戦争の生き証人達に取材してきた半藤一利によるリーダー論の決定版『日本型リーダーはなぜ失敗するのか』を読みました。
半藤一利の作品は先週読み終えた『歴史探偵 忘れ残りの記』以来ですね。
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決断力に欠け、情報を軽視し、従来のやり方に固執して、責任をとろうともしない。
これは、太平洋戦争の指揮官たちにみられる共通の悪弊である。
なぜ、こういうリーダーしか日本陸海軍は戴けなかったのか。
エリート参謀たちの暴走を許したものは何だったのか。
日露戦争時には東郷平八郎、大山巖という名将、そして秋山真之という名参謀がいたのに、どこでどう間違えてしまったのか。
現代にも通じる「日本型リーダー」が生まれたプロセスを、日本陸海軍の組織、人事、教育の面から徹底的に解明。
絶大な権力を握っていた陸軍の「派遣参謀」、適材適所の人事を阻んだ日本海軍の「軍令承行令」、単なる軍事オタクしか養成できなかった陸大・海大の教育など、実例に沿って失敗の原因をつぶさに検証する。
″歴史探偵″を称する筆者が、直接会って聞いた生き残りの将、参謀の生々しい証言も傍証となっている。
リーダーの不在を嘆く前に、リーダーシップとは何か、どういう人がふさわしいのかと、我々は真剣に考えてきたのだろうか。
あの戦争の失敗に、果たして真摯に向き合ってきたのだろうか。
長年、昭和史研究に携わってきた著者の熱いメッセージが込められています。
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2012年(平成24)に刊行された作品……決断できない、責任をとらないリーダーはなぜ生まれてしまったのか、、、
エリート参謀の暴走を許したものは何か……″歴史探偵”半藤一利が日本のリーダーの源流をたどり、太平洋戦争での実際の指揮ぶりをつぶさに点検した作品です。
■前口上
■第一章 「リーダーシップ」の成立したとき
・戦国武将のお手本
・将には五材十過あり ほか
■第二章 「参謀とは何か」を考える
①権限発揮せず責任もとらない
②権限発揮せず責任だけとる
③権限発揮して責任とらず ほか
■第三章 日本の参謀のタイプ
①書記官型
②分身型
③独立型
④準指揮官型
⑤長期構想型
⑥戦略参謀型
■第四章 太平洋戦争にみるリーダーシップ1
・リーダーの条件その一―最大の仕事は決断にあり
・リーダーの条件その二―明確な目標を示せ
・リーダーの条件その三―焦点に位置せよ
■第五章 太平洋戦争にみるリーダーシップ2
・リーダーの条件その四―情報は確実に捉えよ
・リーダーの条件その五―規格化された理論にすがるな
・リーダーの条件その六―部下には最大限の任務の遂行を求めよ
■後口上
■あとがき
リーダー不在が叫ばれて久しい日本……しかし、リーダーシップという言葉のもとは軍事用語、、、
最近まで一般の人には関係ないものだったのです……そこで、ご存知“歴史探偵”が日本のリーダー像の源流をたどり、太平洋戦争での実際の指揮ぶりをつぶさに点検。
責任をとらない、決断できないリーダーはなぜ生まれてしまったのか、エリート参謀の暴走を許したものは何か……構造的な問題を明らかにします、、、
歴史から何を学べるかが、今問われています。
半藤一利が日本陸海軍の指揮官たちのリーダーシップを歴史的に分析した作品……太平洋戦争での決断力に欠ける、情報を軽視する、責任をとらないというリーダーの悪弊を、組織、人事、教育の面から徹底的に解明しており、生き残りの将、参謀の証言も紹介されていました、、、
優秀な参謀がいれば、リーダーは単なる神輿でいいという日本型リーダーが生まれたプロセスが明確に示されており、現代にも通じる問題点が指摘されていました……意思決定者が誰であるのかを見えにくくし、責任の所在をあいまいにして、成績は優秀だが現場を知らないエリート参謀ばかりを生み出し、結果的に、それがエリート参謀の暴走を許してしまったんでですよねー 現在の日本の至る所で観ることができる現象ですね。
この本を読んで、日本のリーダー像の源流を知ることができ、リーダーシップとは何か、どういう人がふさわしいのかということを考えるきっかけになりましたね……仕事をするうえでもヒントになることが盛沢山でした、、、
そんな中で印象に残ったのは、
いまの日本にリーダーがいないのは、
日本人そのものが劣化しているからだと思います。
国民のレベルにふさわしいリーダーしか持てない、
というのが歴史の原則であるからです。
という『前口上』でのコメント、
あとは、プロイセンの軍事思想家クラウゼヴィッツの『戦争論』で語られる、リーダーの資質となる七つの要素ですねー
・勇気
・理性
・沈着
・意志
・忍耐力
・感情
・強い性格
これは仕事にも通じることです。
そして、『第五章 太平洋戦争にみるリーダーシップ2』の中の『リーダーの条件その六―部下には最大限の任務の遂行を求めよ』で紹介される、
・ガダルカナル島における捨て身の撤退作戦(山本五十六)
・無謀で悲劇的なインパール作戦でリーダーシップを発揮し孤軍奮闘(宮崎繁三郎)
は、涙なしには読めない太平洋戦争でのエピソードでしたね……リーダーシップについて新たな視点を得ることができた一冊でした。