篠田節子のレビュー一覧

  • 家鳴り

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    妻が際限なく太っていく―。失業中の健志を尻目に、趣味で始めた手芸が世間の注目を集め、人気アーティストとなった治美。夫婦の関係が微妙に変化するなか、ストレスとプレッシャーで弱った妻のために健志が作り始めた料理は、次第に手が込み、その量を増やして…(「家鳴り」)。些細な出来事をきっかけに、突如として膨れ上がる暴力と恐怖を描いたホラー短篇集。表題作を含む7篇を収録。

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    2013年03月17日
  • 百年の恋

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    女性の多くが社会に出るようになって、こういう家庭も増えているのだと思う。
    夫より高所得で高学歴且つ美人で有能だが、家事ができない妻。
    それに対して、低所得ではあるが仕事をしながら、家事も負担する羽目になった夫が妻に不満を抱くのもわかる。
    でも、これを男女逆に置き換えてみたらどうだろう。
    従来通り仕事だけして家庭に参加しない夫と、家事をすべて負担しながら社会に出て仕事をする妻。
    仕事は正社員からパートなど様々ではあるけれど、上記のような家庭は今では珍しくない。
    妻は家事の面でも、経済の面でも、人一倍働いている。
    しかも、日本の社会はまだまだ男女雇用機会均等には程遠い。
    寿退社も、出産後の退職者

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    2013年03月14日
  • 神の座 ゴサインタン

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     『聖域』『弥勒』と続く神、宗教、ヒマラヤの国と山、死者と聖者、土着信仰と組織化された宗教、失踪と流浪など共通テーマの三部作完読。前作2冊よりも田舎の嫁不足という、よりリアルなテーマを基点にしている。『ゴサインタン』は三部作の完結編という趣向ではない。この物語は永遠につづくのだろう。現代人が忘れたもの、都会では知ることができないものそういう得体の知れないものと人は大昔から共存していたのだ。現代人の悲劇はそれに気付くことを忘れてしまったことから起こるのだろう。

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    2012年12月25日
  • 絹の変容

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    小学生の頃、家のまわりには桑畑がたくさんあって、社会科見学ではお蚕を飼っている農家にお邪魔したこともあります。そんな私がこの本を読むのも何かの縁でしょうか。

    とにかくまあ、怖いこと怖いこと。
    お行儀が悪いのは承知のうえで、片手で文庫本をめくりながら昼食をとる習慣の私ですが、この本読みながらは食事できませんでした。
    あな、恐ろしや。いや、ほんとに。

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    2012年12月15日
  • 仮想儀礼(上)(新潮文庫)

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    職のない男が2人で宗教を興すお話。
    金儲けの為に始めたのですが、トントン拍子に信者が集まり、それに伴い教団の収入も増えていく。

    上巻ではあまりにトントン拍子な気もしますが・・・
    でも適当に始めた割に(ほんとに始め方がすごい適当!)、あれよあれよと大規模になっていく様子は中々面白いものがあります。

    でもこういうお話はきっと最後は転落するんだろうなって思いながら読んでいます(笑)

    教祖となった正彦ですが、これが案外真面目で堅物。
    新興宗教なので胡散臭いのですが(そもそも何の宗教的思想もない人が興した教団)、自分でそこは自覚していて、信者ともなるべく真摯に向き合おうとする様は好感が持てました。

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    2012年12月05日
  • 神鳥(イビス)

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    トントン拍子で話は進んでいく。主人公というものはなんて運がいい生き物なのだろうか。
    ホラー小説とは思わず現代的な謎解き小説だと思って読み始めたのでいきなりマジカル的で心霊的な要素が出てきてびっくりした。
    最後には全部ぴったりはまってウーンなるほどなあと納得

    クライマックスの描写もリアルで生々しく少々恐怖を感じ、それなりによかった
    一気に読んでしまった
    全体的に幻想的で陰気
    どれくらい陰気かというと私の性格ぐらい陰気だ


    全然関係ないけどつり橋効果でリアルにくっつくカップルはどれくらいいるんだろう。
    ☆は3にしておいたけれども実際3.5ぐらい
    佐渡島に行ってみたい。

