篠田節子のレビュー一覧

  • 冬の光

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    自分の人生がどうだったかは自分にしか分からない。笹岡の人生がどうだったかは康宏には分からないし、逆も然り。親の人生がどうだったかは子には分からない。自分が満足して死ねる人生を。
    康宏が、自分の人生にはプロセスはあるがテーマがない、と内省するシーンが印象的だった。テーマを持って人生を突き詰めて生きている人が果たしてどれだけいるのだろうか。考えさせられた。

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    2021年08月24日
  • 女たちのジハード

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    ネタバレ

    面白かったー!爽やかな読後。特に、康子の競売の話から一気に面白くなった。そして、5人の女性(主人公でない純子をいへたら6人だけど)が出てくるから、思わず自分に似ている人を探してしまった。ちなみに私は紗織8割リサ2割位のタイプかな…笑 そして、紗織の当初の自己研鑽の中途半端さは非常に耳が痛い話だった。康子、リサ、紗織のそれぞれの転機は正直出来過ぎな気もするけど、それにしても面白かった。痛快でした。

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    2021年07月04日
  • 仮想儀礼(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    軽薄な優男として描かれる矢口の、一貫して自分を差し出す死に様に仏性が見出される最後は胸にくるものがあった。

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    2021年05月08日
  • 冬の光

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    結局父の死の真相はなんだったのか、、、

    ここに深い意味はあんまりないのか
    (脳がミステリ認識してしまっている笑)

    父の人生がなかなか壮絶だった。

    他人をいたむ気持ちは素晴らしいが、もっと家族にも心傾けてほしかったなぁ

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    2021年04月28日
  • 夏の災厄

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    日本脳炎が本作のテーマだが折しもコロナ禍で25年前の作品とは思えぬほどのシアルさで鳥肌がたった。文庫600頁ほどのボリュームで一週間かかって読み終えたがまだコロナが終息していない現代で願望も込めた祈りのような気持ちがこみ上げてきた。パンデミックが丁寧に作り込まれた作品の素晴らしさは巻末の海堂尊さんの解説が物語ってくれている。本当に同感。篠田節子さんの様々な作品に翻弄される読者というのも悪くない。

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    2021年04月25日
  • 愛逢い月

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    6つの短編集。
    サスペンスとミステリーという位置付けらしいが、
    そこまでのものではないと思う。
    ただ女性の怨念や情念、到底男性には理解できないであろう想いが、恐怖に感じさせられる。
    それもあってか、男性の純朴さ素直さが浮き彫りになって、とても対照的である。
    とてもおもしろかった。

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    2021年04月22日
  • 銀婚式(新潮文庫)

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    ネタバレ

    華々しい学歴は、社会に出た後にその一生を保証するものではなかった。それでも身に付けた自助努力の精神は、人生のどん底を経験したとき、破滅の淵に転がり落ちる寸前で、何とかもちこたえ、はい上がるチャンスを与えてくれるものになるだそうと高澤は信じている。

    最敬礼されて事務所を出てふと振り返ると、まだ見送っている錦城の姿がある。
    濃霧が晴れて視界が開けたような気がした。
    「人生、うまくいかないからおもしろい」
    父の残した言葉が、よみがえる。
    何もかも筋書き通りにいくはずもない。定められたレールを踏み外すのが、必ずしも悪いこととは限らない、と息子のことを思った。

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    2021年03月07日
  • 冬の光

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    人生の全ては自分だけのものであって、他人と分かち合ったり、他人に委ねられる物ではない。
    康宏の歴史を理解していくにつれ、家族にとっての康宏がズレているのが歯痒く、人間なんてそんなもの、という寂しさを覚える。
    自分が歩いてきた道を振り返り、また、これから進む道をどう行くべきか、考えさせられた。

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    2021年02月20日
  • 夏の災厄

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    篠田節子先生の『夏の厄災』を読もうとしたのは大方の予想通り、米澤穂信氏の『氷菓シリーズ』で折木奉太郎くんが読書中だったのを見たのがきっかけだったのだが、篠田節子作品を読むつもりだったのは前世紀の頃だった。以下次回。

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    2021年02月17日
  • 夏の災厄

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    現在コロナウイルスが世に蔓延しているが、
    小説の世界ではパンデミックはそう珍しいことじゃないのだ。
    あっちでもこっちでも起きている。

    『夏の災厄』の中では今現在ではほとんど見られなくなった日本脳炎が広がる。
    小説の中でも医療従事者たちは初期の頃から警鐘を鳴らし、役所はどうにか打つ手はないかと走り回っている。
    国はのギリギリまでらりくらり。

    25年前に書かれた本だが、あれ、何だか今と対応が何も変わっていない気がするぞ。
    感染対策とはそもそもこう言うモノなのか。
    それとも大元が全く成長していないのか。
    果たしてどっち。

    オカモノアラガイが気持ち悪すぎる!

