あらすじ
大正天皇、崩御…25歳の青年は天皇となる
大正14年、12月6日。
国民が注視する中、裕仁(ひろひと)皇太子と良子(ながこ)妃との間に
待望の第一子が誕生した。
父となり、大きな責任を背負うこととなった、そのわずか1年後--
大正15年、12月24日。深夜。
裕仁青年に天皇のあり方を示し続けた大正天皇が
この世を去った。
尊敬する父……敬愛する父……肉親との別れに涙を流す時間もなく
父の死より約2時間後、青年は第124代の「天皇」となる--
のちに激動の時代と呼ばれる「昭和」が、いよいよ始まったのだ…!!
誰もが知っていて、実は知らない昭和天皇の激動の生涯。
昭和天皇の幼少期からを描き、人格形成の過程も垣間見られる作品。数えで5歳の頃から養育係として仕える足立タカとのやり取りや、初等教育の過程での周囲との立場の異なりへの気持ちの表れなどから、感じることは昭和天皇も庶民と変わらぬ人であるということ。
あの時代に何を思い、どう行動したのか。大元帥陛下であり大天皇陛下として、そして象徴として、人間として。
昭和天皇の内面を描きつつ、突き進む時代が描かれている今作は、ただの歴史マンガとしては括れない。
改めて、日本とは何か、日本人とは何かを見つめ直すきっかけになるような内面に響く作品だ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
大正天皇の崩御から昭和天皇即位、永田鉄山、田中義一、張作霖爆殺の辺りまで。
この間の昭和天皇の心の揺れ動き、覚悟のようなものを感じる巻。
昭和に入りいろいろと血生臭い動きが相次ぐように。
時代の流れ・匂いがわかりやすく描かれている。
壮大な漫画昭和史
文字だけの歴史書や文芸書と単純に比較するのは適切ではないが、漫画というフォーマットだからこそ出来ることがあると思い知らされた。文字で読む歴史上の出来事と異なり、人物の表情や吹き出しでセリフを見ることで臨場感や現実感がかなり感じられる。遠い昔の出来事が実際に血の通った人間が関与して起きたことだという実感が持てるという意味で、この作品の作者の絵のスタイルも寄与している。昭和天皇という人物が一人の人間としてどのような人だったかを知る良いとっかかりにもなる良書。
Posted by ブクログ
ついに長く患っていた大正天皇が崩御。大正天皇は即位時代も長い明治、昭和の両天皇に挟まれこうやってその姿を描かれる事があまりなかったからこの漫画で見れて良かったです。47歳、昔にしても若すぎる崩御ですよね…。歴史にもしもを言っても仕方ないけど、令和の今にいらしたらもっと長生きされたかなあ…。
Posted by ブクログ
能條純一『昭和天皇物語 (7)』小学館。
激動の昭和史の幕開け……
この時代の天皇は政治にも、軍にも絶対的な権力を持っていた。しかし、何時の時代も政治家など権力を手にした者は必ず悪事を働き、私服を肥やそうと暗躍する。天皇もこうした政治家に絡め取られ、やがて戦争へと……
そんな戦争への道程の香り漂う第7巻。大正天皇が崩御し、25歳の裕仁皇太子は天皇となる。第124代の天皇……
本体価格591円
★★★★