篠田節子のレビュー一覧
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この作品を読んでから、チェロの音が好きになった・・・。
しかし、超人的な才能は、やはり社会に適合するための何かを犠牲にしないと持ち得ないものなのか。そして、そうやって持つことのできた才能でも、他をコピーすることだけに長けていたり、音を聞き分けることだけに長けていたり、と極端に偏っていたりする。
私自身、子供の頃には音楽的才能があるとまわりにもてはやされ、ハタチ過ぎればただの人。それなりに自分の得意なこと不得意なこともわかり、才能の限界と挫折をイヤというほど味わった。
そのせいかこの作品は、「怖かった」「面白かった」というより、「せつなかった」。 -
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Posted by ブクログ
私は作者の小説を読むのは初めてだと思う。かつての作品『女たちのジハード(聖戦)』で受賞歴があるとの事だ。
ところでこの作品は、あの時代(1990年代)を生きた者なら、誰もが知っている、そして、そのある意味不明瞭な?販売方法?で、その後全く取り上げられなくなったハワイ在住とされた画家、クリスチャン・リース・ラッセン、を題材とした作品の様である。もちろん作中ではそのような事には一切触れていないが、誰もが(あの時代を生きた者なら)その作品の売られ方、を含めた存在を思い浮かべながら、読み進めることができるであろう。
そもそもミステリー仕立てであるようだ、主人公はある意味男らしい、女性編集者、彼女が -
Posted by ブクログ
海やイルカなどのマリンアートの絵で
1990年代に一大ブームを巻き起こした
画家ヴァレーズ。ヴァレーズに関する
本を書くため、編集者の有沢真由子が
ハワイに取材に行き、その中で意外な
事実を知る事になる‥というストーリー。
物語は面白いといえば面白いのだが、
前半はやや退屈。後半から徐々に面白く
なっていく。新倉海玲(ヴァレーズの妻)の
悪役っぷりがなかなか面白い。
クリスチャン・ラッセンを思わせる画家、
ヴァレーズ。著者の篠田さんが、ラッセンの
モデル小説ではないと述べているらしいが、
他の方も言われるように、どうみても、
クリスチャン・ラッセンの絵が頭に浮かん
できてしかたがなかった(