半藤一利のレビュー一覧
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読んだ本 ソ連が満州に侵攻した夏 半藤一利 20260817
終戦日までに読もうと思ってたんだけど、少しオーバーしてしまいました。
山岡荘八の太平洋戦争を読んだ時から思うのは、この戦争の終末期のやり切れなさ。無謀というのか馬鹿というのか南方の玉砕続きでうんざりしたのを思い出しました。戦力比較ができない、補給路がないなんてよくこれで戦争したなぁなんて思ってましたが。
この満州なんかは何十万の居留民が絡んで、それを見殺しにした関東軍にそうした感情が倍増しました。
ソ連憎し以上に、この時代の日本という国の愚かさが、この前読んだ日露戦争時の日本人と比べて、どうしたこんなに変わってしまったのかと。軍事的な無謀さは変わらないんだけど政治的な成熟度が軍人に至るまで大人だったのに。
救いのない一冊でした。
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参謀総長の梅津が戦後も生き残り敗戦文書の署名もしたのに、なぜ陸相の阿南だけが直後に自決したのか長年よく理解できなかったのだが、クーデター計画を阿南が持ちかけ梅津は同調しなかったという経緯があったとは驚く。半藤も知っていて伏せていたかのような話しぶりでサラッと流されているが、本書を読んで一番の新発見だった。
どうも気になるのはこの対談・鼎談を読んでいると、日米開戦前の天皇は軍部と一人で直接対峙していたように見えてしまう。奈良や本庄ら侍従武官は登場するが、木戸や牧野ら宮中内臣の影響力が全く見えてこない。そのために天皇の態度の揺らぎが「どうお考えだったんでしょうかねぇ」といった個人の内面の迷いとして処理されてしまい、ブレーン達の意見の齟齬や事態の推移に従った彼らの保身も含めた軌道修正等、複雑な事実の蓄積として映らないのだ。
実録自体が本当にそんな書き方になっているのだろうか。大いに疑問であるがこの大著に挑戦する予定は今のところ無い。 -
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反薩長派として幕末史について展開されており、反薩長観点としての幕末のなぜを感じることができた一冊である。
学生のときは薩長による倒幕論による学習が中心であり、王政復古の大号令や、戊辰戦争、その後の西南戦争など、なぜそのような歴史になったのか違和感を感じていたものの、この本を読んで個人的には辻褄が合ったように感じた。(歴史は、勝者の論理によって書き換えられることは昔も今も変わらないんだろうな)
特にこの本が面白かったところとして、
・反薩長観点としての幕末におきた出来ことをユニークな視点で展開していること。武士の中でも階級が低い身分たちによるクーデター。
・外圧や財政難が同時に発生した際には、攘夷論が強まることを幕末と昭和初期を重ねて展開している。高度成長期は反戦争論を展開し、国際経済から不在。一方で他国のことも考える必要がでてくるようになってくると、たちまち自己本位的に、高慢し、攘夷論調へ統一へ
・勝海舟は旗本の中でも身分は低かった。それもあり、積極的に人材登用をした。また勝海舟を登用した横井小楠もしかり。一方で現在の日本は官僚主導体制。昭和の日本はこれによって戦争へ。
・武士が自己変革によって、開国へ。
・戊辰戦争はイギリスとフランスの代理戦争 -
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昭和天皇物語 18巻
昭和19年。敗戦が色濃くなり、特攻を是とせざるを得ない昭和天皇の苦悩が重い。何もかも自由に決められる立場ではないが、現実を理解しているからこその苦しさが伝わってくる。
一方で、牟田口廉也は『アルキメデスの大戦』でもひどく描かれていたが、本作は史実を下敷きにしているだけに、「本当にこんな人物だったのか」と考えさせられた。
もちろん漫画としての演出はあるのだろうが、旧日本軍がなぜ敗戦へ向かったのかを象徴する存在として描かれているように感じる。
太平洋戦争は、戦国や幕末と違い、父母、祖父母の世代に直接つながる時代で歴史上の出来事というより、自分たちのすぐ手前にあった現実として読めるからこそ、より重く胸に迫る。 -
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興味深く思った点を幾つか列挙。
・実録執筆者の中に“エース”(昭和史の核心を担う執筆者)を想定し、“エース”が昭和天皇の「天皇像」を明確にし、天皇に「プラスに働く材料」(p.128)がない箇所は、記述が少なくなったりするという保阪正康の指摘。
・「軍部にとって天皇とは、最高指揮官などではなく、神殿の壁のようなもの」(p.81)で、それは幕末の長州藩の藩主が“そうせい様”(報告さえすれば、「そうせい」としか言わず、自由に行動させてくれる)で、この長州藩が後の明治政府の担い手となったことで、この「神殿の壁」構造が引き継がれていったのだ、という磯田道史の指摘。
