篠田節子のレビュー一覧
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『銀婚式』というタイトルが
読み終えた後になって
じんわりと
心に沁みてくる一冊。
45歳以下には
退屈で理解できない
味わいかなーと。
ひとりの企業人の半生を
淡々と描いていて
離婚や転職などの
転機はあるものの
それほど
波乱万丈というわけでもなく
どんでん返しがあるわけでもなく
でも 同じ組織人として
身につまされたり
共感したり
気がついたら 一気読みでした。
もう 若くはなく
ちょっと くたびれていて
いい大人なのに
悩んだり 躓いたり
でも 確固たる信念を持った
少し不器用な
そして
そんな自分を俯瞰して
思わず笑ってしまえるような
健全なユーモアを -
Posted by ブクログ
ネタバレあまり両生類をかわいいと思ったことがなかったので、愛くるしい外見を持つウアブに魅せられ保護クラブまで立ち上げた主人公の気持ちに添えずじまい…。
でも、ウアブの凄まじく凶暴な黒い変態形の謎や新事実、題名になった島の昔話を絡め、南のリゾート地が陥ったパニックにぐいぐい引き摺り込む著者の手腕はさすが。
現地の住民と外部の人間である主人公のラストの対比が痛烈で秀逸。保護と駆除の両極端を右往左往する外部からの滞在者たちに比べて、ウアブの利便性と危険性のバランスを取りながら共生を選ぶ現地の定住者のたくましさに恐れ入る。
この作品のMVPは、自身の火傷も顧みず凶暴な黒いウアブに熱々の油をかけ続けたアメリカ -
Posted by ブクログ
中堅保険会社に勤める5人の女性たちの生き様を描いた小説。
500ページを超える分厚い本ではあるが、それぞれの女性を主人公とした短編仕立てになっているので、それほどボリュームは感じさせない。
1997年に直木賞を受賞。
その頃の日本は、会社に勤める女性は「女の子」と呼ばれ、オフィスの机で、男性だけがタバコが吸えた。「女の子」は交代で毎朝早く出勤し、男性陣みんなの机を拭き、前日の灰皿を片付けて洗い、部長にお茶を持っていった。食事に行っても遊びに行っても、男性がお金を払うのは当たり前だった。
そんな時代に、女性が自分の人生を自分のために生きるのことは難しい。
自分のことを棚にあげて心無いことを言 -
Posted by ブクログ
篠田節子『コンタクト・ゾーン 上』文春文庫。
2006年の文庫化作品。上下巻の長編。後半、サバイバル小説かと思うような展開があるが、それも一瞬のこと。2000年代の典型的な日本のOLが異国の地で紛争に巻き込まれ、文化の違いに気付き、帰国の道を模索するという物語。
日本から架空の国テオマバルにバカンスを楽しみに来た国辱レベルの30代後半のOL三人組。政情不安に揺れる国でわがままし放題の真央子、祝子、ありさの三人。ツアーガイドの工藤は三人のわがままに振り回される。やがて、内乱が激化し、ゲリラによる虐殺が始まった……
本体価格648円(古本110円)
★★★ -
Posted by ブクログ
認知症の母の介護をしつつ、作家活動にも勤しんでいた著者に、あるとき、乳がんが見つかる。
満身創痍、四面楚歌、絶体絶命。
だが作家は落ち込んだり、悲観したりはしない。きわめて冷静に、腹を据えて客観的に判断し、しかし時には羽目を外し、いくぶんかのユーモアを道連れに、事態を乗り切っていく。
介護部分よりはがん部分の方が主体である。が、闘病記と呼ぶほど辛気臭くはない。闘病エッセイとでも呼べばよいのか。
ところどころで笑わせつつ、治療に一区切りがつくまできっちりまとめ、巻末には形成外科医との対談も収録。
リーダビリティ高く、乳がん治療の一例も知ることができて参考にもなる。
著者は長年、認知症の実母の介