半藤一利のレビュー一覧
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歴史探偵が過去に発表した項目に2章を書き下ろし、日本の針路を左右した転換点となる事件を描写する。敵うはずの無い米国にまごうこと無い先制攻撃、真珠湾米国艦隊奇襲(三国同盟を結んだドイツが欧州を制圧すればさすがに両大洋で戦争をするのを避けて日本の方は妥協して石油禁輸を解いてくれるという?勝手読み)(挑発はあった)をかけて報復に都市のほとんどを爆撃で焼失するという大悲劇に《責任追及》があるのは当然。
日中戦争の陸軍に対し、米英との対立は海軍の戦争。海軍が開戦への道をリードしたと論じる。艦隊派が閑院宮を軍令部総長に祭り上げ、軍令部優位の体制を敷き、及川海軍大臣、豊田次官の下で三国同盟締結に同意する。 -
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歴史に関する様々な作品がある著者の、幕末以降、戦争にまつわる作品を選び、著者の言葉をまとめたもの。
著者の作品は何冊か読みましたが、このよな編集になっているとは知らず手に取ったため、本全体としての主張などは分かりません。この中から気になるフレーズを探し、実際に原典にあたるためのガイドブック的なものとしてとらえればいいのかなと思っています。
個人的に気になった部分をメモしてみました。
・「フランスの社会心理学者ル・ボンは『群集心理』(創元文庫)という名著を、十九世紀末に書いているが、かれはいう。『群集の最も大きな特色はつぎの点にある。それを構成する個々の人の種類を問わず、また、かれらの生 -
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半藤一利氏によるリーダー論。近代戦争の専門家だけあって、リーダー論も戦時中の指揮官の研究結果を述べているところが多い。研究書ではないため内容が薄く感じた。
「西南戦争で郵便汽船三菱会社(後の三菱財閥)や大倉組商会(後の大倉財閥)は軍需物資の調達や兵站輸送で巨額の利益を上げ、経営拡大の基礎を築いています」p46
「西南戦争の勝利により「参謀が大事だ」という日本型リーダーシップが成立した。総大将は戦いに疎くても参謀さえしっかりしていれば、戦には勝てる」p47
「3を3回使って、その解が0から10となる数式を出せ(海大入試問題)(3-3)x3=0,√3x√3÷3=1,(3+3)÷3=2,3+3-3 -
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出口氏が日本史を論評する対談本
出口氏は日本の世界史への影響をほぼゼロと評価しているらしいと思ってました。
本著は、この考えを裏付けるものでした。
・昨今メディアに氾濫する日本特殊礼賛番組
→反対。日本は、世界史的にみて平凡、受け身でしかなかった。
・戦時中の日本政府、軍部のシステム的な不備
→軍閥入閣必須も酷いが、ガバナンスが皆無というのが致命的。
(満州国を溥儀で建国したことも、関東軍の独断で低レベルな謀略に過ぎない)
・さらに、出口戦略のないまま、開戦、戦線拡大。
→実は、リットン調査団の報告を受け入れ国際連盟に加盟継続していれば、満州の権益の実質的維持と国際的孤立を免れたはず。
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海軍のこと、全然わかりません。
山本五十六とか東郷平八郎の名前くらいは聞いたことがありますが、いつの戦争で活躍した人なのかはさっぱり。
だから、読んでも読んでも内容が全然頭に入ってこない。
ごめんなさい。
勉強して出直してきます。
心に残ったのは1922年のワシントン会議での全権大使だった加藤友三郎海軍大臣の国防感。
”国防は人の専有物にあらず。戦争もまた軍人にてなし得べきものにあらず。国家総動員してこれにあたらざれば目的を達しがたし。……平たくいえば、金がなければ戦争ができぬということなり。
戦後ロシアとドイツとがかように成りし結果、日本と戦争の起こる可能性のあるは米国のみなり。仮に軍備 -
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昭和史、幕末史、夏目漱石といった著者がこれまで書いてきたテーマを概観している印象。ちょっと物足りないかな、とも思ったけど、それは著者が何のために本書を出したか、というあたりを考えないといけないのだろう。天皇のお言葉やトランプ大統領の誕生。内向き化する世界各国。今ある世の中の動きに対して、あなたは何を思いますか?そうした問いを、これまで自身の描いてきたテーマとからめて、とりわけフリマー新書の読者となる若い人にむけて出しているのだと思う。まぁ、俺みたいなおじさんにも、考えなければいけないよなぁと思わせる話なんだけどさ。
歴史は繰り返すが、まったく同じように、ではない。歴史から学ぶことはできないの