・戦中戦後を通じて、短波放送が昭和天皇にとっての重要な情報源だったという話。(p.253~)
・昭和天皇が、立憲君主である「天皇」、軍を統帥する「大元帥」のほかに、皇祖皇宗に連なる大祭司である「大天皇」という三つの顔を持っていて、開戦・終戦の時期において「天皇」と「大元帥」の間に生じる齟齬に悩む「大天皇」という図式の話(p.100)と、「国体」について軍部と意識が違っていたという話(p.231)。ページは飛んでいるがこの話は一つながりのものと思う。「大天皇」であるところに昭和天皇自身のアイデンティティを置かざるを得なかったがゆえに、終戦時の昭和天皇にとって、国体護持とは、領土や戦争責任よりも「三種の神器をいかに守るか」(p.230)にあった。 -
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長かった……前編の方が気になって予約してたのに後編の方が先に来てしまい、しょうがなく読んだが、またオイルショックが起きそうな今読むにはこちらの方が良かった気がした。著者の実体験が結構出てくるので、歴史研究家の人の本ほど信用していいのかなみたいな感じもしたが、まあ面白かった。
まあ長過ぎて最終的に頭に何も残っていないような感じもするけど、自民党はやっぱりずっと前から軍隊を持とうとしたり改憲しようとしたりしてるんだなあという感じ。まあ独立国で軍隊を持っていないという状態の方が本来はイレギュラーなんだろうなと思う。でも持たずに済むなら持たない方がいいだろう。戦えるようにしたって第二次世界大戦と同じ轍を踏むだけだと思う。日本人の同調圧力というか上下の支配性というか、そういうものは異常だと思う。儒教の国の方が凄そうなイメージがあるのになあ。日本の軍隊は第二次世界大戦中、どの国の軍隊よりも酷い環境にあったんじゃないだろうか。てかほんと二世議員多すぎるだろ!今の政治家ほとんど二世議員なんじゃないか。
あと、やっぱり戦争でめちゃくちゃになって復興のためにみんなが頑張っている時期というのは、ある意味国が丸ごとスタートアップ企業をやっているみたいな状態だと思う。スタートアップは人数が少ないので1人ひとりが受け持つ仕事の内容も責任も大きいし、その分成長幅も大きくてやりがいもある。今の日本は一億総JTC的な感じで、窓際社員を大量に抱えた状態と言えるんじゃないだろうか。無論、自分もその1人と言えますが……。そもそも、どうすればまともな国になるのかわからない。政治に参加?デモをやりまくる?手取り早くは、国をめちゃくちゃにすることなんだろう。来たるオイルショックを生き延びられることを祈る。 -
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元文藝春秋の編集者によるエッセイ。中学時代は太平洋戦争の世代、まさに昭和の語り部。やはり戦争前後の体験や、ほかに個人的に興味深かったのは1950〜60年代ころの社会人の働き方。社屋も移転し、週刊誌を始めるなど変革期にあたって社長が朝早くから全員出社するようにと激励する。その時間が10:00・・普段は何時に出社してるのか、徹夜が当たり前だったのかと驚く。終戦後、鬼畜米英から民主主義へ、大人たちの掌返しが青年の目にどう映ったのかを読むと、いろいろ考えさせられる。
銀座を台座にした話も多かったが、さすがにヤクザやザペッティなどは出てこなかった -
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10年以上も前に書かれた本なので、現在とは認識の異なることも多い。2人の会話を軸に書かれているため、構成も話題の連続性も恣意的なところがある。中には眉唾物の話題もあって、日中戦争が始まった昭和10年代と比べて昭和初期を美化しすぎているのではと思われる記述も多々あった。それでも彼らの懸念事項は現在確実に深刻化しているし、単純短小化されたネット情報になじんだ人たちの言説には恐怖感しかない。圧倒的な国力のあるアメリカとの戦争になだれ込んだ昭和の失敗を学ぶことなく、圧倒的な国力のある中国との争いにも引きずり込まれる日はそう遠くないのかもしれない。
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購入済み
激昂を描いて欲しかった
能條さんが将棋の漫画を描いていたときは、正直、好きなタイプの画風ではなくて、途中で挫折しました。が、この作品は、今に至るも、読み続けており、たぶん、最終巻まで読み続けるでしょう。しかし、この巻だけは、私が好きでない、能條漫画の演出が出てしまった・・・日本史マニアとして、2.26事件の時は、いかに昭和天皇がブチ切れなさったか、知っているつもりでした。しかし、この漫画の昭和天皇は、あるいはそういう演出なのかもしれないが、冷静すぎる気が・・・