半藤一利のレビュー一覧

  • 幕末史(新潮文庫)

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    講義の内容をまとめたものなので、非常にフランクで読みやすい。司馬遼太郎の幕末は良くも悪くもエンタメ要素があるので、冷静に歴史としての幕末史を見てみましょうという本である。
    色々トピックはありすぎるが、メインは慶喜だろう。大政奉還を決断したという意味で評価されるが、それ以外は非常に利己的で保身的な人物としか思えない。維新後は趣味人で、様々な遊びをしていて、実は本人は幸せだったんじゃないかと思うと、非常に現代人らしい人だ。
    あとは半藤さんが勝海舟を評価しているのは頷ける。この人も自分勝手で保身的と評価されやすいが、何度も殺されかけている割に護衛を付けない辺り、龍馬に似た豪胆さもある。なんだかんだ役

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    2023年10月20日
  • 昭和天皇物語 1

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    敗戦直後のマッカーサーとの会見での昭和天皇の戦争責任に関する御言葉は別のドキュメンタリーで知っていたが、如何様にして「昭和天皇」という人物が生まれたか、明治大正の少年時代から大胆な解釈から物語が始まる。

    「大元帥」として「象徴」として、また「人間」としてどのように生きたか最後まで見届けたい。

    昭和が終わった1989年、そして平成が終わろうとしている2018年を生きている身として。

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    2018年02月01日
  • 幕末史(新潮文庫)

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    「尊皇とか新しい国家づくりとか、全ての理屈は後からひり出した方便。明治維新とは、支配者層を武力で叩き潰さんとする暴力革命であった」とする反薩長史観"を持った著者から語られる、ペリー来航から西南戦争までの歴史。特に面白いのは、半藤先生自身が幕末の動きから、昭和史との類似点や、歴史全般に共通するシステムなどを見出し、所々で指摘している点。やはり人間のやることというのは、時代や場所が変わっても、大して変わり映えしないものなのかもしれません。"

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    2018年01月08日
  • 昭和の名将と愚将

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    多少覚悟はしていたものの、やはり「特攻」の内実は暗澹たる気持ちにさせられる。あまりにも悲惨で、この上なく酷い。「国を護るための尊い自己犠牲」などと美談に仕上げて、思考停止してはならないと強く思った。戦前のごとく世論がどんどん右傾化している昨今、「特攻」や戦争そのものに対し、徹底的に考察されなければ、またこの愚が繰り返されないという保証はどこにも無いぞ……

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    2018年01月08日
  • ノモンハンの夏

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    必至に頑張る現場と、腐りきった上役。空虚な楽観で現実を直視せず、犯した失敗を教訓に出来ない能天気ぶり……。悲惨極まるノモンハン事件には、大日本帝国の、ひいては現代日本にも根を張る、日本人のウィーク・ポイントが凝縮されていると思った。

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    2018年01月08日
  • 日本型リーダーはなぜ失敗するのか

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    アジア・太平洋戦争における戦いの軌跡から、現代に活かせる「リーダーとしての心構え」を語った一冊。帝国陸海軍についての基礎的な解説から入るので、軍事や近代史に明るくなくても大丈夫。本文中、帝国陸海軍の元兵士へインタビューした時のエピソードが頻出するのだが、見事なリーダーシップを発揮して戦い抜いた人物ほど戦争について口を閉ざし、馬鹿で無能な奴ほど誇らしく戦争を語っていたのが面白かった。

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    2018年01月08日
  • 日本海軍の興亡 戦いに生きた男たちのドラマ

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    『昭和史1926-1945』を読んで「半藤先生、ずいぶん陸軍嫌いの海軍ageなんだな」と思ったのだが、海軍の歴史にスポットを集中させた本書では、それがさらに顕著。愛憎ないまぜの冷静さを欠いた筆致には、一種異様な迫力がある。

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    2018年01月08日
  • あの戦争と日本人

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    半藤先生は他の著作でもちょくちょく「昭和史を追っていくと、明治・大正の近代史に目が向くようになる」と書いているが、本書はまさに、そんな近代史と昭和史との繋がりを辿ったものと言えようか。明治と昭和(日露戦争とアジア太平洋戦争)とを比較・検討し、そこに潜む戦争の内実や、国民の心の有り様を追う一冊。いつもながら、半藤先生の、真摯かつ謙虚な、良識ある歴史との向き合い方には感嘆させられる。「歴史に学ぶ」とはどういうことか、思考の一助になる名著だと思う。

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    2018年01月08日
  • 半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義

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    読んでるうち、「なんでェ、あれもこれもそれも、別段大した問題じゃねェんだな」と肩の力が抜けていく一冊。

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    2018年01月08日
  • 指揮官と参謀 コンビの研究

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    歴史は人が作り、人は人との関わり・交わりによって作られていく。人と人との交わりから歴史を見つめるとき、見えてくる昭和史の実態とは?

