篠田節子のレビュー一覧

  • 田舎のポルシェ
    「混迷する日本社会の今」を背景に「昭和の時代から懸命に生きてきた人たち」と「今の社会は生きづらく先は見えないけれど、少しだけ光明が見えるかもしれない」という微妙な情景を描き出した中編三作を集めた作品集。なかなか読み応えがありました。というか結構重かった。(決してホンワカする、ハラハラ・ドキドキすると...続きを読む
  • 夏の災厄
    既にパンデミックを経験した今読むとまた描写のリアルさに気付いたりする。
    90年代の作、最近のではもうみなくなった、おばちゃんが遠慮なくおばちゃんとして描かれていて、すごく頼もしくどっしりしたベテラン看護師!が魅力的。

  • セカンドチャンス
    何歳からでも始められる。言い訳しないでやってみれば、何かが変わるかもしれない。  健康の為に、水中ウォーキングから初めて、競泳までやってしまうなんて、凄い。感動してしまった。☺
  • 女たちのジハード
     当初は、" 何なの男も女も" と目くじらを立てたいような・・・、呆れて、ため息が漏れたり・・・。 上手に読者の感情を右へ左へと揺さぶる。 篠田節子さんの小説は、面白い。 上手いなあーとワクワクしなから読んだ。
     そして、物語は二転三転・・・。 だけど、彼女たちの、アレもコレも可愛く見えてくる。 結...続きを読む
  • 寄り道ビアホール
    日常のホンワカした出来ごとを柔らかい文体で綴ったエッセイではなく、自分のポリシー(流儀?)や物事の評価に対するクライテリアがキッチリ、しかも嫌味なく織り込まれており、作者の生身の人間としての魅力にあふれた作品だと思う。
    女性が書くエッセイとしては、他の書評の通り若干辛辣(ストレートという意味で)な部...続きを読む
  • 失われた岬
    久しぶりの篠田作品。
    圧倒されんばかりの執筆エネルギーは言うまでもなく、近未来小説としての出来上がりとあって、ずしんと来た。
    かつて読んだ「絹の変容」「弥勒」の系統に属し、私の好みともいえる展開とテーマ。

    表題「失われた・・」のは北海道にある岬で行われた研究結果・・が失われた?或いはそこで行われた...続きを読む
  • セカンドチャンス
    これまで読んだ篠田節子さんの作品と印象が少し違ったように感じました。

    50代の独身中年女性が両親を見送った後、高血圧高脂血症肥満と身体に問題を抱えて、医師の指導を受けるも言い訳しつつ一向に改善されず…といったところからお話スタートです。

    スイミングに通うようになり、決して設備が整ってたり、参加者...続きを読む
  • 家鳴り
    真面目な筒井康隆
    という感想を持った。
    パニック小説から恋愛ホラー、近未来SF、他、何のジャンルに入れて良いか判断できない作品。
    どの作品も構成があり、小説として面白い。特に冒頭のパニック小説「幻の穀物危機」はリアリティーがあり、情景が迫って来る。戦中の食糧危機を体験したのだろうか。


    ・幻の穀物...続きを読む
  • 銀婚式(新潮文庫)
    文章が秀逸。証券会社のエリートビジネスマンの青年期から壮年期を淡々と描いている。淡々と…なのだがなかなかの紆余曲折があり先が気になり一気読み。小説なんだけれどちょっとリアリティあり「へ〜!」と感心してしまった。想像していたエンディングとは違っていたけれど、それすらも感心。良い読み物でした。
  • セカンドチャンス
    一気に読み切りました。我を張るのが苦手でつい自分の事を後回しにしてしまう主人公が、スイミングスクールを通じて新たな世界を切り開くというストーリー。決して大きな事件やドラマチックな出来事では無いけれど、ちょっとした他人の言動に波打つ主人公の心情は私にとっても身近でとても共感させられました。
  • セカンドチャンス
    健康促進のために通うことになったスイミングクラブ。色んな人との出会いの中、さて泳げるようになる? 人生曲がり角を過ぎた年代に力を与える爽快小説。
  • 百年の恋
    小柄でちょっとぷっくりとしている独身の真一は、女性たちから関心を注がれる男性とは程遠い存在だった。
    そんな真一に、美人でスタイリッシュな高嶺の花ともいえる独身エリート行員の理香子への取材の機会を与えられる。
    真一は、理香子のあまりにも神々しい存在感に萎縮しながら、何とか無事に取材を終える。
    その後、...続きを読む
  • 肖像彫刻家(新潮文庫)
    好きな作家さんでしたので、構えずに読みはじめました。
    面白い! 主人公が魅力的です。オットにはしたくないけど、友達になりたいなぁ。
  • 銀婚式(新潮文庫)
    主人公と同じ世代を生きた身として、様々なシーンで共感できました。
    じんわり感動。
    一気に読みたくなる面白さは、30年前に読んだ「女たちのジハード」を再読したくなります。
  • セカンドチャンス
    清々しい!
    泳げないくせに、ちょっと、水泳も悪くないかも...
    なんて思っている、ブヨブヨ体型の自分...
  • 夏の災厄
    とても面白い。

    が、最後の方はあまりにも現実離れしすぎて、置いてけぼりをくらった気持ちにはなったが、フィクションなので、これもありか…と思いました。
  • セカンドチャンス
    篠田節子らしくないといえばそんな内容だけど、篠田節子らしい読みやすさ。

    奇しくも今月からプールに行こうと思っていたので、その前に読もうと借りた本。

    …スクールも良いな。
    すぐに感化される私の感想です。
  • セカンドチャンス
    主人公と自身の年齢が近いことから、
    人生の楽しみを見出せずにいる姿が重なった。
    友人の言葉で新しい事にチャレンジし、そこから仲間ができて人間関係ぎ育ち、新たな目標ができてイキイキする様子が充実していて、読後感が良かった。
  • インドクリスタル 下
    人工水晶の核となるマザークリスタルを求め、インドの寒村に赴いた藤岡。宿泊先で使用人兼売春婦として働いていた少女ロサとの出会いを機に、インドの闇の奥へと足を踏み入れてゆく…。
  • インドクリスタル 上
    人工水晶の核となるマザークリスタルを求め、インドの寒村に赴いた藤岡。宿泊先で使用人兼売春婦として働いていた少女ロサとの出会いを機に、インドの闇の奥へと足を踏み入れてゆく…。