篠田節子のレビュー一覧
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どこかでこの装丁を見かけたとき、「田舎のポルシェ」こと、スバルサンバー、に最近乗り始めた自分は思わず手にとらずにはいられなかった…、尤も、自分が乗っているのはこの絵のようなトラックではなくバンタイプではあるが、その小さなクセにせいいっぱいブルンブルンと走り回ってくれる姿にはいずれも変わらないものがあると思う…
…私自身の個人的なクルマへの思いはさておき汗、この書籍は表題作を含む3編からなる。いずれもクルマを主題としたロードムービー的な小品であり、いずれもどこかハラハラとさせてくれていずれも幸せな結末に至るものである。またいずれの作品の主題たるクルマも、決して高級車ではなく、さりとて欠陥車など -
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「混迷する日本社会の今」を背景に「昭和の時代から懸命に生きてきた人たち」と「今の社会は生きづらく先は見えないけれど、少しだけ光明が見えるかもしれない」という微妙な情景を描き出した中編三作を集めた作品集。なかなか読み応えがありました。というか結構重かった。(決してホンワカする、ハラハラ・ドキドキするとかグラグラ感動するといった作品ではありません。でも、読み終えてから、シミジミと社会の有り様について思い巡らす様な作品も良いものです。)
一作目は表題作「田舎のポルシェ」
少子高齢化の波がどんどん押し寄せて来る日本。特に地方へ行くと老人ばかりが目立つのは事実です。作品の中では農業の衰退状況が背景に -
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真面目な筒井康隆
という感想を持った。
パニック小説から恋愛ホラー、近未来SF、他、何のジャンルに入れて良いか判断できない作品。
どの作品も構成があり、小説として面白い。特に冒頭のパニック小説「幻の穀物危機」はリアリティーがあり、情景が迫って来る。戦中の食糧危機を体験したのだろうか。
・幻の穀物危機
東京直下型地震で大量の難民が山梨に向かう。地元住民と避難民の間で食料争奪戦が起きる。移住者の主人公は微妙な立場で様子を見るが…。
・やどかり
教師が女子生徒と関係を持って破滅する話。
・操作手
ボケた母親がロボットの介護士に恋をする話。
・春の便り
・家鳴り
病んだ妻が病的に太る話。
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小柄でちょっとぷっくりとしている独身の真一は、女性たちから関心を注がれる男性とは程遠い存在だった。
そんな真一に、美人でスタイリッシュな高嶺の花ともいえる独身エリート行員の理香子への取材の機会を与えられる。
真一は、理香子のあまりにも神々しい存在感に萎縮しながら、何とか無事に取材を終える。
その後、ひょんなことから梨香子とお付き合いの機会に巡り合うことになり、真一の操縦で梨香子をセスナに搭乗させ、なんと大空へと飛び発ってしまう。
冴えない真一が何故にセスナを操縦し、エリート梨香子を搭乗させて空に飛び発つことができたのか⋯
そんな誰が見ても不釣り合いな二人が、信じられないことに結婚をすることにな