半藤一利のレビュー一覧
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最近幕末に興味を持っていくつか本を読んでいます。本書は口語調なのが意外にもなじみ、ときおり主観が入ってくるところも口語調との相性が良く、読んでいて楽しかったです。
特におもしろかったのは、1回目のペリー来航後に阿部正弘が下級武士や民衆に意見を求めたことで、意見って言ってもいいんだ!と変に自我を芽生えさせてしまうことになり、それがゆくゆくは倒幕に繋がってしまう、、という流れがみえたことです。
これフランス革命の三部会と同じ構造ですよね。
そして、私自身、会社で働いていても同じような構造に取り込まれていてむかついています。
意見聞かれたのに反映されないとむかつくのは江戸時代も同じですね。このままいくと、我が社もいつか反乱起きそうな気もします。
ほかにも、慶喜が参勤交代の盛り上げ役?の民衆に対して、意味ないからやめさせようとしたら仕事奪うなって怒られてるのも、現代と同じすぎて笑いました。
こういうのが見つかると歴史を学ぶのが楽しくなります。 -
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国家の成り立ちやそこで活躍した人の物語に興味を持ち始めたので、読んでみた。
ペリー来航から西南戦争終結あたりまで。受験で覚えた人命や出来事の意味や背景が分かって面白かった。
勝海舟のような先見の明がありながら、出世欲が強くなくともその才能により登用され続ける人はかっこいいなぁと感じる。
戊辰戦争後は、大久保利通が政治の中心であることを世間的にあまり知られていない気がする。合理的な政治は野球の監督で言うところの落合的な感じ?人情、破壊系の西郷は星野仙一?確かに後々人気を博するのは分かりやすい西郷なのかも
一橋慶喜は頭がキレすぎて周りがついてこれない超天才系?
なんせ、それらのスターたちをもっと知りたくなった。また、それらの改革がどれほど難しいことなのか、それが今にどう繋がっているのかもっと理解できると、いまの仕事とかに生きるんやろうと思う -
購入済み
鈴木貫太郎 登場
踊り場にたとえられたレビュアーがいらっしゃいますが、いい得て妙です。
静かな巻ではあるものの、鈴木貫太郎、永田鉄山といった、キーピープルが登場。
鈴木貫太郎といえば、ポツダム宣言受諾の際、阿吽の呼吸で絶妙なタイミングで昭和天皇に、強硬派の目の前で戦争を終わらせる決定的な一言を口にさせた、戦中最後にして最後の江戸時代生まれの総理大臣です。
おくさんは、本編最初から登場した昭和天皇の養育係タカであり、その縁もあって、昭和天皇直々に侍従長就任を頼まれてその座につき、酸いも甘いもともに昭和天皇と分けて、2.26事件では九死に一生を得(そのときのタカの機転がすごい!残念ながら本編ではちゃんと描写されないが😿)、枢密院議長にもなり……という波乱万丈の人生を昭和天皇と分かったから、あの一言を拾い出せたという、壮大極まる「実話の伏線」がこの巻で始まったのだ。 -
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この数日、太平洋戦争に関する書籍を連続して読んでいる。太平洋戦争での戦いの変遷、周辺国での戦いの経緯と顛末と読んできて、本書で、日本が太平洋戦争に至るまでの因果関係を幕末の時代から遡って時系列でたどりながら(半藤解釈のもとで)紐解いて受け止めることができて、前よりも立体的に「あの戦争」のイメージが掴めてきているように思う。その上で改めて、自分の中で都合が良い日本のイメージをどこかで勝手に作り上げていたところがあるのでは率直に思う。他国の行為がどうこうという話は置いておいて、日本が行ったことを反省し、熱狂することなくリアリズムに立って、戦争を起こさずいかに国を守るのか、真面目に考えないといけないと思った。
本書は口語で語られた内容をまとめた本なので、全編通して堅苦しくない文章体になっておりスルスルと読めた。 -
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統帥権干犯問題!
