誰もが知っていて、実は知らない昭和天皇の激動の生涯。
昭和天皇の幼少期からを描き、人格形成の過程も垣間見られる作品。数えで5歳の頃から養育係として仕える足立タカとのやり取りや、初等教育の過程での周囲との立場の異なりへの気持ちの表れなどから、感じることは昭和天皇も庶民と変わらぬ人であるということ。
あの時代に何を思い、どう行動したのか。大元帥陛下であり大天皇陛下として、そして象徴として、人間として。
昭和天皇の内面を描きつつ、突き進む時代が描かれている今作は、ただの歴史マンガとしては括れない。
改めて、日本とは何か、日本人とは何かを見つめ直すきっかけになるような内面に響く作品だ。
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当時の時代背景が結構リアル
陛下の婚約者事情に薩摩と長州の事情が入り込むとは思っていなかった。陛下は眼鏡の印象深いけど、大正時代、眼鏡はあまり上に立つ者が身に付けるものではなかったのかな。今では当たり前のものも100年前は全然違ってその差異が勉強になる。
タカと陛下の掛け合いが好きだったがこんな早くに離脱するとは…。婚約者候補、ええ人そう。
勉強にはなる
第二巻では東宮御学問所時代が舞台となっており、前半は各地への行啓やさまざまな課題を巡るエピソード、後半は皇太子の婚礼に向けた準備の様子が描かれています。登場人物とのやりとりやエピソードの仔細などの情景描写は作者の想いえがく「創作」の部分と読むべきでしょう。
Posted by ブクログ
足立タカが養育掛を去り鈴木貫太郎海軍少将(後の首相)に嫁ぐ折、迪宮の養育日誌を置いていき迪宮が眠れない時はイソップ物語を読んであげてほしい、迪宮はイソップ物語が大好きで自分でイソップ物語を創作もする、創作のイソップ物語を聞いたら面白いです!と心から誉めてあげて欲しい…という話でウルッとしました。あと後の諡、香淳皇后こと良子女王が登場します。飄々とした大正天皇とそのぶん厳しくしっかりした諡、貞明皇后こと節子皇后…ちょっと不満なんですがこの漫画の大正天皇正妃貞明皇后という部分…まず明治天皇と違って大正天皇はお妃は節子皇后一人だけだから正妃というのは?だし貞明皇后というのはご本人が崩御されてからの諡であり、この漫画に描かれた時は大正時代なので当たり前ですがご本人はご生存、節子皇后と書くのが順当な気がします。