【感想・ネタバレ】ロズウェルなんか知らないのレビュー

あらすじ

温泉もない、名所があるわけでもない、嫁のきてもない。観光客の途絶えた過疎の町、駒木野。青年クラブのメンバーたちは町を再生することで、自らの生き方にも活路を見出そうとするが。地方の現実に直面する人々の愚かしくも愛しい奮闘を描いた胸に迫る長篇。「日本の四次元地帯」として駒木野は再生するのか? (講談社文庫)

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ロズウェルその後を知りませんか

連載時にはまってしまい翌月号が待ち遠しかった。もうあの頃とずいぶん日本はかわったような気分で読んだ。しかし地方は都会のように巨大な建築物ができることもない。ただ廃村寸前の村という存在そのものがもうアキラレてしまったような気がするし、・・・と一軒家というようなフレーズが日常会話にでるくらいだから、田舎の村や集落の価値がもう失くなってしまったのかなとテレビを見ながら思う。UFOやアルミ箔の宇宙人を仕掛けた主人公グループのひとりが午前4時に目覚めて帳場のパソコンでメールを読むと、批判や中傷のメッセージに混じって著名人から応援のメールがあったりという場面は、地方にいてちょっと目立った活動をした経験のある者なら、そうそう似たようなことがあったな…と妙にリアルな心理描写に作者の気持が写されているのではと思ってしまった。作品では、カルトや宗教、そしてアイドルの存在などのことなども取り上げられるがこれも今また話題になっていることで、ああこれから先どうなるんだろうかと読者を啓発するところを含んでいるのも篠田節子の小説らしい。

#笑える #シュール

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2022年09月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

や~っぱおもしろいなぁ~。
登場人物の面々が、(ほとんどがおっさんか老人たちかばかりなのですが)それぞれ持ち味を存分に発揮してくれてます。こんな小説好きなんだよなぁ~。
普段小説の読み返しなんかめったにしない自分が、忘れた頃合を見計らってまた何度でも再読したくなってしまうほどです。

そしてまたこの、読後感が何とも言えず良い。人生、勝負を仕掛けるのに遅すぎるなんて事はないもんだ!て事を、読み返す度に改めて認識させてくれます。すごく勇気になる。
そしてそしてこんなメッセージも・・・
“未来も金もプライドも何もない。失う物がないんだから、何でもできるんだ。やってみようよ。”

とにかく。自分の人生これでいいのか?なんて、漠然とした気持ちを抱えたまま毎日を過ごしてる人にはぜひ一読して頂きたい!とてもコミカルに話が進むので、文庫本の厚みにビビる必要はなし!
おすすめです!

【DATA】
温泉無し、歴史無し、観光スポット無し、都会からは交通の利便性も無し。無いものだらけの山あいの町、駒木野。地元青年団の面々は、かつての観光産業の賑わいを少しでも取り戻そうと七転八倒の毎日を送っていた。そんな中、駒木野の名前はひょんな事から“四次元地帯”としてオカルト方面に火が着き始め・・・。
過疎化の問題も深刻な、この日本のど田舎町。UFO墜落の地として世界に名を馳せたロズウェルに続く事は、果たしてできるのか!?

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2017年02月18日

Posted by ブクログ

【要旨】
温泉もない、名所があるわけでもない、嫁のきてもない。
観光客の途絶えた過疎の町、駒木野。
青年クラブのメンバーたちは「ミステリー」と「オカルト」と「ホラー」で町を再生を計る!

この「ミステリー」だとか「オカルト」だとか「ホラー」だとかが手が込んでいて、realityがあって面白い面白い。
初めはしぶしぶだった村のお年寄り達も、観光客が徐々に増えていくうちにノッてきて頼んだ事以上の演出だのし始めちゃうところも、マスコミがエスカレートしていくところも面白い。
計画が上向きなら乗るくせに、少し叩かれるとすぐ非難する側に回る。
周りの人が二転三転簡単に趣旨換えしていっちゃうところも篠田さんらしい。
ラストのラストはほとはら的にはいらんかったなぁ~・・・と思うんだけど・・・
でも、それを除けば大満足の1冊!!

