篠田節子のレビュー一覧
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諸事情により職を失った二人の男が、たまたまニュースで目にした9.11事件に光景に感化されて、事業としての宗教を始めるという話。
個人的には面白い、というか興味深い本だったけど、あまり人にはお勧め出来ないと思ってしまった。篠田節子の小説は何かひとつ伝えたい主題もないし、感動があるわけでもなく、いま自分たちが暮らしている日常の中で起こりうる、あり得る世界を提示するものだと思っている。宗教的な超常現象を絡めながらもそこに恐ろしくリアリティを感じさせてしまうのがこの著者の凄いところ。宗教が人間を象徴するものであるというのもあるけれど、今回もかなり引き込まれてしまった。
ちなみに、この後は平野敬一郎 -
Posted by ブクログ
脳に障害をもつ由希が奏でる
超人的なチェロの調べ。
指導を頼まれた中堅演奏家・東野は
その天才的な才能に圧倒されます。
名演奏を自在に“再現”する才能を持つ由希に足りないのは、
“自分自身の音楽”。
彼女の演奏に何とか魂を吹き込もうとする東野の周りでは、
次々と不可解な事件が起こり始めます。
音楽にすべてを捧げる二人の行着く果ては。。。。。
中庸な演奏を得意とする(…時には必要に迫られ。)東野にとって、
非凡な才能を持ちながらコピー演奏しかできない由希が不憫であり、
自分では成し得ない理想の演奏を叶えるに相応しい分身だったのでしょう。
次第に破壊していく由希の体、
それと並行して社会から -
Posted by ブクログ
この著者は『女たちのジハード』で直木賞を受賞している。
『女たちのジハード』は同僚が次々と寿退社していく中での売れ残ってたOL5人の生き様を連作長編小説の形式で描いた作品で、女だというだけで男の身勝手さの中で生きていかなければならない逞しさが描かれて元気を貰えるような小説だった。
本作『コンタクト・ゾーン』も設定は同じで、前半の彼女たちの強さやエゲツなさが描かれているのも同じ。が、読み進むにつれて違う世界に引き込んでいってくれる。
ノンキャリ公務員の真央子、医師免状を持ち買い物依存症の祝子、不倫の恋に悩むOLありさの3人組は、バカンス先のバヤン・リゾートで、テオマバル国の内乱に巻き込まれる。