篠田節子のレビュー一覧

  • ドゥルガーの島

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    篠原さん、お得意の島の古代遺跡でハフハフしながら読んだが、主人公があまりにも…だったり、突然イスラム過激派が出てきたりと、後半迷走して終わってしまった。らしくない。残念。「差別や迫害から逃れるために自らの出自を否定せざるを得ない人たち」悲しすぎる。

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    2023年11月05日
  • ドゥルガーの島

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    きっと幻想的な伝奇小説なのだろうと思って読み始めたけれど、いつまでたってもそういう展開にはならず、あれ?あれ?と思いながらとうとう最後まで行ってしまった、という印象。終わってみればインドネシアを舞台にしたリアルで文化論的な冒険フィクションであり、それぞれの場所で日々を生きる庶民達への人生賛歌でもある力作ではあったのだけれど、エンタメ的に面白いかと問われると、決して面白くはなかった。勝手に「インドクリスタル」を思い描いていたこっちが悪いのだ。けれど、かの地の生活様式だったり文化的な風習だったりをここまで尊重して描ける篠田さんはやはりすごいのです。
    主人公の性格が下世話すぎるのが玉に瑕だったな。

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    2023年11月02日
  • 田舎のポルシェ

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    さらさら読めて、車を軸にした旅の物語は3話ともそれぞれ個性があっておもしろかった。

    「ロケバスアリア」が1番好きだった。春江さんのキャラも好きだし、春江さんのチャレンジも読みながらなんだか胸が熱くなった。コロナ禍の話でもあり、つい最近のことなのに「あぁそうだったよなぁ…」と少しばかりの懐かしさを感じたり、時代のうねりの中を、今まさに生きているのだと改めて感じさせられた(話の本筋とはちょっと外れた感想かもしれないけれど)。

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    2023年10月22日
  • ドゥルガーの島

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    内容は極めて真面目なんだけど、主人公が楽観的なのでなんだかコミカルな印象に。
    実際にはない島のフィクションだけど、臨場感があったので、なんかリアルだった。

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    2023年10月12日
  • ドゥルガーの島

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    篠田節子待望の長編新作は、お得意の東南アジア社会派冒険ロマン!
    ワクワクして読み始めたがダラダラの展開にテンションが下がる。今までと毛色の違う能天気キャラが主人公のせいだろうか。

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    2023年09月21日
  • 冬の光

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    ネタバレ

    ほんとに著者女の人?っていうくらい男の視点が細かく書かれ、語り口も硬質。事実を並べればしょうもない男なんだけど、本人の語りで読むと、そんなこともあるか…と思わせてしまう描写力。一人の人間の中に存在する多面性、弱さ、人間くささがよく描かれている。
    でも莉緒との関係は余計だ。気持ち悪い。
    ところどころ光った表現がある。
    「動物は着替えたりしない、という前衛アーティストの言葉そのままに、昔とまったく変わらぬ身なりで」
    「人生の終焉の迎え方としてはね、今の日本がおかしいんですよ。リーダーシップを譲るべき時に次世代に譲らず、それどころか介護という形で何十年も負担をかけて、未来を紡ぐ芽をつぶしていく。そう

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    2023年08月07日
  • 家鳴り

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     1999(平成11)年に単行本化。
     初めて読む作家。裏表紙に「ホラー短篇集」とあったので買ってみて、また気晴らしのつもりで読み始めたのだが、これは「ホラー短篇集」とは言えない。巻頭の「幻の穀物危機」と「家鳴り」あたりはややホラーっぽいと言えなくもないが、ほかのはちょっと「世にも奇妙な物語」のようなテイストではあっても、ホラーのカテゴリにはまるものではなかった。「恐怖」が主眼ではないからだ。
     が、どうもこれらの作品は後味が悪いようで、どこか「イヤな気持ち」にさせられた。イヤミスなる言葉は最近あるようだが、ミステリではないから該当しない。イヤ小説集であることは確かだ。
     こうした後味の悪さ、

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    2023年08月06日
  • 冬の光

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    ★3.5
    救いようがないと思わせる運びでしたが、最後はタイトル通りの光が。
    分かり合うために言葉にすればよかったのに…と知ったようなことも思ってしまいます。

