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歴史のよもやま話から悪ガキ時代を描く自伝的エッセイまで。 2021年1月に亡くなった、半藤一利さんの最後の著作には「人生の愉しみ方」が詰まっている。 昭和史最良の語り部、半藤さんの遺した、昭和から現代まで! 第一章 昭和史おぼえ書き 第二章 悠々閑々たる文豪たち 第三章 うるわしの春夏秋冬 第四章 愛すべき小動物諸君 第五章 下町の悪ガキの船出 第六章 わが銀座おぼろげ史
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Posted by ブクログ
半藤氏はTV番組では太平洋戦争の話題の時に生き証人のように登場されていた。貴重な戦前戦後の語り部の逝去を惜しむ声が多い。私はあまり雑誌を読まないので、こんなに軽妙でおもしろいエッセイの方だとは知らなかった。私の祖父母はよく昔の話をしてくれて、それを聞くのが楽しみだった。思えばそんな読後感。氏は昭和2...続きを読む0年代に文春に入社され、新人時代に坂口安吾氏のところへ原稿を取りに行ったそうです。銀座のビルの上から富士山が見えたそうです。軽く楽しい物から専門的な資料まで、有るだけ全部遺稿を出版してほしい。
私が言論人・文筆家のなかで最も敬愛する半藤一利先生の、最期の書籍となった。半藤先生の著作は昭和史ノンフィクションのほかに、『隅田川の向う側』『名言で読む日本史』といった、知的好奇心を刺激する随筆もまた魅力的であった。たとえ生きた体が消えても、その著作は残る。バカげた右翼どもの本は紙ゴミになっても、半...続きを読む藤先生の著作はずっと評価されるに違いない。
昭和史、太平洋戦争のことが書いているとおもったら、隅田川のことや半藤さんの幼き頃(わるがき時代)戦前のこと、戦後昭和30年代の銀座のことなど江戸っ子の歯切れの良い文章で文壇のことなど多岐にわたり楽しい本でした。漢詩なども多く引用されて博識な半藤さんが色々なことを教えてくれてます。
文藝春秋営業部が書店や取次会社に配っていたパンフ「新刊のお知らせ」に連載されていたエッセイと書籍に未掲載のものを合わせた氏の遺作。 生前に企画され、氏の逝去後に出版された一冊。多岐にわたるテーマの文をまとめたもの。20年以上の連載(1回書籍化)なので時期的にも話題的にも極めて広範囲。 江戸のご隠...続きを読む居さんのべらんめえ調に近い気さくな文体が良い。 [歴史探偵 忘れ残りの記 (文春新書 1299)]の感想 文藝春秋営業部が書店や取次会社に配っていたパンフ「新刊のお知らせ」に連載されていたエッセイと書籍に未掲載のものを合わせた氏の遺作。 生前に企画され、氏の逝去後に出版された一冊。多岐にわたるテーマの文をまとめたもの。20年以上の連載(1回書籍化)なので時期的にも話題的にも極めて広範囲。 江戸のご隠居さんのべらんめえ調に近い気さくな文体が良い。
先日逝去された著者の絶筆となったあとがきが収録されたエッセイ集。 文芸春秋社の「新刊のお知らせ」に連載されたものや、「銀座百点」に綴ったものが6章で構成されている。 『昭和史おぼえ書き』では、著者らしい警句も。 「若いものがやたらにおだてられるのは、国家があらぬ方向に動き出したとき」とか。 終戦後一...続きを読む夜にして、軍国主義の権化たちが民主化の旗振りとなり、その厚顔無恥を思い知らされた経験から 「このぬけぬけとした自己欺瞞は今に続いているのではと。いや、もっとひどくなっているのではないかと」、憂慮する。 また、横文字まじりの略語が氾濫する現状を嘆き、「せっかくの日本語の語彙が貧しくなるのは、日本の財産が貧しくなるのと同じである」と、論破する。 『わが銀座おぼろげ史』では、著者が文芸春秋社の新入社員のころの古き良き時代の銀座の様子が綴られ、タイムスリップ出来たら、ぜひとも行ってみたくなる魅力がたっぷり。
今年の1月に亡くなってしまった歴史探偵のエッセイ集。 自分の父親と同級生の半藤さんは、とても豊富な歴史知識と、東京下町の情報をたくさん残してくれました。ありがとう。
