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リーダー不在が叫ばれて久しい日本。しかし、リーダーシップという言葉のもとは軍事用語。最近まで一般の人には関係ないものだったのです。そこで、ご存知“歴史探偵”が日本のリーダー像の源流をたどり、太平洋戦争での実際の指揮ぶりをつぶさに点検。責任をとらない、決断できないリーダーはなぜ生まれてしまったのか、エリート参謀の暴走を許したものは何か。構造的な問題を明らかにします。歴史から何を学べるかが、今問われています。
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Posted by ブクログ
日本史、特に近現代史が苦手な私にとって、辞書代わりに スマホを手に読んだ。 今もほぼ変わらぬ、いや後退している日本の様子に一社会人として、なんだか嫌になりつつあるが、まぁそれでも、 先人たちを反面教師に、こんなふうにはならない様に気をつけたい。
「失敗の本質」を読む中で出てくるリーダー個人に焦点を当て、その時の判断の背景がよくわかります。リーダー個人の判断より どことなく 周囲も納得できる人選として今もなお、卒業時の成績が参照されるような傾向も身近にあるのではないかと思う人員配置。想定外という言葉が多く語られたように、不都合な案件は直視でき...続きを読むない点などは過去の出来事というより いまでも 見直す必要がある時が必ずくる気がしました。
第二次世界大戦、太平洋戦争時の作戦を指揮した人たちのリーダーシップを見つめて、あるべきリーダーとは何かを語っている。戦史をおさらいすることもできる。今では当たり前のような気がする上司から部下への指示命令が伝わっていなかったり、権力の委譲が今の感覚では特殊に感じるものであったり、組織の在り方に関するこ...続きを読むとの課題が浮き彫りになってくる。軍隊組織と企業組織は似て非なるものかもしれないが、大いに参考になる。
最近読んだ新書の中では抜群に面白かった。著者のことをよく知らなかったのだが、戦後に戦争に携わった多くの当事者に直接聞いた話がいくつも登場して、臨場感があり、説得力があった。リーダーシップ論はあまた出版されているが、確かに戦中のリーダーシップこそまさしく「リーダーシップ」そのものである。しかも、三国志...続きを読むや戦国時代のそれが好まれるが、時代が古すぎて、本当かどうかもよくわからないのに対し、日本の近代史・太平洋戦争は時代が近くて実感がわく。そういう意味で、本当に面白かった。珍しく何度か繰り返し読みたくなった。 リーダーの第一の条件として、「最大の仕事は決断にあり」というのは重みがあって、噛みしめたい教訓である。 それにしても、不毛地帯や西川善文氏の著書でも凄腕のイメージが強い瀬島龍三氏が、著者にとって、少なくとも軍人としての評価が低いことに驚いた。
アジア・太平洋戦争における戦いの軌跡から、現代に活かせる「リーダーとしての心構え」を語った一冊。帝国陸海軍についての基礎的な解説から入るので、軍事や近代史に明るくなくても大丈夫。本文中、帝国陸海軍の元兵士へインタビューした時のエピソードが頻出するのだが、見事なリーダーシップを発揮して戦い抜いた人物ほ...続きを読むど戦争について口を閉ざし、馬鹿で無能な奴ほど誇らしく戦争を語っていたのが面白かった。
なぜ日本人はリーダーには泰然自若を求め、参謀を重要視するようになったのか。西南戦争、日露戦争を受けて、国家としてのリーダーのあり方を定める際に、その原型が作られたのだという。本書では、太平洋戦争における、愚将、名将の考え方、行動を具体的に取り上げながら、日本型リーダーの陥りやすい傾向を指摘する。太平...続きを読む洋戦争時のリーダーに見られた、学歴に由来する自信過剰、情報の軽視による無知蒙昧、逃避癖、無責任。これらは、リーダーに、至誠、礼儀、信義、気力、質素といった資質を求める傾向とともに、現代でも我々の発想の奥深くに根付いているのではないかという。 著者の長年に渡る昭和史についての講演のエッセンスをまとめた1冊ですが、新書ながら充実した内容。かの名著「失敗の本質」と同じテーマを、より分かりやすく解説した作品といっても良いと思います。
