篠田節子のレビュー一覧

  • ロズウェルなんか知らない

    Posted by ブクログ

    資本主義ってこうだよなって話

    悪く捉えれば欲望を搾取しているだけ
    けど娯楽を提供するとか、もっと言うと生きるためには利益を出さなきゃいけない
    欲はあるもんだから同じことで同じように幸せにはなれないよなって

    100人中100人に刺さるものなんてないし、批判するやつはそれでほんとに苦しんでることなんて実際ないと思う
    そこのマイナスよりも実際に楽しんだ人がいるプラスの方がでかいんじゃないかと

    終幕はそうやって色々賛否して喜怒哀楽すること自体が馬鹿らしいんじゃないかとさえ思わせるものだった

    0
    2025年06月29日
  • 転生

    Posted by ブクログ

    金色のミイラがチベットの大地を駆け巡る奇想天外な話。チベット人の厳しい境遇もよくわかり、政治的なくだりも多い。最後は想像を超えたスケールの大きな展開が楽しめる。

    0
    2025年06月02日
  • 四つの白昼夢

    Posted by ブクログ

    『屋根裏の散歩者』『妻をめとらば才たけて』『多肉』『遺影』の四作からなる一冊。
    ベースは世間でもよくあるお話しですが、白昼夢とあるようにどこか現実離れをしたところもありつつ、そのバランスがすごく良かったです。
    『妻をめとらば才たけて』は、読み始めと読み終わりで登場人物への見え方が変わりました。一番好きな作品です。
    篠田節子さんの作品は初めて読みましたが、他の作品も読んでみたいと思います。

    0
    2025年05月13日
  • 四つの白昼夢

    Posted by ブクログ

    ちょっと怖いような不思議な四つの話。
    いい大人が何かのきっかけで一つのことに心を絡め取られてしまい、深みにはまっていく。それが「白昼夢」なのか。

    自分より長生きする亀と共に生きる人生、社会とも一線を引いて亀だけと生きる人生、恐ろしい。そしてその長寿の亀を自分のまだ形もない子どもに託そうとする大人にも空恐ろしくなる。

    アガベに心を絡め取られて何もかも無くしてしまう男性、その堕ちていく様子は怖いのに目が離せず一気に読んでしまった。
    のめり込めばのめり込むほど周りは離れていく。人が離れていけば、余計に目の前の自分を裏切らないだろう植物に傾倒していく。恐ろしい循環だ。

    みんな、気がついた時にはも

    0
    2025年04月15日
  • ロブスター【電子版特典付き】

    Posted by ブクログ

    超温暖化が進んだ世界で砂漠の鉱山で働く人たちの不思議なストーリー。砂漠で釣れるロブスターが印象に残る。

    0
    2025年04月01日
  • 長女たち(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    常日頃から感じてる『長女の呪い』をものすごく端的に表現してもらえた!と感じられる
    全長女にお勧めしたい本。
    我が身に迫るようで恐ろしい反面、これよりマシで良かった、という救いと、
    読んだ後の気持ちの良さが素晴らしいです。

    0
    2025年03月27日
  • 冬の光

    Posted by ブクログ

    学生運動、企業戦士、バブルといったことに
    馴染みがないからかピンとこなかった。

    ただ、お遍路をスタンプラリーと表現し
    神も仏も特定の思想も否定はしないが
    節操も関心もなく、精神の支柱にすることはない
    という一文を読んだとき、御朱印集めを趣味とする私に取って耳が痛かった。

    0
    2025年03月02日
  • アクアリウム

    Posted by ブクログ

    遭難したダイビング仲間の遺体の捜索をその恋人から頼まれて、奥多摩の地底湖に潜った主人公は、そこで不思議な生物と遭遇する。どうやらその場所に閉じ込められたまま独自の進化(いや変異、特殊化か)を遂げた哺乳類であるらしい。うーむ、じつに魅力的な設定ですね。サスペンス・ファンタジーと銘打ってありますけど、どうだろう。ぼくはハードボイルドだと思って楽しんだんだけど。「地球にやさしい」というぼくはあまり好きじゃない文句があるんだけど、この物語を読んでいると、いったい自然て何なんだろうと考えさせられてしまう。人間のあがきなんてじつにちっぽけなものにすぎないですよね。「地球にやさしい」ってのは、どうにも人間中

    0
    2025年02月26日
  • ゴサインタン 神の座

    Posted by ブクログ

    異国の妻が教祖化して裕福な主人公の歴代財産を放棄させる物語。かなり長いのと、やっぱりこういう現実離れ的な話はあまりのめり込めない、、

    0
    2025年02月10日
  • 銀婚式(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    初めての作家さん

    盛りだくさんな内容、奥さんが鬱に、離婚、自分はリストラ、息子は浪人、友達の紹介で教えている大学では学生が変な道に行きそうになったり、離婚した元妻の介護問題、離れていた老親、失恋、息子が今度は学生なのに子供ができる…

    高澤はそこここでちゃんと考え正しい対処をしている ただ、それが一緒に住む家族や付き合う彼女さんにとっては心地よいのかどうかは別部だと考えされられた

    0
    2025年02月08日
  • ロブスター【電子版特典付き】

    Posted by ブクログ

    こんな場所に長く留まろうとは思わないわ。やっていく自信がない。ただ、砂漠のロブスターは食べてみたい。

    0
    2025年02月05日
  • 田舎のポルシェ

    Posted by ブクログ

    初めて読んだ作家さんだったのだが、直木賞作家だった。軽やか語り口ながらも、人と比べる必要なんてない、自分の人生を生きていけたらそれだけで幸せなんだ。私も頑張ろっと思わされる良い本だった。他の著書も読んでみようと思う。

