半藤一利のレビュー一覧
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半藤一利さんの「戦争というもの」を読みました。
率直な感想としては、読みやすく加工されたヘビーな作品といった感じで、180ページほどで戦争の残酷さを生々しく記載した本でした。
暴走する軍部、徴兵され命を落とす国民。戦争はこれだけの命を費やすほど大切なものなのか。なんともやりきれない気持ちになります。
特に印象に残ったのは、日本が戦争に突入するまでの流れのところです。本でいうと序盤ですが、自業自得の面も大いにあるとはいえ、日本がいかに追い込まれ、戦争に入っていったのかがよくわかります。この国際社会で『孤立』するリスクが痛いほど理解できました。
今年は戦後80年。戦争を経験した人は -
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太平洋戦争開戦となった真珠湾攻撃の12月8日。その日にいたる1ヶ月ほど前からの日米の外交戦略の推移を描き出した作品。
アメリカとの戦争は無謀であるということは重々承知の上で、開戦に踏み切った軍部の思考には追い詰められてしまったのか、という思いがあるのですが、暗号解読されていたという事情を知ってしまうと、全てが手のひらの上の出来事だったのか、という勝ち目がない以上に勝てるはずもないという無力感が出てしまいます。
真珠湾攻撃に成功したことを知った市井の人々が残した記録が興味深い。
戦争に勝てるという高揚感や、よくぞ開戦に踏み切ったという賞賛が全てではなく、敗戦を予測して暗鬱な気持ちを叫ぶ人もい -
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敗戦記念日がまた近付いてきたこともあってか、ふと手に取った。お三方(特に加藤さんと半藤さん)の著作はこれまでにちょくちょく読んでいるので、おさらいという感じで読んだ。
当時の色々な人の色々な思惑と事実とを照合すると、「対米戦を回避する術はあった筈」とやっぱり思ってしまう。
リットン報告書やハル・ノートに対する、冷静さを欠いた威勢がいいだけの感情的な煽りは、発行部数を伸ばすのにはよかっただろうが、亡国ぎりぎりまで民族を追い込んだ、という面では、マスコミの罪はとてつもなく大きいと思う。
また、五・一五事件のあと、実行者の助命嘆願書が百万を超える数集まり、裁判でも実行者が自身の信じる主義主張を -
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2025/04/07「昭和史戦前篇」半藤一利
戦前をまとめるには最適の書だが、掘り下げは浅い。
1.日本国はガバナンス不在 天皇・元老体制が権限・責任を喪失
一番は昭和天皇の中途半端な政治姿勢
形式的には天皇が絶対的トップだが共和制運営へ逃げる
軍部の引き起こした数々の事件、特に重臣暗殺は大きな影
2.軍部の暴走 統帥権干犯といいつつ独走・暴走
軍人の視野は狭く、「己の業績と勲章狙い」がせいぜい
国家を論じられたのは、石原莞爾と永田鉄山 対中観は真逆
3.近衛文麿の施策は国家犯罪
問題の多い政策を立案しては、退任で敵前逃亡
己の栄達のみで国家を滅亡させた それも彼の確信
本書では彼の一貫した想 -
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日本がアメリカとの戦争へ向かって突き進んでいくことに反対しながらも、真珠湾攻撃を成功させた海軍大将の山本五十六の苦悩にせまろうとした本です。
山本と同郷の越後長岡に生まれた著者は、長岡人気質というべきものを明らかにするために、戊辰戦争における河合継之助の活躍から説きはじめます。河合は、新政府軍とのあいだに和睦が結ばれることへの希望をいだきつづけながらも、交渉は決裂に終わり、不利な条件のなかで抗戦する道をえらぶことになりました。本書では、そうした河合のたどった道が、太平洋戦争にいたるまでの山本の姿勢とかさねられることになります。
著者は、いわゆる海軍善玉論に対してはやや距離を置いており、戦争