この巻で、例の「統帥権干犯問題」が出てきます。歴史にIFはありませんが、結果論的にいうと、この時に天皇ご自身が「それは統帥権干犯問題ではない、むしろ近代国家として(この時代にはシビリアンコントロールなんて言葉、あるはずないとは思いますが)健全な姿だ」と一言言っていれば、軍部の暴走はある程度抑えられたと、よく歴史論では議論されます(まあそれでも、ルーズベルトが日本を窮状に追い込んで起こさせた、大東亜戦争は止められなかったでしょうが)。注目すべきは、犬養毅と、そして鳩山一郎が、議員であるにもかかわらず、この問題で浜口内閣を吊し上げている点です。犬飼は皮肉にも擁護した海軍将校に銃殺され、鳩山一郎も、戦後に公職追放の憂き目に会って、党の基盤と首相の座を吉田茂に横取りされます。票取りに政治家が血道をあげすぎて全体を見失ないと、民主主義が愚行と惨事ともたらすという、日本の国民が弁えておくべき、悲劇的な話です。そんな重要なことを漫画で学べるのなら、それに勝ることはないのでは?
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皇太子と妃の微笑ましい恋愛
物語の途中の挿話として、当時摂政にして皇太子だった昭和天皇と、香淳皇后(当時はまだ良子様)が、宮殿のなかで所構わず手を繋いで歩くのが顰蹙を買った・・・という微笑ましい話が出てきます。この部分は、おそらく実話かと思います。皇太子でいらした令和天皇が、雅子さまをみそめられて、最初雅子さまの方がバリバリのキャリアウーマンらしく、乗る気でない様子でいらしたのに、途中からちゃんと恋愛が始まった感じが報道され始め、めでたく婚約まで漕ぎ着けられたことが思い起こされました。その時に、まだご存命の、昭和天皇を直接ご存じの関係者がいらっしゃる中で、天皇という、いろいろな意味で不可侵な領域に漫画で踏み込むには、相当の覚悟が必要なのだろうな、と改めて思いました。(ちなみに、香淳皇后ご自身は、97歳という長寿を全うなさっておいでです。)
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購入済み
原敬の奥方の心境がずしんと
私は原敬の妻でございますよ・・・(覚悟はしかと・・・!)という奥さんの独白を読んで、少し前に、安倍晋三元首相の奥様の手記を何処かで読んだのを思い出しました。無論、現在は滅多なことで首相に危害が及ぶようなことはありませんが、時代が時代とはいえ、必ず、ご家族は「ただ生きてさえいてくれればよかった」とお思いになったに相違ありません。
私は正直、原敬を清廉潔白からは程遠いと見ていますし、たいした業績を残した人物とも思っていませんが、ご本人とご家族が覚悟を持って危険な時代の一国の党首を務められ、凶事に斃れたことは、これはもう、あっぱれ以外の何者でもないと思います。
安倍首相ともども、ご冥福をお祈りいたします。
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評価と批評をいい塩梅で入れながら、歴史の細かな動きが書かれており、いわゆる教科書で習う歴史の行間の文脈や当時の雰囲気・登場人物一人一人の物語がわかるためとても面白い。現在を生きる人たちみんなにおすすめしたい。
総じて、戦後の日本が失った伝統や精神性・戦前から持つ無責任さや組織を守る官僚制の弊害等を戦後の課題と捉えているのかなと思った。
著者が最後に、今後の我々に必要なものとして以下を問いかけているのが印象深い。ー無私になり真面目さを取り戻し、大局的な展望能力を持ち、世界に通用する知識や情報をもてるかどうか。ー
まさにこの本などにより歴史やこれまでの経緯、いろんな人の正義を勉強して、自分で考えて議論し合っていくことが大事なのだと思った。
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昭和史研究のスペシャリスト3人によるNHKラジオ番組『太平洋戦争への道』を刊行した本。
三人とも昭和史や戦争についてたくさんの著書を出版されており、どんな話になるのか期待感が高まります。
「なぜ日本は無謀ともいえる戦争に向かっていったのか?」歴史のifではなくwhyに浮かび上がってくる答えは何なのか?と興味を惹かれ手に取った作品。
本書で印象的だったのは6つの分岐点!
