合、あなたの肉を1ポンド(450g)切り取ります」。しばらくして、アントニオの所有する船が難破してしまい、期日までに借金が返せなくなる。アントニオは裁判にかけられるが、アントニオの友人の妻が裁判官になりすまし、アントニオに有利な判決を下す。「アントニオの肉を切り取ることは許可するが、一滴の血も流してはならない」。アントニオは命を救われる。『ヴェニスの商人』1598 喜劇
〇バッサーニオ。アントニオの友人。富豪の娘ポーシアに求婚。
○ポーシア。娘。聡明。機知に富む。裁判官になりすます。
〇ジェシカ。シャイロックの娘。ユダヤ教徒にもかかわらず、キリスト教徒の男ロレンゾと駆け落ちし、シャイロックは激怒。
※悪魔も聖書を持ち出して屁理屈を言う。邪悪な魂の持主が、聖なる言葉を引き合いにだす。悪党が外面だけは笑顔を作るのと同じ。見かけだけ立派でも、芯は腐ったリンゴだ(1-3)。

クローディアス。男。デンマーク王である兄を毒殺して王位を奪う。前デンマーク王は亡霊となって、その息子ハムレットの前に現れ、「自分は弟に殺された」と伝える。ハムレットは父の仇を取ることに。しかし、ハムレットは、物陰の背後にいた叔父の側近の男を叔父だと勘違いして、刺し殺してしまう。ハムレットに殺された側近の男の娘オフィーリアは、ハムレットと恋仲。恋人ハムレットが父親を殺したことを知って発狂、川に落ちて溺死してしまう。さらにオフィーリアの兄は、父と妹の仇を討つため、ハムレットと決闘、負傷して死んでしまう。ハムレットも毒の剣で負傷するが、なんとか叔父を刺し、毒を無理やり飲ませて殺し、父の仇を討つ。剣の毒によりハムレットは死ぬ。『ハムレットHamlet』1599
※劇「ゴンザーゴ殺し」。王を毒殺した男が王妃と結ばれる話。ハムレットが叔父の前で演じさせる。叔父は狼狽。
※To be, or not to be, that is the question (ハムレット)。
●クローディアス。ハムレットの叔父。ハムレットが側近ポローニアスを殺害した後、ハムレットをデンマークからイギリスに追放。イギリス王にハムレット暗殺を依頼。
●ガートルード。ハムレットの母。前デンマーク王の夫が死亡し、その夫の弟が王として即位すると、その弟とすぐに再婚(息子ハムレットは母親の変わり身の早さ・貞操観念の無さが許せない「弱きもの、汝の名は女」)。クローディアス王がハムレットを殺そうとして用意していた毒の酒を間違って飲んでしまい死亡。
●ポローニアス。クローディアス王(ハムレットの叔父)の側近(内大臣)。ハムレットに刺し殺される。
●レアティーズ。ポローニアスの息子。ハムレットに父を殺され、妹オフィーリアも溺死。ハムレットを憎む。ハムレットと決闘。両者ともに負傷し、死亡。
〇オフィーリア。ポローニアスの娘。ハムレットに父を殺され、発狂、川に落ちて溺死。※ジョン・エヴァレット・ミレーMillais(1829-1896)の絵、「落穂拾い」のジャン=フランソワ・ミレーMillet(1814-1875)とは別人
〇ホレイショ。ハムレットの親友。
※金を友に貸せば、金と友、両方を失う。

自由とは何だ、言葉だ、言葉とは何だ、空気の振動だ▼年中休日を楽しむとしたら、気晴らしも仕事と同じように退屈なものになる。『ヘンリー4世』1600

頭がいいから阿呆の真似ができる。『十二夜』1602

俺のものはお前のもの、お前のものは俺のもの(平等)。『しっぺ返し』1603

イアーゴ。ヴェニスの軍人。同僚のオセローに嫉妬している。オセローはムーア人(北アフリカのイスラム教徒)で、軍人として出世が早く、美人妻と良い仲にある。イアーゴはオセローに「お前の奥さんは浮気している」と嘘をつく。オセローは怒り狂い、妻の首を絞めて殺害。その後、誤解だったことが分かり、オセローは絶望、自らの命を絶ってしまう。『オセローOthello』1604
〇デズデモーナ。オセローの妻。美人。
〇キャシオー。イアーゴがデズデモーナの不倫相手に仕立て上げた男。
〇ロダリゴー。イアーゴからオセロー暗殺を依頼されるが失敗。イアーゴに殺される。
※I am not what I am. (イアーゴ)