ちょっと見方を変えれば、いまでもいろんな会社で繰り広げられていることが書かれており、日本人の変わらなさ加減にがっかりしてしまう。だいたい、この本で”悪い例”として挙げられている人のほとんどが戦後を悪びれもせず生き延びていることに驚いた。が、こうして本として学べる形で世に出ていることに感謝すべきだと思...続きを読むう。 結果が正しく評価するための論理的な思考ができていないために、「経歴に傷がつく」などといって隠蔽してしまう。間違いを正して一歩一歩段階的に前進していくという観念がないために、やみくもな前例踏襲か”斬新”と称した滅茶苦茶な戦法の、どちらも実効性のないやり方しか選べない。上に立つ人間は威徳を備えなければならない、が、上に立つ人間には威徳がある、にすりかわってしまい、本人も勘違いしてしまう。ただでさえも無責任な体制なのに、「参謀」という責任を取らない(構造上取ることができない)役割の人間がゲームをやるように計画も実施も決めてしまう。 丸山真男の『超国家主義の論理と心理(岩波文庫)』などとあわせて読むとさらに興味深い。
戦争の生き証人達に取材してきた半藤一利によるリーダー論の決定版『日本型リーダーはなぜ失敗するのか』を読みました。 半藤一利の作品は先週読み終えた『歴史探偵 忘れ残りの記』以来ですね。 -----story------------- 決断力に欠け、情報を軽視し、従来のやり方に固執して、責任をとろうと...続きを読むもしない。 これは、太平洋戦争の指揮官たちにみられる共通の悪弊である。 なぜ、こういうリーダーしか日本陸海軍は戴けなかったのか。 エリート参謀たちの暴走を許したものは何だったのか。 日露戦争時には東郷平八郎、大山巖という名将、そして秋山真之という名参謀がいたのに、どこでどう間違えてしまったのか。 現代にも通じる「日本型リーダー」が生まれたプロセスを、日本陸海軍の組織、人事、教育の面から徹底的に解明。 絶大な権力を握っていた陸軍の「派遣参謀」、適材適所の人事を阻んだ日本海軍の「軍令承行令」、単なる軍事オタクしか養成できなかった陸大・海大の教育など、実例に沿って失敗の原因をつぶさに検証する。 ″歴史探偵″を称する筆者が、直接会って聞いた生き残りの将、参謀の生々しい証言も傍証となっている。 リーダーの不在を嘆く前に、リーダーシップとは何か、どういう人がふさわしいのかと、我々は真剣に考えてきたのだろうか。 あの戦争の失敗に、果たして真摯に向き合ってきたのだろうか。 長年、昭和史研究に携わってきた著者の熱いメッセージが込められています。 ----------------------- 2012年(平成24)に刊行された作品……決断できない、責任をとらないリーダーはなぜ生まれてしまったのか、、、 エリート参謀の暴走を許したものは何か……″歴史探偵”半藤一利が日本のリーダーの源流をたどり、太平洋戦争での実際の指揮ぶりをつぶさに点検した作品です。 ■前口上 ■第一章 「リーダーシップ」の成立したとき ・戦国武将のお手本 ・将には五材十過あり ほか ■第二章 「参謀とは何か」を考える ①権限発揮せず責任もとらない ②権限発揮せず責任だけとる ③権限発揮して責任とらず ほか ■第三章 日本の参謀のタイプ ①書記官型 ②分身型 ③独立型 ④準指揮官型 ⑤長期構想型 ⑥戦略参謀型 ■第四章 太平洋戦争にみるリーダーシップ1 ・リーダーの条件その一―最大の仕事は決断にあり ・リーダーの条件その二―明確な目標を示せ ・リーダーの条件その三―焦点に位置せよ ■第五章 太平洋戦争にみるリーダーシップ2 ・リーダーの条件その四―情報は確実に捉えよ ・リーダーの条件その五―規格化された理論にすがるな ・リーダーの条件その六―部下には最大限の任務の遂行を求めよ ■後口上 ■あとがき リーダー不在が叫ばれて久しい日本……しかし、リーダーシップという言葉のもとは軍事用語、、、 最近まで一般の人には関係ないものだったのです……そこで、ご存知“歴史探偵”が日本のリーダー像の源流をたどり、太平洋戦争での実際の指揮ぶりをつぶさに点検。 責任をとらない、決断できないリーダーはなぜ生まれてしまったのか、エリート参謀の暴走を許したものは何か……構造的な問題を明らかにします、、、 歴史から何を学べるかが、今問われています。 