どの時点でも回避する術はあった。
が、色々な事情が重なり悪い方へ悪い方へ向かってしまった。
日清日露戦争の勝利で世の中は浮かれ、新聞やラジオが戦争を煽り、国民も便乗したり、クーデターや国連離脱など複雑な事情が重なって責任は軍部だけでなく国民にもあった。
そしてそれぞれのセッションの連携、機能がされていない。
どれだけの人が本当に国の行き先を憂いて行動していたのか疑問符?ばかりである。
なかでも日中戦争が泥沼していく過程は現在のロシアとウクライナを彷彿させます。
ある日突然戦争になり戦線が拡大していき、国際社会の経済制裁がむしろ事態を硬直化、先の見えない長期化させている状況は時代を越えて再現しているようにも感じた。
現代の指導者、私達がいかに歴史から学んでいないかを痛感させられた。
加藤さんの「戦争は分かりきった顔で近づいてくるわけではない」という言葉が心に残りました。
当時の人同様、世界の情勢、自国の内情など私は現代の日本人の無関心こそが最大の問題点ではないかと感じた。
憲法9条の意義や核の保有の是非などの山積みする問題に「自分には余り関係がない」と誰しもが思ってしまう節がある。
半藤さんの言うように「今の日本人も不勉強」だと思います。
なぜ関心が持てないのか?そこが一番の問題点なのではないだろうか?。
もしかしたら戦争は分かりきった顔をして少しずつ近づいてきているかもしれない。
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まさに、著者渾身の作品である。著者が、当時の日記や史料を引き写しながら、地団駄を踏み、鉛筆の芯を折りつつ書く作品というのは私はこれまであまり聞いたことがないが、著者が思わず地団駄を踏まざるを得ないほど、あるいは、鉛筆を折りたくなるほど陸軍参謀本部作戦課、関東軍作戦課のエリートたちが無能であったということだろう。
その指導部の優柔不断、無責任体制ゆえに、関東軍の暴走を許すこととなり、亡くならなくても良かった多くの兵士の命を奪い、結果的にソ蒙軍に惨敗を喫したとすれば、その指導部に対する「お前ら何をやっていたんだ!?」という著者の憤懣やる方ない気持ちも理解できる。果たして、この著作1冊を書き上げるまでに、半藤氏は何本鉛筆を折ったのだろうか。
「ノモンハン事件」は、私は高校の頃、山川『詳説日本史』で歴史用語として覚えた記憶があって、名称や極めて大まかな概要は知っていた。しかし具体的にどんな戦闘が繰り広げられたのか、どんな人たちがそこに関わっていて、どんな命令系統があり、どんな力関係があり、どんな作戦があったのかといったことはまるで知らなかったから、著者の膨大な取材と、膨大な資料に裏打ちされた(と思わせる、いや、ある1行を読むとその1行の背後に膨大な史料・資料の影が立ち現れてくるのだ!)丁寧な記述に、まさに目を開かされた。加えて、ヒトラー、スターリンらの動向を並行して描きながら、目まぐるしく動く国際情勢の中で翻弄されていく我が国の姿を克明に描いている点も優れた記述であると感じた。
今年(2025年)は戦後80年だ。テレビや新聞などでは戦後80年の特集や、第二次世界大戦の特集が組まれているが、その多くはヒロシマ、ナガサキの原爆、日本各地の大空襲、敗戦(終戦)というところにフォーカスされているようである。確かに、1945年からカウントして80年目なのだから、原爆や敗戦(8月15日)に目が向かうのは当然である。しかし戦後80年と言って第二次世界大戦という大きな戦争を考える時、1939年(昭和14年)という敗戦から6年も前の段階で、極東の田舎で満州事変に慢心し、西欧諸国間の微妙なかけひきに翻弄され(それが平沼騏一郎の複雑怪奇発言だろう)、崖を踏み外して既に敗戦への暗い道を我が国が歩み始めていたことを知るのは、重要であるように思われる。
半藤氏の渾身の本書は、それゆえに文庫で450ページを超える大著であり、登場人物も多く、聞き慣れない軍事用語なども多々出てきて時に迷子になり、途中、このままどうなるんだろう?と果てしなき砂漠で途方に暮れて挫折しそうにもなったが、8月の章に入った頃から、ぐんと読むスピードが上がり読破することができた。人気小説のような「一気読み!」という本ではないが、現在にあっても、また今後も本書は重要な歴史書(歴史的文献)であり続けるだろう(特に、本書では軍隊の軍旗に対する姿勢についての記述があり、私は目を開かれた。こうした事実は本書のような歴史書に当たらねばなかなか知ることは難しいように思われる)。同時に、現在の政治、社会、世界情勢を、冷静な視点で見すえるとき、大切な視座を与えてくれる一冊である。その意味で、何度挫折してもいいから一度は読んでおく一冊だろうと思っている。 -