ハーミア。貴族の娘。父親が決めた結婚相手(ディミトリアス)がいたが、別の男ライサンダーと駆け落ち、森へ逃げる。結婚相手の男ディミトリアスもハーミアを追って森へ。そのディミトリアスに片想いする娘ヘレナも森へ。森では妖精パックが「目覚めて最初に見た人を好きになる」媚薬を恋人たちに誤って使い、大混乱に。『夏の夜の夢』1605 喜劇
〇ディミトリアス。男。ハーミアの父が決めた結婚相手。
〇ヘレナ。女。ハーミアの幼馴染。ディミトリアスに片想い。媚薬でディミトリアスと結ばれる。
〇オベロン。妖精の王。
〇タイターニア。妖精の王妃。
〇パック。いたずら好きの妖精。
※恋。甘いものほど取りすぎると飽きがくる。嫌気がさしてくる。
※メンデルスゾーン(1809-1847)「夏の夜の夢」

リア王。ブリテンの王。老害。3人の娘に「わしを最も愛している者に領土を相続する」と言う。長女と次女は口先で「愛しています」と言うが、末女コーディリアは「父を想う気持ちは口に表せられない」と言う。リア王は怒り、コーディリアをフランスに追放してしまう▼長女と次女は父親を裏切り、国を乗っ取ってしまう。コーディリアはフランスから兵を率いて、長女と次女から国を取り返そうとするが、捕まってしまい、老いた父(リア王)とともに獄死する。コーディリア「最善を願いながら、最悪の結果に終わったのは、けっして私たちが初めてではない」『リア王King Lear』1605
●ゴネリル。長女。執事オズワルド。
●リーガン。次女。夫はコーンウォール侯爵。
※悪意のない者は、他人の悪意を見抜くことができない▼人間、衣装を剥ぎ取れば、憐れな裸の二本足の動物にすぎない▼いちばん賤しい者、いちばんひどい逆境に沈んでいる者は脅えることがない▼「これがどん底だ」と言っていられる間はどん底ではない▼人は生まれるときに泣く。愚か者(道化)ばかりの舞台に放り出されたと知って。

マクベス。武将。3人の魔女から「お前は王になる」と予言される。妻からも「アンタは王位を取れる」とそそのかされる▼マクベスは王を殺害。眠りは、もつれて、ほつれ、からまりあった心労を解きほぐし、紡ぎ直してくれる。日ごとの命の最後に訪れる安らかな死。マクベスは(罪を知らぬ)眠りを殺した。マクベス「この手に付いた血を洗い清めることはできない。この手は、緑の海原を朱一色に染めるだろう」▼王となったマクベスは悪行を重ねるが、前王の子供に討たれて死亡。『マクベスMacbeth』1606
〇ダンカン。スコットランド王。マクベスに殺される。
〇バンクォー。マクベスの友人。マクベスに殺される。
〇マクダフ。武将。ダンカンの息子の仲間。マクベスに妻子が殺される。
〇マルカム。ダンカンの息子。王子。マクベスを討伐し、王国を奪還。木の枝で身を隠した兵たちで進軍、マクベスに「(バーナムの)森が動いた」と勘違いさせる。
※眼前の恐怖も想像力の生みなす恐怖ほど恐ろしくはない▼どんな荒れ狂う嵐の日にも時間は経つものだ▼破壊そのものが破壊に飽きてしまうがいい。

剣で脅すよりも、笑顔で脅せ。『アテネのタイモン』1607 悲劇

プロフペロー。魔法使い。気難しい。嵐を起こし、悪人アントニオを乗せた船を沈没させる。『テンペスト』1611

この世はすべて、ひとつの舞台。男も女も人はみな役者▼逆境が人に与える教訓ほどうるわしいものはない▼人生。この摩訶不思議な七変化の仕上げとなるは赤子返りと全き忘却。歯も無くし、眼の光も失い、好きも嫌いも忘れ去り、何もかもが消え失せる。『お気に召すまま』1623

