篠田節子のレビュー一覧

  • 神鳥(イビス)

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    「朱鷺飛来図」が描かれた理由と珠枝の謎の死と
    映画監督の不審死の原因を探るために奥多摩に向かう主人公二人。
    ここまでなら、よくある好みの展開だったりするが
    奥多摩の山中に足を踏み入れた途端に迷い込む魔境。
    何かがいる気配ではなく、いない気配。ここで既に怖い。
    これは種そのものを絶滅に追いやられた朱鷺の怨念ですよ。
    散りばめられた伏線を回収するかのごとく収束に向かい、
    謎が解明された時、更なる恐怖が主人公たちを襲う。
    ページを捲る手を止められなくて一気に読んだわ。
    主人公の1人がヘタレだってことにイラっとしたけど
    面白かったからいいでしょう。

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    2011年08月13日
  • 贋作師

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     美術界の重鎮が謎の言葉を残して自殺した。遺作の修復を依頼された主人公が、その死に対して不審を抱きはじめることからストーリーは展開していく。修復している遺作は贋作なのか…
     
     篠田節子は文章が上手いので、どんどん物語にのめりこみます。一気読みです。美術小説というよりは、ホラー&サスペンス的な要素が強い小説です。
     

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    2017年08月15日
  • 仮想儀礼(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    上巻は社会に振り回され、失業者となった2人の男がビジネスとして始めた宗教、それが上手く行きとんとん拍子に大きくなっていく様子が喜劇として描かれています。
    しかし下巻ではこの宗教があっという間に崩壊していく様子が、並のホラーでは太刀打ち出来ないような情景で展開され、物語は悲劇で終わります。
    でも最後には本当の宗教って何だろう?という答えが少しだけ見えたような気持ちになる長編でした。

    しかし読み終えるのにこんなにパワーを使った長編小説は久しぶり。。。

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    2012年05月29日
  • 転生

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    パンチェンラマ十世のミイラが蘇るという荒唐無稽な物語の中にチベットの現状を描き込んだスラップスティック・コメディ。
    ダライラマやチベット仏教をを扱った本は何冊か読んだけれど、本作を読んで全然わかっていなかったと感じた。たとえば、作中にある〈素のままのチベット人は、今でも勇猛果敢で残酷で、その上狡猾な、厳しい気候に鍛え上げられたとてつもなく強い民族だ。チベット人の苛烈さを封じ込めていた仏法を、共産党はそれとは知らずに破壊してきた。その結果が、今日見たあの騒ぎだ。どれほど弾圧しようと工作しようと、面従腹背で、いつでも敵の寝首をかこうと待ちかまえているのがチベットの民だ〉とか〈時代が違います、猊下。

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    2011年07月02日
  • 仮想儀礼(上)(新潮文庫)

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    もと公務員がビジネスとして新興宗教をたちあげていく話。
    主人公が良識ある人、悪人ではないので感情移入してしまう。
    もっと客観的になれたら色々な宗教ビジネスのからくりを楽しめると思う。

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    2011年06月30日
  • インコは戻ってきたか

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    あらすじを読むに恋愛要素が強く、タイトルも平和でぼんやりした印象があり読み始めたが、全然違った…

    読み終わってみると、紛争に巻き込まれていく展開と、二人の距離感が不自然なく感じられた。普段の私なら、もっとドラマティックなラストを望みそうなのに、妙にしっくりきているのはなんでだろう。

    結局、私はこの作者の描く女性臭さにいつも妙に共感できるので、個人的には好きな作品。思った以上に余韻の残る満足さだ。

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    2011年06月28日
  • 仮想儀礼(上)(新潮文庫)

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    諸事情により職を失った二人の男が、たまたまニュースで目にした9.11事件に光景に感化されて、事業としての宗教を始めるという話。

    個人的には面白い、というか興味深い本だったけど、あまり人にはお勧め出来ないと思ってしまった。篠田節子の小説は何かひとつ伝えたい主題もないし、感動があるわけでもなく、いま自分たちが暮らしている日常の中で起こりうる、あり得る世界を提示するものだと思っている。宗教的な超常現象を絡めながらもそこに恐ろしくリアリティを感じさせてしまうのがこの著者の凄いところ。宗教が人間を象徴するものであるというのもあるけれど、今回もかなり引き込まれてしまった。

    ちなみに、この後は平野敬一郎

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    2011年06月27日
  • 仮想儀礼(下)(新潮文庫)

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     ビジネスとして立ち上げた新興宗教。あくまでも虚実でしかなかったはずのそれが、底なし沼のように主人公を呑み込んでいく。

     主人公は一般人としての常識や良心、倫理観を持ったまま、宗教の狂気をまざまざと見せ付けられる。

     宗教とは、救いとは何なのか。

     傑作。

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    2011年06月26日
  • 仮想儀礼(上)(新潮文庫)

