半藤一利のレビュー一覧

  • 戦争というもの

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    はじめて手にした半藤一利さんの本が遺作になってしまったことが悔しいです。
    もっと続きを読みたかったです。

    後半、特に沖縄のところは胸に迫るものがありました。「県民に対し後世特別のご高配を賜らんことを」と残して自決された司令官の大田実少将の電文に心打たれました。
    こんなふうに沖縄の人々に寄り添った人もいたのだと胸が熱くなりました。

    奥様(エッセイスト)の解説とお孫さん(編集者)の編集後記にも感動しました。

    著者本人の企画書のとおり、まさに“孫に知ってほしい”戦争の名言の数々、
    若い方こそ読むべき本ではないかと思います。

    知りたい事はまだまだあるので、今後も戦争関連の本は読んでいきたいと思

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    2021年09月09日
  • 昭和天皇物語 8

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    ネタバレ

    いよいよきな臭い時代に時代に入ってきた。満州事変、226事件に向かって不穏な雰囲気。私生活でも、内親王はたくさん誕生してもなかなか親王に恵まれず、追い込まれていく裕仁天皇と良子皇后…。しかし、昨今の皇室のかれこれの問題を思うと、この時代のように皇室の為を想って敢えて厳しいことも諫言する方は宮内庁の職員さんには全然おられないのでしょうか、それとも皇族側にそれを聞き自己を省みる素地が皆無なのでしょうか…。

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    2021年09月03日
  • 世界史のなかの昭和史

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    戦前、戦中の世界と日本の関係を、同時並行的に確認でき、大変に感動した。
    ポイントとなる出来事を年表でしか覚えていなかったが、当時の世界は同時に複合的に、過去からの連続、地政リスクからの各国の思惑と駆け引きにより、世界中を巻き込む第二次世界大戦となったことを知る事ができた。
    学問としてよりも、歴史から人間を学ぶ書物として、多くの人が手に取ってほしいとおもったし、今まで読まなかった事を残念に思うくらいの名著だと感じた。

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    2021年09月02日
  • 21世紀の戦争論 昭和史から考える

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    風船爆弾でペスト菌をアメリカにばら撒くと言う計画があったのは初めて知った。731部隊の存在は重い。日本の軍人は官僚化していた、それに対して米国のミニッツ提督はビジネスマンの如く機敏に動いたと言う指摘も印象的。

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    2021年08月29日
  • なぜ必敗の戦争を始めたのか 陸軍エリート将校反省会議

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    やるせない。ヒトラーのように信念や狂気で開戦を決意したのならまだ諦めもつくが、単に無能な指導者たちが流れや空気で何となく戦争を始めてしまうのは本当にやるせない。しかしここに出てくる旧参謀たちは、いくら戦後の回想とは言え、どうしてこうも他人事で無責任な言いようなのだろう。おまけに戦略眼が米軍に比べて子供レベル。なんだかもう一度戦争が始まってもおかしくないように思える。
    そうならないために半藤氏らが正確な歴史を紐解き、後世にこういうバカ者たちがいたことを残してくれた。半藤氏の反戦、平和への貢献は極めて大きい。心よりご冥福をお祈りいたします。

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    2021年08月28日
  • あの戦争と日本人

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    著者の半藤一利氏が今年亡くなられ終戦の8月になり氏の本を初めて読む。
    一度は読むべき本と思う。
    教科書で習った明治時代の富国強兵、脱亜入欧から軍国主義全盛の昭和、あの戦争がどれだけ悲惨だったか、その思いに耐えて読まないといけない。
    昭和天皇から当時の皇太子宛の手紙の内容、戦争とは関係ないと思っていた宮沢賢治の以外な活動など、初めて知る事ばかり。
    終戦の8月になると著者に去来する思い「死者は
    私達が思い出すかぎり行きている」、慰霊の念は忘れてはならない。

