誰もが知っていて、実は知らない昭和天皇の激動の生涯。
昭和天皇の幼少期からを描き、人格形成の過程も垣間見られる作品。数えで5歳の頃から養育係として仕える足立タカとのやり取りや、初等教育の過程での周囲との立場の異なりへの気持ちの表れなどから、感じることは昭和天皇も庶民と変わらぬ人であるということ。
あの時代に何を思い、どう行動したのか。大元帥陛下であり大天皇陛下として、そして象徴として、人間として。
昭和天皇の内面を描きつつ、突き進む時代が描かれている今作は、ただの歴史マンガとしては括れない。
改めて、日本とは何か、日本人とは何かを見つめ直すきっかけになるような内面に響く作品だ。
感情タグBEST3
浮かび上がってくる
匿名 2023年12月28日
教科書などでなんとなく名前だけ知っている、太平洋戦争で色々な役割を演じた人たちが血肉を持った人間として描かれており彼らも現実世界に実在していたのだと、当たり前の事を考えさせられる
現人神として今よりずっと神聖不可侵扱いだった天皇陛下が人として描かれておりとにかく読み進めてしまいます
陛下の婚約者事情に薩摩と長州の事情が入り込むとは思っていなかった。陛下は眼鏡の印象深いけど、大正時代、眼鏡はあまり上に立つ者が身に付けるものではなかったのかな。今では当たり前のものも100年前は全然違ってその差異が勉強になる。
タカと陛下の掛け合いが好きだったがこんな早くに離脱するとは…。婚約者候補...続きを読む、ええ人そう。
この作品を会社の同僚にオススメしたところとても感謝されました。昭和天皇のホッコリするエピソードや賛否両論された部分が見どころです。
Posted by ブクログ 2019年05月24日
昭和天皇の生涯を描いた漫画の第2巻。明治天皇と乃木希典が亡くなり、東郷平八郎を中心とした教育チームが立ち上がる。神武天皇以来の皇統を建前とする関係上、進化論を教えてよいのか悩む東郷学長の姿が、明治史観の苦しさを物語っているように思われる。
Posted by ブクログ 2018年09月20日
立太子の礼を経て晴れて裕仁皇太子となられた。政治に利用されまいと裕仁皇太子の后選びに力を入れる貞明皇后。足立タカが鈴木貫太郎のもとに嫁ぎ養育係を離れ、16歳になった裕仁皇太子が一歩ずつ昭和天皇への道を歩んでいく。皇太子后として内定した久邇宮邦彦王の第一女子であった良子との出会いなど。
Posted by ブクログ 2018年07月30日
第一次世界大戦や米騒動、2巻最終話のヒキによる世界情勢も気になることながら、とにかく山縣有朋がうざい。
彼本人には、彼なりの正論があるのでしょうが。
「あの男はダメだ。あの男の興味は権力と金欲」という貞明皇后の言葉がど真ん中で刺さります。
「官憲の栄職や権力のためでなく、人が幸せに暮らせる世を創り...続きを読む、そして守るため剣をとって戦った。それを忘れてしまっては山縣さん、維新志士はただの成り上がり者ですよ」
とはるろ剣第二幕の台詞。山縣さん忘れちゃってますな。
軍部独裁に走る前の日本は面白い。しかしだな、昭和帝が聡明であったなどというようなシーンはついぞ見たことがない。現実にはすっとぼけた池沼のイメージしかない。フィクションとして割り切って見ることをオススメする。
Posted by ブクログ 2022年02月16日
大正天皇の死期が近づいてきていることや、皇后との出会いまでのことが描かれる。周辺に「政治的」に利用しようとする輩も出てきている。この時代まで、幕藩体制下の権力争いが続いていたことは、かえってリアリティを感じさせた。
Posted by ブクログ 2018年04月20日
やんごとない身の上っていいんだか悪いんだか。今上天皇の人柄も気の毒なくらいにいい人だけど、昭和天皇もそうだったの? タカの愛情、理想的だよなあ。しっかり愛された子供は芯が強いぞ。
第二巻では東宮御学問所時代が舞台となっており、前半は各地への行啓やさまざまな課題を巡るエピソード、後半は皇太子の婚礼に向けた準備の様子が描かれています。登場人物とのやりとりやエピソードの仔細などの情景描写は作者の想いえがく「創作」の部分と読むべきでしょう。
Posted by ブクログ 2019年11月13日
足立タカが養育掛を去り鈴木貫太郎海軍少将(後の首相)に嫁ぐ折、迪宮の養育日誌を置いていき迪宮が眠れない時はイソップ物語を読んであげてほしい、迪宮はイソップ物語が大好きで自分でイソップ物語を創作もする、創作のイソップ物語を聞いたら面白いです!と心から誉めてあげて欲しい…という話でウルッとしました。あと...続きを読む後の諡、香淳皇后こと良子女王が登場します。飄々とした大正天皇とそのぶん厳しくしっかりした諡、貞明皇后こと節子皇后…ちょっと不満なんですがこの漫画の大正天皇正妃貞明皇后という部分…まず明治天皇と違って大正天皇はお妃は節子皇后一人だけだから正妃というのは?だし貞明皇后というのはご本人が崩御されてからの諡であり、この漫画に描かれた時は大正時代なので当たり前ですがご本人はご生存、節子皇后と書くのが順当な気がします。
Posted by ブクログ 2018年09月12日
ふむ、純愛ってことかな。
ところで若干構図が簡単かなぁって感じ、まぁマンガですのでカタルシスが小説よりも重要な要素なんで致し方ないけれど、周りのドロドロした思惑と超然とした主人公。既視感ある、かつ、シンプルな設定はこの先どこに導かれるのやら。