【感想・ネタバレ】幕末史(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

嘉永六年(一八五三)六月、ペリー率いる米艦隊が浦賀沖に出現。役人たちは周章狼狽する。やがて京の都はテロに震えだし、坂本龍馬も非業の死を遂げる。将軍慶喜は朝敵となり、江戸城は開城、戊辰戦争が起こる。新政府が樹立され、下野した西郷隆盛は西南戦争で城山の地に没す――。波乱に満ち溢れた二十五年間と歴史を動かした様々な男たちを、著者独自の切り口で、語り尽くす。

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Posted by ブクログ

ペリー来航からの25年間。
完全史実なだけあって情報量が多く複雑。
それでも読みやすく書かれている。
日本史で習った内容なんてほんの一部の一部にも満たないなと。
幕末史mvpは勝さんかな。

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2025年05月13日

Posted by ブクログ

半藤一利さんの本は優しく、読みやすいので好きです

長編の作品ですが、興味ある幕末を分かりやすく解説してます

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2025年02月11日

Posted by ブクログ

ペリー来航から大久保暗殺くらいまでを描いた本。
本自体は分厚かったが、著者は作家ということで読みやすく楽しんで幕末を勉強できた。

趣旨としては、明治維新は武力を伴った権力闘争にすぎず、「維新」なんてかっこつけた呼び方をするのはどうなのかい?というところだと思う。

学校の勉強では薩長土肥の人しかよくわからないけれど、当然のことながらそれ以外の人も色々なことを考え、色々なことをやっていたんだなあと痛感した。

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2023年01月03日

Posted by ブクログ

昭和史同様、
本棚から引っ張り出してきて
再読。
半藤さん自身も語っているが
これは維新と言う名の
薩長の下級武士によるクーデター。
封建制度を疑い、改革を一気に進めた
25年間を半藤一利さんが
分かりやすく
レクチャーしてくれてます。
世界と肩を並べる為に
必要な事だった維新。
しかしながら、
来の日本の在り方を
余り考えずに
その場しのぎで
進んだと考えられる側面もあった。
うーん。
西郷隆盛さんを改めて偉大な人物と
感じました。
この人がいなければ、今の日本は
なかったかもしれませんと。

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2022年05月08日

Posted by ブクログ

生涯学習講座の講義録をまとめたもの。
歴史は苦手だけど、令和3年1月に著者が亡くなり話題になっていたことから、幕末史をおさらいする気持ちで購入。軽妙な語り口調で読み進みやすく、大河ドラマ「晴天を衝け」とも時代が同調していて、相乗効果でとても楽しく読み進められた。
反薩長史観の幕末史。「御一新」ではなく「御瓦解」、薩長が徳川から政権を奪取したに過ぎず、この国のかたちが大きく変わったわけではないという見方には共感。実際、政策の実務は旧幕臣無くしては成り立たなかったことは大河でも描かれていた。木戸孝允らが書簡で、戊辰戦争に勝ってうかれた連中が今後の日本をどうするかを考えずエコイムズだけで政府にあれこれ申し立てている、幕府は倒したけれど、あとの青写真は持たず、だれも責任をもって職責を果たそうとせず、勝手を言っているだけ。これでは崩れるしかなく、我々が一生懸命やってきたことは何だったのか、と嘆いている。
何となく民主党政権時代の混乱を思い出してしまったが、今の日本の政治は薩長の明治からどれだけ進化しているのだろうと思ってしまった。
半藤氏の作品にもっと触れてみたいと思う。

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2022年02月23日

Posted by ブクログ

PodcastのCoten Radioで紹介されている参考図書の一つ。

いまいち幕末とかイメージがあやふやだったりしていたけど(徳川慶喜と薩長土肥はどういった立場で対立したの?などなど)、丁寧に且つ講談的な味のある語り口でとってものめり込みながら理解を深めることができた。
ただ歴史の教科書で列挙された人物たちと出来事が、人間臭いドラマといて捉えることができたのは、歴史の面白さってこうやって感じるのだなーと今更ながらの気づき。何であんなに学校の歴史はつまんないのだろうの裏返し。
特に印象深いのは、勝海舟の偉人感と慶喜の無機質さ。慶喜は天皇への忠義を誰よりも深く持ってたはずなのに賊軍との扱いを受けて、ほろろな立場よね。

