大崎梢のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
旅にまつわる短編集。
そしてそこに「たべもの」の記憶が加わる。
『あの日の味は』柴田よしき
京都で大学時代を過ごした女子友3人の
ひさしぶりの会合。
『幸福のレシピ』福田和代
ふるさとの神戸に戻ってきた老齢の女性と
青年のふしぎな思い出歩き。
『下戸の町・赤羽』矢崎存美
恋と仕事を失って東京から帰ってきた主人公。
友達とふたり、はしごカフェ。
『旅のはじまりの天ぷらそば』光原百合
ラジオ局で職員同士がおしゃべり。
話題はサービスエリアのお蕎麦のこと。
『ゲストハウス』新津きよみ
離婚して生き別れの娘に会うため
ゲストハウスに泊まる男性。
『からくり時計のある町で』秋川滝美
ドイツで想いを馳せる
喧嘩別れした女友達との旅の記憶。 -
Posted by ブクログ
本屋さんの仕事を少しだけ覗くような体験ができたのが興味深く面白かった。
例えば美容院や喫茶店などへの雑誌の配達は確かにこれも本屋さんの立派な仕事だなぁと。
私が通っている美容院ではタブレットで雑誌読み放題に最近変わって、便利なようだけど本屋さんの仕事が一つ減ったのかなとちょっと寂しいような気持ちが浮かんだ。
他にはディスプレイや平台の積み方。今度本屋に行った時には注目して見てみたい!
短編集の上、全体的にさらっとした印象を受ける文体で読みやすかった。
エピソードとしては六冊目のメッセージとディスプレイ・リプレイが好み。
ただ登場人物の個性があまり自分には伝わってこなくて、その点が残念だった。 -
Posted by ブクログ
文芸出版の老舗である総合出版社。
そこで出版される週刊誌の編集部が舞台となるミステリー…かと思って読み進めたらちょっと困ったことになる。
あくまでも、これはお仕事小説。
いや、正直、かなり緻密に書かれたミステリーだと思い込んで読んでいたのだが、それが最後で見事に裏切られる。
だって、連続殺人事件まで出てきて、真相は示唆されるものの、解決までは描かれないのだから。
文芸出版で出発し、週刊誌を抱えているというと、週刊Sか週刊Bだがどっちかな。
あとがきで大矢さんが週刊文春だと明かしていた。
みんな大好きなくせに、表立っては眉をひそめて語る、あの週刊誌だ。
作者の大崎さんご自身が編集部を取材したとなると、悪いことは書いていないだろう、とは予想がたつ。
『プリティが多すぎる』同様に、最近編集部に配属された「ニューカマー」が主人公。
本作では、入社二年目の信田日向子だ。
右も左もわからない取材に翻弄され、イエロージャーナリズムに携わる自分の仕事にもためらいを感じている。
こういう人物を通して描かれると、週刊誌の編集もずいぶんとイノセントな感じになる。
百戦錬磨のデスクや、脛に傷を持つ身のベテラン記者を通して描かれる世界なら、さぞや大変なことになりそうだ。
アイドルの元カレを名乗る人物からのタレコミ。
実直そのものの経理担当者の横領事件に関わる謎の女性。
女子高生失踪事件と、それぞれ接点のない女性たちが相次いで不審死を遂げたことの間に、なぜか同じ人物が目撃される事件。
こんな事件を日向子は、先輩や上司の指示を受けながら追いかける。
日向子自身も、週刊誌にできることがあるという確信が持てるようになっていく。
事件が解決するカタルシスではなくて、日向子の成長や、週刊誌を作る人の矜持のようなものに触れられるところに、この本のよさがある。 -
Posted by ブクログ
旅と想い出と美味しいものが詰まったアンソロジー
大切にしたい思い出、苦い思い出、温かな思い出、閉じ込めていた思い出、思い出にも色々あるけれど、それが自分を型どっていることは間違いない
最近の情勢(コロナ、マスク、ソーシャルディスタンス、黙食、夜間営業)が見え隠れしているが、そんな事があった時代に出された本なんだよといつか言いたい
福田和代「幸福のレシピ」
神戸へのひとり旅で亡くなった旦那さんとの大切な想い出がいくつも蘇る、温かな気持ちになれる
矢崎存美「下戸の街・赤羽」
リサーチとして友だちとのスイーツ爆買い食いステイ、朝から晩までスイーツだらけでも満足にあるあるとうなずきながら読める
新津きよみ「ゲストハウス」
昔住んでた家がゲストハウスになり、25年会っていなかった娘に招待された
宿泊客に若い女の子は4人、誰も名乗ってこない…娘候補4人のうち誰が正解なのか?結末になるほど納得
大崎梢「横浜アラモード」
80を超えるおばあちゃんを高知から横浜へアテンドする旅
横浜に住んでいたこと、お父さんの洋菓子店のこと、弟のこと、高知へ嫁いだこと、理髪店を営んできたこと、おばあちゃんの人生が紐解かれる最後は優しくて甘い結末