半藤一利のレビュー一覧

  • ノモンハンの夏

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    ノモンハン事件。満州国とソ連との国境をめぐって日本とソ連が対立し、軍事紛争に発展した事件だ。一応「事件」と呼ばれているが、双方で数万の死傷者を出し、規模を考えれば、「戦争」だ。

    で、このノモンハン事件、日本軍の暴走と楽観主義、無責任さを象徴する出来事だった。敵の兵力も戦場の地形もろくな調査をせず、味方の補給路も考えず、戦車の数も不十分、頼りは大和魂を持った兵士たちだけで関東軍は戦闘に突入する。それで、短期勝利は間違いないと結論を出す関東軍参謀たち。そんな関東軍の無茶振りを根拠なく、しぶしぶ受け入れる国内陸軍。暴走する現場とそれを止められない中央という関係が改善されることなく、日本は敗戦へ突っ

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    2016年09月13日
  • 世界史としての日本史(小学館新書)

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    対談を通じて、現在の日本がどうあるべきか、日本人としてどうあるべきか、それに対しての問題意識を共有することができる。
    歴史のカバレッジという意味では、特に近代史、特に第二次世界大戦前後の世界、日本を取り巻く史実が中心。

    両著者が対談の中で推奨する歴史書籍を紹介しているので、この情報は貴重、保存版。
    対談集なのでどうしても歴史を学ぶ、という観点では不十分だと思うのだが、これらの書籍を興味に応じて読んでみるのが良いのだろう。

    「世界史としての日本史」という表題の中には、第二次大戦時に日本は世界の潮流を見誤った、という反省と、「日本美化論」が華やかな昨今の日本の状況がそれに類似している、という注

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    2016年09月12日
  • 21世紀の戦争論 昭和史から考える

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    昭和史の大家である半藤氏と、国際通の佐藤氏の対談による近代昭和史についての本。タイトルは「戦争論」となっていますが、どちらかというと太平洋戦争の開戦から終戦までの近代史において、当時のソ連がいかに関わって来たのかという部分がクローズアップされてします。そこはさすがロシア通の佐藤氏ならではの分析と情報が満載です。
    教科書に出てこない昭和史の重要な一面に触れることができます。かなりの情報量の本なので、近代史の知識があまりない私には難解な箇所も結構ありましたが、太平洋戦争開戦前の日本がいかにソ連の意図を把握できていなかったか、北海道がソ連領となるシナリオはかなりあり得た状況だった、ソ連がなぜ東欧のよ

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    2016年09月15日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    近衛は首相の強い意思もあり、昭和16年10月中旬に、アラスカにおいてルーズベルト米大統領との首脳会談が計画されていた。ところが近衛書簡の内容の概ねが漏れてアメリカの新聞に発表されてしまう。日本政府はアメリカに泣きを入れた!対米強硬・親ドイツ派の右翼や小壮軍人や軽噪な言論人は、この方に激昂した。一般の国民の気持ちまでもがぐんぐん激烈になり、アメリカに対する敵愾心をいっそう燃え立たせることになる。日本国内の世論の熱狂が、アメリカ小竹に良い口実を与えたことになる。こうして一気に、首脳会談の望みは微塵に砕け散ったのである。

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    2016年08月15日
  • 歴史探偵 昭和史をゆく

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    平成の時代となった今、昭和は既に歴史である。本当にそう考えて良いのであろうか。祖父母たちが生きた時代であるにも関わらず、小中学校で教わった太平洋戦争の時代が全くリンクせず、身近な証言者たちから何も聞かなかったことを後悔している。
    小中学校で教わった昭和史は短く内容の薄いものであった。現代に繋がる昭和史は非常に重大なものであると思う。また現在、国家として抱えている問題の多くはこの時代に起因しているとも思う。従って歴史の勉強は是非とも現代から遡ることとし、内容も深くあって欲しい。天皇の戦争責任も結論は出ないかもしれないが、大いに議論し考えることが重要だと思う。

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    2016年04月13日
  • 日本型リーダーはなぜ失敗するのか

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    第4章、第5章のリーダーの6つの条件は納得感あり。要再読
    1.最大の仕事は決断にあり
    2.明確な目標を示せ
    3.焦点に位置せよ
    4.情報は確実に捉えよ
    5.規格化された理論にすがるな
    6.部下には最大限の任務の遂行を求めよ