著者の「昭和史」もぜひ挑戦してみたい。楽しみ。

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2021年06月20日

Posted by ブクログ

大河ドラマ『青天を衝け』今日はサブタイトル『激闘!禁門の変』
渋沢栄一の自伝かと思っていましたが、重厚な幕末大河ドラマ(明治維新後も期待してます)だった。大河ドラマのガイド本では物足りず、歴史の新書ではどうも頭が整理出来ないため、良い本を探して本書に出合いました。著者の半藤一利氏が冒頭に『反薩長史観』と表明してペリー来航から西南戦争までを、大学の特別講座で語ったものをまとめたもの。とにかく分かりやすく面白い。個人的には一部異論もありますが、折りに触れ読み返したくなる良本、幕末通史としてお勧めです!!

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2021年10月29日

Posted by ブクログ

他の人の感想に大河ドラマを見ているようだと書かれていたが、まさに同感
戦国時代は大好きなのに、幕末の流れは、よく分からず
最近、大奥(吉永ふみ)を読み天璋院篤姫を読み、今の大河ドラマを見るにつれ、一つ一つの出来事が大きな流れに変わって行く
あー、これがそうだったのかと一人で合点が行き、私のような幕末オンチの人間にもわかりやすく、読みやすくなっている
最後に、本文中に大日本帝国は、薩長がつくり薩長が滅したと言う一文が印象的だった

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2021年05月29日

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 映像を見たわけではないのに、幕末を描いた大河ドラマを見たような読後感だった。ペリー来航から大久保利通の死までの、講義12回分をまとめたもの。登場する人物たちの言葉や行動が、詳細に、眼に浮かぶように語られる。自分が知識として持っていた出来事と出来事が、必然性を持って繋がっていったような気がした。う~ん、それにしても「錦の御旗」の威力はすごいなぁ、とか、大久保利通の非情さや壮絶な最期から、明治があるのかぁとか…。他の幕末のものを読むときに、また読み返したいと思った。

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2021年05月23日

Posted by ブクログ

2021年4月再読。

この本で扱っているのは、1853年のペリーの浦賀来航から、明治維新を経て1878年、明治10年の西南戦争の終わりまでである。
鎖国を続けていた徳川幕府が、開国を要求されたことから歴史が急展開する。江戸城の無血開城、大政奉還を経て明治維新により、天皇・朝廷を抱く明治政府が出来る。もちろん、そういった事がスムーズに進んだ訳ではない、というよりも、本書に示されている通り、それはいくつもの意味での権力闘争の果てに、「そういうことになった」とも解釈できる。
ともあれ、侍が支配していた日本が、近代国家となった。ここから日本は、幾つもの戦争に突入していく訳であるが、それは別の話である。

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2021年04月08日

Posted by ブクログ

半藤さんの昭和史から来ました。 
半藤節は健在で、複雑な幕末史も、軽妙な語り口で噛み砕かれ、すらすら読めてしまいます。
幕末史というと、なんとなく独立したイメージがありましたが、昭和・大正・明治・幕末と地続きで連なっている感覚を実感できます。

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2020年10月16日

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ペリー来航から大久保利通暗殺まで、幕末・明治初期の時代の流れを半藤一利さん独特の切り口で語った本。

本書は、半藤一利さんが薩長史観とは反対の立場で幕末・明治初期の歴史を語ります。幕末は志士側よりも徳川慶喜や勝海舟の心情や動きを多く語っています。明治初期では、とりあえず幕府は倒したものの、政権構想が固まっていなかったが故の混乱ぶりを主体に語られています。