半藤一利のエッセイ集『歴史探偵 忘れ残りの記』を読みました。 半藤一利の作品は5年前に読んだ『新装版 太平洋戦争 日本軍艦戦記』以来なので久し振りですね。 -----story------------- 歴史のよもやま話から、ことばのウンチク、さらには、悪ガキ時代、新入社員時代の思い出といった自伝...続きを読む的作品まで。 歴史に遊び、悠々と時代を歩んだ半藤さんが遺したエッセイ集。 ----------------------- 2021年(令和3年)2月に刊行された作品……2021年(令和3年)1月に亡くなった半藤一利が生前最後に出版に携わった作品のようですね、、、 文藝春秋の営業部が毎月出していた『新刊のお知らせ』というパンフレットに掲載されたコラムや、新聞、銀座のPR誌に掲載されたエッセイ等のうち未発表のものを収録した作品です。 ■まえがきに代えて――生涯読書のすすめ ■第一章 昭和史おぼえ書き ■第二章 悠々閑々たる文豪たち ■第三章 うるわしの春夏秋冬 ■第四章 愛すべき小動物諸君 ■第五章 下町の悪ガキの船出 ■第六章 わが銀座おぼろげ史 ■あとがき ■編集部付記 ■初出一覧 昭和史の第一人者が書き綴った随筆集……歴史のよもやま話から悪ガキ時代を描く自伝的エッセイまで、、、 昭和史最良の語り部……半藤さんの遺した「人生の愉しみ方」……。 肩の力を抜いてリラックスして読める歴史よもやまエッセイでしたね……井上ひさし直伝の文章作法の心得の条である むずかしいことをやさしく やさしいことをふかく ふかいことをゆかいに ゆかいなことをまじめに 書くこと という秘術を使って書かれたものらしく、小難しい歴史のことが、とても読みやすく伝わってきました。 そんな中で印象に残ったのは、 ・ロシアの軍港であるウラジオストックは、ウラジオ・ストックではなく、ウラジ・オストックが正しい……ウラジは支配、オストックは東方で、東方支配の拠点という意味だった、 ・踏襲(トウシュウ⇒フシュウ)、頻繁(ヒンパン⇒ハンザツ)、未曾有(ミゾウ⇒ミゾウユウ)、低迷(テイメイ⇒テイマイ)、決然(ケツゼン⇒ケンゼン)、見地(ケンチ⇒カンカ)等々……これは、麻生太郎が首相時代に読み違えた言葉のメモ、 ・節分の「鬼は外!福は内!」は、亭主が出雲大社に参詣に出かけた留守を守っていた女房のところに訪れてきた鬼が女房に惚れてしまい、宝物を全て女房に渡した挙句、追い出されてしまうという狂言からきているとか、 ・徳川夢声の俳句「ソ連宣戦はたと止みたる蝉時雨」敗戦の夏を描いた泣かせる一句、 等かなー 面白くて勉強になる一冊でした。
もともと歴史は好きでしたが、薩長が正義の幕末史観を転換させてくれたのが、半藤氏数々の著書でした。 特に、勝海舟を深く知れば知るほど、「半藤先生ありがとう」と心の中で深く深くお礼を申しました。 そんな半藤氏の遺作となるこの本を読むのは、多少気の重いところもあったのですが、読み始めると目からうろこがド...続きを読むサドサ落ちる面白さ。 何よりも、疑問に思ったことはすぐに調べる歴史探偵の姿には、まだまだ追い続けねばならない大きな背中がありました。 いくつか付箋をつけた部分をば。 滝廉太郎が作曲した、有名な『花』の歌詞。 春のうららの墨田川 のぼりくだりの船人が 櫂のしずくも花と散る ながめを何にたとうべき これのもともとに『源氏物語』があるのだそうだ。 「胡蝶」の巻、六条院の宴のところ。 女房のひとりがうたう。 春の日のうららにさして行く舟は 棹のしずくも花ぞ散りける 『花』がつくられたころ、『源氏物語』のその部分が元になっているのは常識だったのだろうか。 時代を経るごとに、当たり前の知識が、知る人しか知らないウンチクになっていったのだろうか。 もうひとつ。 正座とは茶道がさかんになってからできた言葉で、それまではあぐらや立て膝が普通だったそうだ。 ぬぬぬ、茶道め! 狭い茶室に大勢の人が座るため、自然と合理的な座り方として考えられたのが正座なのだとしたら、もう、正座はいいではないですか。 今度大河ドラマ見るとき、貴族の皆さまの座り方に注目してみよう。 平安のころは正座はなかったそうだから。 そもそも何でも中国の文化をありがたがって受け入れていた日本で、ただ二つ、宦官と椅子は導入しなかった理由はなんでなのだろう。 宦官はいいけど、椅子はもっと早く導入してもよかったのでは? 今のように部屋に畳を敷き詰めるようになったのは鎌倉時代から(今調べた)だそうなので、それまでの長きにわたり、上流貴族以外は板の間に直座りしていたんだよね。 痛そうだし寒そうだ。
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