篠田節子のレビュー一覧

  • コンタクト・ゾーン(上)

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    篠田節子『コンタクト・ゾーン 上』文春文庫。

    2006年の文庫化作品。上下巻の長編。後半、サバイバル小説かと思うような展開があるが、それも一瞬のこと。2000年代の典型的な日本のOLが異国の地で紛争に巻き込まれ、文化の違いに気付き、帰国の道を模索するという物語。

    日本から架空の国テオマバルにバカンスを楽しみに来た国辱レベルの30代後半のOL三人組。政情不安に揺れる国でわがままし放題の真央子、祝子、ありさの三人。ツアーガイドの工藤は三人のわがままに振り回される。やがて、内乱が激化し、ゲリラによる虐殺が始まった……

    本体価格648円(古本110円)
    ★★★

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    2020年07月04日
  • 夏の災厄

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    ネタバレ

    ある地方都市で日本脳炎と思われる感染者が発生した。
    その原因となったものは何なのか?

    今年のコロナ渦で話題になったのと、前から読もうと思っていたが、電子版しか入手困難だったのが文庫版が再販されたので、購入。

    期待していた程、ショッキングな内容ではなかった。
    それにしても、一部地域での自殺者の増加については、ウイルスとの因果関係が全く書かれていないため、違和感が残るのが残念。

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    2020年06月19日
  • 夏の災厄

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    ★★★
    今月2冊目。
    これはまさにいまんとこコロナと戦っているが、この本は98年に書かれた物で現代と似ている。
    ネタバレだが、ウイルスを研究していた病院から悪徳産廃業者に注射器などが渡り、山の中に産廃から貝にウイルスが取り込まれ、貝を鳥が食べ、鳥の血液を蚊が吸う、その蚊が人間に刺し日本脳炎が発祥。ちょーこええっす、長いけどよくできてました

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    2020年06月08日
  • 銀婚式(新潮文庫)

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    少し世代の上の話だが会社、老いてゆく両親など身近に感じながら読んだ。人の気持ちは自身の熟成度と共に変わって行くものだな、と感じた。

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    2020年05月16日
  • 秋の花火

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    内容(「BOOK」データベースより)
    彼の抱えた悲しみが、今、私の皮膚に伝わり、体の奥深くに染み込んできた―。人生の秋を迎えた中年の男と女が、生と死を見すえつつ、深く静かに心を通わせる。閉塞した日常に訪れる転機を、繊細な筆致で描く短篇集。表題作のほか、「観覧車」「ソリスト」「灯油の尽きるとき」「戦争の鴨たち」を収録。

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    2020年05月15日
  • 女たちのジハード

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    内容(「BOOK」データベースより)
    中堅保険会社に勤める5人のOL。条件のよい結婚に策略を巡らす美人のリサ。家事能力ゼロで結婚に失敗する紀子。有能なOLでありながら会社を辞めざるをえなくなったみどり。自分の城を持つことに邁進するいきおくれの康子。そして得意の英語で自立をめざす紗織。男性優位社会の中で、踏まれても虐げられても逞しく人生を切り開いていこうとする女たち。それぞれの選択と闘いを描く痛快長編。直木賞受賞作品。

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    2020年04月24日
  • 仮想儀礼(下)(新潮文庫)

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    宗教の立ち上がりから信者の暴徒化まで。
    途中から少し飽きてしまい、個人的にはあまり得意ではない話だった。

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    2020年03月21日
  • 介護のうしろから「がん」が来た!

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    認知症の母の介護をしつつ、作家活動にも勤しんでいた著者に、あるとき、乳がんが見つかる。
    満身創痍、四面楚歌、絶体絶命。
    だが作家は落ち込んだり、悲観したりはしない。きわめて冷静に、腹を据えて客観的に判断し、しかし時には羽目を外し、いくぶんかのユーモアを道連れに、事態を乗り切っていく。
    介護部分よりはがん部分の方が主体である。が、闘病記と呼ぶほど辛気臭くはない。闘病エッセイとでも呼べばよいのか。
    ところどころで笑わせつつ、治療に一区切りがつくまできっちりまとめ、巻末には形成外科医との対談も収録。
    リーダビリティ高く、乳がん治療の一例も知ることができて参考にもなる。

    著者は長年、認知症の実母の介

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    2020年02月17日
  • 絹の変容

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    「アクアリウム」「夏の厄災」ほどの重厚感はなかったが篠田節子お得意の有り得る近未来のミステリー。デビュー作と考えると、話に引き込む筆力は流石だと感じた。

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    2019年11月05日
  • カノン

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    内容(「BOOK」データベースより)
    学生時代の恋人が自殺する瞬間迄弾いていたバッハのカノン。そのテープを手にした夜から、音楽教師・瑞穂の周りで奇怪な事件がくり返し起こり、日常生活が軋み始める。失われた二十年の歳月を超えて託された彼の死のメッセージとは?幻の旋律は瑞穂を何処へ導くのか。「音」が紡ぎ出す異色ホラー長篇。