本書はとても面白い本ですが、幕末・明治初期の歴史知識がないとわかりづらい面があります。他の本で幕末・明治初期の歴史を読んだ上で、本書を読むことをおすすめします。

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2019年12月04日

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講義の内容をまとめたものなので、非常にフランクで読みやすい。司馬遼太郎の幕末は良くも悪くもエンタメ要素があるので、冷静に歴史としての幕末史を見てみましょうという本である。
色々トピックはありすぎるが、メインは慶喜だろう。大政奉還を決断したという意味で評価されるが、それ以外は非常に利己的で保身的な人物としか思えない。維新後は趣味人で、様々な遊びをしていて、実は本人は幸せだったんじゃないかと思うと、非常に現代人らしい人だ。
あとは半藤さんが勝海舟を評価しているのは頷ける。この人も自分勝手で保身的と評価されやすいが、何度も殺されかけている割に護衛を付けない辺り、龍馬に似た豪胆さもある。なんだかんだ役割として役人であり、西郷さんや慶喜と渡り合う辺り、律義でもあるのだ。
幕末というと志士の側から語られる事が多い中、幕府、外国からの視点も合わせて見てみるという点で本当に読みやすく面白い本だと思う。

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2023年10月20日

Posted by ブクログ

「尊皇とか新しい国家づくりとか、全ての理屈は後からひり出した方便。明治維新とは、支配者層を武力で叩き潰さんとする暴力革命であった」とする反薩長史観"を持った著者から語られる、ペリー来航から西南戦争までの歴史。特に面白いのは、半藤先生自身が幕末の動きから、昭和史との類似点や、歴史全般に共通するシステムなどを見出し、所々で指摘している点。やはり人間のやることというのは、時代や場所が変わっても、大して変わり映えしないものなのかもしれません。"

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2018年01月08日

Posted by ブクログ

半藤氏の作品を始めて読んだが、もっと早く読んでおくべきだったと後悔している。全ての日本人に読んでほしいと思った。

私のルーツは会津藩で、祖父の頃に下北そして北海道へ移住してきた。本書の反薩長史観には目から鱗であった。

現在もなお息づいている薩長史観、賊軍が祀られることのなかった靖国神社等々。目が覚める思いがした一冊。

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2017年08月27日

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ネタバレ

黒船来航から西郷の死までを解説してある一冊。

難しいことを、わかりやすく簡単に説明できるのが、本当に頭のいい人、というのは真実だな。
幕末の状況が、少し理解できた。でも、やっぱりややこしい。
幕末から明治初期にかけてまとめられている一冊なんだが、そこから大正、昭和と歴史は続いていて。
この明治初期のころから、軍事優先国会への道を歩んできている選択してきた、という締めが、その後の日本の歩みを考えるとなんともやるせない。繋がっているんだな、、、。
基本的にとても興味深く面白く読めたのだが、新撰組(近藤とか土方とか)あまり出てこなかったのは残念。
とは言え、今まであまり知らなかった、勝海舟、木戸孝允、西郷隆盛辺りのことが盛りだくさんで良かった。
手元に置いて、読み返したい本。

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2022年11月04日

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「半藤一利」が黒船来航から西南戦争までの幕末史を描いた作品… その名もズバリ『幕末史』を読みました。

『それからの海舟』に続き「半藤一利」作品です… 『それからの海舟』を読んで、幕末~明治の日本史について、もっと知りたくなったんですよね。

-----story-------------
黒船来航から西南戦争までの《混乱》の時代がスッキリ分かる語りおろし本。
大ベストセラー『昭和史』の著者が、多くの才能が入り乱れ、日本が大転換を遂げた25年間を、平易かつ刺激的にひも解いてゆく。

はたして明治は「維新」だったのか。
幕末の志士たちは何を成し、また成さなかったのか----。
独自の歴史観を織り交ぜながら、個々の人物を主人公に活き活きと描いた通史。
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歴史探偵「半藤一利」が、波乱に満ち溢れた幕末の25年間と歴史を動かした様々な男たちを、独自の切り口で語り尽くした作品です。

