篠田節子のレビュー一覧
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短編集。少し恐ろしくて、かなり皮肉で、そして少し愉快な物語が多いです。さまざまな形で異形のものといえるようなものが登場する点も魅力的。
お気に入りは「クラウディア」。これが一番笑える物語かも。犬にいいように扱われる主人公の姿は情けなくって滑稽なのだけれど、それも最後には清々しく温かな物語になってしまうのが不思議なような。
しかし猫派な私としては、やはり表題作「蒼猫のいる家」が気になるところ。こっちの猫はどうも困りもので、可愛いという感じがまーったくないのですが。それでも嫌いにはなれないし。魅力のようなものは感じてしまいます。猫ってそんなものかもね。 -
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結婚や仕事、夢といった人生の岐路に立ち、
幸せを掴もうと奮闘するOLたちの物語。
東京タラレバ娘の一時代前のような作品。
女が自分の城を持ち、定年まで勤め上げてなにが悪い。
男を諦め、1人で生きていくと息巻いた矢先、
トマトに引き寄せられて、
仕事も恋も、予想外の実りを見せていく康子
自分が本当にやりたいことを模索し、
飛び出したアメリカで新たな夢を見つける沙織
スペックもルックスも完璧...
やっと巡り会えた運命の人には、
未開の地で、どうしても叶えたい夢があった。
理想の結婚を追い求めた先に、大きな決断を迫られるリサ
みんなが羨む結婚の裏には、夫の暴力?
家事能力0、社会適合力0 -
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看護師である房代が勤めるの夜間診療所に、
光をまぶしく感じ、花のにおいを感じ、熱に浮かされ、
痙攣を起こしながら倒れる。。。という患者がやってきた。
その時は、日本脳炎と診断されたのだが、
徐々に、同じ症状の患者が増え、死者も増え始める。
撲滅されたはずの伝染病が、なぜ今頃蔓延するのか?
疑問を持った房代たちは調査を始め、恐ろしい事実に突き当たる。
一体、原因は何なのか、なかなか解決しない物語に、
もどかしさを感じつつも、夢中させてくれる物語でした。
蚊により、伝染していくというのが、なんだか、現実にありそうで、
この本を読んでいる数日間は、蚊に神経をとがらせ -
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ネタバレ面白かった。電車で読みながらめちゃくちゃニヤニヤしてしまった。
明らかにやばい雰囲気の漂う梨香子に真一が舞い上がる様子、梨香子のあまりにも酷過ぎる生活能力、同業者仲間に軽んじられて当然と思わされる真一のコミュニケーション能力のまずさ加減。
篠田さんは書くことが極端過ぎるがそれでこちらが冷めることが無くむしろもっとやれと思わせる独特な魅力がある。
しかし梨香子はなんで真一と結婚したのだろう。子供が欲しかったから主夫をやってくれそうな男を探していたのだろうか。それにしてももうちょっとまともな男が他にいる気がする。
知性があり稼ぎと男らしさの無い男が理想だったとか?最後に「あなたのここが好きで結婚し -
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ネタバレ精密通信機起用の水晶発振子の水晶の種終章を求め、インド奥地まで行く社長の藤岡。そこでロサというインド人の女性に周りは振り回されながらもコヨドリ村から出る不純物の無い水晶を求めて滑動をする。現地の地主と村長、共産主義ゲリラと警察との深い争いに巻き込まれながら、なんとか、かなりの数を入手壽他ものの、直ぐ反乱が起き、藤岡は命からがら生還する。 村の水晶鉱山はウラン鉱山と交差しており、掘り起こす事で放射能がまき散らされ、死の待ちとかする事を食い止めたいロサが共産主義勢力を先導して、地主や藤岡らから事業を断念させようとした。最後は事業は失敗、水晶は最初二期多分だけとなったが、なんとか技術革新は進み種水晶
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篠田節子『インドクリスタル 下』角川文庫。
大作ではあるが、不満の残る作品だった。インドの辺境の村で採掘される高品質天然水晶の謎がそういうことで良いのか、そういうことをエンターテイメント作品の材料にして良かったのだろうか。東日本大震災の被災者で、現在は福島県民となった自分としては疑問を感じた。
上巻までは不可思議系の冒険小説と思いながら、夢中になって読めたのだが、天然水晶の謎が判明したくだりで一気に冷めてしまったのだ。
良質の天然水晶を原料に高純度人工水晶開発に取り組む中小企業も方向転換、不思議な少女・ロサもアッサリと流行りのサイコパスで片付けられ、何とも無難な大団円。
読んでみる価値 -
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篠田節子『インドクリスタル 上』角川文庫。
不可思議系の冒険小説といったところだろうか。インドの高品質天然水晶を探す日本人社長と、苛酷な運命を背負った不思議な少女との二つの軸で物語は展開する。日本とは全く異なる文化・風習を持つインドという国の奥深さを描きつつ、ミステリー、ホラー、サスペンス、アドベンチャーの要素を兼ね備えた作品。
良質の天然水晶を原料に高純度人工水晶開発に取り組む中小企業の社長・藤岡はインドのとある町から産出された高品質の水晶を求めて現地に向かう。取引相手の経営する宿泊施設で娼婦として遣わされた不思議な少女・ロサの類い稀なる知力を知った藤岡は…
果たして結末は?下巻が気に