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    2023年06月21日
  • 歴史探偵 昭和史をゆく

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    昭和に生きていない人間なので、昭和の時代における天皇の意味、国民にとっての存在意義は、イメージするしかないが、今とはかなり違う気がする。
    特に1995年に書かれた文庫化に伴うあとがき。かなりシビれた。歴史が見るように国家の衰亡は精神の支柱となっていた理想の衰微。それによって統一のエネルギーを失う。というところ。
    筆者は日本も似たようなところがあると指摘しているが、あとがきを書いた20年後の現在では、さらにその状況が加速しているような気がする。
    昭和は精神の支柱が天皇だった。では今は?深く考えさせられるあとがきだった。

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    2016年03月07日
  • 昭和史裁判

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    ネタバレ

    半藤一利と加藤陽子による昭和の戦争に関連する人物の疑似裁判?というより裁判を模した対談。
    まあ!兎に角、微に入り細に入った内容まで立ち入って対談しているのには正直驚いた。昭和の時代だから資料が豊富にあるので、ここまでやらなければダメなのかとも思うが、調べるのも大変だと腰が引けそうな感じがする。

    俎上に乗るのは「広田弘毅」「近衛文麿」「松岡洋右」「木戸幸一」「昭和天皇」の5名。東条英機が何故入っていないのだろうと不思議に思う。対談の対象に入れても太平洋戦争の主犯だというのが、はっきりしていて「裁判」としては弁護の余地がないからだろうか?

    特に最終章の「昭和天皇」の章については、驚きの内容でし

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    2016年02月20日
  • 賊軍の昭和史

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    大河ドラマ「花燃ゆ」を見て感じた、「吉田松陰の思想が、日本を太平洋戦争に引きずり込んだのではいか」との疑問が裏付けられた。
    「靖国神社は薩長歴史観の空間」。靖国神社は今も日本を敗戦に追い込んだ薩長思想をひとめようとしている。
    安倍晋太郎も使用する「知行合一」。法治国家を否定する危うさがある。
    石原莞爾のことも目からうろこです。
    ラバウル司令官今村均の韮崎の「謹慎小屋」にも行ってみたい。

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    2016年01月31日
  • あの戦争と日本人

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    8月の課題図書…と言い続けて、年レベルで時間が経ってしまった…。
    読み出したらあっという間なんだけどね!
    この人の本はとっても読みやすいので。

    テーマごとに「あの戦争」を振り返るという内容。
    相変わらずはっとさせられる文章がいっぱい。
    惜しむらくは私の中で当時の情勢が順序立って記憶できていないので、個々のエピソードを面白く読んでも、それを自分の口で系統立てて話せないんだよねえ。
    ど、努力が、必要であります!

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    2016年01月09日
  • 半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義

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    ネタバレ

    「愛国談義」とタイトルにあるが、中身は夏目漱石の話から始まり、新作の「風立ちぬ」の話、そこから発展して関東大震災や太平洋戦争へと続いてゆくが、話はこれらのテーマを行きつ戻りつして、取り止めがない。あちらこちらに面白い話がちりばめられている。どれか興味がある話があれば、「なるほど、なるほど」と思って読めば良い、そういう気楽さのある本だけれども、中身は濃い。
    半藤さんはあとがきでこのように書いている。
    「いまの日本の政治は期末利益優先の株式会社の論理で国家を運営している。わたくしにはそうとしか見えません。とにかく目先の利益が大事であって、組織そのものの永続は目的ではない。自然環境や医療や教育や自活

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    2016年10月23日
  • 賊軍の昭和史

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    明治維新前後の官軍と称する勢力は、昭和の大戦においても時代錯誤の影響力を撒き散らした。
    尊王思想にしても、自分の理想を成就せしめるためには何でもありの狂気の思想であり、今の大河ドラマが不人気なのも、活動家らに抜き身の刀を近くで振り回されているような厭な雰囲気を、視聴者が感じているからではなかろうか。

