篠田節子のレビュー一覧

  • 寄り道ビアホール

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    重松清との対談が出色。
    重松清が編集者あがりだということを知った。
    随筆嫌いの篠田節子をいじっている。
    山村正夫の小説講座あがりで、宮部みゆきの年上の後輩の篠田節子をいろいろ。
    弟子というか、妹子というか。

    篠田節子がおっさんであることが発覚。
    「小説の方も男か女か分からないものを書いています」と言っている。男性から見ると、女性視点でないと書けないものだと感じている。おっさん的ではあるけど。おやじギャル++的な。

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    2013年04月29日
  • 神の座 ゴサインタン

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    ガサインタン(神の座)。
    これでもか、これでもかとたたみかける不幸と悲惨な状態。

    いいかげんに、よしにしてくれと思うけど容赦が無い。
    ひょっとしたら男性が読むのを拒否しているのかと思った。

    結末まで来たら、なんだ、そんなことかとがっくりきた。
    目的のためには手段は選ばないという言葉がある。

    故郷に帰るという意図を掴めないまま、終わりまで来た。
    国際交流ってこういうことかと納得した。

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    2013年04月26日
  • 死神

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    福祉事務所をめぐる事件の数々。
    作者が勤務していたこともあるので、機密の漏洩にならないことに気をつかったとのこと。
    なら書かなきゃいいのにと思いながらも読み進んだ。

    それで何が言いたかったのだろう。
    まだ分からない。

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    2013年04月25日
  • 仮想儀礼(下)(新潮文庫)

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    やっと読み終わった。

    この本は友達のおすすめで出会った本。読み始めはおもしろそうだなーという漠然とした、どちらかというコメディ要素もあるのかなと勝手に想像を膨らませていた。

    ところが物語は宗教を興すという、意外な展開をみせる。
    そんな簡単にいくのかと思うほど、トントンと話は進み、わたしものめり込んでしまっていた。


    だけど、途端に事態は急降下。
    人間の欲や本能、心の奥底の深くて暗い隠された部分が見え隠れする。
    正直読んでいて、不快なときもあったし、終わったあとは疲れたなという思いが強かった。
    でもそれを含めて本当に面白かった。
    面白いという表現がいいのかわからないけど。

    人は究極という

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    2013年04月24日
  • 美神解体

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    整形手術をしたピアニスト。
    人形を愛するデザイナ。

    2人の出会いと関わりを綴るなかで、
    音楽という時間軸の美と
    デザインという空間軸の美の
    交差点が出会い。

    解決することがない美の追究。
    論理的な破綻。

    解説を平山夢明が書いている。
    「江戸川乱歩を彷彿とさせる仕掛けもある」

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    2013年04月18日
  • ハルモニア

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    チェロひきが、脳に傷を持つ女性に施設で教える。
    どんどん上達し、演奏会を開催する。
    集中すると周囲を傷つけることがあるのを理解していなさそう。

    音楽会の裏表がわかる。
    最後は、文学だから仕方がないのだが、幸せをつかむことができたのだろうか。人生と住んでいるところからの逃亡が幸せでは悲しい。

    脳と音楽の関係が、もう少し深掘りしてあるといいかもしれない。
    脳波と体温の関係とか、血中の諸物質の濃度との関係とか、肺での酸素の出入りとか。

    解説を石堂藍が書いている。ファンタジー評論家とのこと。
    解説ももう一歩、もう二歩、突っ込みが欲しいかも。

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    2013年04月12日
  • 仮想儀礼(下)(新潮文庫)

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    上巻はトントン拍子に教団が大きくなり、普通はこんな簡単にできひんよな〜と感じるところもあったんやけど、下巻のあれよあれよという間にガンガン転落いく様はさらにリアリティを感じて、ああ〜もうこれ以上落ちていって欲しくないなあとだんだん読むのが苦しくなってくるんやけど、ほぼよどむことなく一気に最後まで読めました。

    でも一気に読めるんやけど、これは相当体力がいります。
    こんなに骨太の小説を読むのは久しぶりかもです。
    読み終わったあとはぼーっとして、頭のなかがぐるぐる回って、現実世界に帰るまでにものすごい時間がかかりました。

    仮想儀礼を読む前までは、新興宗教とか占いとかうさんくさいな〜、なんか信者の

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    2014年01月03日
  • インコは戻ってきたか

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    亜細亜の西の端のトルコと
    欧州の東の端のギリシャが登場する。
    イスラム教とキリスト教(ギリシア正教)。
    文化が衝突している場所。

    おおくくり出言えば、
    アラブもトルコのギリシャもヨーロッパも、
    チグリスユーフラテスとエジプトの文明の影響下だと思えば、
    文明内の争いかもしれない。

    ギリシア正教は、キリスト教とギリシアの土着の宗教が結びついたものかもしれない。

    キプロスへの取材旅行での死亡事故。
    事実は小説より奇なり。

    「間の抜けていない死に方などあるものか」
    という言葉を残して死んでいった写真家。

    著者の後書きには、「小説の舞台となった99年のキプロスでは、この小説に出てくるような軍事

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    2013年04月06日
  • 神鳥(イビス)

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    八王子に勤務していたことのある地元作品と言えるかもしれない。

    芸術作品から始まる物語。
    芸術家が遭遇した事実を追体験する二人。

    それまで越せなかった川を、共体験を支えに超える。
    それまで斜めに構えてきた人生が前を向く時が来る。

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    2013年04月06日
  • 愛逢い月

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    短編六話
    秋草
    38階の黄泉の国
    コンセプション
    柔らかい手
    ピジョン・ブラッド
    内助

