あらすじ
昭和史を世界視点で見ると何が見えてくるのか?ヒトラーとスターリンとルーズベルトが動かした戦前日本の盲点とは?未来の戦争を避けるために必読の半藤昭和史三部作・完結編
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Posted by ブクログ
半藤さんの昭和通史三作目。少しずつこの時代が立体化してきました。ヒトラーとスターリンに転がされ続けた日本。それにしても松岡と近衛のトホホ振りには目を覆いたくなります。国際政治は冷徹。根拠なき自信や根性だけでは生き残れません。日米開戦後の国際情勢の把握、分析、諜報はどうなっていたんでしょうか?知りたいところです。
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これまで「幕末史」「昭和史」などの著書があり、これは「B面昭和史」に続くもの。日本の歴史が、日本のなかだけで完結するものが多いなか、欧米の動きを軸に記述し、読み物として面白い。460ページを超えるが、後半はほぼ一気読み状態。映画「ウィンストン・チャーチル」をみた直後だけに、当時の状況が思い描かれるが、この本のストーリー展開はドイツが中心。
「歴史探偵」を自称し、当時と現在の安倍政権を比べて論じるなど、以前の著書よりくだけた感があるが、おおまかな流れは理解できる。「歴史はまっすぐには進まない」など、著者独自の「史観」も参考になる。
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ヒトラーやスターリンの動きがわかるので、昭和史が立体的に語られている。それにしても太平洋戦争に突入していく日本って哀しい。情報があったとしてもそれを見ない、反対だったとしても従う、悪いことは言わない、思わない。
マスコミの酷さは今も変わらない。たぶんこれからも変わらずに、一丸となって失敗へと向かう手助けをするのだろうなぁと思いました。
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太平洋戦争前夜の昭和史について、今までの著書で書ききれなかった部分を、世界史と絡める視点から描こうとされています。その時日本では、ドイツでは、ソ連では、とそれが関係しあって全体的な流れが出来上がったのだということを、一部著者の推論も入りながら知ることができます。なぜ日本は戦争に向かっていってしまったのかについて、別の視点から考えることができるのではと思います。
日本国内のどうしようもない無責任が、あの戦争に向かわせたことは事実ですが、そんな人間ばかりで、あの時代は全世界が戦争に向かっていった時代だと思っていました。しかし、なんとかしてその流れを変えようと努力した人間もたくさんいたはずと。本書を読むと、実はほとんどの人は戦争をしたくなかったということがわかります。それでも少ない富を求める中では、暴力は必至になってしまう。それを避けるには、したくないという消極的な気持ちではなく、しないという断固とした決意に向かう積極性なのだと改めて思います。
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朝鮮情勢の命運に世界の注目が集まっているこのタイミングだったらこそ、昭和の戦争に向かっていったあの時代の世界と対比させて読むことができた。
金正恩は現代のヒトラーなのか。少なくともヒトラーほどの野心はなさそうだだが今この時点ではなんとも言えない。だが金正恩を取り巻く世界情勢は80年前と変わらないようになってきたと思われる。経済発展を優先し、他国を顧みない現在は二度とあの大戦を起こさない方向に本当に進んでいるのであろうか。しばらくは朝鮮半島から目が離せない。
これを読んでいるとif、if、ifとあの時にといったポイントがいくつもあり戦争を引き起こさなくても良かったのではないかと思えるが、それはやっぱり今だから言えることで、軍部が支配しているあの時代ではそれに対抗する力はなかったのだろう。戦争は不幸であるが、あの時代のifで日本が戦争を回避していたら現在の日本には戦争も辞さない軍隊があるわけで、今の世界情勢の中でその日本がどう立ち回っていけるのかと考えたりもしてしまう。
とはいえ世界は第二次世界大戦を振り返って反省をしているはずで、それを信じて今の世界を見守りたいと思う。
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第一次世界大戦の終わりがドイツが降伏して終わったと考えていたが、実際はもっと複雑な内実で、その後のヒトラーの台頭を許す下地になっていることなど、結構知らないことが多々あった。改めてこの時代を学びなおす必要がありそうだ。
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ソ連憲法を起草したのがスターリン。
スターリンは野心があるが政治的嗅覚が鋭い人間で、レーニンは遺言で彼をトップに絶対するなと述べていた。しかしスターリンはこの遺言公表を関係者に限るよう政治工作した。
『日本におけるナチ第五列』日本におけるナチス宣伝工作を書いた大著。
チャーチルが海相に復帰したとき、イギリス全艦隊がチャーチルが帰ってきたと伝言しあった。
★この出来事を別の著者はチャーチルがばかにされていた証拠としているが、半藤氏は尊敬されていた証拠とする。
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ソ連、アメリカ、中国、ドイツ等との関係の中で、どういう経緯で日本が第二次大戦に突入し、ズルズルと勝ち目のない戦いを続けたのかが見えてくる。
それにしても、大多数の日本人がなぜそこまで好戦的な態度であったのか、マスコミの扇動?でも何故?。政府も情報機関を持たない、もしくは貧弱であったが故か、世界の情勢判断の深刻なミスが痛い。
これから日本がどうすべきかについては見えない!
ちょっと自虐史観的な…
沢山の資料を引用して、流れるように呼んでしまうのは、流石の半藤さんの著書です。
世界の動きと日本の動きを分かりやすく説明しており、昭和史好きならオススメします。
しかしながら、若干自虐史観的な記述が以前の著書より目立ちます。
日本、ドイツ、ソ連だけが悪いのではなく、イギリス、フランスも世界各地で問題を起こしていましたが、その事にはあまり触れていない(昭和史がメインだから仕方ないのですが)ので、世界史をあまり知らない方が読んだら、アメリカ、イギリス、フランスは理性的で正義の国と思い込んでしまうのではないかと。