篠田節子のレビュー一覧
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騙された男と騙した男が始めたインチキ宗教「聖泉真法会」。最初は訳アリな若者たちの駆け込み寺のようなものだったが、次々と起こるトラブルを真摯に(?)こなしていくうちに信者7,000人を超える大所帯に。
そんな時、大教団の教祖に目をつけられ…?
上巻の本書は、嘘でしょ!?みたいなノリで始めた宗教が、あれよあれよという間に信者を抱えていく様がとても面白かった。
もちろん、信者になった全員を救うことなど出来ず、脱会する者や亡くなってしまう者もいる中、信仰とお金という切っても切れない関係がズバズバ書かれています。
篠田節子さんの描写って人物もそうだけど、こういうところがホント、リアリティがあって面白い -
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日常と隣り合わせの非現実とも言える世界を描く四つの物語。
理想の家屋根裏に潜む何かの正体‥‥「屋根裏の散歩者」
置き忘れた遺骨を巡る風景‥‥「妻をめとらば才たけて」
経営破綻したレストラン店主がはまった沼‥‥「多肉」
亡くなった義母と一緒に写った男の正体‥‥「遺影」
どれもちょっと非現実的な物語。
それでも「妻を‥‥」はいい話だった。人の幸不幸は側から見ている者にはわからないということ。他人は見えている風景から勝手な想像を働かせるけれど。
二人の遺骨はどうなったのかな?共に葬られたらいいなと思うけど、そうならなくても二人の魂は共にあるような気がする読後。 -
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ネタバレ白昼夢って何だっけ?ああ、非現実的な体験のことなのか。確かに4つの短編いずれも、不思議な話だった。怖いような不思議なような印象を持った。
屋根裏で音がするので気になって調べたところ、音の発生源は意外にも亀という話は、どこか非現実的だがあり得なくもない。亀が歩くときはゆっくりだが地を這うような音がする。正体が分からないとこんなにも不気味なものなんだな。亀は昔から好きで可愛いし、人に懐くケースも知っている。飼っていた亀を手放したくない気持ちは分かるが、この先どうなるんだろう。親類とは言えほとんど他人の男が、自分たちの家の屋根裏に無断で入っているというだけで結構気味が悪い。ただ、私も主人公同様、す -
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加茂川一正は、長年ゼネコンに勤め、インドネシアで現場の折衝にあたってきた。ある種、楽天的で行き当たりばったり、しかし、その性格は意外に「現場」には向いていた。ただ、インドネシア駐在後は本社には戻れず、出世の目がないことはわかりきっていた。彼はえいやっと早期退職して私立大の非常勤講師に転身した。結婚して間もない若い妻には一言の相談もしなかった。三度目の妻である彼女が黙って出て行ったのは無理のないところだろうが、彼にはまったくわけがわからなかった。
退社前、休暇として訪れたインドネシアの小さな島で、彼は「大発見」をしていた。
ボロブドゥールにも似た古代遺跡。しかもそれが海中にある。
この地域にこ -
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ネタバレ長い。
やっぱり篠田節子は私にはまだ早いのかな。
火事の遺体が別人だった、誰なのか。という謎を、施設の女性と記者の女性2人で解き明かしていくという筋立てなんだけれども、少しずつヒントを得て、仮説を立てていく流れで、どこまでが確定なのか分かりにくくて(2人ともオカルトに流される似たようなキャラだし)、最後にひっくり返されるのか?と疑いが拭えないまま(結局どんでん返しは別にない)読んでて終わってしまったので、最初から、ミステリーではなく人間ドラマ(半田明美物語)の頭で読めばもっと面白いのではないかと思う。
あと、余談だけれど、筆者の年齢を考えれば若い女性よく書いてると思うけど、どことなく「年配