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    2015年09月16日
  • 賊軍の昭和史

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    司馬遼太郎が書かなかった、書けなかった?昭和史。迫りくる欧米列強と対峙し、明治維新後、日清・日露を官軍の側から描けた司馬史観。
    官軍・賊軍の確執、そして、統制派、皇道派と続く、昭和の軍閥の混乱。司馬史観では取り上げられない史実だ。
    昭和史に詳しい、半藤、保坂コンビが、官軍・賊軍がどう昭和の戦争に突き進んだのかを解明しようとした著作だ。
    基本的には、吉田松陰の思い描いた東アジア構想を具体化しようとした永田鉄山、石原莞爾。
    そして、長州の天皇の権威を利用した、錦の御旗が、統帥権干犯へと繋がっているとの考え方が示されていた。
    敗戦処理に携わったのは賊軍を出自とする軍人だ。
    明治憲法下の最後の首相鈴木

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    2015年09月15日
  • 日本国憲法の二〇〇日

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    半藤さんには長生きしてほしいなあ。未読の人は是非「幕末史」「昭和史」を。映画にもなった「日本のいちばん長い日」もいいです。そして本書は日本国憲法について。

    誤解を恐れず言います。僕らが選んだ国の代表たちが変えたいなら、正式なプロセス踏んで変えたらいい、と思います。何回でも変えたらいい。公約と真逆なことやるなら問題かもしれないけど、多数決ってそういうものでしょ。

    進駐軍が来る前に真っ先に慰安施設を整えた敗戦国日本が、その翌年に「自ら」①天皇は国の元首の地位にある、②国権の発動たる戦争は、廃止する、③日本の封建制度は廃止される、の三原則に基づいた憲法を、「衆議院賛成421票、反対8票で」選びと

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    2015年09月02日
  • 「昭和天皇実録」の謎を解く

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    立憲君主制下の君主として、ごく数回の例外を除いて明治憲法で定められた「あるべき君主像」を自らに課し、そしてそれが故に、軍部の独走を抑えられず、却って国土の荒廃と数百万の国民を犠牲においやってしまったナイーブでインテリな君主。戦争を実力で止めなかったが故に法的な責任を逃れえたが、一方で同じ理由で道徳的・精神的な咎に、一生苛まれていたに違いない。本書では、昭和天皇の人間的な姿を、はしばしに見つけることができる。一方で、実録を編纂した宮内庁の恣意的な情報公開と秘匿が、この第一級の資料に与えたインパクトについては評価が分かれるかな。

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    2015年08月29日
  • 「昭和天皇実録」の謎を解く

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    半藤一利氏、保阪正康氏、御厨貴氏、磯田道史氏4名が『昭和天皇実録』を読んでの感想を諸々述べている本。4氏の話の中から垣間見られる『実録』の内容からはとくに「新発見」の類はないようだが、新たな史料の存在も示唆されているようで興味深い(ただし、原本の公開は難しいのかも)。

    最後に保阪氏が「「昭和天皇は生きている」との感がしてならなかった」と述べている。自分も「昭和生まれ」のひとりとして『実録』から漏れ聞こえてくる昭和天皇の息づかいに触れてみたいと思う。

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    2015年08月18日
  • あの戦争と日本人

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    語り口調で分かりやすく日本人と戦争との関わり合いを述べている。内容としては行ったりきたり、いろいろ話が飛ぶもののどれも興味深く、知らない内容も多かった。後半にいくにつれ内容的にも重く、しかし大事なことへとつながった。最後に、「あの戦争」と述べている理由も分かって納得。これをベースに『日本の一番長い夏』の再読に挑むつもり。

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    2015年07月03日
  • 十二月八日と八月十五日

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    確かに著者の以前書いたものを読んでいれば読む必要はないとは思うけれど、このアイデアは見事だと思う。開戦の日と終戦の日に日本人が何をして、何を感じたのかという話。
    太平洋戦争の流れを知らないで読むと難しいのかもしれないけれど、それくらいは学校で習っているはず。今の若い人に読んでほしい。

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    2015年07月01日
  • 十二月八日と八月十五日

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    太平洋戦争が始まった1941年12月8日、終戦の玉音放送が流れた1945年8月15日日本人はこの日に何を考え、行動したのか?各界の著名人の日記や手記をもとに、戦争というものが日本人」の精神構造にどれほどの影響を与えたかをあぶりだす。戦後70年の今、読みたい一冊。

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    2015年06月23日
  • もう一つの「幕末史」 “裏側”にこそ「本当の歴史」がある!

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    薩長史観を離れた本書を読むと、まさに「勝てば官軍」の状況が分かる。
    事後に偉人と呼ばれるような人による、今の時代となっては犯罪とされるような手段を選ばぬ行動で、新たな時代が切り開かれてきたのだろう。

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    2015年06月20日