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    2012年11月26日
  • カノン

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    『本の雑誌』で紹介されているのを見て読んでみた。
    こんなにレビューを書くのが難しい本も珍しい。いや、ほんとに面白く読んだし、読んで良かったとは思うんだけんどもね。
    間違いなく言えるのは”音楽”が主役だってことでしょうか。

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    2012年11月25日
  • 絹の変容

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    タイトルでややバレている気もするが、主役の異形は蚕(但し人為的に大型、肉食化済)。しかし蚕に限らず芋虫の類って1匹だけでも気色悪いのに、それが大群となると……悪夢。虫キライの人には耐え難いだろうなぁw

    物語自体はどうもバタバタした展開。

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    2012年10月31日
  • 美神解体

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    整形手術を受けた女性が、
    商業デザイナーと出会う。
    均整のとれたものを美と考える。
    生きているものに対する美しさを
    感じないことに、不思議さを漂わせる。

    篠田節子にしては、
    少しもの足らない作品であった。

    「コンピュータは、
    思考の省略をすることはできない。」
    という意見が面白い。

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    2012年10月25日
  • 贋作師

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    贋作師という「裏方」。
    決して世に出ない「役割」の人間。
    なぜ贋作師としての道を選んだのか?
    「創造性」「芸術性」のなさを自覚する。

    師匠のものを真似て、
    書いたという「方法論。」の踏襲。
    「スライドを絵にしていく手法。」
    本当に魂のある絵になるんだろうか?

    こういうのを贋作というのだろうか?
    しかし、贋作師というのは、著名なヒトの絵を
    描くヒトで、さしずめ「ゴーストライター」
    ということになるんでしょうね。

    「風景画」ということ。
    と、人間の中に深く入っていく画家。
    「宗教画」に到達していく心境が大切。

    「可能性が、どこにでもありそうなんだけど
    全部ふさがれている、何をやったらいいの

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    2018年03月10日
  • カノン

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    ハルモニアに続く、音楽もの。
    今回のテーマは、
    ベースが少しありきたりなようなきがする。

    教師という選択をした音楽をめざした瑞穂が、
    青春の時の合宿にさかのぼりながら、
    フラッシュバックさせていく。
     
    カノン いわゆる輪唱
    フーガの技法 反進行と拡大によるカノン

    香西康臣 小田嶋正寛 小牧瑞穂 
    ナスターシャ 岡宏子

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    2012年10月25日
  • 仮想儀礼(下)(新潮文庫)

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    失業男がビジネスのために始めたエセ宗教。一時は多くの企業などとも関係を持ち、大成功するが、下巻では、エセ宗教に飲み込まれた信者と共に、転落の一途を辿る教団の姿が描かれる。
    しかし、何かを信仰するパワーって凄いな。改めて、宗教が怖くなる作品。

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    2012年10月08日
  • 神鳥(イビス)

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    本の雑誌を読んでいて衝動的に買って読んでみました。絶滅したトキにまつわるホラー小説。少々主人公の男女のキャラが土曜ワイド的なのはご愛嬌ですが、中盤から終盤にかけてはじわじわとホラー度が増してきて心拍数が上昇しました。
    小松左京氏の短編にもトキの絶滅をモチーフとしたホラーがありました。ちなみにニッポニアニッポンという学名はこの短編で知りました。

    PS:キャラの一人美鈴慶一郎という名前が本の雑誌でよく見る鈴木輝一郎に見えてしまう。

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    2012年10月08日
  • 仮想儀礼(上)(新潮文庫)

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    失業した男2人が、ビジネスとしての新興宗教を立ち上げる。それは2人の予想に反してどんどん規模が大きくなっていく。

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    2012年10月06日
  • 仮想儀礼(下)(新潮文庫)

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    上巻では新興宗教を立ち上げて、順調に信者数を増やし、収入も増え、起業スポンサーもつくなど順調に経営をしていた。