 ■はじめの章 「御瓦解」と「御一新」
 ■第一章 幕末のいちばん長い日
 ■第二章 攘夷派・開国派・一橋派・紀伊派
 ■第三章 和宮降嫁と公武合体論
 ■第四章 テロに震撼する京の町
 ■第五章 すさまじき権力闘争
 ■第六章 皇国の御為に砕身尽力
 ■第七章 将軍死す、天皇も死す
 ■第八章 徳川慶喜、ついに朝敵となる
 ■第九章 勝海舟と西郷隆盛
 ■第十章 戊辰戦争の戦死者たち
 ■第十一章 新政府の海図なしの船出
 ■第十二章 国民皆兵と不平士族
 ■第十三章 西郷どん、城山に死す
 ■むすびの章 だれもいなくなった後
 ■あとがき
 ■参考文献
 ■「幕末史」関連年表

嘉永六年(1853年)六月、ペリー率いる米艦隊が浦賀沖に出現して役人たちは周章狼狽、京の都はテロに震えだし、「坂本龍馬」も非業の死を遂げ、「将軍慶喜」は朝敵となり、江戸城は開城、戊辰戦争が起こり、新政府が樹立され、下野した「西郷隆盛」が西南戦争で城山の地に没す… という激動の時代が描かれています、、、

明治維新という名の革命を舞台にして、個性的で傑出した人物が次々と登場するドラマティックな時代ですからね… 幕末を舞台にした物語が数多く作られたのも、頷けますねぇ。

誰を主人公にしても、それぞれの視点で魅力ある物語が描けますもんね… 歴史の勉強にもなったし、お歴々の思考プロセスや行動、駆け引きは仕事の参考にもなりましたね、、、

学生時代に歴史を学んでいた頃には興味のなかった時代ですが… 『それからの海舟』と本書を読んで、俄然、興味が沸いてきました。

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2022年10月26日

Posted by ブクログ

なんとなく学校で、主要な出来事が何年に起こりました、ということを学んだにすぎない幕末から明治初期にかけての出来事を、非常に詳細に、また語り口調でわかりやすい言葉でまとめられた内容でした

とても勉強になりました

ペリー来航から西南戦争までの内容です

徳川幕府の終わりと明治政府の始まり、その間がいかにドタバタで革命的であったかがよくわかりました

よく、200年以上続いた徳川幕府の時代からあそこまで一気に時代が進んだなぁと、一気なんやけど、意外にもビジョンはなくて権力闘争の成れの果てだったのは意外でした

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2022年10月09日

Posted by ブクログ

長かった〜。けど楽しかったー。

「薩長土は略奪行為だ」と知り、
坂本龍馬好きの私にとっては目から鱗。

「勝てば官軍負ければ賊軍」
今まで積んできた幕末の知識は勝った側の視点だったようだ。

私の生まれ故郷の偉人、勝海舟。
彼は立派な人だったんだなぁ。
誰か向島に博物館でも作ってあげてよ(笑)

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2022年05月20日

Posted by ブクログ

明治維新=薩長史観→褒め称えられる薩長の革命、著者はそんな一方的に評価されるべきでない、歴史は公正に評価されなければならない、いくら訴えても支持されない無念、後世にそう言う時はくるのだろうか。もし来たとしても生きていないだろうな。
著者は統帥権にこだわっている、それが太平洋戦争の悲劇に繋がっているから。
福沢諭吉をあまり好きではない理由が知りたい。

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2021年10月02日

Posted by ブクログ

★★★2019年5月★★★


半藤さんが語る幕末史。ペリー来航から西南戦争まで。筆者も述べているように、どちらかと言えば幕府に同情的な立場で書かれている。確かに、薩長のやった事は無理無体なことも多いし、幕府の肩を持ちたくなる気持ちは分からないではない。


中でも特に評価しているのは勝海舟だろう。
咸臨丸による太平洋横断から、江戸城無血開城、西南戦争に至るまで、常に勝海舟が登場する。
左遷されたり、抜擢されたり、幕府が倒れた後は駿府にこもったり、新政府に出仕したり、勝の身辺はいつも騒がしい。
「日本」を第一に考えながらも、薩長と一戦も辞さないという強い覚悟。胆力。これがあっての勝海舟だろう。