『終わりよければすべてよし/All's well that ends well』1623

他人もまた同じ悲しみに悩んでいると思えば、心の傷はいやされなくても、気は楽になる。ウィリアム・シェイクスピア

※オクシモロン(oxymoron)。冷たい炎。熱い氷。病んだ健康。陽気な悲劇。相反する言葉を組み合わせて鮮烈な印象を与える技法。

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フォースタス(ファウスト)博士。ドイツ人。通常の学問に嫌気がさし、魔術に魅了される。魔術を使えるようになることと引き換えに、24年後、堕天使ルシファーに魂を譲り渡す契約を結ぶ。竜に乗って天空を飛んだり、ローマ法王にいたずらしたり、ギリシア人の美女ヘレネを愛人にしたり。しかし、フォースタス博士は得たと思った権力・名声・栄華は幻影と気付き、キリストに救いを求めるが、ルシファーとの契約により地獄に堕ちる。メフィスト「地獄に境界はなく、我々のいる所が地獄であり、地獄があるところが我々の永久の住処(すみか)」。クリストファ・マーロウMarlowe『フォースタス博士の悲劇』1588 ※元ネタはドイツのファウスト伝説。200年後、ゲーテも題材にする。マーロウはシェイクスピアと同い年。

夜の闇は濃いほどいい。光は絶望した者にとって辱めでしかなく、悲しみは決して癒されない。ジョン・ダラウンド『我が涙よ、あふれよ』

小罪は罰せられ、大罪は称賛される。ベン・ジョンソン1572-1637 イングランドの詩人

悲嘆(ひたん)にくれている人々は、他人が十分にそう感じているとはけっして考えない▼思慮分別は人生を安全にするが、往々にして幸せにはしない。サミュエル・ジョンソン1709-1784 イングランドの文学者

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2025年07月02日

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初シェークスピア。野心で身を滅ぼしたマクベス。霊感商法に弱そう……。マクダフに関しては、あなたがなんの策も立てず置き去りにした結果ではないかと思えてしまい、彼の言動にちょっと納得できず……。妻に相談しすぎのマクベスはどうかと思うが、ひと言の相談もしないマクダフもいかがなものか。活字では物足りないので、いちど観劇したいです。

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2020年12月19日

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推しの朗読劇がマクベスだったので予習用に。きちんとシェークスピアを読むのは初めてだったけど、解説まで読むと色々な仕掛けがしてえることが分かってとても面白かった。舞台が目の前に浮かんでくるようで、その後に実際の朗読劇を観られたのはとても良かったと思う。

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2020年12月08日

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ネタバレ

シェークスピアは初めて読んだけど、意外と短編でさらっと読めて面白かった。
元々は真面目で高潔な人間でも、一度罪を犯して堕ちてしまう姿はどの時代においても普遍的。だからこそ時代が経っても読み継がれていくのかな。ウイットに富んだ展開も面白かった。

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2020年07月11日

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初めて読んだシェイクスピア。
シェイクスピアの戯曲のあらすじは知っていても、読んだことがないので、読んでみようと思って、手にしたのが『マクベス』。

マクベスがダンカン王を手に掛けたのは、その野心からなのだろう。
その野心が引き起こした惨劇を隠すために、また次なる惨劇を引き起こす。その間に、後悔の念や良心なるものは消え去っていく。そして、その後に待っているのは、自らの滅亡。

心のゆるみに陥った者の結末。それは変わらないもの。

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2020年03月28日

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シェークスピアの四台悲劇の一つ、マクベスを読み終わった。この古典を読み始めたきっかけは、『未必のマクベス』を読んだから。普通逆なのだろうなぁ。マクベスを読んでいる人が、『未必のマクベス』を読む場合が多いのだと思う。どちらが先でも、どちらも楽しめる。
ハムレット、リア王、オセロ、マクベス

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2019年05月31日

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そこまで盛り上がりがあるような話ではないが、巻末の解説でシェイクスピアの技巧が解説されており興味深かったため、読書 ⇒ 巻末の解説を読む ⇒ 読書 の流れで読むくらいのつもりで考えたほうがよいかと思った。

