半藤一利のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2021年4月再読。
この本で扱っているのは、1853年のペリーの浦賀来航から、明治維新を経て1878年、明治10年の西南戦争の終わりまでである。
鎖国を続けていた徳川幕府が、開国を要求されたことから歴史が急展開する。江戸城の無血開城、大政奉還を経て明治維新により、天皇・朝廷を抱く明治政府が出来る。もちろん、そういった事がスムーズに進んだ訳ではない、というよりも、本書に示されている通り、それはいくつもの意味での権力闘争の果てに、「そういうことになった」とも解釈できる。
ともあれ、侍が支配していた日本が、近代国家となった。ここから日本は、幾つもの戦争に突入していく訳であるが、それは別の話である -
Posted by ブクログ
ネタバレ留学時代、世界の色々な国の友人らと話していて、これまで自分は恥ずかしいほどに歴史を、特に近現代史学んでこなかったと自覚して以来、ずっといつかきちんと考えてみようと思っていた。
半藤氏の昭和史などを読んでから、ついに気になっていたこの本を手にとった。
一番印象に残ったのは「過去の戦争の直接の責任は自分にはない。しかし人間としてはあってはならない悲惨なことをしたことが悲しいし、かつての加害国の人間として歴史を繰り返さないよう努力をする」という趣旨の部分だ。
自分がマジョリティ側、もしくは力を持つ側にいるあらゆる社会問題を考える時にも感じていたことだが、自分自身の行動でないことに対して過剰な罪悪 -
購入済み
まずはお勧めしたい一冊
先頃亡くなられた半藤氏の渾身の一作です。当時の陸軍(関東軍)の首脳部がいかに堕落した組織だったかよくわかります。
関東軍が統帥権という彼らにとっての絶対的なコンプライアンスを無視して、自分達の利益(見栄や権威も)を追求する事に夢中になっているという事が詳細に書かれています(その一方で敵対する者達には「統帥権干犯!」とヒステリックに騒ぐ)。
そして際立つのは辻政信という怪人の存在。彼だけに全責任を負わせる事は出来ませんが、間違いなく渦の中心にいた人物です。
そういった事変の表と裏について解り易く書かれています。ノモンハン事変について知りたいならば是非お勧めしたい一冊です。 -
購入済み
興味深い
幼少期から丁寧に描かれていて明治の政治家との関わりであったり当時の歴史もよくわかって大変勉強になりました。漫画だと頭に入りやすくて助かります。