半藤一利が日本陸海軍の指揮官たちのリーダーシップを歴史的に分析した作品……太平洋戦争での決断力に欠ける、情報を軽視する、責任をとらないというリーダーの悪弊を、組織、人事、教育の面から徹底的に解明しており、生き残りの将、参謀の証言も紹介されていました、、、 優秀な参謀がいれば、リーダーは単なる神輿でいいという日本型リーダーが生まれたプロセスが明確に示されており、現代にも通じる問題点が指摘されていました……意思決定者が誰であるのかを見えにくくし、責任の所在をあいまいにして、成績は優秀だが現場を知らないエリート参謀ばかりを生み出し、結果的に、それがエリート参謀の暴走を許してしまったんでですよねー 現在の日本の至る所で観ることができる現象ですね。 この本を読んで、日本のリーダー像の源流を知ることができ、リーダーシップとは何か、どういう人がふさわしいのかということを考えるきっかけになりましたね……仕事をするうえでもヒントになることが盛沢山でした、、、 そんな中で印象に残ったのは、 いまの日本にリーダーがいないのは、 日本人そのものが劣化しているからだと思います。 国民のレベルにふさわしいリーダーしか持てない、 というのが歴史の原則であるからです。 という『前口上』でのコメント、 あとは、プロイセンの軍事思想家クラウゼヴィッツの『戦争論』で語られる、リーダーの資質となる七つの要素ですねー ・勇気 ・理性 ・沈着 ・意志 ・忍耐力 ・感情 ・強い性格 これは仕事にも通じることです。 そして、『第五章 太平洋戦争にみるリーダーシップ2』の中の『リーダーの条件その六―部下には最大限の任務の遂行を求めよ』で紹介される、 ・ガダルカナル島における捨て身の撤退作戦(山本五十六) ・無謀で悲劇的なインパール作戦でリーダーシップを発揮し孤軍奮闘(宮崎繁三郎) は、涙なしには読めない太平洋戦争でのエピソードでしたね……リーダーシップについて新たな視点を得ることができた一冊でした。
半藤一利さんはこの表題のをテーマにした講演を全国各地で35年以上続けています。その内容を本にしたものです。 昭和史といえば半藤氏であり、半藤氏が探偵し尽くした日本人の昭和の敗戦ですが、その当時ととても似ている状況にあります。この本が書かれたのは2012年ですから3・11の東日本大震災が起こったば...続きを読むかりの時です。あの当時、総理官邸と原子力安全・保安院と東京電力のトップは誰も責任を取らず、あれから10年経とうとしているのに、未だフクシマの処理の方向性さえつけられずにいる日本。そして「異次元の金融緩和」や「アベノミクス」、「拉致被害者問題」等々が当初言っていたことがズルズルと曖昧になっている。 これは「中国一撃」で始めた日中戦争はその戦費を半年分しか予算化していなかったのに、泥沼化して日本国を敗亡に導いてしまった。なんだか日本の財政破綻も同じような道筋を辿っている。 大本営陸軍海軍部は危機に際して「いま起きては困ることは起きるはずがない。いやゼッタイに起きない」と独断的に判断する通弊がありましたが、いま日本の政府は同じことを繰り返そうとしています。 そんな危機感を感じました。これからの人生を生きる指針を考える上でとても役に立つ一冊だと思います。
2020/06/19半藤一利「日本型リーダーの失敗」「3」 リーダーの「無答責」 これが日本の風土 国家を担う「エリート」を定義し、育成しなければならない リーダーの目標・戦略の結果を検証・評価する これが日本は苦手 「皆で」という集団主義に曖昧としてしまう 先の戦争も然り 天皇陛下・東條英機・...続きを読む近衛文麿・松岡洋右 日本の組織運営 リーダーと参謀 責任の所在が曖昧 参謀の人事権は参謀総長 参謀重視 短期決戦主義 情報と兵站の軽視無視! 2018.11.10 今回の著作は秀逸、歴史物ではなく、「失敗の本質の検証」に対する想いが伝わる。 310万人が亡くなった太平洋戦争 大きな戦略が明確でないと最終的な勝利は覚束ない 戦場の指揮官ばかりではなく、陸海軍の枢要な部署にある連中の戦略構想が大事 太平洋戦争においては不思議なくらい日本の軍人さんは決断ができなかった 統制好き 上からの命令遵守の指揮官が多かった しかし「組織の目的を明確に」することはなかなか難しい 真の目的を部下と共有すること、プロジェクトリーダーとして最も重要 それこそがリーダーシップ! 西南戦争が終わり、山県有朋は「統帥権の独立」を制度化した
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