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    2023年08月06日
  • アクアリウム

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    物語の焦点や世界観が度々変わり、思いもよらない結末になったため不思議な気持ちになった。幻想小説のような雰囲気を出しながらもリアルな泥臭い社会の現実を描き出している点に独自性を感じた。私が幻想小説が好きなこともあるのかもしれないが、物語めいた結末を予想していたため面食らった。主人公のその後を思うとやりきれない思いはあるものの、結末に向かうにつれスピード感も増し話に引き込まれていったことは確かである。作者の他作品も読んでみたいと思った。古本屋でたまたま手に取った本だが、よい出会いだった。

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    2023年08月02日
  • 本からはじまる物語

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    18人の作家による本にまつわるアンソロジー。
    市川拓司さん「さよならのかわりに」が面白かった。梨木香歩さん「本棚にならぶ」は勝手なイメージでほんわかした話かと思ったらなかなかに怖かった。どの作家さんの話からも本好きな気持ちが溢れ出ているように感じた。

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    2023年05月08日
  • 銀婚式(新潮文庫)

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    「男の本分は仕事」 それは幸せな人生ですか? 歳月を経て、夫婦がたどり着いた場所。働くとは、結婚とは、幸福とは-。激動する時代の「家族」の物語。

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    2023年04月20日
  • 冬の光

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    四国でのお遍路を終えたあと、フェリーから転落死した父親。
    父の死の真相はなんだったのか

    娘が四国に渡り、父の足跡をたどる

    娘の視点。父親の視点。
    家族とはいえ、決して分かり合うことはない。
    哀しい結末でした。

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    2023年04月07日
  • 竜と流木

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    太平洋の小島に住む愛くるしい両生類、ウアブ。その生態に人間の手が入る時、悪夢が始まる。小動物を主役にしたバイオミステリー。篠田さん、よくこんなこと考えついたなー。

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    2023年03月04日
  • 本からはじまる物語

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    本に纏わるアンソロジー。
    お馴染みの作家さんは、なるほど作家さんらしいお話だし、はじめての作家さんの話はなかなか新鮮だ。

    梨木香歩さんの「本棚にならぶ」がとても衝撃的で印象が強かった。なんだか、私もこんな風になっていく気がしないでもないと。怖いよりもなぜか納得してしまうのだ。

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    2022年12月25日
  • 長女たち(新潮文庫)

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    「長女」として
    母親への思い、葛藤、振る舞い、立場

    同じ長女として 痛いほど感じるものもあったし、怖くもなった。

    「ファーストレディ」なんて、ホラーかな?って思うほどに 母親の言動に狂気を感じた

    『あんたのなら自分の体と同じだもの』
    ……こっわーーーー!

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    2022年12月23日
  • 絹の変容

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    ネタバレ

    虹色に光る絹織物を作るため、野蚕の改造・増産が行われた。しかし、その野蚕は死に至る強いアレルギーを引き起こした。さらに凶暴性を持ち、人間を攻撃する。凶暴化した芋虫によるパニックアクション。遺伝子操作とか、放射線被曝とか無しで、こんな凶暴化が起こりうるのか?と言う疑問あり。

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    2022年12月20日
  • 秋の花火

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    5つの短編。趣きはどれも違ったもので著者の幅広い作風が味わえる。短編ながらも落ちがちゃんとあるから一つの作品を読みおえた感があり短編というのを忘れてしまう。

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    2022年10月24日
  • 長女たち(新潮文庫)

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    三つの長女たちの話
    親たちの認知、孤独死、糖尿病に悩む長女たち
    「ミッション」は世界が違いすぎて理解出来なかったが、他の二つは共感するところが多かった
    「周囲からも当てにされ、一人重い現実と格闘する我慢強い長女」わかるわー

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    2022年10月20日
  • 秋の花火

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    5話の短編集。

    のっけから、おいおいと突っ込みたい展開でした。
    学生服を着ていたから、というほどの要望を知りたい。
    暴走族も、ちょっと考えろ、とも言いたいです。

    一番印象があるのは、4話目の話。
    この落ちには驚きでしたが、写真まで取られているのに
    同じ手がこの先使えるのか? と聞きたい。
    なかなかの商売上手でした。

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    2022年10月14日
  • コミュニティ

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    ネタバレ

    初めての作家さん?かな。
    文章が個人的にはすんなり入ってこないところもあったけど、全体的にはおもしろかった。表題作が結構好き。

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    2022年09月24日