篠田節子のレビュー一覧

  • 銀婚式(新潮文庫)
    「男の本分は仕事」 それは幸せな人生ですか? 歳月を経て、夫婦がたどり着いた場所。働くとは、結婚とは、幸福とは-。激動する時代の「家族」の物語。
  • 失われた岬
    北海道の岬での薬草栽培を巡る近未来小説。

    物語は三つに分かれているように思う。
    前段としては岬に消えてゆく人の関係者視点でのミステリアスな現代の物語。
    メインはノーベル賞作家が失踪したことで岬での真相を暴く編集者の近未来のエンターテイメント的な物語。
    最後は編集者が岬の歴史をたどり現代社会の問題に...続きを読む
  • 冬の光
    四国でのお遍路を終えたあと、フェリーから転落死した父親。
    父の死の真相はなんだったのか

    娘が四国に渡り、父の足跡をたどる

    娘の視点。父親の視点。
    家族とはいえ、決して分かり合うことはない。
    哀しい結末でした。
  • 竜と流木
    太平洋の小島に住む愛くるしい両生類、ウアブ。その生態に人間の手が入る時、悪夢が始まる。小動物を主役にしたバイオミステリー。篠田さん、よくこんなこと考えついたなー。
  • 失われた岬
    松浦美都子の友人・栂原清花が北海道に転居後「岬に行く」と言い残し失踪。
    美都子より四歳年上で人間的に尊敬していた友の突然の変貌。

    かたや20年後ノーベル文学賞を受賞した日本人作家が「もう一つの世界に入る」と授賞式の前日に失踪。

    彼らが向かう北海道の僻地に佇むカムイヌフ岬に一体どんな秘密が隠されて...続きを読む
  • セカンドチャンス
    高齢者独身女性が水泳で自分を取り戻すお話。
    たかが趣味、されど、彼女にとっては大きい。
    わくわく応援してしまう同世代の私でした
  • 失われた岬
    600頁弱の分厚い本。カルト教団の理解不能な教理が面々と綴られるのかとお思いきや、後半は一辺して薬物問題。追いかけてきた人たちがあっという間に表舞台から去り、編集者たちが謎を掘り下げていく。物語というより、郷土史のような側面があり、個人的には後半は長かった。ラストも特段に何事もなく、なんだか物足りな...続きを読む
  • 本からはじまる物語
    本に纏わるアンソロジー。
    お馴染みの作家さんは、なるほど作家さんらしいお話だし、はじめての作家さんの話はなかなか新鮮だ。

    梨木香歩さんの「本棚にならぶ」がとても衝撃的で印象が強かった。なんだか、私もこんな風になっていく気がしないでもないと。怖いよりもなぜか納得してしまうのだ。
  • 長女たち(新潮文庫)
    「長女」として
    母親への思い、葛藤、振る舞い、立場

    同じ長女として 痛いほど感じるものもあったし、怖くもなった。

    「ファーストレディ」なんて、ホラーかな?って思うほどに 母親の言動に狂気を感じた

    『あんたのなら自分の体と同じだもの』
    ……こっわーーーー!
  • 絹の変容
    虹色に光る絹織物を作るため、野蚕の改造・増産が行われた。しかし、その野蚕は死に至る強いアレルギーを引き起こした。さらに凶暴性を持ち、人間を攻撃する。凶暴化した芋虫によるパニックアクション。遺伝子操作とか、放射線被曝とか無しで、こんな凶暴化が起こりうるのか?と言う疑問あり。
  • セカンドチャンス
    林真理子さんがご自身のYouTubeチャンネルで「篠田節子にハズレなし」と言われています。

    篠田節子さんの最新刊『セカンドチャンス』はさらさらと読めて、とても読みやすい本です。

    51歳の麻里は親の介護で気が付けば独身のまま。
    仕事はパート。
    医者からは「痩せなければ危険」と言われる。

    そんな麻...続きを読む
  • セカンドチャンス
    ヨシ!スイミングスクールに行こう。こんなにうまくはいかないだろうけど、始めなければ何事も始まらない。「熱心な解説を頭で理解したとしても、体はその通りには動かない。だが物事の法則や理論などというものは、繰り返し聞いて意識して練習しているうちに、ある時突然、自分のものになる。それはスロープを登る感覚とは...続きを読む
  • セカンドチャンス
    何歳になっても、人生は楽しんで良いんだって
    事を思い出させてくれるような内容でした
    軽い感じですが、読みやすく楽しかったです
  • 失われた岬
    戦争前から過去にわたる長い期間、岬にまつわる生薬の謎を解いてゆく長編。
    冒頭はサスペンス的に後半は薬の開発について。

    将来の日本の様子や諸外国の様子の描かれかたが篠田さんらしい批判を映したものになっておりとても共感した。

    欲が抑えられないのは不幸だけど、何も欲しなくなるのも不幸に見える。どちらも...続きを読む
  • セカンドチャンス
    まさに『セカンドチャンス』!!50歳過ぎても人は変われる…平凡な?でも人の良い主人公を応援したくなる。ついでに自分も泳ぎたくなった。この作者のこんな爽やか?な作品は初めてで新鮮だった。
  • 秋の花火
    5つの短編。趣きはどれも違ったもので著者の幅広い作風が味わえる。短編ながらも落ちがちゃんとあるから一つの作品を読みおえた感があり短編というのを忘れてしまう。
  • 長女たち(新潮文庫)
    三つの長女たちの話
    親たちの認知、孤独死、糖尿病に悩む長女たち
    「ミッション」は世界が違いすぎて理解出来なかったが、他の二つは共感するところが多かった
    「周囲からも当てにされ、一人重い現実と格闘する我慢強い長女」わかるわー
  • 秋の花火
    5話の短編集。

    のっけから、おいおいと突っ込みたい展開でした。
    学生服を着ていたから、というほどの要望を知りたい。
    暴走族も、ちょっと考えろ、とも言いたいです。

    一番印象があるのは、4話目の話。
    この落ちには驚きでしたが、写真まで取られているのに
    同じ手がこの先使えるのか? と聞きたい。
    なかな...続きを読む
  • コミュニティ
    初めての作家さん?かな。
    文章が個人的にはすんなり入ってこないところもあったけど、全体的にはおもしろかった。表題作が結構好き。
  • 失われた岬
    うーん
    前半と後半のイメージが違い過ぎて、
    後半の近未来ディストピアな世界で、戦時中の話を語るという設定、近未来の状況がしんどかった。
    前半の人は生きて死んでいくのが普通っていう、ただすべてに執着がなくなるお茶という設定は面白かった。
    やっぱ、もう一つだったな。
    近未来の状況だと、あまりに警告が強す...続きを読む