あらすじ
ご婚約は白紙!?暗躍する元老との対峙!
時は大正。
晴れて皇太子となった裕仁(ひろひと)青年のお妃候補、内定――!
不況の世に明るいニュースが流れる中、真っ向から異を唱えたのは“明治の亡霊”こと元老・山縣有朋であった。
自らの希望を通さんと、不遜とも思える態度で婚約破棄を迫る老政治家に対し、皇室は、そして裕仁青年は…?
大正の世を揺るがした“宮中某重大事件”を大胆な解釈で描く最新刊です。
誰もが知っていて、実は知らない昭和天皇の激動の生涯。
昭和天皇の幼少期からを描き、人格形成の過程も垣間見られる作品。数えで5歳の頃から養育係として仕える足立タカとのやり取りや、初等教育の過程での周囲との立場の異なりへの気持ちの表れなどから、感じることは昭和天皇も庶民と変わらぬ人であるということ。
あの時代に何を思い、どう行動したのか。大元帥陛下であり大天皇陛下として、そして象徴として、人間として。
昭和天皇の内面を描きつつ、突き進む時代が描かれている今作は、ただの歴史マンガとしては括れない。
改めて、日本とは何か、日本人とは何かを見つめ直すきっかけになるような内面に響く作品だ。
感情タグBEST3
匿名
内面に響く作品
この作品は単なる歴史マンガではなく、昭和天皇の内面を丁寧に描いている。 時代の流れの中で、昭和天皇がどのように行動し、何を思っていたのかが生き生きと描かれている。大元帥陛下であり大天皇陛下としての側面だけでなく、一人の人間としての側面も捉えられており、日本人としてのアイデンティティーを見つめ直すきっかけになる作品だ。
昭和天皇については、崩御時のシャッター街のイメージしかない世代もいる。しかし、この作品を読めば、従来あまり知られていなかった昭和天皇の素顔に触れることができる。 東宮御学問所での教育を受ける様子なども描かれており、新鮮な発見がある。
まだ序盤の描写ではあるが、今後の展開が気になる作品である。 戦争への向かい方や、摂政就任、即位の経緯など、さらに深く昭和天皇の生涯が描かれることを期待したい。
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裕仁殿下の率直な物言いが素晴らしい。明晰さが滲み出る感じ。大正天皇と皇后陛下が裕仁殿下の将来設計に苦心惨憺されている様子や、それを取り巻く権力争いも読み応えがあるなあ。
山縣有朋に裕仁殿下が告げた一言は凄みがあったね〜
Posted by ブクログ
昭和天皇の生涯を描いた漫画の第3巻。お妃選びが難航する中で、初の外遊に出かけることに。昭和天皇が皇太子時代に沖縄に立ち寄っていたとは知らなかった。長州閥のドン・山県有朋の悪人ぶりが凄いのだが、(原作者の1人である)半藤一利が山県嫌いなんですかね?
Posted by ブクログ
能條純一『昭和天皇物語 3』小学館。
昭和天皇の人と成りを描いたノンフィクション劇画。天皇を美化した啓蒙作品ではなく、笑いあり、涙ありとNHKの朝ドラのような作品である。
天皇家を政治の道具にしようと企む山縣有朋ら元老たち。果たして裕仁皇太子はお妃候補・久邇宮良子と無事御成婚と相成るのか……
この時代の総理大臣は平民宰相と呼ばれた原敬であったか。黒キツネ山縣有朋の陰謀は原敬により打ち砕かれる。
経緯を知れて良かった
昭和天皇のお妃選びの話はどっかで軽く読んでましたが
周りの判断でそうなったのかと思ってましたが
結構陛下の決断で決まってたんですね
素晴らしい人間像を読めて満足です
Posted by ブクログ
婚約者選定、欧州外遊。いずれ確実に日本の頂となる青年に降りかかるでき偽おtの数々。それらに、私人公人として以上の、天皇というものにふさわしいと期待される行動を求められる日々。
外遊中、思わぬところで代役を務めた小松輝久氏の言葉が、その過酷さを表しています。
「皇太子殿下は24時間、毎日’皇太子殿下’私は30分でもう身が持ちません」
こうであるべき、を見せなければいけない毎日はつらいよなぁ。
Posted by ブクログ
宮中某重大事件から皇太子裕仁親王の外遊の巻。皇室ものだからあんまりキラキラ絵とか雑な絵、萌えみたいな絵は嫌、こちらの作者さんは品格のあるしっかりした作画だけどちょっと注文つけるとしたらやや人物たちの動きがぎこちない気がします…。
Posted by ブクログ
あんまりに聖人君子過ぎて、山縣・原らが浮いてると思う。これは設定上のミスかと。この後どういう風に展開させるつもりなのか、良い意味で裏切って欲しい。