半藤一利のレビュー一覧
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ペリー来航から西南戦争(幕末〜明治10年頃)までの出来事を、それを引き起こした人物を中心に極力偏りのないように記述したもの。歴史は勝者によって記録されるの名言通り、教科書に書かれている薩長史観、小説で殊更にヒーローを取り上げている司馬史観とは異なる描き方で、これは学んでおくべき視点。右か左かで問われると北寄りを自認するものとして、賊軍とされた東北諸藩には同情を禁じ得ないし、いわゆる錦の御旗を持ち出して賊軍を討ったというが、尊皇は名ばかり、自身の殿様すら廃し、攘夷を翻し、権力闘争に明け暮れた。「明治維新で日本国を作ったのは薩長であり、太平洋戦争で日本国を滅ぼしたのもまた薩長である」
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太平洋戦争前夜の昭和史について、今までの著書で書ききれなかった部分を、世界史と絡める視点から描こうとされています。その時日本では、ドイツでは、ソ連では、とそれが関係しあって全体的な流れが出来上がったのだということを、一部著者の推論も入りながら知ることができます。なぜ日本は戦争に向かっていってしまったのかについて、別の視点から考えることができるのではと思います。
日本国内のどうしようもない無責任が、あの戦争に向かわせたことは事実ですが、そんな人間ばかりで、あの時代は全世界が戦争に向かっていった時代だと思っていました。しかし、なんとかしてその流れを変えようと努力した人間もたくさんいたはずと。本書を -
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この組み合わせ、このテーマでつまらないわけがない。案の定めちゃ面白かった。しかし両名の著作に馴染んでいる立場からすれば、当然ながら予想の範疇の内容で新味には欠ける。
阿部正弘・大久保利通・勝海舟を絶賛する一方で、吉田松陰・伊藤博文・山縣有朋はボロクソ。対談集だからこそのこの切れ味。
半藤さんの名著「昭和史」(2冊)、「幕末史」を再読したくなったとともに、新刊の「世界史のなかの昭和史」を買わねば。
加えて、両名が揃って勧めていたアーネスト・サトウ、海舟の「氷川清話」、そして松本清張が山縣有朋を描いたという「象徴の設計」を読みたいリストに追加。ウキウキするわー。 -
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ネタバレ昭和天皇が天皇になるために周囲がどんな教育をしてきたか、迪宮がどのようにして天皇になるのかを描いた序章。
子供ながらに自分の名字がないことを気にして養育係の足立タカに竹山というハンコを作って打ち明けるシーンはなんとも言えない。
幼いながらに理知的な一面を持ち、周囲との違いを感じていたのか。天皇として生まれたと言えばそうだが、元を辿れば庶民と変わらぬ人間という生き物である。同じ人でも教育課程、環境で日本国を背負う人になる。
暮らしぶりを見れば当時の時代背景から庶民より恵まれてはいただろうが、この生き方は辛くもあるように私は思う。
今の天皇一家はこの本をどのように捉えるのだろうか。 -
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朝鮮情勢の命運に世界の注目が集まっているこのタイミングだったらこそ、昭和の戦争に向かっていったあの時代の世界と対比させて読むことができた。
金正恩は現代のヒトラーなのか。少なくともヒトラーほどの野心はなさそうだだが今この時点ではなんとも言えない。だが金正恩を取り巻く世界情勢は80年前と変わらないようになってきたと思われる。経済発展を優先し、他国を顧みない現在は二度とあの大戦を起こさない方向に本当に進んでいるのであろうか。しばらくは朝鮮半島から目が離せない。
これを読んでいるとif、if、ifとあの時にといったポイントがいくつもあり戦争を引き起こさなくても良かったのではないかと思えるが、それはや -
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1巻と同様、浩瀚な資料をもとに、当時の世相から戦局に至るまで詳細にまとめられており、とても勉強になる。
しかし一方で、乃木将軍の軍事差配やその他評価については個人的な意見と反する点が多かった(私はこの将軍が好きなのだろう)。
旅順戦で乃木の第三軍は数万名にのぼる死傷者を出し、司馬遼太郎を始めとして世の批判を受けた。しかしその内容は戦後感覚での批判であり、評価に値しないと感じる。
日露戦争当時は戦車もなければ戦闘機もなかった。攻め手の最大の武器は「歩兵の突撃」だった。当時の作戦思想もある程度の歩兵の損害を前提にしている。つまり、銃剣を装備した歩兵の密集隊形で波状突撃を行い、第一波の8