鏡の背面

鏡の背面

小説・文芸
1,100円 (税込)

5pt

薬物や性暴力によって心的外傷を負った女性たちのシェルター「新アグネス寮」で発生した火災。「先生」こと小野尚子は取り残された薬物中毒の女性と赤ん坊を助けるために死亡。スタッフがあまりにふさわしい最期を悼むなか、警察から衝撃の事実が告げられる。「小野尚子」として死んだ遺体は、まったくの別人だった。スタッフ中富優紀は、ライター山崎知佳とともに、すべての始まり、「1994年」に何が起こったのかを調べ始め、かつて「女」を追っていた記者にたどり着く。老舗出版社の社長令嬢、さる皇族の后候補となったこともある優しく、高潔な「聖母」の正体とは……。一方、指導者を失ったシェルター内では、じわじわと不協和音が……。疑念渦巻く女の園、傑作長編サスペンス。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    集英社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    集英社文庫
  • タイトル
    :
    鏡の背面
  • タイトルID
    :
    975250
  • ページ数
    :
    656ページ
  • 電子版発売日
    :
    2021年07月01日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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鏡の背面 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    登場人物の裏にある背景が緻密に記されており、ありえないほどの没入感があった。
    「人格」とは脆いものなのかもしれないと学びになる一冊だった。

    0
    2024年07月24日

    Posted by ブクログ

    やっぱり篠田節子さんは凄いわ。作品のスケールがとにかくデカい。それでいながら、細部は蟻の子一匹侵入を許さないような細やかさで、緻密に物語を構成、進行させる。一気読み必至のホームラン的快作。
    女性たちが抱える数々の傷や問題、宗教、救済、時にカルトなど、尋常ではまとめ切れないほどのエピソードをひとつの鍋で煮込み、最後は素晴らしい料理に仕立て上げる。今作でも存分に発揮された、その力量と胆力、見識の広さに瞠目するばかり。
    ぜひ多くの読者に、篠田節子の作品を読んでほしい。その宇宙の坩堝を覗いて、ともにシノダー(篠田節子さんのファン)になりましょう(笑)……というのは冗談にしても、読んだら高確率でハマる作家さんだと思います。

    0
    2021年08月05日

    Posted by ブクログ

    日本のマザーテレサと言われた女性が入居者を守るために焼死。調べると別人で連続殺人の容疑者だった。タイトル通り他人を真似て生きるうちに、その人の人格以上になっていた。生き直しと言ったらいいのかわからないけど最後の日記には迫力があった。
    面白い。

    0
    2021年08月05日

    Posted by ブクログ

    ぐふぁ〜‼︎ 凄いなぁ、篠田さん。641ページ、かなり長いです。壮絶な、息苦しくなる話でしたが、早く早く先を教えて!って思いながら読みました。読み応えたっぷりです。

    この作品、沢山の要素がある。
    アルコールや薬物依存、性依存、自傷行為といった問題を抱える女性たち。その救済のための施設や関わる人々の現実。悪女、毒婦と言われる女たちの犯罪。苦しむ人につけ込む霊感商法。フィリピンの貧困、麻薬の実態。などなど…全て緻密に描かれている。

    しかし、なんといっても、私が興味深かったのは『人が人を認識する』ということの、あやふやさ!
    私の好きなマンガ「秘密」(清水玲子)にもあったけど、
    『人の見ているものは、その人の感情によって明らかに違う』ということなのです。顔さえも違って見える。

    また、見かけだけでなく、その人がどんな性格で、どんな心持ちだったか、周りに対して、どんな人物だったかという感覚や評価というのも、受け取る人によって、まるで違う、ということ。

    今作の中でも、ルポライターの長島が取材して書いた長い文章、それを読んだ知佳と優紀の受け止め方がまるで違ったところも印象的でした。

    その人がどう生きてるか、何を考えているか、それを他人が推し量ることって、難しいし、永遠にわからないのかもしれないなぁ…なんて考えながら読みました。

    ネタバレしたくないので結論には触れませんが、長島の男らしい言い方だと、あまりに身も蓋もない。ある意味、優紀の直感は冴えていたとも言えるが、それが全てではなかった。

