篠田節子のレビュー一覧

  • 夏の災厄

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    篠田節子先生の『夏の厄災』を読もうとしたのは大方の予想通り、米澤穂信氏の『氷菓シリーズ』で折木奉太郎くんが読書中だったのを見たのがきっかけだったのだが、篠田節子作品を読むつもりだったのは前世紀の頃だった。以下次回。

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    2021年02月17日
  • 夏の災厄

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    現在コロナウイルスが世に蔓延しているが、
    小説の世界ではパンデミックはそう珍しいことじゃないのだ。
    あっちでもこっちでも起きている。

    『夏の災厄』の中では今現在ではほとんど見られなくなった日本脳炎が広がる。
    小説の中でも医療従事者たちは初期の頃から警鐘を鳴らし、役所はどうにか打つ手はないかと走り回っている。
    国はのギリギリまでらりくらり。

    25年前に書かれた本だが、あれ、何だか今と対応が何も変わっていない気がするぞ。
    感染対策とはそもそもこう言うモノなのか。
    それとも大元が全く成長していないのか。
    果たしてどっち。

    オカモノアラガイが気持ち悪すぎる!

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    2021年02月16日
  • 長女たち(新潮文庫)

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    著者は大人の内面の葛藤を、ひねりの効いた設定の中で生々しく描くのが本当に巧みだと思う。
    本書はなかなかどの話も客観的に見ると救いがないけど、でもそんなの関係なくて本人たちはただ自分の引き受けることになった人生に向き合って進んでいっている、そんな長女たちのたくましい話だった。

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    2021年01月29日
  • 長女たち(新潮文庫)

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    3つの中編が収められています。

    「家守娘」では長女の言い分、次女の言い分 それぞれの気持ちに共感する部分があり、ノンフィクションの様な作品でした。

    平均寿命が延び、長男・長女と言うだけで感じる重圧 親子とは言え、そこには情だけでは乗り切れない感情も生まれます。

    家族みんなが少しでも幸福になれる道を模索する大変さをしみじみと考えさせられました。

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    2021年01月27日
  • 家鳴り

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    途中で何度も辞めようと思うくらい怖かった。
    7つの短編集。
    どれも普通に生活していれば出くわすであろう内容。
    少し誇張されているような描写も感じられたが、
    そこに入り込んでいくと、どんどん深みにはまっていく。
    打開策や希望もない。
    ありえないことかもしれないけど、あったら嫌だなぁとひどく思わせる内容のものばかりだった。
    しばらく怖い小説はいいかなと思わせてくれた小説でした。

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    2021年01月05日
  • 長女たち(新潮文庫)

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    ついあてにされ、行動でも心意気でも妙に力んで引き受けてしまう、これが長女に生れたついた者のサガ、わたしも長女だからよくわかる。わかるけれども、お人好しな要領が悪いところもあるようだ。
    という『長女たち』の「家守娘」「ミッション」「ファーストレディ」中編3つの内容。

    3編とも母親を介護することになって娘が奮闘するのだが、それらに登場する老いた母親たちが、モンスターのごとき、阿修羅のごとくわがままでもの凄いし、どんなに尽くしても満足もお礼もない母親の娘に対する「私物化」が情けない。そんなに激しく描かなくてもと、もう高齢のわたしなど身を縮めてしまうけど、篠田さんのオカルトめく筆はうまくて参ってし

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    2020年11月14日
  • 夏の災厄

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    じわじわと忍び寄ってくる不穏な緊張感がたまらなかった。

    面白い本を書く作家さんに出会うと単純にテンションが上がる。それがミステリー作家じゃなくても。

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    2020年09月23日
  • 女たちのジハード

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    一気に読みました。

    篠田節子さん、第117回直木賞作品。私は篠田さんは初めて。

    5人の個性あふれる女性の良い意味での現代女幸福論の数々。
    解説の田辺聖子氏も『いい意味での女手(男性作家の手に合わぬ分野)の小説群』とおっしゃってます。

    痛快で面白かった。
    結婚が幸福のカギとならなくなって久しいが、さりとて何がそれなのかと悩んでいる人間の性が女性となると戦いとなる!!
    しかし、深刻な人生論をぶつのではなく、実際的で、頭脳を働かせつつ、かつ色気もあって、この作品は飽きさせない。

    5人の中で私は誰が好きか?
    康子。どじな観音様みたいなんだけれども、実務派。
    ひそかにオムニバスでなくて

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    2020年09月04日
  • 竜と流木

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    篠田節子『竜と流木』講談社文庫。

    南方の架空の島を舞台にした生物パニック小説。平和な島を突如襲った黒い悪魔の正体は……

    帯にはバイオミステリーと紹介されているが、生物パニック小説の方が相応しいのではなかろうか。人間が平和な島に存在しないはずの生物を持ち込んだために生態系を破壊し、とんでもない化け物を産み出してしまうという物語である。化け物の正体にも早い段階で気付いてしまうのも残念だし、化け物にももう少し暴れてもらった方が面白かったと思う。

    太平洋の小島ミクロ・タタの綺麗な淡水に棲息する両生類ウアブに魅せられた素人研究家のジョージはウアブの絶滅を危惧し、ウアブを近くの小島メガロ・タタへ持ち

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    2020年07月25日
  • ロズウェルなんか知らない

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    おもしかった、この様なニッチな村おこしがバズる可能性はたぶん増えるんだと思う。コロナ渦で都会で密集して暮らすことについて考えた若者もおおいはず。個人的に 四次元地帯には興味がないけど、ミルキーウェイに泊まって満天の星見てみたい