    0
    2025年01月22日
  • 神の座 ゴサインタン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    先が気になってほぼ一気読みでした。篠田節子作品は割とこうなる…
    そばにいてくれた白猫を葬った日に、豪農の跡取り・輝和はネパール人のカルバナとお見合いしそのまま結婚した。
    カルバナに「淑子」と名付けて奪い、食文化を奪い、生活と言葉を矯正し、結木の家に当てはめ、嫁としての仕事をさせていく…この部分は辛かった。わたしの母は日本人でしたが、昭和生まれ平成育ちなのでこんな家庭は想像できます。
    しかしカルバナが救いを…というよりは穏やかそうで苛烈な破壊と再生を行っていき、結木家は全てを失っていく。
    その姿は周りから神と崇めれていったけれど、見抜いていたのかな?血と涙と怨嗟が染み込んでそうな結木家の資産の数

    0
    2025年01月09日
  • 田舎のポルシェ

    Posted by ブクログ

    どの話も読み口はスムーズ。読み進めるうちに登場人物の人生が浮かび上がる。

    自分の好みは下記の通り。
    田舎のポルシェ★★★
    ボルボ★★
    ロケバスアリア★★★★

    0
    2025年01月03日
  • 四つの白昼夢

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ホラーの要素を持ち、奇妙だが、素材調べがしっかりされており、あり得ないこともないと感じる4つの短編
    「屋根裏の散歩者」は、借家に引っ越してきた夫婦が夜になると聞こえる屋根裏からの物音に悩まされ、その意外な正体に驚く話。ワシントン条約や希少昆虫のブリーダーにも話が及び、よく調べられてるなと感じた。
    「妻をめとらば才たけて」は、ある男が電車の中に骨壺を入れた紙袋を置き忘れ、それが警察に届けられたところから始まる。相思相愛だった妻と別れ、有名ピアニストと再婚した男だったが、自分はがんになり、再婚相手はコロナに罹患する。物悲しさと幸福感が共存する深みのある結末となる。
    「多肉」は、コロナ禍によって父の

    0
    2024年12月02日
  • 絹の変容

    Posted by ブクログ

    予想とはかけ離れた迫力あるSFだった。こういう作品もあったのか。リアリティがあって、キモいけど目が離せない。既存の先入観は打ち破られた。

    0
    2024年11月28日
  • 四つの白昼夢

    Posted by ブクログ

    傾向が今一つで一年ほど、篠田さん作品を離れた時間があった。
    今回、続けて読む作品はどれも面白く、起承転結の明確さ、そして筆致は唸るものがある。

    よくここまでと思うほど、事の顛末が現実味を感じる(結構、荒唐無稽に走り、外連味たっぷりの脚色で終わらせるものが目に付くこともあって)

    コロナ社会の初期、中期、終期のテイストを思い起こさせられる展開は、四遍ともナイス。
    標題にある通り「白昼夢」だが後半二篇はその色彩が濃く、良かった。

    0
    2024年11月21日
  • 冬の光

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    流される男と流されない女のお話って感じなのかなあ。
    世代や性格が違うせいか、めっちゃ性に奔放な康宏と紘子にもついていけなかったし。
    康宏は「何者にもなれなかった自分」に虚無感を感じているのかなとも思ったけど。
    康宏がホントに恵まれた人生すぎて、正直何ゼイタク言っとんねんくらいにしか思えなかった。
    終わりくらいの、康宏と梨緒の濡れ場はめっちゃ爽やかな朝に読んでたせいか「朝っぱらから何を読まされてるんだ私は…」感が半端なかった。

    康宏と紘子の話に絞っても良かったと思うんだけど、娘の碧に後を追わせたのは何故なんだろうと考えてしまった。

    これ、男性が読んだらまたちがう感想が出たんじゃないかなあって

    0
    2024年11月20日
  • 仮想儀礼(下)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    騙された男と騙した男が始めたインチキ宗教「聖泉真法会」。最初は訳アリな若者たちの駆け込み寺のようなものだったが、あれよあれよと言う前に信者数千人をかかえる大所帯になる。
    だが、所詮は思いつきとインチキで始めたエセ宗教団体。思わぬところから足元をすくわれ、転落の一途をたどる。果たして、聖泉真法会の向かう先とは…?

    上巻とは全く違って、終始重苦しくて禍々しい雰囲気が漂う中、これでもか!ってくらい堕ちていく主人公。
    もうね、えげつないです、篠田節子さん…。上巻の何となく面白おかしいムードを一変して、ホラーにしちゃうんだもの。怖い怖い!
    そりゃ虚業で始めた宗教(商売)だし、別に特別主人公に肩入れして

    0
    2024年11月20日
  • ゴサインタン 神の座

    Posted by ブクログ

    1997年第10回山本周五郎賞
    同年の直木賞候補作にもなりました

    ゴサイタンーヒマラヤ山脈にある山の名で
          「神の座」の意味を持つ

    東京近郊の豪農結木家
    地元名士だった父、家と夫に尽くし地元にも尽力した母、家と農業を継いだ次男
    長男は優秀で早々と家を出て結婚してアメリカで暮らしている
    次男の輝和はまもなく40歳を迎える
    家の為親の為にも結婚を希望しているが
    嫁はなかなか見つからない
    同じような環境の友人達と外国人花嫁の斡旋を受けて ネパール人の若い女性と結婚する

    なかなかの長編で この農家の現状と外国人花嫁の受け入れ、それでもよしとする農家を継ぐ男達を中心とした心情はとても興味

    0
    2024年11月17日