    内助は、黒い。相手をうまく生かし切れなかった。
    ピジョンブラッドもその意味では相手を理解しきれていなかった。
    心をというよりは行動を理解しきれていなかったことを悔やむ物語。

    小池真理子の解説がいい。
    分野(ジャンル)を無視した書き物。
    書きたいから書くというような。
    篠田節子の技量を褒め称えている。
    作家が書く解説は面白い。
    読者にはない視点を提供してくれる。

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    2013年04月06日
  • 秋の花火

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    短編5話
    観覧車
    ソリスト
    灯油の尽きるとき
    戦争の鴨たち
    秋の花火

    いかんとも、篠田節子らしい、斜に構えた話が多い。
    幸せな終わりではなく、悲惨な終わりでもない。
    思わぬ落とし穴に嵌まるが、恐怖のどん底ではない。

    人間らしさと皮肉屋さんらしさといえばいいかもしれない。
    「戦争の鴨たち」はある意味笑える。
    戦場の近くで、戦場を模擬する商売があろうとは。

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    2013年04月05日
  • カノン

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    音楽に関する話題が半端ない。
    解説はピアニストの青柳いづみこ。音楽学博士が解説を書こうと思うくらい、音楽に対する話題が豊富。

    「器楽合奏による日本の四季」実際に存在している楽曲か、架空のものかが分からない。
    カノン、フーガが、話題にしているのはどの曲か、できれば楽曲一覧があると嬉しい。著者の推奨CDも合わせて。

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    2013年03月30日
  • 聖域

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    作中作。小説の中に、題材として小説の「本文」が入っている。

    作中作に、終わりがないのは、そんなもんだろうという気がした。

    巫女(いたこ)に対する記述が豊富で、口減らしのための方策については考えさせられた。

    蝦夷に対する記述は尻すぼみで、何が書きたかったのかが分からなかった。

    山で亡くなった女性に対する描写が中途半端なのは仕方が無いとして、だからどうだという決意みたいなものがあると嬉しかった。

    もう一回手を入れて貰えると嬉しいかも。

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    2013年03月13日
  • 贋作師

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    マエストロ(変身)が、バイオリンの贋作の話だったのに対して、
    贋作師は、巨匠の絵の下請け(代作)の話。

    修復の依頼を受けたのは、代作をしていた人の学生時代の同級生。

    関係者の死の原因調査から、芸術村の壮大な構想の裏側まで、
    推理小説風な恐怖小説。

    社会的な問題に対する姿勢が厳しいところが篠田節子風なのだろうか。
    依頼に忠実な修復師の真摯な態度が篠田節子風なのだろうか。

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    2013年03月12日
  • 絹の変容

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    直木賞受賞作品とのことで拝読しました。
    拝読していて有川浩の話を思い出しました。

    荒削りの展開の中に、
    絹に対する思いと、
    八王子の研究所と
    商売という3つの方向性を含む、
    文学的要素があることが理解できました。

    たいへん勉強になりました。

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    2013年03月11日
  • 仮想儀礼(下)(新潮文庫)

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    金目当てでエセ宗教を立ち上げる二人の男のいわば栄枯盛衰。世の中をこういうアングルから見た事はなかったので新鮮、かつ、宗教というものが一部の人間の心の闇に巣食う過程が実にリアルで恐ろしい。
    ある意味ミイラ取りがミイラになる・・・最後まで緻密で読ませる怖いサスペンス。主人公が最後まで「普通の人間」であり続けるのが救いか。

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    2013年02月28日
  • 仮想儀礼(上)(新潮文庫)

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    金目当てでエセ宗教を立ち上げる二人の男のいわば栄枯盛衰。世の中をこういうアングルから見た事はなかったので新鮮、かつ、宗教というものが一部の人間の心の闇に巣食う過程が実にリアルで恐ろしい。
    ある意味ミイラ取りがミイラになる・・・最後まで緻密で読ませる怖いサスペンス。主人公が最後まで「普通の人間」であり続けるのが救いか。

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    2013年02月28日
  • 仮想儀礼(下)(新潮文庫)

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    この本は鏡リュウジ (占星術研究家)さんが推薦していた本なのですが、下巻を読むと「なるほどなぁ」と納得します。


    一つの歯車が狂い出すと、やがて全ての機能が狂い出していく・・。
    なのにその動きは停止することなく、最初に動かした者も手には負えない。
    それは読者にも想像できそうにない、あらぬ方向へ暴走し始めていく・・。

    虚業、ゲーム本から作り上げられた宗教ビジネスが、似非教祖の手の及ばないところにまで変貌し、制御不可能になって怖れをなした教祖自身がその中にズブズブと飲み込まれてゆく・・逃げることも許されず。

    とても怖いですし、異質なものが一旦社会で採り上げられてしまうと、もう社会(

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    2012年10月05日
  • ハルモニア

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    読むのは2度めだが、やっぱり面白い。ぐいぐい引き込まれてしまう。

    一番は、自分の平凡な日常を崩していく音楽家ののめり込み方。それぞれの人間がみにくい部分を持っている点もハマる。女の子の現象も、超能力とかポルターガイスト的なことだとって感じない。
    単純に面白い。

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    2012年05月04日
  • アクアリウム

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    篠田作品の中でも最も印象に残る小説の一つ。表現力がすごいためなのか、洞窟の中にまるで自分も入ったような不思議な体験をしてしまった。(篠田作品からそういう影響を良く受けるのだが…) 自分勝手に動いていく主人公の狂気にも吸い込まれて一気に読める。
    好みの作品です。

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    2012年04月21日