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    2020年07月06日
  • 長女たち(新潮文庫)

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    「長女たち」というタイトルに魅かれて読んだ。
    自分も長女だし娘も長女。
    一作目の「家守娘」と三作目の「ファーストレディ」は母と娘の物語。痴呆の母と糖尿病末期の母を世話する娘の葛藤のドラマ。自分と娘に重ね合わせて読んでしまう。
    ただ作品は娘の視線から描かれていて母側の葛藤が伝えられきれていないのが残念。
    二作目の「ミッション」はヒマラヤの山奥へ医者として赴任する女医さんがみた現代医学と現地人の死生観の違いに強く引きつけられた。命を引き延ばすことの功罪を考えさせられた。
    読んで良かった一冊。

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    2020年06月22日
  • 夏の災厄

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    局地的に流行する謎の病とそこでそれぞれの役割を全うするきっとどこにでもいるだろう人たち。
    スーパーヒーローみたいな人は一人もいないのが逆にいい。
    この時期に読むからこそ、病に対する人々のパニックやそれによってうまれる弊害がものすごす身近にリアルに感じられた

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    2020年05月05日
  • 家鳴り

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    久しぶりにホラー小説でも読んでみようと思った。
    「家鳴り(やなり)」という耳慣れない言葉。この本の5番目の短編のタイトルだ。

    ホラーといっても、悪人の魂が入り込んだ人形が人を殺しまくることもなく、街中にたくさんのゾンビが徘徊するわけだもない。夢の中で殺人鬼に殺される恐怖も、巨大な隕石が地球に衝突する事態もない。
    惰性で7年付き合った恋人のように新鮮味に欠ける言い方だけど、そんな世の中で一番恐ろしいのは結局人間だということなのか。

    読み終わったあとにゾクっとする話あり、ページをめくるたびに息苦しくなる話あり、
    かと思えば、全て無くしたと思われる人生の中で微かな希望を持とうとする意外な結末もあ

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    2019年12月25日
  • 長女たち(新潮文庫)

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    久々の篠田先生。
    うわー自分の数年後を見てるような。
    もし同じ状況になったらどうしようかと、現実をまざまざと感じさせられました。

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    2019年11月01日
  • 女たちのジハード

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    時はバブル崩壊直後。康子・リサ・紗織・紀子・みどりの保険会社OL達の生きざまを描く。メインは康子とリサと紗織の三人の物語で、三人とも迷い、悩み、それでも邁進する姿はたくましい。時にヤクザまがいの男との戦い、時に死体とも対面し...男らしさすら感じる。ありがちな女同士のいざこざが描かれていない所もサバサバしている。惜しむらくは紀子とみどりの描写が極端に少ない。みどりは影が薄すぎるし、紀子は確実に女に嫌われるタイプ。つっこみ所は多々あれど、女性が社会で生きることに勇気をもらえるような、なかなか面白い話だった。

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    2019年08月15日
  • 長女たち(新潮文庫)

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    自分も長女なので見につまされながら読みました。
    長女に限らないかもしれないけれど家族の中でそんな役回りの人っていると思う。
    かなり重たい題材ですが、少しミステリーっぽい仕上げになっているので読み物として面白かった。

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    2019年07月07日
  • 贋作師

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    この方の作品は何作か積んであり、今作が初の篠田作品。
    絵画の裏方、修復師の女性が主人公の話。
    絵画の知識に乏しく、修復師が何をする人なのかも良く知らなかったけれど、物凄くのめり込んで読んでしまった。
    私は絵心がなく、細かな作業も苦手。
    なので正反対の主人公の行動を読んでいるのが面白かった。

    篠田節子、好きな作家さんになりそうです。

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    2019年04月05日
  • 蒼猫のいる家(新潮文庫)

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    短編集。少し恐ろしくて、かなり皮肉で、そして少し愉快な物語が多いです。さまざまな形で異形のものといえるようなものが登場する点も魅力的。
    お気に入りは「クラウディア」。これが一番笑える物語かも。犬にいいように扱われる主人公の姿は情けなくって滑稽なのだけれど、それも最後には清々しく温かな物語になってしまうのが不思議なような。
    しかし猫派な私としては、やはり表題作「蒼猫のいる家」が気になるところ。こっちの猫はどうも困りもので、可愛いという感じがまーったくないのですが。それでも嫌いにはなれないし。魅力のようなものは感じてしまいます。猫ってそんなものかもね。

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    2019年03月07日
  • 銀婚式(新潮文庫)

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    同年代で損保業界の話もあり、手に取ってみた。
    読み進めるうちに親の介護、看取り、子供の受験といった欠かせないことがあり、我がことを振り返りながら、読み終えました。

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    2018年12月24日
  • コンタクト・ゾーン(下)

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    面白かった!!
    ここでいう「コンタクト・ゾーン」とは異文化接触地点。
    30代後半にさしかかった独身女性3人は、半年に一度の海外旅行で贅沢に遊び買い物をすることでうっぷんを晴らしていた。
    今回の旅行は政情不安定な地、東南アジアのバヤン島。
    内乱に巻き込まれ、ゲリラの手に落ちた島で、彼女たちは生き残れるのか・・・。

    どんな状況でもたくましく、したたかに生き抜く彼女たち。
    ラストの彼女たちの選択に思うところは多々あるが、日本における女性の地位からして仕方ないことかと思う。

    架空の島 バヤン島はバリ島がモデルのようだ。

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    2018年12月15日