薩長の中では、西郷を高く評価しいているようだ。しかし一方で大久保については、実力は評価するがあまり好きではないようだ。
権力闘争に明け暮れた新政府の重鎮については激しく批判している。


改めてざっとこの作品を見渡して、どの辺に書いてあったか発見できないが、「幕末のある段階で国論は開国で一致していたのに、幕府を倒す必要があったのか」という意味のことを書いてあった。
では、幕府を倒さなければその後歴史はどう動いただろうか。興味深い話だ。

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2019年05月09日

Posted by ブクログ

歴史から何を学ぶかが重要。そして、歴史は勝った者が作るので、負けた側から見ることも重要。                                          
1.この本を一言で表すと?
・ペリー来航から大久保の死までの歴史を反薩長史観でまとめた本

2.よかった点を3〜5つ
・薩長暴力革命
→維新を美化していない。天皇の尊い意志を推戴して成しとげた大事業であるなどということではまったくない
・尊皇攘夷から尊皇倒幕
・どのような国家をつくるか、統一の機軸はなかった
→ビジョンはなく、攘夷の空気にうまく乗った権力闘争だったということは意外だった
・徳川慶喜
→いざとなるとすぐに逃げ出すクセ、根性の無さは
イメージが全く違っていた。
・昭和史の敗戦直前の状況とよく似ている
・統帥権の独立(p495)
→軍部暴走、太平洋戦争敗戦の布石がこの時にできていた
・ガス抜きのための台湾出兵

2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・勝海舟褒めすぎ
・昭和史と絡めたところが結構あり、昭和史を先に読んでいない人はわからないと思う

3.実践してみようとおもうこと
・日本人が戦争から学ぶ一番大切な点は、「熱狂的になってはならない」ということ
ところで、「攘夷」「攘夷」と言っていますが、では下級武士や浪人たちはいったいどのような理論構成のもとに攘夷を唱えたのか、当然問題になるわけです。
が、正直申しまして、攘夷がきちんとした理論でもって唱えられたことはほとんどなく、ただ熱狂的な空気、情熱が先走っていた、とそう申し上げるしかない。
時の勢いというやつです。
そこがおっかないところで、理路整然たる一つの思想があって皆がそれを学び、信奉し、行動に出るなら話はまだわかるのですが、それがほとんどなく、どんどん動いていく時代の空気が先導し、熱狂が人を人殺しへと走らせ、結果的にテロによって次の時代を強引につくっていく。
テロの恐怖をテコに策士が画策し、良識や理性が沈黙させられてしまうのです。
むしろ思想など後からつくればいいという状況だったのではないでしょうか。
いつの時代でもそうですが、これが一番危機的な状況であると思います。(p149〜150)
4.みんなで議論したいこと

5.全体の感想・その他
・歴史には様々な視点があり、勝った者が作った歴史だけでなく違う視点でも見る必要があることが理解できた

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2018年12月30日

Posted by ブクログ

ペリー来航から西南戦争(幕末〜明治10年頃)までの出来事を、それを引き起こした人物を中心に極力偏りのないように記述したもの。歴史は勝者によって記録されるの名言通り、教科書に書かれている薩長史観、小説で殊更にヒーローを取り上げている司馬史観とは異なる描き方で、これは学んでおくべき視点。右か左かで問われると北寄りを自認するものとして、賊軍とされた東北諸藩には同情を禁じ得ないし、いわゆる錦の御旗を持ち出して賊軍を討ったというが、尊皇は名ばかり、自身の殿様すら廃し、攘夷を翻し、権力闘争に明け暮れた。「明治維新で日本国を作ったのは薩長であり、太平洋戦争で日本国を滅ぼしたのもまた薩長である」

