司馬遼太郎のレビュー一覧
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山内一豊と千代の一代記。
山内一豊(伊右衛門)は千代の作品である
という軸に貫かれた作品。司馬遼太郎が描く主人公に共通する快活さや明晰や、人間的魅力は伊右衛門ではなくどちらかというと千代にそれが見いだされている。
出世や功名、その前提としての主人との関係というものを当時の武士、武将がどのように捉えていたか(江戸時代以降のいわゆる忠義や礼節重視のあり方ではない)ということを繰り返し描いてくれるのですが、こういう当日の「普通の感覚」的なものは、時代をつくった英雄による物語では描きにくいし、想像しにくいわけです。伊右衛門という一人の特別の才のない武士の目線で語られるからこそ、家を興すことに対す -
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司馬遼太郎の長編時代小説の6巻目
ついに歴史でも最も有名な薩長同盟を結ぶ.自分は知らなかったが,そこにいたるまでの薩長の対立を貿易を使うことで見事に和らげ,締結にたどり着けたことに司馬遼太郎の描写によってありありと伝わった.また,同盟を結んだ後にすぐに政府から命を狙われ,命からがらにげのびたことを知り,その強靭な肉体と運に坂本龍馬の時代の人だったということがよくわかった.脚色をかなり強くしたのではないかと思ってしまうが凡そは本当なのだろう.
一方で自分の会社である亀山社中が戦にも参加し,長州藩の存亡の一助となったことも今作の読みどころであり,剣術で培われたかどうかはわからない海戦術を駆使し -
購入済み
新聞の時とは異なる一興
この小説は子供の頃新聞の連載小説として読んでいたが、大人になってまとまった小説として読むとさらなる愉悦と欣喜がわいてくるほど面白くなった。黒田官兵衛の描写は上手だ。信仰面までは深く踏み込んでいないようなのが唯一遺憾であった
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江戸時代後期に活躍した廻船業者、高田屋嘉兵衛の生涯を追った作品。
随分前に全巻を読んだのですが、新たな気づきもあるかと思い、再読することにしました。
場所は淡路島。
収入が少なく兄弟が多い家で育った、嘉兵衛少年。
隣の集落の、親戚の店を手伝うことになった11歳の場面から、物語は始まります。
第1巻では10代から20代前半までの、嘉兵衛の日々が描写されていきます。
自分が生まれた集落ではなく、隣の集落で若者が暮らす。
21世紀の現代から見ると、なんら問題はないようなことに感じられます。
しかし社会の制度が定着した江戸後期という時代に、それがどれだけ辛い結果を招くことだったのか、理解す -
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この「国盗り物語(三)」は織田信長編ということで、今までの二巻は斎藤道三が中心に描かれながら物語が進んでいたが、この三巻は織田信長中心。…と言っても、明智光秀を配して描かれている。
お勝騒動、そして道三が義竜の反乱に敗れるところ、本当にドキドキしながら…なんとか道三生き残ってくれないか、なんて、破れることはわかってるのに、そんなことを祈りながら読み進めました。
光秀がお万阿と会い、道三の死を知らせるところ…ぐっときました。
私の頭の中に出来上がった(勝手に作り上げた)斎藤道三にとても惹かれていたせいか、道三が亡き後の物語は……なかなか先に進めることができず……でした。笑
織田信長、明智光 -
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読んでから行ったわたし、もちろん観光旅行
司馬さんの『台湾紀行』が書かれたのは1990年代だけれども
内容はちっとも古びていない
その通りな印象で
司馬さんのテーマ「国家とはなにか」を
いかほどか理解したか、おこがましいが
興味深い島(国)であった
日本と国交がないことになっているのに交流がある国
異国情緒のただよう母の思い出話で懐かしい島
母方の祖父 が海軍人で、軍艦に寄港地になり
母は小学生時代を過ごした
バナナが食べ放題の話、牛に追いかけられた話
このたび「新竹」のビーフンが台湾の名産と知り
そういえば母の作るビーフンは美味しかったなあと思いだし
間接センチメンタル -
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司馬遼太郎の長編時代小説の5巻目
幕末の暗いところが印象的であった.
特に池田屋事件・蛤御門の変がこの巻で触れられるが、幕末志士の想いを果たせずして命を落とす姿がとても悲痛であった.
長州藩はこれを機に佐幕論が中心となり、薩摩藩は西郷隆盛が幕府のフィクサーとなり激動という言葉に拍車がかかったように思えた.
竜馬自体も神戸海軍操練所を解体することとなり、株式会社を作る転機となった.各々の幕末志士が世を変えるためにあれやこれや画策する姿、大志を抱いて行動に移す姿に自分もそうできるか?できているかを思わず自問したくなった.おそらく文字通り命懸けで事をなすことはまずないと思うがそれくらいの鬼気迫 -
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斎藤道三が第3巻で最期を遂げた後は、信長と明智光秀がバトンを引き継ぐ。光秀の生涯は不明な時代もあり、大河ドラマ「麒麟がくる」とは異なっている部分が多いのも仕方がないところ。司馬遼太郎の本は面白く、多くの日本人の歴史認識に影響を与えていることを実感する。第4巻での、信長と光秀のやりとりが楽しみ。
「麒麟がくる」では、信長に重大な影響を与える人物として濃姫の存在が大きくなっており、川口春奈が好演している。これまで大河ドラマの中で様々な女優が濃姫を演じてきたが、「徳川家康」の藤真利子以来の存在感を示している。彼女の活躍にも期待しているが、コロナで収録ができず、しばらく放映が休止されるのがもどかしい。