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2011年05月16日

Posted by ブクログ

これは面白かった。

第一に、女性作家がこの着想で書いたということに、感嘆した。
タイトルにロズウェルって。
こんなの、いつまでも幼稚性を残したアホな男の専売特許の世界のはずなのに。

設定、キャラクターなどに命を吹き込んでまずは読者の心をつかみ、そして途中までは主要登場人物たちの思惑通り事が運んで順風満帆。
しかしある時点で重大な問題が巻き起こって読者はハラハラドキドキ、しかし最後にはなんだかホッとするような大団円…、という、古き佳き邦画や連続ドラマのごとく、正しき起承転結を踏まえたストーリーだが、「そう上手くいくかい」と突っ込みたくなるような、お約束の展開だと分かっていてもまったく飽きさせないプロの筆運び。
重松清氏の「定年ゴジラ」を若干彷彿とさせるような、地に足着いた連作が巧みな文章と相まって非常に読みやすい。

それでいて読み物として面白いだけではなく、月並みだが現在我々が住み暮らす社会について一考する機会を呈してくれる。
特に、観光というものに対する著者の観点は非常に興味深い。

惜しむらくはちょっと平凡極まってしまった感のあるラストシーンだが、それをカヴァーしてあまりある素晴らしい完成度。

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2009年12月23日

Posted by ブクログ

おもしかった、この様なニッチな村おこしがバズる可能性はたぶん増えるんだと思う。コロナ渦で都会で密集して暮らすことについて考えた若者もおおいはず。個人的に 四次元地帯には興味がないけど、ミルキーウェイに泊まって満天の星見てみたい

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2020年07月06日

Posted by ブクログ

町起こしの話。途中から一気に読める。
青年団とともに一喜一憂しながら、考えさせられるとこも多々あり、読み応えある質の高い小説。
途中、少し中だるみになるぶん☆減らす。

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2015年03月19日

Posted by ブクログ

面白かった〜
初めのほうは田舎の頭の固い親父やら寂れた田舎の陰鬱とした描写やらで中々読み進めなかったけど、途中からはスピーディーな展開で一気に読んでしまった
こういう物事が上手く展開していく小説って好きだ

最後はどんな結末になるのかと心配しながら読んだが、納得出来るオチが付きつつ、読後感の良い終わり方になっていた

これで村おこしが成功してもカンブリア宮殿は取材に来てはくれないだろうな 笑

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2014年11月29日

Posted by ブクログ

寂れた田舎の村が、UFOをでっち上げて村おこしをやろうとする話。
2ちゃんねるでいう膿家的な思考パターンが、篠田節子お得意のコメディ&ちょっと怖いタッチで書かれている。
同じ著者の「仮想儀礼」と合わせて読むと面白いかも。

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2014年11月16日

Posted by ブクログ

軽妙な中に結構リアルなんだろうっつー地方のシリアスな状況を織り交ぜてて面白く読めた。鏑木がまんまForgetting Sarah MarshallのRussell Brand。

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2013年08月27日

Posted by ブクログ

観光名所がない、温泉もない、ないないずくしの田舎町で起死回生の企みを青年クラブが独自で仕掛ける。UFOや怪奇現象が多発する地域として売り出すというのだから驚いた。
ロズウェルなんか知らないというタイトルが秀逸。

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2013年03月13日

Posted by ブクログ

四次元ゾーンを騙った起死回生の村起しプロジェクトYZ!話の展開は同著者の『仮想儀礼』に似ている。最初は軽い気持ちで始めた嘘が雪だるま式に膨らんだ挙句、敢え無く虚構バブルは崩壊。執拗なまでの社会的制裁、再生!但、金儲けの為に新興宗教をでっちあげた前作に比べ、本作は非常に明るいタッチである。作中に頻出する疑似科学用語や超常現象を知らなくても充分に楽しめるが、元ネタを知っていればさらにニヤリとできる。私は実世界では疑似科学否定論者であるが、小説の素材としては楽しむ主義。そして『ロズウェルならよ~く知っている!』

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2012年08月28日

Posted by ブクログ

UFOや超常現象を町おこしに使おうとする青年クラブの面々(実際のメンバーは中年)のドタバタを描いた小説。        著者は市役所勤務の経験もあるそうで、実際ここまではいかなくてもユニークな町おこしをしてるところも日本のどこかにあるんだろう。