    何十年にもわたる、長い長い旅をしたような気分で読み終えたのでした‼︎

    心に残ったフレーズを、少し。
    ーーーーーー

    生まれ直すことはできないけど、生き直すことはできる。

    悲痛な口調に背筋が強ばった。複雑な家庭も、貧困も、家庭内暴力も、知らずに育った自分に見えていないものが、優紀には見えている。

    憎しみを抱いていても、利害関係が鋭く対立していても、好意を示し表面的な友好関係を維持しなければ、食っていくこともままならない過酷な大人の世界に放り込まれる前に、苗床のような環境で、同世代の女同士、ぶつかり合い、励まし合い、傷つけ合い、生身で触れ合い、自分の感情や関係性を処理するための一通りのトレーニングを積むことができた。

    信仰など持っていなくても、人は正しく生きていけますよ。自分の意思と判断力で誘惑になど負けずに生きていけます。

    自我など普通に思っている以上に脆いものかもしれない。

    光は天からなど刺してこない。光は深い深い穴の底のあらゆる不幸の詰まった、泥の底から刺してきて、神の存在を教えてくれる。救いは低いところにこそある。…行動したとき必ず、神様は後押ししてくれる。黙ってお祈りしていてもだめ。なぜなら神様は一番下の、下の、穴の底のあらゆる不幸の詰まった、泥の下にいて、こんな私たちの闘いを見守ってくれているから。

    0
    2021年07月21日

    Posted by ブクログ

    読み応えあった。社会派小説家。一度、心を病むと人はなかなかその病から解放されることはない。また、心の動きが人を差配する。難しいテーマをとても丁寧な書き振りで読み手を引っ張っていく。また読んでみたい小説家。

    0
    2021年07月17日

    Posted by ブクログ

    両者は太陰太極図のような関係。
    小野先生の独白にゾクゾクしたし、部屋に置いておくにはすこし怖い。読み応えあり。

    0
    2025年09月01日

    Posted by ブクログ

    DV 被害者や薬物依存症の女性たちが暮らすシェルターで火事が起こる。
    赤ちゃんと母親を助けるために火事の中に飛び込んだ、「先生」と呼ばれ慕われていた小野尚子と盲目の老女が死亡した。
    その後警察から火災で死亡した小野尚子が別人だったと連絡が…
    かなり分厚い本だったけど、小野尚子になりすましていたのは誰?なんで?と気になってあっという間に読み終えてた。
    途中オカルトちっくなところが出てきて、ちょい読むのを挫折しそうになったけど
    なかなか深いお話でした。

    0
    2025年02月14日

    Posted by ブクログ

    久々の篠田先生。
    ごめんなさい、多分、『女たちのジハード』以来です。
    キャラが光ってて良かった。面白かったです。

    0
    2022年03月25日

    Posted by ブクログ

    心的外傷を負った女性たちが暮らす施設が火事に。
    「先生」と慕われるマザーテレサのような小野尚子が死亡した。しかし、遺体は別人だった。
    果たして死者は誰なのか。ミステリアスな冒頭から引き込まれ、文庫本641頁もアッという間。
    施設代表の優紀とフリーライターの知佳が、「先生」は誰だったのか、本当の小野尚子はどこにと、真相を明かすべく行動を開始する。
    そして、小野尚子とは全く異なる生き方をしてきた人物が浮上する。
    「人の視覚はカメラと違う。像の中に思いを重ね合わせ、寮の人々は愛情と喪失と悲哀のフィルターを通して」人物を見るというが、果たして異なる顔が同一人物に見えるのだろうか。
    さらに、別人格の人間が他人にどこまで同化できるのか。
    しかし、そんな疑問も緻密な物語構成によって、違和感なく納得できてしまう。
    別人物になり得ることを、著者は題名ともなっている鏡で説明する。
    鏡の部屋で見たのは、「正面の鏡に映った自分の姿が背後の鏡にさらに映り込み、無限の像を結ぶ。混乱の中に見えるのは増殖する自意識か、自己と他者の境界の消滅か」と。
    「心霊現象とは関わりなく、人は自分でない他人になってしまうことがある」
    我々の自我など、思っているよりも脆いものだと、この小説は明かしてくれる。

    0
    2021年09月07日

    Posted by ブクログ

    これはホラーか福音か?

    640ページの厚い一冊で手に取るのを若干躊躇しましたが、読み始めればスルスルと進みます。

    稀代の悪女と聖女の物語ですが、評判と実像は全然違う、という展開を想像していたので、何、そのまんまだったの?と、ちょっぴり肩透かしな感じで終わってしまった。

    0
    2023年12月01日

鏡の背面 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    集英社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    集英社文庫
  • タイトル
    :
    鏡の背面
  • タイトルID
    :
    975250
  • ページ数
    :
    656ページ
  • 電子版発売日
    :
    2021年07月01日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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