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2018年09月14日

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半藤一利さんの本は、かなーり主観が入ってる感じはあるものの、やっぱり読みやすい。
この本のいいところは、主観はあるけども、人物像の想像した姿を書いてくれているところ。進み方も時系列だし、すごくわかりやすい。
変な先入観が入ってしまいそうになるから、そこが自分としては怖いなあと思ったけど、、、
この本を読んで、やっぱり人とのつながりとか、人の思いとか、そういうものが最後はなにかをうごかすのかなあ、なんて思えて、幕末について考えようと思えた一冊になった。

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2018年09月02日

Posted by ブクログ

幕末にはヒーローが多かった、と思われている。新撰組にしろ、明治建国の政治家たちにしろ様々だが、よく考えたらそれらは物語の中でそう思っている、あるいはいわゆる「薩長史観」の中でそう教えられているのではないか。著者はそれを相対化してくれる。

慶應大学での講義を書き起こした本書は、その分かりやすい語り口もあって、するすると頭に染み込んできて分かりやすい。そして、尊皇、佐幕、攘夷、開国……日夜変わって行く人々の思想と歴史の流れを俯瞰できる。

そう、幕末はヒーローが活躍したんじゃない、人が紆余曲折して造ったんだな。

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2017年05月10日

Posted by ブクログ

流暢で聴き手の興味を外さない、講演記録。

半藤流の見立てが横溢・・ということで、「こういう解釈もあり」という講談風の幕末史NHKスペシャル・・と思ったらいいのでは。

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2018年10月14日

Posted by ブクログ

昭和史で有名な半藤一利氏であるが、幕末に関しても造詣が深いのは知らなかった。しかし、昭和を知るには、明治・大正時代に遡る必要がある。さらに、明治・大正時代を知るには江戸時代に遡る必要がある。そう考えれば、半藤氏が幕末に詳しいのも当然かもしれない。
司馬遼太郎の歴史小説の影響だろうか。幕末の志士は英雄視される節がある。特に薩摩・長州の志士は明治維新を成し遂げた英雄だ。しかし見方を変えれば、明治維新とは幕府転覆の革命であり、徳川慶喜を引きずり下ろして切腹までさせようとした反乱である。しかも、国家転覆後の青写真を誰も持っていなかったとなれば、「明治維新は単なるクーデターであった」とも言えるのだ。
真実は一つではない。見方が変われば真実も変わる。本書は幕末史の見方を増やしてくれる良書である。

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2022年12月13日

Posted by ブクログ

色んな人の書いた幕末の本を読むことで、歴史が立体的になっていくのが面白い。司馬遼太郎など最近読んでたお陰ですんなり入ってきた。昭和史も読んでみたい。

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2021年01月24日

Posted by ブクログ

幕末の思想や動きは何度読んでもぐちゃぐちゃだなと思うのだけど、この方の語り調はわかりやすくて好き。(と言いつつ、また忘れるけど) 維新というか革命、薩長史観に物申す、という姿勢らしい。しかし、みんな若いなあ。

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2020年11月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

<目次>
はじめの章  「御瓦解」と「御一新」
第1章    幕末のいちばん長い日
第2章    攘夷派・開国派・一橋派・紀伊派
第3章    和宮降嫁と公武合体論
第4章    テロに震撼する京の町
第5章    すさまじき権力闘争
第6章    皇国の御為に砕身尽力
第7章    将軍死す、天皇も死す
第8章    徳川慶喜、ついに朝敵となる
第9章    勝海舟と西郷隆盛
第10章    戊辰戦争の戦死者たち
第11章    新政府の海図なしの船出
第12章    国民皆兵と不平士族
第13章    西郷どん、城山に死す
むすびの章  誰もいなくなった

<内容>
『昭和史』などに比べて、内容の迫力に欠けるか?人口に膾炙したテーマだけに、新情報がなく、半藤さんの解釈にも新味が感じられなかった。ただ、語り口は面白く、厚いわりにすらすら読めるのではないか?反薩長史観で、これから広まるであろう感じ方だと思う。

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2018年03月06日

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