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     泡のような夢のために仕事も過程も失った男が、ビジネスとして新興宗教を立ち上げる。

     主人公は善人ではないが、悪人とまではいかない。あくまでビジネスではじめたはずの『宗教』という虚実に引き摺られ、足を取られて破滅へと転がっていく。

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    2011年06月26日
  • 神鳥(イビス)

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    相変わらず篠田節子の作品は面白い。ちょっと強引かと思う展開もあったものの、ぐいぐいと引きこまれていく。朱鷺の生態を含めて無知だったので、合わせて写真を見たり百科事典で調べたりして勉強になった。

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    2011年03月23日
  • ハルモニア

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    脳に障害をもつ由希が奏でる
    超人的なチェロの調べ。
    指導を頼まれた中堅演奏家・東野は
    その天才的な才能に圧倒されます。
    名演奏を自在に“再現”する才能を持つ由希に足りないのは、
    “自分自身の音楽”。
    彼女の演奏に何とか魂を吹き込もうとする東野の周りでは、
    次々と不可解な事件が起こり始めます。
    音楽にすべてを捧げる二人の行着く果ては。。。。。



    中庸な演奏を得意とする(…時には必要に迫られ。)東野にとって、
    非凡な才能を持ちながらコピー演奏しかできない由希が不憫であり、
    自分では成し得ない理想の演奏を叶えるに相応しい分身だったのでしょう。
    次第に破壊していく由希の体、
    それと並行して社会から

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    2011年02月11日
  • 死都 ホーラ

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    ホーラという町が現実にあるかのように思えた。
    解説を読んでフィクションだと分かったが、リアルな背景や描写に行ってみたいと思わせる魅力がある。
    篠田節子らしい人間の生々しい感じが良い。

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    2011年02月10日
  • 聖域

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    偶然手に入れた「聖域」という未完の小説に魅せられた出版社の編集者が、作品を完成させるために、消息不明の作者を追うと...というサスペンス小説。
    主人公には、今ひとつ感情移入できなかったが、先を読ませない展開で、ストーリーを追うだけでもなかなか面白かった。

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    2011年01月30日
  • 神の座 ゴサインタン

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    ゴサインタンとはネパール語で「神の座」の意味で、チベットでいうところのシシャパンマ峰のことである。
    私は、シシャパンマはベースキャンプまで行ったことがあるので、そう言う意味ではとても気になる小説だった。

    日本の農業(とその嫁問題)、宗教感などに踏みこんだとても重い作品となっている。

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    2010年10月28日
  • 死神

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    短篇の連作。ケースワーカーが遭遇する「弱者」のあれこれ。
    重く、時に滑稽で、身も蓋もなくて。でも最後の一編には、したたかな希望を感じます。
    読むのに少々エネルギーが要りますが、時々無性に読みたくなる作家です。

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    2017年11月14日
  • ハルモニア

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    筆者は作品ごとに新しい世界を見せてくれるが、これもかなり現実離れしているのに妙なリアル感がある。飛躍した描写もすんなり受け入れられた。

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    2010年07月16日
  • 神の座 ゴサインタン

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    すべてを失った男の再生の物語。

    読ませる文章がさすが。

    人間って、すべてを失わないと救われないのかな、ってちょっと思った。

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    2010年04月07日
  • ハルモニア

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    2010年1月25日購入

    超能力物はちょっと苦手である。

    こうだったらよかったのになあ、と思うことはあるがネタバレになるので触れないでおこう。

    なにはともあれぐっと物語に入って一気に読めた。

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    2010年02月17日
  • 神鳥(イビス)

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    朱鷺が人を襲う、その発想がまず凄い。
    近年の彼女の秀作たちに比べると、正直中身には少々古臭さを感じるし、キャラクター設定や彼らが交わすやりとりの描写なんかはそれほど巧いとは思わないが、それでも読者を捉まえて離さない、抜群の読みやすさを誇る筆致はさすが。

    文庫版巻末の解説になっていない解説はちょっとひどかったなあ。

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    2009年12月23日
  • コンタクト・ゾーン(上)

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    この著者は『女たちのジハード』で直木賞を受賞している。
    『女たちのジハード』は同僚が次々と寿退社していく中での売れ残ってたOL5人の生き様を連作長編小説の形式で描いた作品で、女だというだけで男の身勝手さの中で生きていかなければならない逞しさが描かれて元気を貰えるような小説だった。
    本作『コンタクト・ゾーン』も設定は同じで、前半の彼女たちの強さやエゲツなさが描かれているのも同じ。が、読み進むにつれて違う世界に引き込んでいってくれる。

    ノンキャリ公務員の真央子、医師免状を持ち買い物依存症の祝子、不倫の恋に悩むOLありさの3人組は、バカンス先のバヤン・リゾートで、テオマバル国の内乱に巻き込まれる。

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    2009年11月16日