篠田節子のレビュー一覧

  • 転生
    7月-1。3.0点。
    チベットの村で、パンチェンラマのミイラに、魂が復活。
    寺の小姓と一緒に、中国当局から逃げる。

    荒唐無稽な話に見えるが、さすが篠田節子。チベットの時事問題やらに、うまくストーリーを紡いでいく。
    一気読み。

    宗教系の話がうまいな。
  • 神の座 ゴサインタン
    6月-18。3.0点。
    農業を営む地主の次男が主人公。家を継ぐが、嫁不足のためネパール人女性達と集団見合い。
    結婚するものの、不思議な減少が続き、妻は家出してしまう。

    前半は主人公のまごつきと、嫁の不可解な行動でなかなか読み進まず。後半は一気読み。
    ラストは良かったね。
  • 長女たち(新潮文庫)
    長女という立場の3人の女性たちの3つの物語。
    「家守娘」では、出戻りの長女が骨粗鬆症を患っている母が認知症まで発症してしまい、その対応に四苦八苦する。
    「ファーストレディ」では、糖尿病を患っているのに甘いものを止めず、過去に医者である父の義父母との同居や病院のスタッフとの確執等の恨み辛みを嫁に行かず...続きを読む
  • 絹の変容
    蚕に遺伝子操作をし、幼虫が人を襲うようになると言うパニック小説。

    これは…気持ち悪かった。
    幼虫が大量に発生したところを想像しただけでゾワっとくる。
    襲われるだなんて…本当にパニックを起こしそう。
    おそろしや。
  • 銀婚式(新潮文庫)
    以前読んだことがあるのを失念して、また購入してしまったため再読。
    主人公がエリートであるのに、いろいろな理由で転職を繰り返しているのが、我が身と重なり(私はエリートではないが転職を経験しているので)興味深かった。最近親を亡くした経験もあり、親の介護などで戸惑う場面も同感しながら読んだ。
  • 蒼猫のいる家(新潮文庫)
    『トマトマジック』、『蒼猫〜』と読み進み『ヒーラー』で、え?SF?ってなった。読後感がそれぞれ違う短編集でお得感があります。
    どの話も皮肉が効いてるけど、動物がでてくる二編はラストに(どっちも主人公の状況はどん詰まりなのに)爽やかささえ感じさせる救いがある…気がする。
    表紙が猫。
  • 聖域
    異動先の編集部で偶然見つけた未発表の未完原稿に魅了された実藤が、僧侶が主人公のそれの続きが読みたい、結末を知りたい一心で、失踪した謎めく作者を追い求め、ついに見つけた新興宗教のイタコな彼女に、故人が夢に現れる中、続きの執筆を迫る。現実の動きと導入部の作中作に隔たりがなく滑らか。自然体なみっしりさ。
  • インドクリスタル 上
    ウーン。何と言っていいか。インドのカースト制度を見せられ日本人の冒険活劇を見せられたような。でも、この年の人が仕事とはいえこんなにのめりこむのかな。日本の家族はたまったものじゃない。
  • 聖域
    篠田エンターテイメントはやはり読み応えがある。面白い。しかしこれは、そもそも主人公である実藤に魅力が乏しく、また、彼が小説「聖域」にそこまで強く惹かれる理由に説得力が足りなかったように思う。そして、周囲の人々がことごとく水名川泉を忌避するのも大げさな謎かけっぽくて納得感が薄かった。
    何かに憑りつかれ...続きを読む
  • 銀婚式(新潮文庫)
    都立の進学校から国立大学を卒業し、大手証券会社に入社、社内留学を経てMBAを取得後ニューヨーク支店勤務と順風満帆な人生を送っていた高澤が、慣れないアメリカ生活での妻の発病、離婚、会社の経営破綻、再就職、鬱病発症、リストラ、再再就職と都落ちしていく人生の悲哀を描いた長編。

    前半は高澤の前向きな生き方...続きを読む
  • 絹の変容
    書店で、帯に惹かれて衝動買い。この作者は初。
    イモムシ、もっとはっきり言うと蚕が主人公(?)の
    「生物もの」パニック小説。

    偶然目にした虹色に輝く絹布を再現するべく、
    虹色の絹糸を生む蚕を探す(人間の)主人公。
    苦労して見つけた野蚕を繁殖させるべく、
    専用の飼育場まで作って入れ込んでいくが...
    ...続きを読む
  • 絹の変容
    一気に読めて気持ち悪さもちょうど良かった。
    蛾に遺伝子操作を加える所が個人的に一番気持ち悪かった。
  • 長女たち(新潮文庫)
    ひとりっ子でしょとか、末っ子でしょとか、(きょうだいの)上でしょとか、目の前の相手に口に出しては言わないまでも内心思い思われているのはよくあること。そう思うのって、だいたいが否定的な場合なのかもしれません。甘えた、わがまま、しっかり者だけど偉そう、仕切り屋、そんなところでしょうか(笑)。しかしそれっ...続きを読む
  • 長女たち(新潮文庫)
    3話収録、1話目は面白かったけれど、他の話に進むにつれて尻切れトンボ感。
    場面の描写がもっと上手くなればとても面白いと思う。
    実際長女である人や、お姉ちゃん気質の人は読んでて「分かる〜〜つらい〜〜」って胸が痛くなる内容。でも読み進めてしまう。ふしぎ。
  • 死都 ホーラ
    ギリシャのパナリア島を舞台にしたミステリー。全体的に、同じ作者の「廃院のミカエル」にかなり近い。

    主人公の亜紀はヴァイオリニストで、建築家の聡史と10数年W不倫の関係を続けている。ある日2人で内緒の旅行に訪れたロンドンで、聡史は海の底から発見されたというヴァイオリンを亜紀に贈る。その後アテネに渡っ...続きを読む
  • 秋の花火
    「観覧車」「ソリスト」「灯油の尽きるとき」「戦争の鴨たち」「秋の花火」の5編からなる短編集。
    どの物語も短編ながら奥の深い、密度の濃いものになっている。設定も、主人公たちの抱える問題もそれぞれ別物でありながら、行き詰まり、鬱屈しているという点で共通している。
    「観覧車」は最後に感じる小さな希望にホッ...続きを読む
  • 銀婚式(新潮文庫)
    会社が倒産し日本に帰国、転職先では鬱になり離職することになる。その後、大学に仕事先を求めて、人生をやり直す高澤だった。とことん落ちていかないところが、逆にリアリティがあるのかもしれない。妻とは離婚はするが息子を通して、家族の絆が絶えることはない。高澤が再婚せずに、前妻と縁が切れない辺りが、ありそうで...続きを読む
  • 絹の変容
    最初の方はすごく引き込まれる感じでハラハラするのがすごく良かった。終わり方があまり好みではなかったかな。
    気持ち悪いのが苦手は人は注意な小説です。
  • 女たちのジハード
    自分も登場人物と同時代にOLだったけれど、こんなに野心を持って極端な女たちばかりだったかな?20人居たら、こういう女いるよな、と納得するけど。
  • ハルモニア
    脳に障害を負った女性にチェロを教えることになったチェロ奏者の主人公。彼女の天才的なチェロを目の当たりにして自分の才能のなさを痛感させられる。それと同時に彼女自身の音が出せるようあの手この手で導いていく、彼女が望んでいるかわからないが。
    主人公も含め彼女を取り巻く人たちが自分のエゴを彼女を通して実現さ...続きを読む