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    2021年08月17日
  • 戦争というもの

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    半藤一利さんは特に近現代史の研究家として第一人者であろう。しかし、安倍前首相や、その取り巻き達からは嫌われていた。第2次大戦における後世に伝えたい言葉を紹介したこの本は、半藤さん最後の著書である。
    まずは山本五十六。真珠湾奇襲にあたり指揮官だけの会議において「日米交渉が成立したら、例え攻撃機発進後でも直ちに帰投せよ」と指示したところ、機動部隊司令長官南雲中将は「実際問題として実行不可能」と発言。山本長官は「兵を養うは、一に国家の平和を守らんがためである。これができない指揮官は即刻辞表を出せ!」と叱責。各指揮官は全員シュンとなったという。司馬遼太郎は当時の日本について「現実の日本は、アメリカに絹

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    2021年08月17日
  • 昭和天皇物語 8

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    ネタバレ

    張作霖爆殺事件に対し、事態を有耶無耶にしようとする田中義一(同時の総理大臣)を一喝した昭和天皇。
    しかし、欧米で目にした「君臨すれども統治せず」の考え方から、この御仁の行動を反省。以後は政治に口を出さないようにしていこうと決意する。
    しかし、今度は満蒙の関東軍が暴走を始める、、、、、、
    激動の昭和の始まりであり、十五年戦争へと突入する日本の未来はどうなるのか、不安になる昭和天皇の人間らしい側面が描かれている。

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    2021年07月22日
  • ノモンハンの夏

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    半藤さんの辻政信に対する怒りが切々と伝わってくる名著。それにしても今の日本の官僚機構がかなりダブって見える。

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    2021年07月21日
  • 戦争というもの

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    半藤一利さんが「歴史探偵」と呼ばれる所以に納得の本書であった。「戦争は国家を豹変させる。歴史を学ぶ意味はそこにある」深く胸に刺さった。もっと半藤さんの話を聞きたかった。合掌。

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    2021年07月21日
  • 世界史のなかの昭和史

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    これまで「幕末史」「昭和史」などの著書があり、これは「B面昭和史」に続くもの。日本の歴史が、日本のなかだけで完結するものが多いなか、欧米の動きを軸に記述し、読み物として面白い。460ページを超えるが、後半はほぼ一気読み状態。映画「ウィンストン・チャーチル」をみた直後だけに、当時の状況が思い描かれるが、この本のストーリー展開はドイツが中心。

    「歴史探偵」を自称し、当時と現在の安倍政権を比べて論じるなど、以前の著書よりくだけた感があるが、おおまかな流れは理解できる。「歴史はまっすぐには進まない」など、著者独自の「史観」も参考になる。

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    2021年07月11日
  • 戦争というもの

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    半藤一利の著作を最後に読んだのはいつだっけ?

    と思いながら、書店の平積みにあるこの本を手に取った。

    その時亡くなっていることに気がつき、惜しい人を亡くしたなと感じた。

    半藤一利といえば私の中では『昭和史』。

    大学生の時に、なぜかわからないが読んだ。

    戦争の悲惨さ、民衆の心の動き、政府の未熟さ。

    どれをとっても悲しみと怒り。

    沖縄に行けば、否応なく感じるその苦しさ。

    それを気がつかせてくれたのも、この人だったと思う。

    今の現代人が歴史に興味をもてないのは悲しい。

    著者は
    「人間の眼は、歴史を学ぶことで、はじめて開くものである。」
    という。

    歴史を伝える立場にある以上、この言

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    2021年07月08日
  • ノモンハンの夏

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    ノモンハンでの凄惨な戦闘と、それを生起させた要因について精緻に、分かりやすい筆致で語りかけてくれる。
    しかし、そもそも満州国を建国するとなればソ連と長大な国境を接すること、日中戦争を進めるためにはその手当をしながらでなければならないこと、南進すれば北にも相応の兵力を残置しなければならず、米国からの石油輸入も止められることを想定しなければならないこと・・歴史の結果を知っている我々は何故日中戦争、ノモンハンの事変、太平洋戦争へと突き進んでいったのか理解に苦しむのであるが、その時の時間軸にいた人々はそのようなことは見えない。歴史の本質なのかもしれない、と思う一方、我々は歴史から学び、今この時間軸から

