半藤一利のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
日本政府は、愚かにもソビエト、スターリンの仲介により、戦争の終結を図ろうとする。当時、妄想の国、日本ではソビエトは救世主であったのである。満洲での仮想敵国は、ソ連であった。そのために関東軍を作ったのである。その仮想敵国が、救世主となったのである。その救世主が45年、8/9に日ソ中立条約を破棄し、日本に宣戦布告する。この出来事に一部の人たちを除き、新聞マスコミなど、多くの日本人は失望と落胆を抱いたのである。その動揺の姿が、今から思えば異様でさえもある。特に政府、日本軍部はソビエト軍部の実像とかけ離れた、ありもしない願望であるソビエトが仲介してくれるという妄想に酔っていたのである。以下引用。
-
Posted by ブクログ
読んだ本 ソ連が満州に侵攻した夏 半藤一利 20260817
終戦日までに読もうと思ってたんだけど、少しオーバーしてしまいました。
山岡荘八の太平洋戦争を読んだ時から思うのは、この戦争の終末期のやり切れなさ。無謀というのか馬鹿というのか南方の玉砕続きでうんざりしたのを思い出しました。戦力比較ができない、補給路がないなんてよくこれで戦争したなぁなんて思ってましたが。
この満州なんかは何十万の居留民が絡んで、それを見殺しにした関東軍にそうした感情が倍増しました。
ソ連憎し以上に、この時代の日本という国の愚かさが、この前読んだ日露戦争時の日本人と比べて、どうしたこんなに変わってしまったのか -
Posted by ブクログ
参謀総長の梅津が戦後も生き残り敗戦文書の署名もしたのに、なぜ陸相の阿南だけが直後に自決したのか長年よく理解できなかったのだが、クーデター計画を阿南が持ちかけ梅津は同調しなかったという経緯があったとは驚く。半藤も知っていて伏せていたかのような話しぶりでサラッと流されているが、本書を読んで一番の新発見だった。
どうも気になるのはこの対談・鼎談を読んでいると、日米開戦前の天皇は軍部と一人で直接対峙していたように見えてしまう。奈良や本庄ら侍従武官は登場するが、木戸や牧野ら宮中内臣の影響力が全く見えてこない。そのために天皇の態度の揺らぎが「どうお考えだったんでしょうかねぇ」といった個人の内面の迷いとして -
-
Posted by ブクログ
反薩長派として幕末史について展開されており、反薩長観点としての幕末のなぜを感じることができた一冊である。
学生のときは薩長による倒幕論による学習が中心であり、王政復古の大号令や、戊辰戦争、その後の西南戦争など、なぜそのような歴史になったのか違和感を感じていたものの、この本を読んで個人的には辻褄が合ったように感じた。(歴史は、勝者の論理によって書き換えられることは昔も今も変わらないんだろうな)
特にこの本が面白かったところとして、
・反薩長観点としての幕末におきた出来ことをユニークな視点で展開していること。武士の中でも階級が低い身分たちによるクーデター。
・外圧や財政難が同時に発生した際には、 -
Posted by ブクログ
昭和天皇物語 18巻
昭和19年。敗戦が色濃くなり、特攻を是とせざるを得ない昭和天皇の苦悩が重い。何もかも自由に決められる立場ではないが、現実を理解しているからこその苦しさが伝わってくる。
一方で、牟田口廉也は『アルキメデスの大戦』でもひどく描かれていたが、本作は史実を下敷きにしているだけに、「本当にこんな人物だったのか」と考えさせられた。
もちろん漫画としての演出はあるのだろうが、旧日本軍がなぜ敗戦へ向かったのかを象徴する存在として描かれているように感じる。
太平洋戦争は、戦国や幕末と違い、父母、祖父母の世代に直接つながる時代で歴史上の出来事というより、自分たちのすぐ手前にあった現実と -
Posted by ブクログ
興味深く思った点を幾つか列挙。
