篠田節子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
しっかりとした知識に裏打ちされ、緻密な描写で読者を引き込む篠田節の一作である。
音楽から最後には登山まで、よく取材されているのは感心する。しかしながらカセットテープを中心に、呪いや謎の怪談じみた超常現象が作品のキーとなるのだが、ちょっとばかり消化不良気味。不倫だの学生運動だの、必要だったかどうかという点については少々疑問が残る。というか、全体的に「駄長」としか言いようのない印象で、長編1冊にするより、1冊に2作ほどの中編にするべきではなかったのか。ここまで長くするのなら、テープの逆回転や学生運動、登山など、必要性に関してもう少ししっかりした理由付けが欲しかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ女性の多くが社会に出るようになって、こういう家庭も増えているのだと思う。
夫より高所得で高学歴且つ美人で有能だが、家事ができない妻。
それに対して、低所得ではあるが仕事をしながら、家事も負担する羽目になった夫が妻に不満を抱くのもわかる。
でも、これを男女逆に置き換えてみたらどうだろう。
従来通り仕事だけして家庭に参加しない夫と、家事をすべて負担しながら社会に出て仕事をする妻。
仕事は正社員からパートなど様々ではあるけれど、上記のような家庭は今では珍しくない。
妻は家事の面でも、経済の面でも、人一倍働いている。
しかも、日本の社会はまだまだ男女雇用機会均等には程遠い。
寿退社も、出産後の退職者 -
Posted by ブクログ
職のない男が2人で宗教を興すお話。
金儲けの為に始めたのですが、トントン拍子に信者が集まり、それに伴い教団の収入も増えていく。
上巻ではあまりにトントン拍子な気もしますが・・・
でも適当に始めた割に(ほんとに始め方がすごい適当!)、あれよあれよと大規模になっていく様子は中々面白いものがあります。
でもこういうお話はきっと最後は転落するんだろうなって思いながら読んでいます(笑)
教祖となった正彦ですが、これが案外真面目で堅物。
新興宗教なので胡散臭いのですが(そもそも何の宗教的思想もない人が興した教団)、自分でそこは自覚していて、信者ともなるべく真摯に向き合おうとする様は好感が持てました。 -
Posted by ブクログ
トントン拍子で話は進んでいく。主人公というものはなんて運がいい生き物なのだろうか。
ホラー小説とは思わず現代的な謎解き小説だと思って読み始めたのでいきなりマジカル的で心霊的な要素が出てきてびっくりした。
最後には全部ぴったりはまってウーンなるほどなあと納得
クライマックスの描写もリアルで生々しく少々恐怖を感じ、それなりによかった
一気に読んでしまった
全体的に幻想的で陰気
どれくらい陰気かというと私の性格ぐらい陰気だ
全然関係ないけどつり橋効果でリアルにくっつくカップルはどれくらいいるんだろう。
☆は3にしておいたけれども実際3.5ぐらい
佐渡島に行ってみたい。