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    2019年11月05日
  • 聖域

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    読み始めから
    グイグイ引き込まれました。
    先はとんな展開になるのか
    見つけられるのか・・・
    完成できるのか・・・

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    2019年09月30日
  • 夏の災厄

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    8月-13。3.0点。
    埼玉県のある市で、日本脳炎に似た症状が。
    爆発的に増え、診療所や役所では問題に。
    感染、死亡が増えるが、対策は分からず。

    危機感がじわじわ伝わるが、スピード感はあまり無いかな。
    ラスト近くの100頁は、展開早し。

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    2019年08月23日
  • 女たちのジハード

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    ネタバレ

    篠田節子作品 第117回 直木賞受賞作
    この作家さんは「肖像彫刻家」に続き2作目
    1997年に直木賞をとっているということで、読んでみた。
    篠田節子のWikipediaを読むと ホラー・SFと出てくるのだが、

    この作品はお年頃のOL 女性5人(メインは康子とリサと紗織)の生き様が興味深い
    それぞれのキャラが立っていて、
    様々なエピソードに対する行動や考えが話を推し進めていき、
    読んでいるものが 共感したり、
    (いやいや それ駄目でしょう)なんてツッコミを入れたくなったりする。

    私が面白かった章は「シャトレーヌ」
    気弱な康子が自分の城を獲得すべく、裁判所の競売で危ない輩と渡り合う。
    勉強にも

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    2019年08月21日
  • 百年の恋

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    8月-10。3.0点。
    翻訳者の男と、銀行エリートの女。インタビューで意気投合し、一気に結婚へ。妻は「片付けられない」女。また、意に沿わないと夜叉の顔になり、当たり散らす。
    妊娠するが、子育てはいかに。。

    一気読み。コメディタッチかと思いきや、意外と重厚なストーリー。ラストは良かった。

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    2019年08月20日
  • 沈黙の画布(新潮文庫)

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    7月-14。3.0点。
    新潟県出身の画家。無名で亡くなったが、ある雑誌の編集者の手で紹介され、一躍有名に。価格も高騰。
    しかし、作家の妻が一部の絵は、夫の絵ではないとクレームを。

    7月-14。3.0点。
    新潟県出身の画家。無名で亡くなったが、ある雑誌の編集者の手で紹介され、一躍有名に。価格も高騰。
    しかし、作家の妻が一部の絵は、夫の絵ではないとクレームを。

    無名の作家に対する、地元の支援や人間関係が克明に描かれる。読み応えある600頁。
    まあまあだったかな。

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    2019年07月20日
  • ハルモニア

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    7月-13。3.0点。
    障害者施設でチェロを教える主人公。
    ある自閉症の少女に教えると、驚くほどの才能が。
    ある黒人チェロ奏者のコピーを完璧に。

    少し現実離れしすぎ。筆力あるので読ませるが。

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    2019年07月17日
  • 転生

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    7月-1。3.0点。
    チベットの村で、パンチェンラマのミイラに、魂が復活。
    寺の小姓と一緒に、中国当局から逃げる。

    荒唐無稽な話に見えるが、さすが篠田節子。チベットの時事問題やらに、うまくストーリーを紡いでいく。
    一気読み。

    宗教系の話がうまいな。

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    2019年07月01日
  • 神の座 ゴサインタン

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    6月-18。3.0点。
    農業を営む地主の次男が主人公。家を継ぐが、嫁不足のためネパール人女性達と集団見合い。
    結婚するものの、不思議な減少が続き、妻は家出してしまう。

    前半は主人公のまごつきと、嫁の不可解な行動でなかなか読み進まず。後半は一気読み。
    ラストは良かったね。

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    2019年06月24日
  • 長女たち(新潮文庫)

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    長女という立場の3人の女性たちの3つの物語。
    「家守娘」では、出戻りの長女が骨粗鬆症を患っている母が認知症まで発症してしまい、その対応に四苦八苦する。
    「ファーストレディ」では、糖尿病を患っているのに甘いものを止めず、過去に医者である父の義父母との同居や病院のスタッフとの確執等の恨み辛みを嫁に行かず、母の代わりに父の片腕として奔走する娘が受け止める。
    この2つは母と娘の深い溝を感じる。
    母と娘でありながら、友達のようであり、母の所有物である長女たち。
    どちらも年老いていく母の介護という、重い現実が突き付けられる。
    「ミッション」だけは、長女であるが母との確執といったものはなく、父の孤独死という

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    2019年06月16日
  • 絹の変容

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    蚕に遺伝子操作をし、幼虫が人を襲うようになると言うパニック小説。

    これは…気持ち悪かった。
    幼虫が大量に発生したところを想像しただけでゾワっとくる。
    襲われるだなんて…本当にパニックを起こしそう。
    おそろしや。

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    2019年04月06日