篠田節子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1999(平成11)年に単行本化。
初めて読む作家。裏表紙に「ホラー短篇集」とあったので買ってみて、また気晴らしのつもりで読み始めたのだが、これは「ホラー短篇集」とは言えない。巻頭の「幻の穀物危機」と「家鳴り」あたりはややホラーっぽいと言えなくもないが、ほかのはちょっと「世にも奇妙な物語」のようなテイストではあっても、ホラーのカテゴリにはまるものではなかった。「恐怖」が主眼ではないからだ。
が、どうもこれらの作品は後味が悪いようで、どこか「イヤな気持ち」にさせられた。イヤミスなる言葉は最近あるようだが、ミステリではないから該当しない。イヤ小説集であることは確かだ。
こうした後味の悪さ、胸に何かが残るようなキレの悪さは、ホラー映画ではよくあるテイストなので、その点に限ればホラーっぽいとも言えるかもしれない。
何だか妙な味の短編を書く作家ではある。あまり良い気持ちのする読書ではなかったが、なんとなく気になるようでもあるので、また違う小説を読んでみたいと思う。 -
Posted by ブクログ
平成のサラリーマンの挫折とロマンを描く作品…かな(笑)
花形部署にいたサラリーマンが仕事一辺倒で家族を失い、バブル崩壊を経経し、新しい職場で苦労しながらも信頼を得て、若い女性とちょっと恋愛関係になったりして、結局は別れた奥さんとイイ感じで収まるという話。
あっさりとまとめると、こんな感じ。
身も蓋もない説明になってしまうのは、最後に別れた奥さんとイイ感じになって終わるところが好きではないから。
とはいえ篠田節子さん、保険会社の代理店制度や地方の学生が集まらない私立大学の問題点などが描かれており面白いのです。
キラキラしたイメージのある海外駐在も、現実は体調を崩して帰国してしまうご本人や家族も実際にあります。
鬱と間違えてしまう甲状腺の病気とかリアルなんですよね。
後半の介護保険制度については、お得意の分野。
「きっとこれまでに介護に関わったことのない、自分のような男たちが机上で練ったプランに違いない」と主人公に語らせ、介護保険制度をぶった切り痛快です。