半藤一利のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレタイトルを見て違和感を感じたのだが、やはり司馬遼太郎著「この国のかたち」を引き継ぐという意味が込められていた。
本書を読むことで、なぜ著者が昭和史にこだわってこられたのかを理解することができた。そして、今の政治に対するメディアの在り方が非常に悪く、信念を通すメディアの登場を切に期待する。また、今の時代はSNSを通して誰でも発信することができる時代であるため、自分でも知識を高めて、この国が将来どうあるべきかを真剣に考えて発信していきたいと思う。
さて本書であるが、エッセイ風に明治、大正、昭和と歴史とともに語り継がれている。前半では明治天皇の和歌を通して日露戦争を振り返る。その後の太平洋戦争まで -
Posted by ブクログ
ネタバレこれは個人的に、ものすごくハマった。恐らく半藤氏のファンの方であれば、これまで読まれてきた著書のエッセンスだけを切り取ったような本であるので、復習とか再確認という意味でよくまとめられた本となるのだろう。
今まで著者と出会えなかったのは、まったく自身のセンサーの問題だが、遅ればせながらでも、今回著者と出会えたことは大きな収穫だ。
経歴に、松本清張、司馬遼太郎らの担当編集者をつとめたとあり、「週刊文春」や「文藝春秋」の編集長、専務取締役を経てから、作家となったとあり、Wikiで調べれば、夏目漱石が義父という。もうこれだけで、作家としての興味レベルは最上級。
ある時期から、「歴史探偵」を名乗ら -
Posted by ブクログ
昭和史に精通する2人の知識人が太平洋戦争について対談。主として半藤一利が日本軍を総括し、佐藤優が日本外交について語り、敗戦が今の日本にどう影響をもたらしたのかを論議する。
さすがに2人のトークは当時の国家同士の陰謀、策略を簡潔にまとめてくれて、読み応えがある。2人が互いの知識を認め合い、楽しそうに語っている姿が見えてくる。一般人が下ネタや上司の悪口で盛り上がるのと同じ感覚なんだろう。
で、昭和の日本軍に欠けていたものは失敗の経験だった。人間や組織は失敗を経て、学び、次につなげるのだが、日本軍は日露戦争の勝敗をあいまいにし、近代兵器による戦争を知らないままだった。そして、ノモンハン事件での敗 -
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Posted by ブクログ
半藤一利氏の歴史書であるが、何時もの冷静な筆致とは異なる印象を受けた
遺言のような熱い思い入れが感じられた
現在の日本の有り様に強い警鐘を鳴らす
それは、昭和の日本に似た取り返しのつかない誤りを犯しつつあるのでは、という問題提起である
歴史に関わる者として、この現状に不甲斐なさを感じている、悲憤慷慨の書である
恩師の司馬遼太郎氏が存命なら、手を携えて世間に訴え、インパクトをなしえたのではという忸怩たる思いも窺える
日露戦争を大勝利として大盤振る舞いし、リアリズムに蓋をしたツケが大敗戦
国民も軍人もイケイケあるのみ
謙虚さを忘れ、傲岸さは、アジアの人びとを見下した
欧米の力を侮り、精神力で凌駕