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    2018年01月08日
  • 名言で楽しむ日本史

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    『歴史のくずかこ』(文春文庫)と形式をほぼ同じくする一冊(こっちのが先だが)。古典に触れてみたくなった。

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    2018年01月08日
  • 21世紀の戦争論 昭和史から考える

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    昭和史の大家:半藤一利と、インテリジェンスモンスター;佐藤優が、731部隊、ノモンハン、8月15日/9月2日の終戦、陸海軍の組織など、昭和史の重要ポイントをピックアップして語った対談本。基本的な流れは、半藤氏が長年の取材・執筆経験から得た昭和史の知見を述べ、それを受けた佐藤氏が、現代の世界情勢と歴史的事実との連続性・結びつきを述べるもの。どの章でも、「歴史に学ぶ」という、それだけではやや曖昧なワードにクッキリとした輪郭が与えられており、両氏の特長がうまく組み合わさった意義ある書だと思う。

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    2018年01月08日
  • 世界史としての日本史(小学館新書)

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    歴史上の具体的な事実や明確な数値データを用いて、メディアにはびこる「日本すごいブーム」や、隣国に対する見苦しい誹謗中傷「嫌韓・嫌中」を真っ向から叩っ斬る書。本当に見つめなければならない日本の現状や未来に対する課題、これから日本人がするべきこと等が、分かりやすく記されている。

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    2018年01月08日
  • 昭和天皇物語 1

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    意外と知られてない昭和天皇

    まさかマンガで読めるとは。

    昭和天皇といえば、私(35歳)世代なら、崩御のシャッター街とかアニメの延期のイメージしかない。でも親世代が持つ、親愛と敬愛は忘れられない。

    この歳になり、色々と書籍を読み天皇を知り、改めて昭和、特に終戦の歴史を知れば天皇という存在の大きさに驚く。

    まだ一巻は幼少期だけれど、このあとには摂政の経緯、即位、そして開戦が待っている。さまざまな思想やイデオロギーで幾らでも描かれる昭和天皇。この作者がどの様な切り口で描くかは分からないけど、それでも伏線はしっかりと積み上げている。

    今上天皇の生前退位、女性(女系)天皇、女性宮家など、まさに国民と天皇の関係を問われる時代

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    2017年12月04日
  • 昭和天皇物語 1

    購入済み

    凛々しい陛下とか分かってない。

    もっとすっとぼけた風貌だったろ。
    あの何考えてるか分からない雰囲気が逆に得体の知れなさにつながって神格化に拍車がかかっていたのに・・・

    まあそれでも内容は読ませるので、楽しみな作品と言っておこうか。

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    2017年11月27日
  • あの戦争と日本人

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    先の戦争を肌で知っているこういう人はじきにこの世からいなくなってしまうんだな。非常に惜しい。
    戦争を文字や伝聞でしか知らない2世、3世の政治家ばかりになった日本の行く末は実に暗い。いまや日露戦争で薄氷の勝利をした後のような世相に見える。
    それと、あとがきの内容は納得。マスコミと言う名の暴力機関が国を誤らせてゆく。しかもそれはすべて金のためだ。

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    2017年11月30日
  • 昭和天皇物語 1

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    昭和天皇の生涯を描く。
    物語のは、明治天皇崩御から始まります。平成の今と違って現人神だった天皇家という存在で、どんな幼少期を過ごしたのか。周囲の人間は、どんな風に接してきたのか。それが昭和天皇に、与えた影響とは。

    とりあえず、即位してからの物語が楽しみです。太平洋戦争は避けて通れないですからね。どうして、戦争になってしまったのか。その時、何を思っていたのかです。

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    2017年11月19日
  • あの戦争と日本人

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    全国民が読むべき。てか、これを教科書に教えるべきじゃないか。我々はもっともっと、あの戦争のことを学ぶべきだと思う。半藤さんの冷静に事実を見つめる目と人間、国への愛情が本当に素晴らしい。

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    2017年10月13日
  • 歴史に「何を」学ぶのか

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    ネタバレ

    人はたえず挫折と我慢の日常をすごしている。どうせとか、いっそとか、覚悟しつつもなかなかいっぺんに思い切れない。そこに、せめての心情が大きく浮かびあがってくる

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    2017年09月24日
  • 幕末史(新潮文庫)

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    半藤氏の作品を始めて読んだが、もっと早く読んでおくべきだったと後悔している。全ての日本人に読んでほしいと思った。

    私のルーツは会津藩で、祖父の頃に下北そして北海道へ移住してきた。本書の反薩長史観には目から鱗であった。

    現在もなお息づいている薩長史観、賊軍が祀られることのなかった靖国神社等々。目が覚める思いがした一冊。

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    2017年08月27日