篠田節子のレビュー一覧

  • 青の純度

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    私は作者の小説を読むのは初めてだと思う。かつての作品『女たちのジハード(聖戦)』で受賞歴があるとの事だ。

    ところでこの作品は、あの時代(1990年代)を生きた者なら、誰もが知っている、そして、そのある意味不明瞭な?販売方法?で、その後全く取り上げられなくなったハワイ在住とされた画家、クリスチャン・リース・ラッセン、を題材とした作品の様である。もちろん作中ではそのような事には一切触れていないが、誰もが(あの時代を生きた者なら)その作品の売られ方、を含めた存在を思い浮かべながら、読み進めることができるであろう。

    そもそもミステリー仕立てであるようだ、主人公はある意味男らしい、女性編集者、彼女が

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    2025年11月08日
  • 青の純度

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    海やイルカなどのマリンアートの絵で
    1990年代に一大ブームを巻き起こした
    画家ヴァレーズ。ヴァレーズに関する
    本を書くため、編集者の有沢真由子が
    ハワイに取材に行き、その中で意外な
    事実を知る事になる‥というストーリー。

    物語は面白いといえば面白いのだが、
    前半はやや退屈。後半から徐々に面白く
    なっていく。新倉海玲(ヴァレーズの妻)の
    悪役っぷりがなかなか面白い。

    クリスチャン・ラッセンを思わせる画家、
    ヴァレーズ。著者の篠田さんが、ラッセンの
    モデル小説ではないと述べているらしいが、
    他の方も言われるように、どうみても、
    クリスチャン・ラッセンの絵が頭に浮かん
    できてしかたがなかった(

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    2025年11月04日
  • 青の純度

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    海中の絵、バブル以降流行ったんですよね。
    誘いを断れず展示を見に行った方が何時間も別室で拘束された悪徳商法の手口も聞いた事ありました。
    そんな絶妙にリアルとノーリアルな話をベースに、物語はぐいぐい進んでいきました。
    久しぶりに読んだけれども、ストーリー展開といい、主人公の女性の強さといい、篠田先生さすが、と思いました。

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    2025年11月03日
  • 冬の光

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    家族が大事であるのには変わりないけど、忘れられない大事な人がいるのもまた人生だなと思っているのでわからんこともないのだが、それにしても女々しくて不器用で、良くも悪くも優しいおじさんだな

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    2025年11月03日
  • セカンドチャンス

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    51歳の独身女性が主人公。自分の人生を取り戻すため水泳を通して自己変革する過程に、勇気が湧くような展開になっている。コーチの水泳指導が専門的で驚いた。

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    2025年11月03日
  • 青の純度

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    かって一世を風靡した画家の本を出すためにハワイに渡って調べるうちに画家の存在におかしな事がどんどん出てきて、最後には自分の身にも危険が迫ってくる。ラッセンを彷彿とさせる画家がモチーフ。

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    2025年10月25日
  • 田舎のポルシェ

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    ネタバレ

    ロードノベルって良いよね。
    それぞれの理由で、車に乗って、旅をする。
    篠田さんの本は多分初めて読んだけれど、結構良かったかな。
    なんか、こんな感じで旅してみたいなと思わせてくれる作品でした。

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    2025年10月24日
  • 青の純度

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    日本でだけファンが多い(よく売れた)ハワイの画家の絵。
    なんとなく「あの人」を彷彿とさせる。
    出版社の編集者がその絵の謎を解いていく話。

    ハワイ島が主な舞台。

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    2025年10月14日
  • 青の純度

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    途中まで読むのしんどかった
    真相が見え始めてからいっきに読み進めることができた。たぶんバブル当時の空気とかその商法を知っている人は楽しく読めるのでしょう。

    ラッセンの絵を、子どもの頃すてきな絵だなと思ったことはある。でも大人になってからはなぜか恥ずかしくて好きとは到底言えないし、カレンダーでも飾るなんてムリだった。なぜだろう、人気があったから余計に?
    「ゴッホよりふつうにラッセンが好き」
    このギャグが深い言葉のように思えてきた。

    篠田先生がラッセン(のような絵)のそういう微妙さを言語化しているのはすごいなあと思った。そう、悪くはないんだ、悪くないけど、受け入れがたい、と思いながらスマホの画

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    2025年10月11日
  • 本からはじまる物語

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    作品紹介・あらすじ

    1話5分でわくわくできる、本にまつわる18のストーリー。

    森を飛びかう絵本をつかまえる狩人、ほしい本をすぐにそろえてくれる不思議な本屋、祖父がゆっくり本を読む理由、書店のバックヤードに隠された秘密……。
    青春、恋愛、時代小説から、ミステリにファンタジーまで、「本」と「本屋」をテーマに豪華執筆陣18名が集結! 本の世界の奥深さが短いお話の中にたっぷり詰まっています。1話5分でわくわくできてどこから読んでも面白い、本にまつわるショートショート・アンソロジー。

    *****

    本にまつわるショートショート18編を集めた短編集。
    僕は梨木果歩さんの作品目当てで購入。
    ホロリとさ

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    2025年10月05日
  • 青の純度

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    バブル期に流行ったマリンアートの作品に心惹かれた編集者の女性が、その画家に会うためにハワイ島へと向かうが、なぜか現地では知る人がいなくて…。