・実録執筆者の中に“エース”(昭和史の核心を担う執筆者)を想定し、“エース”が昭和天皇の「天皇像」を明確にし、天皇に「プラスに働く材料」(p.128)がない箇所は、記述が少なくなったりするという保阪正康の指摘。
・「軍部にとって天皇とは、最高指揮官などではなく、神殿の壁のようなもの」(p.81)で、それは幕末の長州藩の藩主が“そうせい様”(報告さえすれば、「そうせい」としか言わず、自由に行動させてくれる)で、この長州藩が後の明治政府の担い手となったことで、この「神殿の壁」構造が引き継がれていったのだ、という磯田道史の指摘。
・戦中戦後を通じて、短波放送が昭和天皇 -
Posted by ブクログ
長かった……前編の方が気になって予約してたのに後編の方が先に来てしまい、しょうがなく読んだが、またオイルショックが起きそうな今読むにはこちらの方が良かった気がした。著者の実体験が結構出てくるので、歴史研究家の人の本ほど信用していいのかなみたいな感じもしたが、まあ面白かった。
まあ長過ぎて最終的に頭に何も残っていないような感じもするけど、自民党はやっぱりずっと前から軍隊を持とうとしたり改憲しようとしたりしてるんだなあという感じ。まあ独立国で軍隊を持っていないという状態の方が本来はイレギュラーなんだろうなと思う。でも持たずに済むなら持たない方がいいだろう。戦えるようにしたって第二次世界大戦と同じ轍 -
Posted by ブクログ
元文藝春秋の編集者によるエッセイ。中学時代は太平洋戦争の世代、まさに昭和の語り部。やはり戦争前後の体験や、ほかに個人的に興味深かったのは1950〜60年代ころの社会人の働き方。社屋も移転し、週刊誌を始めるなど変革期にあたって社長が朝早くから全員出社するようにと激励する。その時間が10:00・・普段は何時に出社してるのか、徹夜が当たり前だったのかと驚く。終戦後、鬼畜米英から民主主義へ、大人たちの掌返しが青年の目にどう映ったのかを読むと、いろいろ考えさせられる。
銀座を台座にした話も多かったが、さすがにヤクザやザペッティなどは出てこなかった -
-
Posted by ブクログ
10年以上も前に書かれた本なので、現在とは認識の異なることも多い。2人の会話を軸に書かれているため、構成も話題の連続性も恣意的なところがある。中には眉唾物の話題もあって、日中戦争が始まった昭和10年代と比べて昭和初期を美化しすぎているのではと思われる記述も多々あった。それでも彼らの懸念事項は現在確実に深刻化しているし、単純短小化されたネット情報になじんだ人たちの言説には恐怖感しかない。圧倒的な国力のあるアメリカとの戦争になだれ込んだ昭和の失敗を学ぶことなく、圧倒的な国力のある中国との争いにも引きずり込まれる日はそう遠くないのかもしれない。
-
購入済み
激昂を描いて欲しかった
能條さんが将棋の漫画を描いていたときは、正直、好きなタイプの画風ではなくて、途中で挫折しました。が、この作品は、今に至るも、読み続けており、たぶん、最終巻まで読み続けるでしょう。しかし、この巻だけは、私が好きでない、能條漫画の演出が出てしまった・・・日本史マニアとして、2.26事件の時は、いかに昭和天皇がブチ切れなさったか、知っているつもりでした。しかし、この漫画の昭和天皇は、あるいはそういう演出なのかもしれないが、冷静すぎる気が・・・
-
Posted by ブクログ
この2人の作家はジャーナリスト出身で、15年戦争に至った日本の歴史を冷静に語る著述が多い。彼らが2013年に対談した記録は10年以上を経ているにもかかわらず、先見性のある指摘というか、今も変わらないというか。日本のジャーナリズムの劣化、それが知性の退嬰を招き、民主主義を危機に追いやっており、ファシズムが抬頭していると、昭和一桁年代の状況に似てきたと危機感を共有している。「自虐史観」から「居直り史観」への移行がそれを象徴している。
日本のジャーナリズムの幕末ごろから、現在に至るまでの流れを書いている中で、明治初期が最も政府に批判的な言論が主張され、日清・日露の頃から、政府の情宣紙のように戦争に賛