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同時代をテーマとした『アルキメデスの大戦』との人物比較が鮮明になっている。
両作品ともに牟田口廉也を「理性的判断を欠いた軍人像」として描いているが、その描写手法と物語上の意図には明確な違いがある。
本作『昭和天皇物語』では、牟田口は天皇・閣僚らの中での意思決定構造を壊す存在として、冷徹で皮肉な視線を向けられ、戦争という人災の構図を問いかける。
一方『アルキメデスの大戦』は、牟田口をより象徴的な“無知と盲信”の具現者として描く。計算に頼る頭脳戦の裏で、合理性を超えた精神論や短絡判断が国家を揺るがす、というドラマ性が強く、それゆえに牟田口の行動は“悪役化”して映る。
牟田口の描写は過剰とも言えるが、それは両作品のテーマを浮かび上がらせるための演出だろう。
歴史ドラマとして読むには、こうしたキャラクター演出の「強さ」を許容しつつ、
作品世界と史実の間を自分なりに行き来する読み方を楽しみたい。 -
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日本が歴史的大勝を収めたとされ、また、日本が崩壊へ向かって歩みだした真珠湾攻撃の日。
その日に至るまでの国の幹部や交渉役たちがどのようなやり取りをしていたか、が本書の前半に描かれる。ここは個人的には日本の追い詰められた鬱屈とした空気感もあり、読んでいて面白いというものではなかったが、読みごたえがあったのが、いざ真珠湾攻撃に向かっていき、そしてその戦果が日本に伝えられた時の日本人の反応であった。
先にも述べたが、長引く泥沼の日中戦争のさなかにあって、また、米英からの圧力もあり、日本人は鬱屈とした感情を抱えて過ごしている様子が読み取れた。
そこにもたらされた、あの米国、歴史的にも日本人に鬱屈を強いてきた憎き相手に一矢を報いたというしらせが日本に届き、日本人は歓喜にわき、浮かれて舞い上がったという。
ここに、結果としては悪い方向に国民は団結してしまったといえる。
そして、日本は悲惨な結末へと向かっていく。
本書を読んで恐怖を感じたのが、鬱屈とした状況にあって、自分たちに害をなしてきた外国人を攻撃することで国民がまとまってしまい、ごろごろと大石が転がり落ちていくかのように転落したという日本人のすがたである。
まさに、今の日本、日本人が足をかけている道ではないか。
戦後80年となり、戦争を知らない人間たちが(私もそうだが)様々な言論を飛び交わせている。それ自体は否定するものではないが、耳障りの良い富国強兵論、排外主義的な議論に気持ち悪さをなんとなく感じていたところであったが、本書がその気持ち悪さの正体を見せてくれた。
過ちを繰り返さぬために、耳障りの良い主張に騙され、取り返しのつかない道に進まないために、二度と戦争の惨禍を繰り返さないために。
日本人が転落するきっかけとなった真珠湾の日について、日本人が転落していく危険性を感じる今、当時の日本人のようすをつぶさに描写した本書を読めたことは非常に有意義であった。考えさせられる一冊であった。
ぜひ、みなさんも、今だからこそ、読んでほしいと感じる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
前半はどうも難しく読み進まなかったのが、後半へ来てぐんぐん読み進めた。どうやって戦争を終結させたか、「失敗の本質」より平易で親しみやすい文調のため、頭に入りやすい。大学教授と雑誌編集者の違い明快なり。
半藤さんの、戦争経験者として、編集者として、歴史の、しかもこれまで日の当たらない人を取り上げ、深掘りする姿勢と、反戦への思いを私の心にも刻みたい。最後のパート、終戦時の鈴木首相なんて聞いた事なかったけど、そんな私利私欲のない政治家がいたなんて。こういう気づきを与えてくれてありがとう。
WW2終盤日本攻撃の指揮をとった米軍人に褒賞与えるなんて、当時の日本政府、どうかしてるわ。怒。
米軍は大都市の攻撃をし尽くしたため中規模都市の攻撃も始めた。新潟ではなく長岡が選ばれたのは、新潟が原爆投下候補地だったから。
花火で有名な長岡だが、空襲犠牲者を弔う目的は忘れてはいけない。