    画家の正体を探っていくミステリーとしてはおもしろい。でも、なにしろ画家のイメージや作風、問題となった商法などが、かつて日本で流行ったラッセンそのもので、読みながら常にそれがつきまとって残念ながら興ざめ。
    あくまでも好みの問題なのだけれど、絵画は好きで美術展にはよく足を運ぶが、バブル期の象徴のようなあの絵には今も昔も興味がもてず、そこがネックとなって小説を楽しむことができなかった。

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    2025年09月30日
  • 四つの白昼夢

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    ちょっと奇妙な物語。
    どれももう少し話の続きを…ってなるものが多かった。

    個人的に印象に残っている話は「多肉」でした。

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    2025年09月18日
  • 青の純度

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    篠田さんが美術界を舞台に描くミステリー長篇。
    バブル期に日本で大人気となったが10年ほどで消えた画家ジャンピエール・ヴァレーズ。その彼の原画展が開催されるという情報を得た女性編集者がヴァレーズという画家の本質に迫る本を企画し、取材のため単身ハワイに乗り込むが……。
    本作に登場するヴァレーズという画家は架空の存在だが、そのモデルはラッセンであろう。もちろん評伝ではないので、ここに書かれていることは彼とはなんの関係もない(こともない)。
    ストーリーはおもしろいし謎解きもよかったけれど、ハワイ移民の苦労話は少々長すぎた。

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    2025年09月05日
  • 青の純度

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    心洗われるような絵画を愛する人。また、それを狙い私腹を肥やそうとする周囲の人達。
    あまりの長編に挫折しそうになりましたが、中盤からは目が離せなくなりました。

    内容はミステリアスですが、絵画の描写やハワイの風景などは引き込まれる物がありました。

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    2025年09月04日
  • 絹の変容

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    ネタバレ

    虫が出る描写が苦手な人は絶対読めない!!
    不快感がかなりあるため、元気な時に読みましょう…

    蚕が生き物(人間含め)に襲いかかる描写はもちろん、蚕の実験シーンや蚕が潰される描写もグロテスクでゾワゾワする。

    大きくて表面が硬く、すばしっこい芋虫が突進してきたら絶対泣き叫ぶ。

    主人公の妻が蚕の入ったケースを倒さなければ、蚕の被害に遭うことはなかったのか考えてしまう。
    ただ、このケースでなくとも、別の形で蚕が外に出て暴れる可能性もなきにしもあらずかな…

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    2025年09月03日
  • 青の純度

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    今読んでるところですが、気になりすぎて...真由子は、高卒ですよね?
    1973年生の学年は、高卒でない限り「氷河期世代」です。もし大学出てたら就職なんてまともに出来てません。1970年までの生まれなら「バブル世代」だなーと納得できるんだけど、その世代を差し置いて高卒の真由子が、良い会社に入って最年少管理職と持て囃されるためにはだいぶなんか色々あったはずだと思う。
    ここがどうにも腹落ちしなくて、読んでて気になってしょうがないです...。

    この件について、chat GPTと議論したところ、大卒で入社し、同期が少ない孤立を描いていると言われてちょっと納得。

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    2025年09月29日
  • 神鳥(イビス)

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    ネタバレ

    神鳥イビスは、タイトル通り神に近い鳥イビス=朱鷺をめぐる物語です。
    古代から神聖視された鳥であり、日本では1981年に純粋な野生種が絶滅した「喪われた鳥」としても象徴的な存在。その意味でもタイトルにふさわしいと感じました。

    物語の核となるのは、夭折した明治の女流画家が残した「朱鷺飛来図」。
    その絵に魅せられたイラストレーターの女性と、バイオレンス色の強い作家の男性が、絵に秘められた謎に導かれ、幻想の“滅びの村”へ迷い込んでいきます。

    一見は吉祥画の体裁をとりながら、実は地獄絵図が仕込まれている―この設定がとても魅力的でした。吉祥と凶事の二面性を持った絵は、所有する者・見た者を破滅へと引きず

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    2025年08月28日
  • 青の純度

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    マリンアートでバブル期日本で熱狂されたが、いまは"終わったアーティスト"であるヴァレーズ。編集者の主人公はそんなアーティストの原画展と出会う。なぜいまヴァレーズ?当時の熱狂の正体とは?かつて嘲笑したアーティストの絵画に癒しを見出したことをきっかけに、ハワイに渡り取材をはじめるが─

    アート×ミステリー小説。
    どう考えてもラッセンがモデルなのだが、ご存命の人でこういうかたちの話、どうなんでしょう。あきらかにフィクションなので、まあいいのか?うーん……。難しい。
    とはいえ、アーティストの痕跡を巡るなかでハワイの日系移民たちの歴史、生活を描かれていて興味深かった。アートとは?とい

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    2025年08月18日
  • 青の純度

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    価値なんて人それぞれなんだろうけど、こんなやり方はなんだかなぁ。しっかりと対価を払って欲しいもんだ。

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    2025年08月01日
  • 青の純度

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    50才を迎えた有沢真由子が男性社会でもがく中で出会ったのが、かつて流行ったジャンピエール・ヴァレーズの絵だった。

    ヴァレーズの作品に入れ込む真由子の心情と、彼の本を出版する熱意が読みきれなかった。
    実は…という展開と、ヴァレーズ作品の真の姿、そして妻の海玲の存在、海玲による真由子を陥れる罠。
    ミステリー要素がありながらあまり危機感が無いのが残念。
    作中のヴァレーズの作品をラッセンの絵と入れ換えて読んでいたが、それほど入れ込む程の作家なのかと最後まで消化不良だった。

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    2025年07月22日