篠田節子のレビュー一覧
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失業し、奥さんや不倫相手も去っていったどん底状態の正彦&矢口。この2人がビジネスとしての新興宗教を立ち上げるところから物語が始まります。
食うや食わずの貧乏時代を経て、森田社長を信者として獲得したあたりから宗教団体は大きくなり、宗教ビジネスは軌道に乗っていくのですが、、、というところまでが上巻です。
正彦が元都庁職員の知識と経験を生かして信者を獲得していくところは結構リアルで、こんなにうまく行くわけないやんな〜と思いつつも引き込まれていきました。教団は順調に大きくなっていくのですが、なんとなく破滅への影もチラチラ見えてきて、「この辺でやめといたほうがええんちゃう??」とドキドキ。
正彦&矢口 -
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忘れられない作品は誰にでもあると思う。私の場合はこれの表題作だ。中学生か高校生くらいに読んで、ショッキングで影響を与えた作品。タイトルを失念してしまい、覚えている内容を頼りに探していたのだが、ようやく見つけることができた。
昔はただ漠然とした気持ち悪さを感じていただけだが、大人になって読み返すと作者の皮肉と現代社会の問題示唆が見える。全て1990年代に発表された作品だが、今読んでも時代感というか、まったく古さを感じないのが凄い。
あと、篠田節子の作品を読むたびに感じ入るのが、メタファーの巧みさ。
【幻の穀物危機】
パニックホラー
東京に大震災が起きる。首都圏は壊滅。伝染病が蔓延り、避難民 -
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ネタバレすげえ力技の小説。
勿論、力だけではなく上手い小説でもあるんだけど、読み終わった後の疲労感が「オモロかった」より「読み遂げたぁ」という感想になるあたりが、力でガツんとホームラン打たれた感がするのである。
新興宗教をテーマにしている小説。宗教観については個人的な見解も色々だろうし、そこをなんやかやというつもりはない。宗教とか救済とかその手の事についてどう書いてあるか気になる人は、この作品を読んで自身の感想をもてばよいと思う。
「絶対信じる」と言うた側はそこで思考停止する言い訳をしてるのであって、またそれを受け入れた側が思考停止を認めた段階で相手を人間として扱っていないことになる。
マスコミ -
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やっと読み終わった。
この本は友達のおすすめで出会った本。読み始めはおもしろそうだなーという漠然とした、どちらかというコメディ要素もあるのかなと勝手に想像を膨らませていた。
ところが物語は宗教を興すという、意外な展開をみせる。
そんな簡単にいくのかと思うほど、トントンと話は進み、わたしものめり込んでしまっていた。
だけど、途端に事態は急降下。
人間の欲や本能、心の奥底の深くて暗い隠された部分が見え隠れする。
正直読んでいて、不快なときもあったし、終わったあとは疲れたなという思いが強かった。
でもそれを含めて本当に面白かった。
面白いという表現がいいのかわからないけど。
人は究極という -
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ネタバレチェロひきが、脳に傷を持つ女性に施設で教える。
どんどん上達し、演奏会を開催する。
集中すると周囲を傷つけることがあるのを理解していなさそう。
音楽会の裏表がわかる。
最後は、文学だから仕方がないのだが、幸せをつかむことができたのだろうか。人生と住んでいるところからの逃亡が幸せでは悲しい。
脳と音楽の関係が、もう少し深掘りしてあるといいかもしれない。
脳波と体温の関係とか、血中の諸物質の濃度との関係とか、肺での酸素の出入りとか。
解説を石堂藍が書いている。ファンタジー評論家とのこと。
解説ももう一歩、もう二歩、突っ込みが欲しいかも。 -
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上巻はトントン拍子に教団が大きくなり、普通はこんな簡単にできひんよな〜と感じるところもあったんやけど、下巻のあれよあれよという間にガンガン転落いく様はさらにリアリティを感じて、ああ〜もうこれ以上落ちていって欲しくないなあとだんだん読むのが苦しくなってくるんやけど、ほぼよどむことなく一気に最後まで読めました。
でも一気に読めるんやけど、これは相当体力がいります。
こんなに骨太の小説を読むのは久しぶりかもです。
読み終わったあとはぼーっとして、頭のなかがぐるぐる回って、現実世界に帰るまでにものすごい時間がかかりました。
仮想儀礼を読む前までは、新興宗教とか占いとかうさんくさいな〜、なんか信者の -
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ネタバレ亜細亜の西の端のトルコと
欧州の東の端のギリシャが登場する。
イスラム教とキリスト教(ギリシア正教)。
文化が衝突している場所。
おおくくり出言えば、
アラブもトルコのギリシャもヨーロッパも、
チグリスユーフラテスとエジプトの文明の影響下だと思えば、
文明内の争いかもしれない。
ギリシア正教は、キリスト教とギリシアの土着の宗教が結びついたものかもしれない。
キプロスへの取材旅行での死亡事故。
事実は小説より奇なり。
「間の抜けていない死に方などあるものか」
という言葉を残して死んでいった写真家。
著者の後書きには、「小説の舞台となった99年のキプロスでは、この小説に出てくるような軍事