大崎梢のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ父の事業が失敗し,父の実家に居候することになった小学六年生の奈都。父の実家は,「蔵波邸」と言われ,田舎では随一の大屋敷。奈都の父は,職探しのために実家にはいない。母親も,母方の祖母の具合が悪くなり,蔵波邸を離れてしまい,週末まで戻らないという。
奈都が蔵波邸で寂しい思いをしないように,友人の「ねえちゃん」である「さゆりさん」が週末まで一緒に過ごすことになった。
田舎が舞台であり,謎のおばあさんである「みやさん」が登場したり,蔵波家に不幸をもたらすという「うさぎ」の伝説があったり,うさぎについての童謡が存在したり,子供が主人公であるにもかかわらず,古き良き時代の日本の本格ミステリである横溝 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本好きにはたまらない設定で,本はなるべく古本屋で買わず,本好きとして本を買って,業界を盛り上げていこうという気分にさせる作品。そういうパワーがある。プロモーション・クイズこそ「あれっ」と思うデキだったが,全体的んいレベルは高い。ミステリ・ミステリした雰囲気の作品ではないが,軽く読めてほっこりできる作品ぞろい。好みの作風ではないが,十分楽しめた。★3で。
個々の作品の所感は以下のとおり
○ ビターな挑戦者
ゼンパンと呼ばれる出版社と小売業を結ぶ取次業者の名物社員である「デビル大越」にスポットを当てた作品。用意された謎は,デビル大越は,なぜ,出版社を憎み,書店を憎まないのか。主人公,井辻 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本屋さんを舞台とした「日常の謎」系ミステリ。まず,主人公の杏子と探偵役の多絵のキャラがその立ち位置も含め,きっちりかき分けられており,しかも,かなり魅力的な存在に描かれている。「パンダはささやく」以外は,ミステリは弱いが,いずれも読後感がいいさわやかな話がそろっており,通勤のおともや寝る前の読書に最適。誰にでも勧められる良作。ミステリとして弱いところが好みではないので,★3かな。
個別の作品の所感は以下のとおり
○ パンダはささやく
購入してほしい本を暗号で伝えたおじいさんの話。実は,おじいさんは資産家で,「姪」という触れ込みで押し入ってきた女に命を狙われており,暗号のカタチで危機を -
Posted by ブクログ
津田先生が学校を辞めた。そう聞いて悠奈はいてもたってもいられなかった。十二年前に火事で亡くなった学者の父の蔵書をきっかけに、語り合った野暮ったいけど優しい先生。どうしても会いたくて密かに知った住所を頼りに訪ねることにする。しかしその住所は父の手帳に書き残されていたものと同じだった。先生は父と何か関係があるのか、訝しみながら訪れた先で出会ったのは、整った顔をしているけれどちゃらくて傲岸で意地悪な、けれど確かに先生だった。混乱する悠奈にさらに、黒服の男たちが接触する。彼らは悠奈に「お嬢様を待っている人がいる」と強引に連れ出そうとして……。
お家騒動サスペンス的ラブコメ。展開が目まぐるしくて、かつ -
Posted by ブクログ
ネタバレ旬太が読んでいた絵本を取り上げた千夏。普段は大人しい彼女がどうしてそんなこと?数日後、彼女と母親が行方不明に。2人の行き先のヒントは絵本?- 第一話 絵本の時間
雨上がりの朝、園内に不振な足跡が。以前から不審な男の目撃情報。捕まえてみると、正体はここを10年前に卒園した高校生。園内に忍び込んだのには理由があったー。 第二話 あの日の場所へ
とあるシングルマザーと旬太の父・隆平が最近急接近していると園内で噂に。保育士の美南はなぜかモヤモヤしてしまいー。 第三話 海辺のひよこ
1年半前に離婚した隆平の元妻が保育園に現れた。なぜ今更?復縁か?父子家庭になった経緯を隆平から聞いた美南は、思い悩ん