    が、下巻に入り、所詮思いつきで教義をつくり、その辺にあるものを材料に仏像などを作ってきたため、だんだん化けの皮が剥がれ、今度は負のスパイラルに巻き込まれていく。

    嘘が当初うまくいき、それがいつの日か逆回転し始めるという意味で、著者の「ロズウェルなんか知らない」にパターンが似ている。

    小説を面白くするには主人公におきてほしくない事をどんどんおこすのが必要らしいが、よくここまでおきてほしくない事が思い浮かぶとおもう。

    本著で著者の現在長編で文庫になっているものは読み終わった。

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    2012年10月05日
  • 神鳥(イビス)

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    ネタバレ

    篠田さんの作品って、婚期を逃していると自分で思い込んでいる女性がよく登場しますね・・・。
    時代からか、私から見たら「全然OKじゃない?」と思える年齢なのだけれど、時代の流れでしょうか・・。
    そしてこの女性の家族もあからさまに結婚してくれることを願っていて、早とちりしてるところが面白かったり。
    ホラーなんですが、所々笑えてしまうのが、今まで読んだ篠田作品とは異なるかな・・。

    このバイオレンス作家の男、美鈴慶一郎の人間性が面白いです。
    バイオレンスとは程遠い、おっとりした感じの冴えない男に見えるんだけど、話が進むうちに駄目な部分まで許せる気分になります。
    きっと彼が自分に正直で、そん

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    2012年10月05日
  • 絹の変容

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    レーザーディスクのように輝く美しい絹織物・・

    長谷康貴はその不思議な繭を見つけ出して、養蚕を試みようとするのだが。
    特殊な条件下でしか生息しなかった蚕を、バイオテクノロジーの力で繁殖に成功させていく彼と技術者有田芳乃。
    それは無理に人間側に都合よく改良したためのしっぺ返しだったのかもしれない・・
    絹糸は蚕がはくたんぱく質の糸・・。
    組成がたんぱく質なら、植物からたんぱく質を合成させるより、動物性のたんぱく質から合成させた方が効率がいいじゃんって思ったんだろうけど・・。
    肉食蚕は怖いです、はい。
    そしてその異たんぱく質が激しいアナフィラキシーショックを招くことも・・。

    モゾモ

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    2012年10月05日
  • アクアリウム

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    最初は正人と友人とその彼女の三角関係(片思いだけど)のお話なのかと思ったら、話はだんだん全く違う方向へ・・・。

    知的生命体との遭遇・交流・そして恋?
    でもその実体は私からしたらグロテスクなんですが、水槽で魚を飼って、それをこよなく愛している正人にとっては全然OKなんだね・・。
    しかもその生命体は脳に直接コンタクトしてくる・・美しい女性の姿で。
    結局のところ、この生命体「イクティ」が一体何を考えてどうしたかったのか全く分からないんだけど、正人は「イクティ」を愛するあまり、イクティを守るためならなんでもすると言う常軌を逸した方向へ走り出していくんだなぁ・・。
    ある意味、こういった偏執的

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    2012年10月05日
  • レクイエム

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    今回は、不思議な世界へ誘う短編集です。

    1)「彼岸の風景」

    末期癌を患った夫と8年ぶりに訪れる夫の実家。
    豪農だった旧家のその家に結婚の許しを得に言って以来、二度と来ることはないと思っていた二人。
    夫の死を前に、せめてもう一度両親に会わせておきたいと夫を連れて来たものの、嫁とは認められず単なる客人として扱われていることの虚しさ。
    夫がその実家で亡くなった後、彼女に残されたものは思い出と戸籍だけだった・・分骨も許されず居場所もない彼女の目に仏壇に納められている夫の喉仏が映る。とっさにその喉仏を掴んで夫の実家を飛び出す彼女・・。
    8年前と同じことを繰り返して・・。
    亡くなった夫を

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    2012年10月05日
  • 仮想儀礼(下)(新潮文庫)

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    自分で作ったインチキ宗教に、教祖自身が飲み込まれていく過程は圧巻の一言。
    にしても、世の中寂しいが充満しとるんやな~。宗教が流行るわけや。

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    2012年10月01日