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    2021年02月16日
  • 長女たち(新潮文庫)

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    著者は大人の内面の葛藤を、ひねりの効いた設定の中で生々しく描くのが本当に巧みだと思う。
    本書はなかなかどの話も客観的に見ると救いがないけど、でもそんなの関係なくて本人たちはただ自分の引き受けることになった人生に向き合って進んでいっている、そんな長女たちのたくましい話だった。

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    2021年01月29日
  • 長女たち(新潮文庫)

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    3つの中編が収められています。

    「家守娘」では長女の言い分、次女の言い分 それぞれの気持ちに共感する部分があり、ノンフィクションの様な作品でした。

    平均寿命が延び、長男・長女と言うだけで感じる重圧 親子とは言え、そこには情だけでは乗り切れない感情も生まれます。

    家族みんなが少しでも幸福になれる道を模索する大変さをしみじみと考えさせられました。

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    2021年01月27日
  • 家鳴り

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    途中で何度も辞めようと思うくらい怖かった。
    7つの短編集。
    どれも普通に生活していれば出くわすであろう内容。
    少し誇張されているような描写も感じられたが、
    そこに入り込んでいくと、どんどん深みにはまっていく。
    打開策や希望もない。
    ありえないことかもしれないけど、あったら嫌だなぁとひどく思わせる内容のものばかりだった。
    しばらく怖い小説はいいかなと思わせてくれた小説でした。

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    2021年01月05日
  • 長女たち(新潮文庫)

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    ついあてにされ、行動でも心意気でも妙に力んで引き受けてしまう、これが長女に生れたついた者のサガ、わたしも長女だからよくわかる。わかるけれども、お人好しな要領が悪いところもあるようだ。
    という『長女たち』の「家守娘」「ミッション」「ファーストレディ」中編3つの内容。

    3編とも母親を介護することになって娘が奮闘するのだが、それらに登場する老いた母親たちが、モンスターのごとき、阿修羅のごとくわがままでもの凄いし、どんなに尽くしても満足もお礼もない母親の娘に対する「私物化」が情けない。そんなに激しく描かなくてもと、もう高齢のわたしなど身を縮めてしまうけど、篠田さんのオカルトめく筆はうまくて参ってし

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    2020年11月14日
  • 夏の災厄

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    じわじわと忍び寄ってくる不穏な緊張感がたまらなかった。

    面白い本を書く作家さんに出会うと単純にテンションが上がる。それがミステリー作家じゃなくても。

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    2020年09月23日
  • 女たちのジハード

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    一気に読みました。

    篠田節子さん、第117回直木賞作品。私は篠田さんは初めて。

    5人の個性あふれる女性の良い意味での現代女幸福論の数々。
    解説の田辺聖子氏も『いい意味での女手(男性作家の手に合わぬ分野)の小説群』とおっしゃってます。

    痛快で面白かった。
    結婚が幸福のカギとならなくなって久しいが、さりとて何がそれなのかと悩んでいる人間の性が女性となると戦いとなる!!
    しかし、深刻な人生論をぶつのではなく、実際的で、頭脳を働かせつつ、かつ色気もあって、この作品は飽きさせない。

    5人の中で私は誰が好きか?
    康子。どじな観音様みたいなんだけれども、実務派。
    ひそかにオムニバスでなくて

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    2020年09月04日
  • 介護のうしろから「がん」が来た!

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    "今はそれどころじゃない、たいしたことはない、と体からの警告や訴えを無視して仕事に励み、子育てや介護に勤しむ。それが深刻な結果をもたらすこともある。
    体の声を無視してはいけない。
    おかしい、と思ったら立ち止まる、危ない、と判断したら医療機関を訪れる。その一瞬をないがしろにせず、自分ファーストに切り替えることの大切さを、病気になって初めて知る。"(p.14)


    "人は永遠には生きられないが、ハード面の進歩によって、死の間際までそこそこの快適さを享受できる可能性は、この二十年の間に飛躍的に高まったはずだ。事が起きた場合に、だれかのせいにして自身の心理的負担を減ら

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    2020年08月09日
  • 竜と流木

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    篠田節子『竜と流木』講談社文庫。

    南方の架空の島を舞台にした生物パニック小説。平和な島を突如襲った黒い悪魔の正体は……

    帯にはバイオミステリーと紹介されているが、生物パニック小説の方が相応しいのではなかろうか。人間が平和な島に存在しないはずの生物を持ち込んだために生態系を破壊し、とんでもない化け物を産み出してしまうという物語である。化け物の正体にも早い段階で気付いてしまうのも残念だし、化け物にももう少し暴れてもらった方が面白かったと思う。

    太平洋の小島ミクロ・タタの綺麗な淡水に棲息する両生類ウアブに魅せられた素人研究家のジョージはウアブの絶滅を危惧し、ウアブを近くの小島メガロ・タタへ持ち

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    2020年07月25日
  • ロズウェルなんか知らない

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    おもしかった、この様なニッチな村おこしがバズる可能性はたぶん増えるんだと思う。コロナ渦で都会で密集して暮らすことについて考えた若者もおおいはず。個人的に 四次元地帯には興味がないけど、ミルキーウェイに泊まって満天の星見てみたい

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    2020年07月06日
  • 長女たち(新潮文庫)

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    「長女たち」というタイトルに魅かれて読んだ。
    自分も長女だし娘も長女。
    一作目の「家守娘」と三作目の「ファーストレディ」は母と娘の物語。痴呆の母と糖尿病末期の母を世話する娘の葛藤のドラマ。自分と娘に重ね合わせて読んでしまう。
    ただ作品は娘の視線から描かれていて母側の葛藤が伝えられきれていないのが残念。
    二作目の「ミッション」はヒマラヤの山奥へ医者として赴任する女医さんがみた現代医学と現地人の死生観の違いに強く引きつけられた。命を引き延ばすことの功罪を考えさせられた。
    読んで良かった一冊。

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    2020年06月22日