半藤一利のレビュー一覧
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第1部は識者6人による座談会。
第2部は6人それぞれの補遺的文章。
あの戦争で当時のメディア(新聞とラジオ)が果たした役割はとてつもなく大きかった。開戦を賛美し、国民を扇動熱狂させた。恐ろしい!
終戦の日はいつか?
ポツダム宣言受諾を敵国に通告したのは8月14日。
それを国民に伝えた(玉音放送)のは8月15日。
ポツダム宣言受諾文書に調印したのは9月2日。
日本人は「終戦記念日は?」と問われれば8月15日と答えるが、国際的には「9月2日」が一般的だそうだ。
あの戦争の経緯が分かる文書はまだまだ未公開のモノが多い。なぜ開戦したのか?戦争の経緯は? 歴史的な解明はまだまだ先のようだ。 -
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戦前の歴史を読んでいると、あの破滅的な戦争に至らずに済むことはできなかったのだろうかと、絶えず考えてしまう。
ナチスドイツに対して宥和政策を取り続けた英仏が、第一次対戦の悲劇を繰り返したくないと国民皆が感じていたのとは異なり、世界市場の分割に遅れてきた日本がその遅れを取り戻すためには、戦争という方法も有り得ると、指導者も国民も考えていたことが大きいと思う。
本書はタイトル通り、昭和の歴史がいかに世界史と連関していたかを、平易な語り口で追いかけていく。ドイツ、ソ連、アメリカそれぞれの動向と日本との関係が分かりやすく叙述されていて、複雑な国際情勢の変化がクリアになった。
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購入済み
少年漫画の固い絵柄は苦手だけど
昭和天皇の誠実な青年時代が伝わって来る。
ほぼ100年前、時代の変化に翻弄される皇子として自分の人生が決められていたこの人は、それでも改めて自分の人生を選んだのだろう。昭和も平成も終わった今、お薦めの一冊。良宮と仲良しだったエピソードは彼の為に良かったなと思う。 -
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ネタバレ半藤一利氏は昭和5年(1930年)生まれ、方や出口治明氏は昭和23年(1948年)生まれ、と18歳もの年齢差がある。半藤氏は、自称「歴史探偵」で、「幕末史」という分厚い本も上梓されており、この対談では出口氏が、半藤氏の胸を借りる形で、対談が進んでいくんだろうなと予想していたが、実際にはまったくそうではなく、まさに「がっぷり四つ」の対談だったように思う。
半藤氏はもちろんだが、出口氏の博識はすごい! 現代における歴史の頂点対談の一つだろう。そして、そういうお二人の扱うテーマが、「明治維新とは何だったのか」だから、これは面白くないということはありえないだろう。
むしろ半藤氏のほうが、「自分の弱 -
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ネタバレ裕仁皇太子の長い外遊は生涯の楽しい思い出となります。その後のを考えてもこの旅が一番自由を解放感を感じた事でしょう…しかし野放図にならず立場と品位を忘れないで振る舞えるのはやはり教育の賜物と生まれついての資質でしょうね( ・∇・)一方、節子皇后の久邇宮邦彦王に対する懸念は残念ながらある程度現実のものとなってしまいます…(´・ω・`)自分の娘良子女王の婚約破棄は右翼団体まで使って拒否したのに、息子朝融王の酒井家の令嬢と婚約破棄したいという希望は宮内大臣らの説得もものともせず強引に通します…(後に摂政宮になった裕仁皇太子はこれに訓戒)良子女王の件に関しては皇室から久邇宮家に良子女王をと望まれたのに何
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ネタバレ足立タカが養育掛を去り鈴木貫太郎海軍少将(後の首相)に嫁ぐ折、迪宮の養育日誌を置いていき迪宮が眠れない時はイソップ物語を読んであげてほしい、迪宮はイソップ物語が大好きで自分でイソップ物語を創作もする、創作のイソップ物語を聞いたら面白いです!と心から誉めてあげて欲しい…という話でウルッとしました。あと後の諡、香淳皇后こと良子女王が登場します。飄々とした大正天皇とそのぶん厳しくしっかりした諡、貞明皇后こと節子皇后…ちょっと不満なんですがこの漫画の大正天皇正妃貞明皇后という部分…まず明治天皇と違って大正天皇はお妃は節子皇后一人だけだから正妃というのは?だし貞明皇后というのはご本人が崩御されてからの諡
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ネタバレ幼少時のご養育掛足立タカとの話が丁寧に描かれていたのは好感を持った。けど、昭和天皇幼少期の私の大好きなエピソード…海に小石を投げ込んだのをみて魚がびっくりしないかと心配したり、タヌキを見せようと係の者が箱から出したら周りに変われている犬たちがいっせいに吠えたて、タヌキが恐れてぶるぶる震えているのを見てかわいそうだから早く巣に戻してやれと命じられたり、生来からの慈しみ優しさのある性格だという話が載ってなかったのがとても残念。乃木希典とのエピソードも火鉢に当たる迪宮に外で駆けたらあったかくなりますよと叱咤激励したり、継ぎの当たった服はちっとも恥ずかしくなんかないと質実剛健の精神を教えてくれたりと良
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やさしい口語調、各章ごとに同じ時期の話をいくつかの視点から描いているため読みやすい
(これは単に自分の読書力の低さゆえの欠点であるが)勢いよく時代が進んでいくと時々読者としてついていけなくなることがあり、あのおいてきぼり感が繰り返されると読む気が減退してしまう…
この本はページを遡らなくても(良い意味で)いちいち復習させていただけ、とてもわかりやすかった
こういった本の構造は知識を太くするのにとても適しており、短時間で得をした気分に(個人的には)なる
また「人物」にフォーカスを当てている点も有難い
興味と好奇心がとてもUPする
反薩長史観の姿勢の半藤氏であるが、
戦争をした -
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今どきのひとは勉強が足りませんよ。もっと広い視点で物事をとらえましょうね、という話が、俺は好きなんだろうなぁ。なんかそういう話を聞く(読む)と、ついほうそうなんですか、と耳を傾けてしまう。
実は再読なんだけどね。ふと手に取って読み始めたら、つるつると最後まで読んでしまった。知識的な部分も面白いし、勉強しようよと誘ってくれるところも気持ちが盛り上がる。
まぁこういう新書ってのは、読みやすさが売りだからね。こういう本で刺激を受けたら、もう少し歯ごたえのあるものに進んでいくのが筋というものなんだろうな。こういう本ばかり読んで、勉強した気になるんじゃなくてね(苦笑)。 -
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宮崎はもちろん飛行機マニアで最後の長篇として大人向け戦前日本が舞台『風立ちぬ-生きよう』を作った。アニメを五十年作ってきて「もう無理」「トトロ続篇は緑が昔と違うので描けない」300×180のセル画で零戦の独特なカーブを描くのは困難。でも出さない訳にもいかない。半藤は少年時代、米軍機から機銃掃射された体験があるので軍艦マニアだと言う。大正大震災で被服工場跡地から助かったとは。軍国主義と見られるのを警戒してか、表題の如く「司馬遼太郎の言うように日本は表座敷に上がろうというのは思い上がりだった」という。
戦前も日本は民主主義で議会で大陸利権に関する議論が行われた。今の北朝鮮のような先軍主義ではない