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    2021年07月04日
  • 幕末史(新潮文庫)

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    PodcastのCoten Radioで紹介されている参考図書の一つ。

    いまいち幕末とかイメージがあやふやだったりしていたけど(徳川慶喜と薩長土肥はどういった立場で対立したの?などなど)、丁寧に且つ講談的な味のある語り口でとってものめり込みながら理解を深めることができた。
    ただ歴史の教科書で列挙された人物たちと出来事が、人間臭いドラマといて捉えることができたのは、歴史の面白さってこうやって感じるのだなーと今更ながらの気づき。何であんなに学校の歴史はつまんないのだろうの裏返し。
    特に印象深いのは、勝海舟の偉人感と慶喜の無機質さ。慶喜は天皇への忠義を誰よりも深く持ってたはずなのに賊軍との扱いを受

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    2021年06月20日
  • B面昭和史 1926-1945

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    民草(国民)から見た第二次世界大戦。明らかに人命がかかっているオリンピック開催ですら私達民草は今リアルタイム(2021/06/11)に「なんとなく」止める事もできず、私達日本人は何度でも同じ事をしでかす自信がある。

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    2021年06月11日
  • 幕末史(新潮文庫)

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    大河ドラマ『青天を衝け』今日はサブタイトル『激闘!禁門の変』
    渋沢栄一の自伝かと思っていましたが、重厚な幕末大河ドラマ(明治維新後も期待してます)だった。大河ドラマのガイド本では物足りず、歴史の新書ではどうも頭が整理出来ないため、良い本を探して本書に出合いました。著者の半藤一利氏が冒頭に『反薩長史観』と表明してペリー来航から西南戦争までを、大学の特別講座で語ったものをまとめたもの。とにかく分かりやすく面白い。個人的には一部異論もありますが、折りに触れ読み返したくなる良本、幕末通史としてお勧めです!!

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    2021年10月29日
  • 戦争というもの

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    名を知りながら読んだことのなかった半藤一利さんの本をはじめて読みました。平易でわかりやすい書きぶりでページも少ないのに胸がいっぱいになりました。
    「沖縄県民斯く戦へり」の章はいつまでも私のこころに残るでしょう。
    ありがとうございました。

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    2021年06月06日
  • 戦争というもの

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    今年の1月に亡くなった「歴史探偵」・半藤一利氏の最後の仕事です。太平洋戦争を各世界の人々の名言から読み解くとても貴重な作品です4.巻末の解説は半藤氏の奥様・半藤末利子さん(文豪・夏目漱石の孫)が書かれています。更に、編集後記は半藤氏の孫・PHP研究所 北村淳子氏が書かれています。

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    2021年06月03日
  • 昭和天皇物語 8

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    歴史教育で欠落している時代

    昭和世代の私が子供の頃は戦前の歴史は教科書で学ぶことが殆ど無かったように記憶してます。本書は私が知らなかった大正昭和の時代を天皇目線で書かれているので、一番の当事者から見た時代の変遷を知ることが出来る最高の教科書です

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    2021年05月31日
  • 幕末史(新潮文庫)

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    他の人の感想に大河ドラマを見ているようだと書かれていたが、まさに同感
    戦国時代は大好きなのに、幕末の流れは、よく分からず
    最近、大奥(吉永ふみ)を読み天璋院篤姫を読み、今の大河ドラマを見るにつれ、一つ一つの出来事が大きな流れに変わって行く
    あー、これがそうだったのかと一人で合点が行き、私のような幕末オンチの人間にもわかりやすく、読みやすくなっている
    最後に、本文中に大日本帝国は、薩長がつくり薩長が滅したと言う一文が印象的だった

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    2021年05月29日