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2016年02月27日

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 ≪サイコパス・PSYCHO-PASS≫の引用から興味を持って。

 シェイクスピアの四大悲劇のひとつと言われるこの作品。
 なんか思ったほど悲劇でもなく、多分それはチャップリンが喜劇と悲劇は紙一重みたいなことを言っていたことを思い出したからかもしれません。
 魔女にそそのかされて自分の上司ぶっ殺してそれがバレて自分もぶっ殺されるというみもふたもないお話です。
 きちんと読んだのはこれが初めてでそもそもシェイクスピアの作品自体初めてで生欠伸を噛み殺すのに必死でした。いや、なんていうか、漫画ならさらさらっとはいってくるのにト書きだからなんですかね、なかなか頭にはいってこない。
 台詞回しがという話も聞きますが、なんともはや、わたしにはとうとうと並び連ねられる作品でこっくりこっくり船をこいでしまう(シェイクスピア好きな人にぶん殴られそうだ)

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2013年10月18日

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改めてシェイクスピア読むとすごい。セリフ回しがほんとに冴えてる。岩波の木下順二氏の訳も良いんだと思うけど、解説読んでたらこれはやっぱり一度英語でも読んでみるべきかなと思った。韻の踏み方なんかは原文じゃないと味わえないよね。英語の実際の舞台も観てみたい。

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2013年03月28日

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正直唐突に王位を狙いすぎだと思います…。もっと計画的にやろうよ、と。
あと個人的には婦人の強さが好きです。夫人強い。ていうか怖い。

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2012年11月01日

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ネタバレ

かの有名なシェイクスピアの四大悲劇のうちの一作品。

魔女の予言に惑わされたマクベスが王になりたいという野心に火をつけられ、王を殺してしまう。そこから始まるマクベスの苦悩の物語。

本編の名言の数々もさることながら、シェイクスピアをはじめて読む者としては木下順次さんの解説が素晴らしく感じました。

そのおかげで一読しただけでは気付かないシェイクスピアの表現の意図や、その背後にはる翻訳の工夫も少し感じることができてとてもよかったです。

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2012年09月26日

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おもしろかった。

日本の現代の舞台向けの戯曲としては、小田島さんの翻訳の方がすぐれているとは思うが、やはり、大御所である木下さんの翻訳は美しい。

マクベスは今のこどもたちには難解な芝居であるとは思う。
そこをしゃちこばった脚注・巻末注ではなく、随所に散りばめられた象徴的亡霊・幻影たちに括弧つきで簡単な注を入れているのも理解の助けになる。

著者が岩波ブックレットで著した「マクベスを読む」が巻末に収載されているのもうれしい。岩波文庫という一見お堅いメディアで、これだけていねいに初心者にマクベスを解説した本はないのではないか。廉価であることもお得感を増している。

しかし、マクベスのような「ことばのクラスタ」にさらされる芝居を今の子どもたちは本で読むしかないのだろうか。わたしのマクベス諸体験は「俳優座」の神戸文化ホールでの公演であった。やはり、戯曲はまず芝居を観てから読むものであって欲しいのだが、古典のストレートプレイの公演が少なくなっている地方都市では望むべくもない夢なのかもしれないのが残念だ。

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2012年04月19日

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伊坂幸太郎著書の『あるキング』からの流れで拝読。
シェイクスピア作、四大悲劇のうちの一作。
「Fare is foul、and foul is fare」
この劇中のセリフからどのように繋がっていくのかを確かめたくて手を出してみましたが、まさに悲劇でした。
他作品も機会を見つけて手を出してみます。

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2023年04月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

オセロウのように感情移入したり、同情したりすることはなかったが、これはこれで凄まじい作品だった。
ちゃんと良心を持っており、王に対する強い忠誠を持っているマクベスが地位名誉に目が眩んで堕落していく様はとても自然にそしてリアルに描かれていた。世の犯罪者の大半も彼のような道を歩んでいったのではないか。
彼の運命は王を殺した時点から狂っていった。もとの原因を辿れば魔女に行き着くのだが、自分は、何も王を殺す必要はなかったように感じる。元が善良な人であっただけに、彼が堕落していく様は見ていて残念でならなかった。