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2012年04月19日

Posted by ブクログ

篠田氏らしい、途中からグイグイと引き込まれて最後まで一気に読める話で面白かったです。最後も何だかすっきり。
主人公の最後の「開き直り」がいい。
それと旅館「きぬたや」の女将さんがいいキャラをしてました。

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2009年11月11日

Posted by ブクログ


スキー場があった頃には人が来ていたのだが・・・。
東京から近いわけではなく遠い所でもない駒木野町。
高速道路は、隣の町に入り口があり鉄道の駅もバスで30分以上の所にあって交通の便も悪い。
温泉が出るわけではなく、歴史があるわけどもなく名所が無い。
スキー場が撤退して観光客が途絶えた過疎の町、駒木野町。
青年クラブの面々は、町を再生しようとしている。
「獅子座流星群を見に行こう」ツアーを旅行会社に頼んで観光客を呼ぶことには成功した。
青年クラブは、このツアーを成功させようと頑張るのだったが、結果は散々だった。
用意した料理は、途中で無くなり食べられない人がでる。
夜になると星空が雲によって隠されて、民宿には、何かが出たと言われる始末。
しかし、このツアーの時に新しく来た住民の悪さが青年クラブにある考えを与える。
その悪さは、曇り空の夜にサーチライトを当てた事と、暗闇の中に長い髪を垂れて立っていた為幽霊と間違われた事だった。
青年クラブは、この出来事を利用して「日本の四次元地帯 駒木野」と題して観光客を集める事を考えた。
UFO・幽霊・ストーンサークル。
旅行会社にこの企画を持ち込むのだが・・・。
青年クラブは、観光客を呼べるのか?
過疎化の進む駒木野に未来はあるのか?

篠田節子が書いた村おこしの小説です。

これも面白かったです。
篠田さんの小説は、いつも丁寧ですよね。
青年クラブのメンバー達の活動が面白く書かれてます。
笑いあり涙あり?の村おこしの話をぜひ読んでくださいね

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

資本主義ってこうだよなって話

悪く捉えれば欲望を搾取しているだけ
けど娯楽を提供するとか、もっと言うと生きるためには利益を出さなきゃいけない
欲はあるもんだから同じことで同じように幸せにはなれないよなって

100人中100人に刺さるものなんてないし、批判するやつはそれでほんとに苦しんでることなんて実際ないと思う
そこのマイナスよりも実際に楽しんだ人がいるプラスの方がでかいんじゃないかと

終幕はそうやって色々賛否して喜怒哀楽すること自体が馬鹿らしいんじゃないかとさえ思わせるものだった

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2025年06月29日

Posted by ブクログ

奇をてらったことでも突き抜ければまた違った道も開ける。本作品は田舎町が舞台だが、これは変われない、変わろうとしない硬直化社員を多く抱える会社でも同じことが言える。予想外に最後に中国ネタがあり、苦笑いしてしまった。

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2014年06月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「勝ち組負け組みという言葉があるが、あの町では出て行った者が勝ち組なのだ」 寂れていく一方の町、駒木野。その町を再生しようと、青年クラブのメンバーが奮闘する。あがく彼らを通して、地方の現実を見せ付けられ、胸を痛めて読み続けた。彼らは、そして駒木野はどうなるのか?四次元観光で村おこし!?常識と非常識の間で揺れ動く青年クラブの面々。その中で、いっぷう変わった鏑木という都会から流れてきた青年が、なんだか頼もしくみえてくるのが面白い。
これはもちろん小説だが、実際に日本で産業や観光がない地方が生き残っていくためには、結局原発や産業廃棄物を受け入れるしかないのだろう。そういう現実があることを、思い出させられ心が重くなった。

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2012年03月14日

Posted by ブクログ

衰退の止まらない地方の街が、UFOや超常現象をウリに街おこしをしようとする話。
退屈はしないが、ある意味お約束通りの展開で、全くサプライズ的な要素がなかったのがやや残念。
もっとぶっ飛んだ話であれば、より楽しめたかも。

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2011年03月19日

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