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2020年03月26日

Posted by ブクログ

 河合先生が訳したマクベスを読んでみたので、今度は岩波文庫のマクベスを読んでみた。河合先生の方が口に馴染みやすい気はするが、別にこっちのマクベスが特段読みにくいということもなく、やっぱり面白かった。あとがきとして「『マクベス』を読む」という、訳者が91年に公開講座でしゃべったもの、というのが収録されており、これも話し言葉で読みやすかった。(18/05/20)

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2018年05月20日

Posted by ブクログ

2005年版の映画マクベスが面白かったので岩波版にチャレンジ。
映画のビジュアル体験の助けもあって楽しく読めた。
音読しながら読み進めるとシェークスピアの世界に没入できます。
関係ないですが、シェークスピアと徳川家康の没年が同じく1616年というのは面白いですね。そんな大昔の書いた戯曲が今でも繰り返し読まれ上演されている、というのはすごい。

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2018年01月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

解説にもあるが、実際のマクベスは10年以上スコットランド王位にあったわけで、時間や距離をぐっと圧縮している。

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2016年04月16日

Posted by ブクログ

マクベス読破。決して面白いストーリーではなく、段々陰鬱になっていく展開である。名作として知られているだけあり、舞台で見てみたいと思った。また、マクベスには元となる歴史書のようなものがあり、年代記というらしい。こちらも是非読みたいと思った。

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2015年08月14日

Posted by ブクログ

これは読むより劇を観るべきなんだと思った
正直全然おもしろくもないし盛り上がりも無ければ悲劇としても弱い

解説がなければ読むに耐えない

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2014年05月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一人の人間に潜む矛盾した心理。その一方に引っ張られるあまり、主人公は破滅した。人は矛盾しているからこそ、ブレーキをかけて自身を救っているのかもしれない。

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2013年10月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 初シェイクスピア。齋藤孝さんの「古典力」で推薦されていた一冊。ト書きの台本形式の本も今回初めて読んだ。状況説明は必要最低限でほとんどが台詞で構成されている。話の流れは明快で一分でストーリーの説明はできてしまう。
 まずは本編を読んでこんなものか、と思ったが後ろに続く解説で複雑な仕掛けを知りシェイクスピアの凄さが少しわかった。まず話が始まる前に潜在的で矛盾した欲求があるとか、同じ単語を暗示的に使っていたり、皮肉な予言、表現豊かな比喩、クラスタとしての言葉の効果など様々な技巧が隠されていた。一方で時間、距離の整合性はアバウトなところもある。マクベスが自身を主観と客観の両面から代わる代わる意識する二重の感覚が現代人にも通じるという。
 伊坂幸太郎の「あるキング」はこの話を下敷きにしていたのか。三人の魔女が予言していたし、知らないで読んでて訳が分からなかった。

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2013年04月10日

Posted by ブクログ

″みなぎりわたる大海原の海の水ならこの血をきれいに洗ってくれるか?いいや、この手の方が逆に、うねりにうねる大海の水を朱に染めて、あの青さを赤一色に変えてしまうだろう。″

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2012年09月25日

Posted by ブクログ

細々とオペラの原作を読む計画進行中です
マクベスのお芝居
高校の芸術鑑賞会の校外学習日に
埼玉会館で観たことを思い出します
そのときの魔女のセリフは
「きれいは汚い、汚いはきれい」でしたが
木下順二訳では
「輝く光は深い闇よ、深い闇は輝く光よ」
でありました
解説を読むと
Fair is foul,foul is fair:
人間と魔女とでは価値観が逆だ
ということを魔女が呪文のようにいうシーンなのでした
ハムレット、オセロー、リア王、マクベスで
四大悲劇
血なまぐさい話です
一度上司殺しをしたら敵討ちにあう前に
関係する人々をどんどん始末せずにはいられない
気違いになって殺されるまで…
という、どうしようもない話

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2010年08月31日

Posted by ブクログ

マクベスの栄光、反逆、転落の人生。
つまらない野心を焚き付けられて分を超えた悪事をしでかして、それを恐れてビクビク生きる人生にどんな意味があろうか。実際英語で読んでみたらまた違うんだろうなとも思う。

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2010年04月28日

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